田んぼの生物多様性: 2009年6月アーカイブ
2009年6月 1日
「太陽の会」 の田植え -耕せるか、生物多様性
昨日は、5月1日の日記で紹介したNPO 「太陽の会」 の田植えの日。
千葉県佐原(現香取市) の篠塚守さんに受け入れをお願いした手前、
放っておけず、付き合うことにした。
5月に2度目の田植えだ -まあ、嫌いじゃない。
大学生から中学生まで、24人の若者たちが集まった。
どういうネットワークで集まってきたのかはよく分からないけど、
実に屈託のない最近の若者ども。
生意気な口をきくかと思えば、それでいて行儀はいい。
初顔合わせの人たちも多いようで、まずは輪になって自己紹介。
A大学、M大学、K大学、〇〇高校、××中学・・・・・
今年卒業して大学院を目指しているという女性もいた。
ここでもまた秋の稲刈りまでの体験シリーズが始まった。
今回のテーマは、「 耕そう、生物多様性 」 だと。
4月に入ってからの依頼にもかかわらず、快く田を提供していただいた
篠塚守さん。
1993(平成5)年、"平成の大冷害" とか言われて米パニックの起きた年、
篠塚さんは周りの方に米を配ってあげて感謝された。
それを機に、勤めを辞め専業になった。
専門でやるからには有機・無農薬でいこうと決めた、という。
有機JASの認証もいち早く取得した。
田植えの手ほどきをする篠塚さん。
一列に並んで、田植えの開始。
みんな田植えは初めてだという。
驚かされたのは、オタマジャクシを見るのも初めてという大学生がいたことだ。
オタマジャクシやカエルに感激し、ヒルに怯え、
田んぼのヌルヌルに歓声を上げ、キャーキャー言いながら、
それでも真面目に植える青少年たち。
作業はスムーズに終わり、楽しくお昼を食べる。
篠塚さんの奥さんが握ってくれた黒米のおにぎりの美味しかったこと。
ご馳走様でした。
さて第二部は、みんなで感想を出し合い、
篠塚先生のお話を聞く。
田植えもオタマジャクシも初めてという若者たちが、
生物多様性や減反や自給率についての質問をしてくるんだから、面白い。
たくさんの生き物のつながりが暮らしの基盤である環境を支え、食料生産を安定させます。
有機農業の思想と技術は、食の安全から環境、そして生物多様性を育むものとして
発展してきました。 それは害虫を " 有害な (殺してよい・無用な) 虫 " でなくさせる
「平和の思想」 でもあるのです。
- とついつい自分も得意の一席をぶってしまう。
でも事務局長の岩切勝平くんも喜んでくれたので、よかったことにしたい。
「ここの集落でも、専業農家は2軒になっちゃった」
地域の高齢化を心配する篠塚さん。
たった1時間弱の農作業に感激して、「ワタシ、農家の人と結婚したい!」
などと能天気に気勢を上げる女子学生たちを眺め、嬉しそうに笑ってくれた。
農家と結婚するかどうかは別として、
やっぱり若いうちのこういう体験は、ゼッタイ必要なことなのだ。
食と農業と環境のつながりを、ちょっとでもいいから体で感じてもらう。
改めて篠塚さんに感謝する。
話し合いのあと、今日感じたことを、絵日記に描く。
テレることなく、取り組む。
みんななかなか上手なんで、感心してしまう。
次は田んぼの生物多様性をもっと実感できる、
草取りと生き物調査だよ。
植えてしまった以上は、最後まで責任を持つこと。
さあ、君たちに耕せるか、生物多様性という世界を。