自然エネルギー: 2014年3月アーカイブ

2014年3月17日

おひさまスパーリングで、乾杯!

 

15日(土)夕方、

丸の内永楽ビル - iiyo!(イーヨ!)横丁にある農園カフェ&バル

「Daichi & keats」(ダイチ・アンド・キーツ) に向かう。

目的は、大和川酒造店が造った発泡日本酒

「おひさまスパークリング」 の完成を祝う乾杯パーティ。

 

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昨年春に実施した 「顔の見えるエネルギーコンペ」。

大和川さんはコンペ受賞後、

直ちに酒造蔵の屋根に太陽光パネル設置にとりかかり、

そのエネルギーを活用して発泡日本酒を完成させた。

一刻も早く意思を形にしたいという熱意が、この手際に表れている。

この冬の間にも、ひとつのモデルを示したかったんだろう。

ちなみに、「おひさま~」 の命名は大地を守る会の若手女子である。

 

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まずは佐藤和典工場長(兼 杜氏) のご挨拶。

酒造りの工程、その大元となる米づくりでのこだわりが映像とともに紹介される。

そして少しずつでもエネルギーの自給を進めたいという願いが

輪になって広がっていって、

こんな画期的なお酒が生まれたことに感謝したいと


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「とにかく、乾杯しましょう! 味わってみてください。」 

待ってましたとばかりにグラスに注ぐ時の、皆の嬉しそうな顔。。。

では、カンパイ! 

(こっちも嬉しくなって、写真撮るの忘れた。)


会員からの支援をもとに 「大地を守る自然エネルギー推進基金」 が設置され、

若手スタッフたちの発案によってコンペが開催され、

3 団体の企画に資金が提供された。 大和川酒造さんには 245 万円。

太陽エネルギーの力を借りて実現した発泡性純米吟醸酒。

これからの発展をまた、飲んで応援する。

こんな酒は、本当に他にない。

 

醗酵途上で粗搾りして瓶詰め。

瓶内醗酵によって発生する炭酸ガスがそのまま閉じ込められる。

よって開栓時は要注意。

溢れ出さないよう、ゆっくりと、

緩めては閉じ、緩めては閉じ、しながら開けること。

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口の中でプチプチ、シュワシュワと広がる炭酸。

適度の甘さにしっかりとしたキレがあって、雑味がない。

「美味しい!」 「これは進むね~」 の声が弾む。 

新しいバージョンの常備酒として、イイ酒が誕生した。


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料理長の中嶋知行さんが紹介される。 実は福島県の出身。

福島の復興に、自分も料理人として役に立ちたいと、ずっと考えてきた。

こういう楽しい形でつながれることができて嬉しいです。。。

中嶋さんもけっこう熱い人だった。

 

中嶋料理長の力作。 

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おひさまスパークリング・ムース仕立て。

北海道産タコのカルパッチョ。

半熟卵の醤油麹漬け。

新玉ねぎのロースト ・・・

美味しい料理、ウマい酒、楽しい仲間。

これが基本のシアワセ 3重奏ってやつ。

 

参加予定だった佐藤弥右衛門社長は、

北海道での自然エネルギーの集会に呼ばれたとかで欠席となった。

会津電力構想ももう後に引けなくなって、 

「東京電力から福島を取り戻す!」 宣言が、どんどん動き始めた。

では、全国を奔走する弥右衛門さんにもエールを。 乾杯!


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あっという間の 2 時間。

ここでも締めを指名され、昨夜に続いて、何を喋ったか正確に思い出せない。

とにかく思いっきりこの酒の意義を語ろうとして、

まとめられなくなってしまって、

工場長に三本締めの音頭を取ってもらったのだった。


勢いでもう一軒ハシゴして帰り道、

ここに満天の星空があれば、、、と思ったのを覚えている。




2014年3月11日

3月11日、「全国ご当地エネルギー協会」(仮称)の設立!

 

今日は 3月 11日。

あれから 3 年の月日が流れた。

お前はいったいどれほどの仕事ができたのか。

お前は今、どこにいるんだ。。。

僕は今、福島県郡山市のホテルの一室で一人悶々としている。

自問自答しているうちに眠れなくなって。

 

今日はいろんな催しの案内を頂いていた。

それも記念行事のようなイベントではなくて、

シンポジウムとか放射能対策に関する大学の研究発表会とか。

自分の足取りが見てとれるようだ。


加えて、直前になって入ってきたのが、

「全国ご当地エネルギー協会(仮称) 発起人総会」 の呼びかけである。

東京集会のレポート で書いたあの流れで、

一気に全国組織の立ち上げとなった。

短期間で会場が設定され、「3.11 は参議院議員会館に参集せよ!」 との連絡。

大地を守る会も発起人に藤田和芳代表が名を連ねた関係で、

ISEP(環境エネルギー政策研究所) 代表の飯田哲也さんから、

誰か一人出せ、との指令である。

しかし藤田も戎谷も予定が入っていて、若手も含めて代打を出そうとしたが叶わず、

その旨伝えたところ、「では、メッセージで参加するように」。

そんなワケで、昨日急いでメッセージを書いて、託したのだった。

ちゃんと読んでもらえただろうか。



協会設立が無事承認されたなら、

立ち上げ宣言文を大和川酒造店代表・佐藤弥右衛門さんが読み上げたはず。

手元にその宣言文案がある。


  3.11 以降、日本全国で多くの自然エネルギー事業が立ち上がっています。

  しかし、その大半が地域外資本による 「植民地型開発」 であるほか、

  数少ない地域主体の事業の多くは、資金調達や人材確保、

  事業モデルの選択などに多くの課題を抱えているのが現状です。

  私たち 「全国ご当地エネルギー協会」(仮称) は、

  これらの事業者や協議会、個人がつながり、情報共有や共通の課題の解決をとおして、

  地域主導型の自然エネルギー普及を加速させ、

  それを基盤とする持続可能な地域社会づくりを目指しています。


  私たちは、2014年 1月 31日から 2月 2日まで開催された

  「コミュニティパワー国際会議 2014 in 福島」 において、

  「福島コミュニティパワー宣言」 を採択し、

  そこで新しいネットワークを立ち上げることを約束いたしました。


  二度と東京電力福島第一原発事故のような破局的な事故や環境影響を起こさないため、

  将来世代にこれ以上の放射能汚染や気候変動への対処を負担させないため、

  今ここから歴史的な転換を実現するという思いをこめて、

  東日本大震災からちょうど 3 年目にあたる本日、

  「全国ご当地エネルギー協会」(仮称) を立ち上げることを

  発起人一同で宣言します。

 

遅まきながら、福島の片隅から賛同の拍手を送っておきたい。

宣言文にある コミュニティパワー国際会議 2014 in 福島」 では、

僕も一つのセッションにパネラーとして参加したのだが、

最後に採択された 「福島コミュニティパワー宣言」 は、

ぜひ多くの方に読んでもらいたいと思う。

文案を執筆したのは、民俗学者・赤坂憲雄さんである。


  巨大な原発事故が起きた。

  いま、怖るべきモラルハザードが始まっている。

  ・・・・・・・・・

  傷付き、足掻いている福島は、あくまで前向きにみずからの将来を創造してゆく、

  そのための始まりの土地になりたいと願う。

  ・・・・・・・・・

  再生可能エネルギーとは、風土とテクノロジーの結婚である。

  ・・・・・・・・・

  いま、ここから歴史を変える


会議最終日となった 2月 2日、「喜多方プラザ」 での様子。

外は雪でも、中は熱気にあふれていた。

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日は経ってしまったけど、

何とか記録としてアップしたいと思っている、のだが。。。


発起人総会をパスして福島に来ているにはワケがあって、

実は IFOAM(国際有機農業運動連盟) 理事長、アンドレ・ロイ氏の来日にあたり、

福島での放射能対策の先進地を視察したいとの希望が上がって、

須賀川・ジェイラップの案内役を引き受けてしまったのだった。

ロイ氏の行程の都合から、事もあろうに 3.11 しかないと。

今夜はとりあえず郡山に入り、

和食・懐石料理と温泉を堪能していただいた次第である。

ロイ様のジェイラップ訪問記は、明日。


3月11日。 

の日を、どれだけの日本人が、どんな思いで過ごしたのか、、、

南半球・オーストラリアからやって来た有機農業のリーダーに、

僕は何も伝えることができないでいる。




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