「有機農業」あれこれ: 2008年2月アーカイブ

2008年2月 6日

有機JAS制度の検討委員会

 

昨日(2/5) は久しぶりにネクタイ締めて出かける。

行く先は、霞ヶ関の農林水産省4階特別会議室。

 

農水省による 「有機JAS規格の格付方法に関する検討会」 の第1回目の会合。

わたくしエビちゃんが、この検討会の委員に選ばれたのである。

 

農水省から打診があったのは一ヶ月ほど前。

「有機JAS制度の運用や格付の現状を見直す必要があると判断して、

 委員会を設置することになりまして。ついてはエビちゃんに...」  との、突然の電話である。

ま、いきなり 'エビちゃん'  というのは冗談だけど。

 

これは断ってはならない、と即断した。

これまで散々言いたいことを言ってきた以上、

この制度の改革に関われるのなら、逃げるわけにはいかないよね。

私は私なりの筋を通して、やってみたいと思ったわけです。

 

午後1時前、会議室に出向くと、TV局のカメラが数台入っていて、

用意された40席の傍聴席もほぼ埋まっている。

この委員会の重さを改めて自覚して、円卓テーブルの指定された椅子に座る。

やってやるか、という気になる。

 


まあ一回目は、事務局 (農水省 消費・安全局 表示・規格課) からの説明と

委員の紹介、顔合わせ的に問題意識の出し合い、というあたりで終了する。

 

選出された委員は12名。

有機JASの認証を取得している生産者が2名 (なんと、二人とも大地の生産者会員だ)。

認証機関から2名、検査員の代表が1名、NPOから1名、

輸入・加工・流通・販売に関係する業界から3名 (内1名が私)、

認証機関や認定事業者 (有機の認証を取得した生産者や事業体=大地も認定事業者)

を審査する機関の方が1名、そして学者・研究者から2名。

 

今回は有機農産物の認証制度をめぐる現状認識と課題を共有するまで。

もっとも切実だと思ったのは、生産者お二人から出された意見。

認証取得のための書類作成の面倒さである。

「このままでは生産者は増えるどころか、減っていくでしょう」

 

これから1ヶ月に1回程度の検討会を重ね、約1年の論議ののちに、

委員会としての意見をとりまとめ、農水省(国) に提出することになる。

 

思えば昨年は、有機JASの違反がいくつも発生した。

認証機関が 「一時業務停止」 の措置を受けたケースもあった。

「有機農産物」 としては規格上認められなくても、

農薬を使用してないお米として立派に販売できるはずの米が、

有機JAS規格に反したばっかりに、犯罪者扱いされた生産者もいた。

いわゆる 「無農薬米」 が、素性不確かな米よりも 「悪人」 扱いされて、市場から排除されたのだ。

原因はほとんどJAS規格に対する認識不足である (中には '確信犯' もいたが) 。

 

この制度は、まだまだ問題が多い。

生産者が誇りをもって取り組め、消費者が信頼をもって受け止められる。

結果として '食の安全と安心' を保証する、そんな社会づくりに必要な制度になりえるか。

 

僕は僕なりに、いくつかのカードを用意するつもりではいる。

そのためにも、ここで生産者の皆さんにお願いです。

有機JAS制度に対して言いたいこと、改革案、何でもいいです。 寄せてください。

皆さんの意見をできるだけ反映させたいと思ってます。

どうぞ、エビを利用してください。

ただし、身勝手で甘えた意見は、却下します。

制度を骨抜きにすると、結果的には信頼を失いますから。 イヤなら堂々と撤退しましょう。

 



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