稲作体験: 2012年5月アーカイブ

2012年5月14日

大地を守る会の 「稲作体験」、23回目の田植え

 

大地を守る会の連続イベントとしては、

もう長寿の仲間入りをしたと言っていい数字だね。

千葉県山武市での 「稲作体験」 が23回目の米づくりを迎えた。

 これを超えて更新中のイベントは、

「大地を守る東京集会」(36回)、岩手県山形村のべこツアー(今年で30周年)

しかない。

 

世の中の記録というのは、力で更新されるものだけではない。

持続させることで達成される記録というものがある。

こればっかりは、天才でも乗り越えられない。

誰でも意志があれば達成できる 「凡人たちの非凡なる記録」 である。

世代を継ぎながら、大地を守る会があり続ける限り、

「農」 に触れる入門編として進化しつつ続くことを願いたい。

なんたって水田稲作は、同じ場所で同じ作物を作り続けることができる

不滅の長寿(持続可能) 技術、文明の礎なんだから。

連綿と持続させてきたのは、凡にして非凡なる 「農」 の民たちである。

 

しかもこのイベントは、一日で終わるお祭りではない。

植えてしまったら収穫まで責任を持たなければならない。

素人のポイント体験とはいえ、半年間の 「生産活動」 でもあるのだ。

 

今年もまた同じ作業が始まった。 少しずつ人が入れ替わりながら。  

5月12日(土)、田植え前日、

スタッフたちは朝から現地に入って準備を進めてくれた。

僕が到着したのはお昼頃だったが、すでに

畑で植えた苗 (陸苗代-おかなわしろ-という) が抜かれて、

田んぼに移動されている。

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しっかりした、大きめの成苗(せいびょう) に育てるのがコツ。

多少バラつきもあるが、ま、これはしょうがない。

 

年々増える雑草対策が今年の課題である。

地主の佐藤秀雄さんは、

「今年は3度うなった(耕耘した) から、草は少ないはず」 と言ってくれる。

 

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田んぼは、子供も育ててくれる。

 


お昼を食べて午後、

紙マルチを田んぼの幅に合わせてカットする作業に入る。 

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終われば、この幅に合わせて田んぼに紐を張っておく。

これで準備完了。

 

明けて5月13日(日)。

天気に恵まれ、絶好の田植え日和となった。

今年もたくさんの親子が参加してくれた。 

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佐藤秀雄さんの挨拶から、「稲作体験2012」 のスタート。 

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右は、2年連続実行委員長の大熊俊之。

 

田植え指導は綿貫直樹さん。

30cm四方の線を引き、交差点に植える 「尺角植え」 で進める。

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いつも通り、畦に並んで一斉にスタート。

今年も始まったよ、という感慨が涌いてくる。

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真面目に植えてくれる子。

虫やカエル取りに夢中になる子。

泥におびえる子、3回目にしてやっと入れた子。

子どもにとっては、どれも貴重な  " 田んぼ体験 "  だ。 

 

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母も頑張ります。 

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紙マルチ区は、紙を敷きながら指で穴を空け、

後退しながら植えてゆく。 

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ここは植え直しがきかないので、慎重にやっていただく。

 

正午過ぎ、無事、13アールの田んぼに稲が植えられた。

さて、今年は何俵取れるだろうか。

去年は6俵半(玄米 390㎏) という成績。

草にやられたし、2回目の草取りの段階で出穂が始まっていたということは、

おそらく肥料切れだったのだと思われる。

「やっぱ、8俵は取りたいよね」 と、綿貫さんと肥料の相談をしたりする。

13アール=1反3畝(せ) - プロなら10俵は取るところだろうか。

 

田植え終了後の交流会。

いつも大人気でやめられなくなった 「陶(すえ) さんの、田んぼの生き物講座」。

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こちらも年々少しずつ進化している。

 

今回の初登場は、ミニ太陽光パネル。

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太陽の光と熱は、この星のすべてのエネルギーの源。

地球に降り注がれる太陽エネルギーの1万分の1を捕獲できれば、

地球上からエネルギー危機はなくなる、とまで言われる。

節約だけでなく、少しずつでも自給力を高める工夫も必要だ。

 

帰り間際、家族で記念の一枚。

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次は6月3日。

草取りも来てね、大事な作業なんだから。

 

解散前に、今年の実行委員会スタッフ集合。 

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秋の収穫まで漕ぎ着け、米を参加者に頒布して、地主に謝礼を払って、

気持ちよく終わるまで足抜けはできないので、ヨロシク、です。

 



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