三番瀬・アオサ: 2010年7月アーカイブ

2010年7月31日

三番瀬 アオサ回収と水上バス

 

話は前後しちゃったけれど、

鹿児島から帰った大暑の日の翌日、7月24日(土)、

船橋・三番瀬海浜公園の浜辺でアオサの回収を行なったので、

写真だけでもアップしておこうと思う。

 

この日も暑い一日になった。 

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子どもたちには格好の水遊び日和。

生命の揺りかごともいえる干潟は、危険ももちろんないわけではないが、

楽しい海辺体験ができる比較的安全な場所である。

(一番怖いのは、エイ。 潮が引くのに取り残されたでかいエイを見たことがある。

 しかも砂と同じ色なので気がつかない。 裸足は禁物。 )

 

特に干潮がお昼時にやってくる中潮から大潮の日ともなれば、

  遊びにも生物観察にも、もってこいとなる。

しかもここは都心に近い。

人々の暮らしと海のつながり を感じさせてくれる貴重な砂浜として、

よくぞ残してくれたと思う。

 

このところの暑さのせいか、アオサはわずかしか見当たらず、

しょうがないねと、干潟の生き物観察会をメインに変更する。

講師は、毎度お馴染み、陶武利センセ。

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松林の陰に集まってもらって、まずは干潟の役割を簡単におさらいする。

 


いろいろと観察しながら、ついでにアオサを拾っていただく。

主客転倒ではあるけど、子どもたちにとってはちょうどいいか。 夏休みだし。

 

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僕が、アオサが溶けた跡じゃないか、なんていい加減なことを言ったあと、

陶センセがすかさず訂正する。

これは植物プランクトン、キートセラスという珪藻(ケイソウ) の種類で、

光合成、つまり太陽のエネルギーを使ってCO2を吸収して有機物をつくってくれている。

これがたくさんの魚介類の餌となります。

水域生態系の一次生産者、つまり土台。 とても大切な生物なんです。

 

潮が引いて、残された水溜りはお湯状態になっている。

暑くて避難しているヤドカリの大群。 

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なんか、可愛くないか。

 

砂浜に空いた小さな穴を掘れば、カニたちが飛び出してくる。 

足の下には壮大な生命循環の世界がある。

満ちればここは海の底となり、たくさんの魚たちの餌場となる。

 

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クラゲだぁ~。

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いえ、これはタマシキゴカイの卵です。

この卵のうの中に、約33万個の卵が入っているそうです。

 

生き物がたくさんいればいるほど、海はどんどんきれいになってゆくのです。

 

米のとぎ汁実験。

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1時間もしないうちに、違いを見せつける貝の浄化力。

というか、有機物の循環こそ、生命の営みそのものなのだ。

 

アオサも循環に貢献している。 

陸から運ばれてきた栄養塩類を取り込んで、富栄養化を防いでくれている。

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アオサの回収自体は絶不漁に終わる。

大漁を期待して、埼玉からやってきた本田孝夫さん(THAT'S国産卵の生産者)、

茨城からやってきた下河辺昭二さん(北浦シャモの生産者)、すみません。

暑い中、少しでも海辺の風で癒されたなら幸いですが。

 

東京湾アオサ・プロジェクトを共同で運営する

BPA(ベイプラン・アソシエイツ) のメンバーは、

大野一敏代表(船橋漁協組合長) はじめ、今回は顔を見せず。

何をやっていたかというと、

船橋市内を流れる海老川に、水上バスを走らせたのだ。

 

交通渋滞の緩和とか地域振興とかが名目らしいが、

何よりも、人が川に親しむことが大切だと、大野さんは思っているに違いない。

身近に感じれば、そしてそれが大切な生命循環の血流だと思うなら、

平気で汚したり、視界から消したりはしないはずだから。

 

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                              (7月27日付 読売新聞)

 

記事によれば、

「船橋市宮本の海老川橋から下流の八千代橋までの約300mを無料で4回運行。

 親子連れなど計40人が参加し、川岸で風にはためく大漁旗などを眺めながら、

 ゆっくりと進む船に揺られていた。」

とある。

 

次回は8月28、29日の予定。

予約制で、バス代は無料。 ただし保険料が1回につき100円。

問い合わせは、BPA (090-3106-6679) まで。 

 

皆さんのところに、川は普通に流れていますか。

街というものを、川の水面目線から眺めてみるのも、一興かも。

 



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