放射能対策: 2012年12月アーカイブ

2012年12月25日

《予告》 「オーガニックフェスタ2013」で企画2連発!

 

ノロウィルスが猛威を奮ってますね。

しかも新たな変異株が発見され、全国的に拡がっている様子。

ウィルスも進化(?) しながら対応能力を強化してゆき、

人間の衛生対策や免疫とのイタチごっこは永遠に続きます。

しかも都市というのは極めて繁殖・拡散しやすい環境にあります。

我々はもっと野生を取り戻さなければアカンのかもしれません。

とか言いながら、食品を扱う業界は、神経研がらせた年末商戦です。

皆様には、お変わりございませんでしょうか。  

 

さて、今年もあと一週間を切り、年明けの予告をいくつかお知らせします。 

 

まずは、2月24日(日)、年に一度の大交流会

「大地を守る会のオーガニックフェスタ2013」 にて、

二つの企画を用意しました。

これは10月に終えた放射能連続講座で、最後にお約束した宿題でもありました。

 

ひとつは、NPO法人市民科学研究室代表の上田昌文さんを再度お招きして、

放射能講座を開催します。

忌わしい原発事故から2年近く経って、今の汚染状況はどうなっているのか。

何がどこまで分かり、何がまだ分かってないのか。

何が大丈夫で、何に気をつけるべきなのか。

被ばくと健康リスクの関係についても未だ意見が分かれる中、

私たちはどう理解して対処すべきなのか。。。

この難題に対して、これまでの厖大な測定データをもとに、

可能な限り整理してもらいます。

明日からの暮らしに役立てていただけたら幸いであります。

 

もうひとつは、連続講座で示された大切な視座

- 「栄養バランスの取れた食生活で免疫力を強化すること」 について。

お呼びするのは、プロのアスリートやミス・ユニバースへの栄養指導に携わってこられた

予防医療コンサルタント、細川モモ さん。

株式会社タニタさんと提携しての食事指導ですっかり有名になって、

チョー忙しい身でありながら、「大地を守る会でお話しできるなんて光栄です!」

と快くお引き受けいただきました。

 

先週の17日、丸の内の新丸ビル・エコッツェリアのスペースをお借りして

講演の打合せを行なった際も、年内に発行される予定の新刊

Luvtelli  Baby  Book』 の校了を終えたばかりだと、

息をはずませながら登場されたモモさん。

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(左手前は、弊社広報課・栗本遼)

 

講演の打合せというよりも、

いかに人間の体や健康と食が密接につながっているか、

最新の栄養学で分かってきたことなど、矢継ぎ早にレクチャーを受けたっていう感じ。

しかしオッサンにはもはや手遅れの感もなくはなく、途中から

「くりもとクン! よ~く聞いておくように」。

 


ちなみに 「モモ」 さんという名前は本名。

ミヒャエル・エンデの小説 『モモ』 からとったもの。

生前は大地を守る会の会員で 「とにかく食の大切さを刷り込まれた」 という

お母さんの思いが偲ばれます。

 

講演では、健康のためのバランスのとれた食事のポイント、

醗酵食をはじめとする日本食のすごさ、妊娠前に知っておきたいこと、

などなど縦横に語っていただきます。

「放射能」 なんていう無粋な言葉は出ないかもしれません。

でも、これも間違いなく 「放射能に対する適切な防護」 の答えだと思うワケです。

 

当日はタニタの方も参加され、パネルトークを行なう他、

展示や体組成計を使った健康チェックも実施すべく準備に入っています。

しかし、なんと悔しいことに、むさくるしいオヤジが司会じゃまずいよね、ヘンよヘン、

というのが 「誰もが認める客観的判断」 だそうで、

進行は若者にゆずることになります。

 

昨年度 (今年の3月3-4日) のフェスタの様子を眺めながら、

「すごく楽しみになってきました」 と喜んでくれるモモさんでした。 

IMG_0012.JPG

 

「大地を守る会のオーガニックフェスタ」 はどなたでもご来場いただけます。

講演や映画、生産者のブースに試食コーナーなど、

盛りだくさんの企画でお待ちします。

もちろん無料。

会場は例年と同じ、大田区蒲田の 「大田区産業会館 Pio」。

年が明けたら 大地を守る会の HP でも告知されますので、

どうぞお楽しみに。

 

そして連続講座でお約束した3つ目。

水産資源学の勝川俊雄さん(三重大学准教授) の

「本業の話をちゃんと聞きたい」 の件。

こちらは専門委員会 「おさかな喰楽部」 が受けてくれて、

1月12日(土)、『おさかな喰楽部の新年勉強会』 として開催します。

 

豊かなはずの日本の海。

しかしこのままでは私たちの食卓から魚が消えるかもしれない・・・

水産資源をどう回復させるか、漁業再生の道筋を勝川さんが語ります。

 

時間は、13:30~16:30。

場所は、築地市場厚生会館。

参加費無料 (非会員の方は500円)。

まだ席に多少の余裕があるようです。

お問い合わせは、おさかな喰楽部メール・アドレス

 ⇒ Osakana@daichi.or.jp  まで、お気軽にどうぞ。

 

「オーガニックフェスタ」 では

次の連続講座(第Ⅱクール) 開催の予告ができるよう、準備を進めています。

「正しい理解、適切な対策、健全な食生活」 をベースに据えて、

「人と社会の健康を取り戻す」 ために、目下講師交渉中。

正直言ってちょっと苦戦してますが、

前回より前に進んだ講座にはしてみせたいと思ってますので、

乞うご期待ということで。

 



2012年12月 4日

「備蓄米」 生産者からの手紙

 

大地を守る会 「備蓄米(大地恵穂)」 ご予約の皆様へ

 

・・・と題した手紙を、備蓄米生産者を代表して

ジェイラップ代表の伊藤俊彦さんがしたためてくれた。

しかしここに書かれた内容は、 「備蓄米」 申込者だけでなく、

福島で格闘してきた生産者の取り組みや思いとして、広く、

多くの方に伝えたいと思う。

ここに掲載させていただくことを、ご了承願います。 

 

 

"復興" から "自立" へ、感謝の心とともに歩んできました。

 

あの日(3.11)から2回目の稲刈りを終えて間もなく、

10月27日に開催しました "風土 in FOOD 自立祭" には

多数の会員の皆様に駆けつけていただき、

本当にありがとうございました。

 

おかげさまで、家族と連れだって参加した生産者たちも

心からの笑みに包まれ、心和むひと時を過ごさせていただきました。

心から感謝、感謝です。

 

昨年は、大震災と原子力災害からの "復興" を誓い合い、

今年は、本当の復興は "自立するところにある" ことを

確認し合いました。

 

稲田稲作研究会は、少しずつ自信を取り戻し、

少しずつ元気になっています。

 

 

家族・仲間を守るために、子ども目線で判定することを学びました。

 

家族や仲間を原子力災害の被害者にしないための学びと行動は、

私たちの農業にも活かされ、

家族や仲間を内部被曝から守り切る農産物を作ること、

測定によって子ども視点で安全性をジャッジすること、

などの対応策を定着させました。

 

家族や仲間のために行なってきたこの当たり前の姿勢を、

出荷する農産物にも適応させることで、

"子ども目線でジャッジした農産物の出荷" を貫き通すことができた

と確信しています。

 

逆境の中から得られた数々の知見や結果の集積は、

私たちが家族や仲間を想うところから生まれたものです。

その思いは学びと測定という科学的根拠に裏打ちされ、

皆さんにお届けする農産物も、

私たちの家族に向けた必死の思いや学びが

共有されたものであることを、何よりもお伝えしたく思います。

 

 

たゆまぬ "実践" から "希望" をつかみ、さらに前へと進みます。

 

昨年の稲作は、

学ぶこと、考えること、決断すること、行動すること、

全てが手探りの中から始まりました。

 

"対策" を思い立っても、思うだけでは何も得られない。

対策を施しても、収穫して見なければ結果は解らない。

長期戦を予感させる不安の中で、

一枚一枚の田んぼから土や稲のサンプルを採取し、

汚染の実態を見極めることから始まり、

得られた知見や仮説を片っ端から実践しました。

 

無我夢中の時を経て、得られた結果は

年間60kg食べても、安全基準(年間1mSv) の1,000分の1程度

というものでした。

弛まぬ自助努力は、今期の稲作に向けて希望の種を残しました。

 

希望の種は "やる気" に変わり、

さらに昨年を下回る結果が得られてきています。

そしていま稲作研究会では、もっと前へ!とばかりに、

来季に向け、収穫を終えたばかりの約150haの水田で、

さらなる減線作業の真っ最中です。

 

 

「今年も頑張りました」

と胸を張ってお届けできる喜びをかみしめながら、

「子どもたちの未来のために」

生産者としての責任を全うします。

 

今期も備蓄米をご予約いただきました皆様、

本当にありがとうございます。

 

皆様からの "予約" という力強いメッセージが、

私たちへの大きな励みとなり、

加えて "未来ある子どもたちの人生がかかっている" と、

生産者としての責任を強く自覚させてくれています。

 

昨年産の「大地恵穂」は、一度たりとも、

2ベクレルを超える玄米・白米はお届けしていないと認識しています。

精米を行う際に常に気を配ってきた

「品質の不公平を作らない」 という姿勢と技術が、

それを実現させる仕組みにもつながったものです

 

安全基準の1,000分の1以下という数値をどう判断されるかは

皆様に一任するしかありません。

私たちにできることは、ご購入いただいた皆様に対し、

安全で美味しいお米を "可能な限り品質の不公平を作ることなく"

粛々とお届けさせていただくのみであります。

 

皆様に励まされながら、稲作研究会は学び続け、

生産活動を止めずに自立を目指せるまでになりました。

今年収穫された「大地恵穂」は、

昨年よりもさらに高い安全性が確保されています。

猛暑の影響によって若干の白濁が見られますが、

たんぱく値からして食味は申し分ない筈です。

 

ある意味、極めてあきらめの悪い農家が作ったお米です。

それはまた、私たちが一緒に暮らす子どもたちに、

それだけ手を抜くことなく頑張ってきたんだという誇りをもって、

普通に食べさせているお米でもあります。

そんなお米を皆様にお届けできる喜びを、今かみしめています。

 

来年の秋までの一年、

「備蓄米・大地恵穂(だいちけいすい)」が

皆様の食卓の安心や幸せな笑顔を支えられることを

心より願いながら、

万全の体制で保管させていただくことを、ここにお約束いたします。

 

収穫の秋を終え、深い深い感謝の念とともに-

 

2012年11月

稲田稲作研究会会長 渡辺良勝

(株)ジェイラップ代表 伊藤俊彦

 

以上です。

読んでいただき、有り難うございました。

 



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