放射能対策: 2013年4月アーカイブ

2013年4月30日

ウィスコンシン州立大学から電話インタビュー

 

児玉講座のレポートの途中だけど、

今日も初体験の出来事があったので、記しておきたい。

 

なんと、アメリカの大学から電話でインタビューを受けたのである。

といっても英語でペラペラと答えたワケではない(英語耳持ってないし)。

相手はウィスコンシン州立大学マディソン校で科学史を教える日本人の先生。

国際交流基金日米センターとスタンフォード大学国際安全保障・協力センター

による調査プロジェクト

" Learning from Fukushima : Nuclear Safety and Security After Disasters "

(" 福島から学ぶ : 原子力の安全性と災害後の防護 " という感じ?)

の事例調査のひとつとして、

大地を守る会として取り組んできた放射能対策の経緯や内容について聞きたい、

という。

その研究タイトルが

「 Radiation Protection by Numbers : Another " Man- Made Disaster "」。

「数値による放射線防護 : もう一つの " 人災 " 」 という感じ?

 

添付で送られてきた依頼主旨にはこうあった。

「 従来の放射線防護問題は、基準値の科学的根拠や精度、そして

 そのコミュニケーションを中心に論じられてきた。

 これに対して本論文は、被災後の社会において

 基準値が実際にどのような役割を果たしてきているか、いわば

 「基準値の社会史」 を考察することで、基準値ベースの放射線防護の実際と

 その限界を明らかにする。」

そして

「 トップ・ダウン型の行政措置、ボトム・アップ型の自主測定運動の双方において

 基準値がどのような役割を果たしているかを論じる」 とある。

どうやら大地を守る会は、その後者の事例として対象に上がったようである。

 


最初に届いたメールでは、スカイプを使ってネットで会話したい、

という依頼だったのだが、

慣れない道具でうまく話せるかどうか心許なかったので、

電話でのインタビューでお願いした。

あとで仲間から 「電話代をかけさせた」 と叱られてしまった。

ネットだとほとんど料金がかからない、と言われてみればその通りだ。

H 先生、長々とお喋りしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

 

それでも話が冗漫になってはいけないだろうと、

事前にペーパーで基本的な質問を出してもらった上で、

電話インタビューに臨んだのではある。

 

質問の内容はざっと以下のようなものだった。

・ 放射能対策特命担当という任務に至った経緯。 なぜ YOU なのか?

・ 震災および事故直後の様子と組織として取った対応。

・ 自主測定を始めた背景と理由、導入時期。

・ 測定の運営体制について。

・ 他の機関との連携の有無。

・ 測定の対象や選定方法。

・ 数値が検出された際の解釈をどうするのか。 またどういう行動をとるのか。

・ 測定結果の情報開示について。

・ 有機農産物や会員制直販であるがゆえの特異な反応や影響はあったか。

・ 原発事故後の生産者への対応。 そこで一番気をつけた点はどういうことか。

・ 同じく消費者への対応は。

・ 測定の解釈・公表・アクションにあたって、有機農産物、会員制直販という

 業態ゆえに気をつけたこと、困難だったことは。

・ 政府の基準値についての見解と、基準に対する考え。

・ 基準に対する生産者の反応。 一般との違い。

などなど。

 

結局1時間近く話しただろうか。

しかもこちらの都合で時間指定したので、先方は夜のはずだ。

いやホント、申し訳ないことをしちゃった、と反省しきり。

 

でも、基準に対する考え方や取ってきた行動については、

高く評価してもらえた。

夏に帰国したらぜひお会いしたい、とも言ってくれて、

まんずまんず気を良くした初体験ではあった。

 

もうひとつの初体験、FM放送・オンザウェイジャーナルでのトークは、

今朝、流れたようだ。

知らないところで恥をかいているような気分で、

HP にもアップされるようだが、こっちはこわくて聞けない。

 



2013年4月29日

児玉龍彦さんが語る、放射能対策と科学者の責任(Ⅲ)

 

前回の補足をひとつ、しておかねばと思う。

パリンドローム (回文的) 増幅 がなぜ起きるのか、について。

その鍵は、切断されたDNAを修復させる際にはたらく酵素が、

通常の細胞増殖ではたらく者たちとは違っていて、

コピーのエラーが起きる確率が100倍くらい高い、ということのようだ。

その酵素が切断されたDNAを修復しようとしたときに、

" たけやぶやけた "  のどっちの方向でコピーしていいのか分からず、

コピー数を増やしておこうとする。

その挙動によって、エラー・コピーの増殖が起きてしまう。

(さらにその細胞がコピーされていくことになる。)

それらがすべてガンにつながるものではないが (そこはまだ確かめられていない)、

いずれにしても  " 修復力が活性化されるから、切れても問題ないのだ " 

などという理屈はもはや成立しなくなった。

これがゲノム解析によって見えてきた世界であり、

議論は不確かな確率論ではなくなってきている、ということである。

 

ウクライナやベラルーシの子どもたちの検査から、

かなりの割合で上記のような甲状腺がん細胞のゲノム異常が見つかったのだが、

しかし他のガンについては、今もって科学全体でコンセンサスは得られないままである。

統計学(疫学)的調査に基づいたエビデンスがない、から。

 

アメリカ学士院会報に報告されたコンセンサスに関する論文によれば、

20 mSv 未満での被ばくでガンが増えるかどうかは、

百万人近い住民をフォローアップしなければ結論は出せない、とされている。

広島や長崎でも数十万人の調査であり、

それでも有効なデータとして使われているが、

低線量被ばくというレベルの問題となると、

いかに統計学的に議論することが困難なことであるか、この数字が物語っている。

その意味においても、チェルノブイリの調査データは

今後さらに重要な意味を持ってくるだろう、と児玉さんは考えている。

 

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人工の放射性物質であるセシウム137 が生まれたのが1945年。

核実験によって初めて環境に放出された。

半減期30年の核種が生まれて、まだ 68年しか経ってないわけで、

健康被害をどうこう結論づけるには、まだまだ時間がかかる。

人類は、本当にとんでもないものを産み落としてしまった。

 


坪倉正治さん(東大医科学研) たちによって進められた健康調査によれば、

継続的に検査した住民のほとんどは、

時間とともにセシウム137 の値は減少した。

しかし一部に、変わらないあるいは増加した人がいて、

原因は食べ物だと推定された。

 (エビ注・・ 野生のキノコや自家用野菜を食べていた人に高い値が出た、というデータ。 

  昨年の講座でも早野龍五さんが指摘したことだが、あの時に

  「家庭菜園の野菜はアブナイのか」 と勘違いされた方がいた。

  問題は家庭菜園ではなくて 「測らずに食べていた野菜」 、

  つまり安全性を確かめずに食べていたということで、

  事実を知ることが防護のたしかな第一歩である、という証しでもある。)

 

さて、食べ物で一番検査実績が多いのが米だが、

調査していく中で、土壌と米のセシウム量に相関関係がない、

という不思議な結果が出てきた。

そこで分かってきたことは、土壌に降ったセシウムは粘土に吸着されたこと

(米には移行しにくくなっている)、

そして落ち葉や雑草などの有機物にくっついてきたものが、

夏になって分解とともにイネに吸収された可能性があること。

- ということは、2012年秋の収穫の米は相当に減るだろうと推測されて、

実際にそのような結果になってきている。

 

年齢別では、年齢が高くなるほど検出割合が高くなっている。

それは高齢になるほど、今まで食べてきたものや食生活を変えない傾向がある

からだと思われる。

 

柿が高く検出されることが分かってきているが、

イメージングプレートで見てみると種に集まっているようだ。 

栗も高い傾向がある。 

セシウムを集める性質の強いものでは、コケやキノコがある。

チェルノブイリでは、事故後数年経ってキノコの数値が上がったという事例もある。

またキノコでも野外で栽培されたものと施設内で作られたものでは、

当然のことながら違うし、施設内でも原木が汚染されていれば高く出る。

このように、どういうものが高く出るのか、まだどう推移するかは、

ひとつひとつ調べていかないと分からない。

 

魚では、淡水で生きる川魚は塩分を体内に溜めようとするので高くなる。

特にコケなどを食べる魚は、長期にわたって高く出る可能性がある。

塩分濃度の高い海に棲む魚は、塩分を排出して調節するため、低くなる。

特に水表面にいる魚や回遊魚はすでにまったく検出されない。

セシウムの移動とともに影響も変わってゆき、

現在での問題は海底に棲む魚、ということになる。

 

昨年設定された100ベクレル(一般食品) という基準は

国際的に見ても厳しい基準であるが、

放射線審議会でこの議論をした際に、

100ベクレルを(連続的に) 検査できる機械があるワケがない

と反論される方がいてビックリした、と児玉さんは振り返る。

児玉さんは事故直後から、BGO検査器(※) を改良すればできることを

主張されてきた経緯がある(例の国会発言でも述べている)。

しかし放射線審議会では、児玉さんの説明が理解されなかった。

政府関係の機関には、先端技術や環境技術を理解する人がいないのだ。

これは実に驚きの話である。

 

そして実際に、昨年1月、30㎏のコメ袋を従来の400倍のスピードで検査できる

検査器が島津製作所によって開発され、

昨年秋には福島全県に配備され、1000万袋を越える全品検査が実現した。

こうして民間でも、1円の補助ももらわずに開発できたことを、忘れないでほしい。

 (※ BGO検査器・・・

    ガンの検診などに用いる医療画像診断用PET装置の技術を応用したもの。

    コメ袋をそのままベルトコンベアーに載せて、流れ作業で検査する。

    測定下限値は、5秒測定で20Bq/㎏、15秒で10Bq/㎏。

    225秒かければ5Bqの測定が可能とされている。

    設定した基準値以下であるかどうかを 〇 X で表示する仕組み。

    ただし形状が一本化されているコメだから可能となるもので、

    その他の食品で全品検査できるものは、まだない。)

 

コメの全袋検査によって、99.8% の米で ND(検出下限値以下) の結果が得られ、

100Bq を超えたものは 0.0007% しか発生しなかったことが確認された。

よく風評被害という言葉が使われるが、それは適切ではない。

検査してないから事実が分からず、不安が広がるのではないか。

BSEの時も、全頭検査を実施したことによって、

牛肉の安全性が確かめられる体制ができ、価格が戻ったという事例がある。

 

全袋検査によって、私たちは全体の概要を知ることができる。

しかしそれができるのは今はまだ福島だけという、

逆転した現象になってしまっている。

 

本日はここまで。

あと一回、最後に除染の必要性について考えたい。

参加者の多くは、いま食べている食品からの影響度を

明解に解説してもらいたかったのかもしれない。

しかし、食べ物はすべての環境条件と人の所作の結果を受け取るものだから、

環境に放出された放射性物質の片づけ方、

この問題をクリアしないと本当の解決にはならない、

と児玉さんは考えるのだ。

 



2013年4月28日

児玉龍彦さんが語る、放射能対策と科学者の責任(Ⅱ)

 

放射性物質は人体にどう影響するか。

児玉さんは話を続ける。

(なお、本レポートは、僕が講演から理解した内容として書いているので、

 本稿の文責はすべてエビにあります。 理解に誤りがあればご指摘ください。)

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まずは、アルファ線、ベータ線、ガンマ線の基本から始まり、

児玉さんが示したデータは、次のようなもの。

 

ヒトのガン細胞をマウスに植えて、抗ガン剤の効果を見た実験がある。

ガンマ線を出す放射性物質を含ませた薬は、診断には使えたが、

治療効果は小さかった。

ベータ線を出す放射性物質をつけた薬は、

薬から2~3ミリの距離までのガン細胞を殺せた。

アルファ線を出す放射性物質をつけた薬は、効果は大きかったが、

その効果は薬から0.04ミリというごく近い距離までしか効かなかった。

 

これによって言えることは、

ベータ線とアルファ線は体内に入らなければ問題は起きないが

(アルファ線は紙一枚で、ベータ線は数cmのプラスチックで遮断できる。

 セシウムやヨウ素から出るガンマ線は突き抜けていく)、

逆に体内に入ると (少量でも) 至近距離の細胞を傷めるため、

内部被ばくのリスクが高まる、ということである。

アルファ線による影響では、トロトラスト(※) の事例が挙げられる。

    (※ Ⅹ線写真を鮮明に撮るために、1920年代にドイツで開発された造影剤。

     二酸化トリウムが使われたが、ほとんど排出されず肝臓に蓄積された。

     トリウムはアルファ線を出す。)

ドイツおよび日本におけるトロトラスト患者のデータによれば、

このアルファ線の影響によって、肝臓ガンが発症し始めたのが20年後。

30年経って急激に増加し始めている。

こういった影響を事前に認識するのは困難である。

 

科学者としての反省として、児玉さんはアスベストを挙げた。

アスベストの問題が指摘され始めたのは80年代からだが、

当時、児玉さんはあまり問題意識を持たなかったと率直に語る。

アスベストによる悪性中皮腫が急増してくるのは、

使用量が増えた時期から40年を経てのことであった。

 

さて、低線量内部被ばくのリスクについての論争は、

実は1950年代から始まっている。

 


かの有名な原爆製造計画 「マンハッタン計画」 に若くして参画し、

プルトニウムの抽出に成功したジョン・ゴフマンという天才化学者が、

その後、放射線影響の疫学的研究によって、低線量被ばくの影響を指摘した。

 (それによってゴフマンは原子力の危険性を訴える活動に転じる。)

 

これに対して、オークリッジ国立研究所とハーウェル原子力研究所が

共同で行なった研究では、ネズミを100万匹使った実験によって、

低い線量ではまず遺伝子の変異は減り、その後高くなるにつれて変異が増加する

傾向があることが示された。

これによって、低い線量による被ばくでは、細胞が刺激され、

傷ついたDNAの修復活動が活発になる (元気になる) と考えられた。

いわゆる 「ホルミシス効果」 の根拠となったものである。

 

この時代にはまだゲノムが解析されてなく、

耳とか尻尾とかの形状の変化で見るようなものだったが、

この研究によって、低線量は問題ないと言われるようになった。

しかし、その説を否定する 「現実」 が発生した。

チェルノブイリ原発事故である。

 

1986年、チェルノブイリで大量の放射性ヨウ素が放出された。

ヨウ素の半減期は8日で、すぐに減少したのだが、

その後、子どもの間で甲状腺ガンが発生してくる。

最初は、診断する数が増えればそのぶん症例も増えるのだろう、

といった反論で否定されたりしたが、

89年あたりから、「今までにないほど甲状腺ガンが増えている」 と言われ出し、

事故10年後の96年にピークを迎え、その後徐々に減少をたどって、

2003年には事故以前のレベルに戻った。

 

この 「現実」 によって、子どもの甲状腺ガン増加の原因は

「チェルノブイリ原発事故」 以外にあり得ない、

とWHO(世界保健機関) が認めたのが2005年。

事故から約20年後のことである。

それまではどんなに指摘がなされても

「エビデンス(証拠) がない」 と否定されてきた。

常にエビデンスが求められるのが科学の世界であるが、

悲劇はその間にも進行する。

 

子どもの甲状腺ガンは元々少なく、

また子どもは細胞増殖が早い (=発症までの時間が短い) ために

ピークが見えて因果関係が証明できたが、

ガンになるまで20~30年かかる大人の場合では、

一時期に多少増えても全体の変動幅に吸収され

(また他の要因も複雑に絡むため)、

低線量被ばくの影響とガンの関係を証明するのは困難である。

 

しかし今では、ゲノムを調べることができる。

ベラルーシの子どもの甲状腺ガン細胞のゲノム異常を調べた結果、

両親から受け継いだ染色体のコピーが、通常 2 コピーのはずなのに、

染色体の 7番の q11 という領域で 3 コピーに増えていた。

 

ゲノム解析から分かってきたことは、

放射線によって切断された染色体の、コピー(細胞増殖) 後の配列で、

回文的増幅(パリンドローム) が起こっている、ということだった。

回文とは、前から読んでも後ろから読んでも同じ言葉、

「たけやぶやけた」 とか、「だんしがしんだ」(とは児玉氏は言ってない)

というやつだ。

切断された配列のそばに、逆向きの繰り返し配列がコピーされ、

それがガンの増殖、悪性化、予後の悪化に関わっている。

  - という理解でいいのだろうか、少々心許ないが。。。

 

とまれ、ベラルーシの子どもたち2万5千人を調べて、

その異常を持つ子が4,000人いたというのである。

DNAは修復される、切れても大丈夫、という話とは真逆の

「仕組みがある」 ということが、ゲノム研究によって解明されてきたのだ。

すべてがガンに発展するわけではないが、

単純に何千人に一人とかいう、ロシアンルーレット的確率論でもない。

少なくとも、コンマ以下の確率のくじを引かされる不安

(引いた私の子にとっては100%のリスク) とは別の、

科学的検証の可能性が見えてきている、と言えるのだろうか。

 

事故直後の被ばく量は、今となっては正確には分からない。

それでも将来への漠とした不安にさいなまれるのでなく、

ちゃんと検査を継続していくことで不安を取り除くことができるのなら、光明である。

そんな希望につながっていることを期待したい。

不幸な社会ではあるけれど。

 

2011年。 本来の環境中にはなかった危険な物質が放出され、

坪倉さん (東大医科学研究所、講座第5回にお呼びする講師) たちの調査で

子どもの体から検出されたと聞かされたときには、本当に悩みました、

と児玉さんは吐露する。

そんなところに住まわせていいのだろうか・・・

 

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それでも一所懸命、食事に気をつけて、除染に取り組んで、

2012年での調査で、ほとんどセシウムが消えたと聞いた時は、

正直ホッとしました、と児玉さんは言う。

ホッとすると同時におそらく、除染を諦めない、と意を新たにしたのだろう。

 

今日はここまで。

こちらも簡単に終われず、続くでスミマセン。

 



2013年4月26日

児玉龍彦さんが語る、放射能対策と科学者の責任(Ⅰ)

 

なかなか整理に手が回らず、アップが遅れました。

大地を守る会の放射能連続講座Ⅱシリーズ -第2回の報告を。

 

今回設定したテーマは、「改めて内部被ばくの問題を考える」。

講師は東京大学アイソトープ総合センター長、児玉龍彦教授。

会場は、千代田区立日比谷図書文化館コンベンションホール。

参加者、約150名。

 

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児玉さんのお話しは、原発事故後の放射性物質の汚染の流れから始まり、

人体への影響について、そして児玉さんが取り組んでいる除染の問題と、

放射性物質の最終管理の道筋はどういうものであるべきか、

という流れで展開された。

 

食品による内部被ばくの話に絞って聞きたかった、

という方も多かったかと思うが、

児玉さんとしては、吸入による内部被ばくのリスクはまだ続いていることと、

トータルな意味での被ばく防護対策として、お話ししたかったようだ。

環境に滞留する放射性物質は、放置すればめぐりめぐって

あらゆる生命(生態系、食物連鎖) に影響を与え続けるわけで、

いま効率的な除染を追求することが、徹底的な封じ込めにつながるし、

総合的なリスク低減のためにも、しなければならないのだ、

という強い信念と決意を持っていることが感じられた。

 

「人間が生み出した問題を、人間の手で解決できないはずがない」

  - どんな難敵に対しても、その姿勢を持つことが科学者としての未来への責任だと、

    気の遠くなるような除染作業を諦めず、身をもって表現し続けること。

    柔らかな口調ながら、そんな覚悟のようなものが伝わってくるのだった。

 

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児玉さんは冒頭、

科学についての考え方が変わってきていることを知ってほしい、と語られた。 

原発事故直後、東大教授の肩書を持つ人たちが多数メディアに登場したが、

彼らが東大を代表しているわけではない、とも。

 

これまでは 「科学的に正確でないデータは出すな」 と教えられてきた。

しかし科学をひとつの見方で捉え、上から下に伝える考え方は、

20世紀の思考である。

21世紀に入ってからは、いろんな考え方があって一つの結論を強制してはならない、

という思考に変わってきている。

ガンの治療法にしても、以前は 「こうしましょう」 と医者が方針を決めていたが、

今では、いろんな治療法がある、と考える。

その治療薬で副作用を発症する確率は10人に一人だったとしても、

その一人にしてみれば、副作用は100%である。

ひとつの治療法だけが、その人にとってベストな選択だとは限らない。

いろんな治療法やいろんな考え方があって、情報が開示され、

互いに検証されていくことが進歩につながる。

 

原発事故に対しても、同じ見方や考え方ができるのではないか。

しかし情報は一方通行で行なわれた。

3月12日にはベント (排気して中の圧力を下げる) が行なわれ、

歴史上最大量のキセノンや放射性ヨウ素が放出されている。

3月14日の3号機爆発後にも大量の放射性物質の放出があって、

専門家たちが逃げ出していた時も、

政府は 「ただちに健康被害は起きない」 と言った。

放射性物質の拡散予測システム 「SPEEDI」 のデータは発表されず、

多くの住民が拡散してゆく方向に避難してしまった。

結果的に、国民は政府の言うことを信用しなくなってしまった。

いろんな見方や予測が人々に提示されていたら、

もっと違った流れになっていたのではないだろうか。

 

ベントによって、原子炉内にあった希ガスはほぼ100%放出されたと考えられる。

希ガスはキセノン133 が中心で、その量はセシウムやヨウ素より多い。

キセノン133 は半減期が5日と短いが、

ベータ線を出し、肺に吸入されたり、体内に入ると危険である。

次にヨウ素、そしてセシウムが降下した。

ヨウ素の半減期は8日。 3ヶ月もすれば測定不能レベルになる。

半減期が短いということは、それだけ壊変が多いということで、危険だとも言える。

 

≪エビ注 : キセノンは最近も観測されいて、半減期の短さから、それは

  2月12日に行なわれた北朝鮮の核実験の影響と見られている。

  ということは・・・・・と心配になるが、その後の情報がキャッチできない。

  僕らはただ福島の影響だけでなく、地球レベルでこの問題を捉えなければならない。≫

 

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予測がなぜ大事かと言えば、

プルーム(放射性雲) がどう通過するかによって行動する必要があるからだ。

原発から何キロといった距離ではない。

「SPEEDI」 情報隠ぺいの罪は大きい。

 

福島では、3月16日に雪が降った。

21日には東日本全体に雨が降り、東京・金町浄水場の水からヨウ素が検出され、

広範囲に汚染が拡散していることが誰の目にも明らかになった。

 

放射性物質によって汚染された7割が山林であることも、対策を困難にしている。

放射性セシウムは、初期はイオンの状態で存在するが、

やがて粘土(ケイ酸アルミニウム) に結合される。

今は水そのものにはほとんど存在せず、川の底でも減っている状態で、

ダムや湖沼の底、海底に沈殿・沈着していっている。

したがって海では、表層の魚や回遊魚から底魚へと、問題は移っていっている。

 

樹木では、最初は高い部分の葉に付着し、したがって

初年度では落ち葉に強い線量が見られたが、次第に土壌の中に移っている。

昨年だと腐葉土を除去するのは有効だったが、

今年からは腐葉土を剥ぐと、かえって土壌の放射性物質が露出して

空間線量が高くなることも考えられる。

 

住宅ではまず、雨とともに降下して屋根に付着し(これが以外と落ちにくい)、

雨どいから側溝へと集められていく。 

雨どいにコケなどがあると吸収されるので気をつけたい。

庭木、芝生、ウッドデッキ、車ではフィルター等に付き、

砂利や車庫のコンクリートに染み込む、という経路を辿る。

 

さて人体への影響について- (以下、次回に)。

 



2013年4月20日

放射能連続講座 -アンケートから。

 

4月20日、旧暦3月11日。 二四節気でいう 「穀雨」 の日。

" 百穀を潤す雨 "  とは遠い、冷たい雨が降っている。

3月から、どうも嫌な予感のする春である。

 

一昨日の 「放射能連続講座Ⅱ-第 2 回」 を終え、

早くレポートしなければならないのだけれど、

今回は自分で写真を撮っておらず、写真が到着しないことを口実に、

まずは全体の感想から始めてみたい。

 

いや、とにかく、平日の夜にも拘らず、

1時間も延長してしまった児玉龍彦さん講座。

終了予定近くになって、ここまで手が上がった質問を全部受けると言ってしまい、

児玉先生もとても丁寧に回答いただいて、終了は21時30分。

個人的にはかなりの満足度なのだが、

はたして参加者にとってはどうだったのだろうか。

 

アンケートの感想をめくってみる。。。

 


返ってきたアンケートは、ほとんどが児玉さんへの好評の声でした。

 ・ 本日の講義、大変すばらしかった。

 ・ 児玉先生の向き合う姿勢、考え方がよく分かって、よかったです。

 ・ すべてのお話が非常に参考になり、共感できるご意見がたくさんありました。

  また質問される方の質問の内容と、それに対する回答も非常にていねいで、

  分かりやすく、勉強になりました。

 ・ 分かりやすく、パソコンの画像もすべて印刷してくださって、とてもよかったです。

 ・ 児玉先生のお話しをじかに伺えて、とてもうれしかったです。感動しました!

   (日本の真実の一人として) ありがとうございました!

 ・ 確かな放射線への知識をお持ちの先生のお話を聞けて、

   もっとちゃんと対策できることもあると思えて、とてもありがたかったです。

   小さい子どもがいるので、明るい希望を持てました。

 ・ 今回、東京大学の中でも、色々な意見があると聞きました。

  児玉さんがセンター長で良かったと思いました。 忙しい中、感謝してます。

 ・ 除染は無駄ではないと分かりました。

・・・・・など多数。

有り難うございます。 児玉さんにもお伝えします。

 

時間を延長させてしまったことについては、両論あり。

「質問時間を長く取っていただき、有り難うございました。」

「最後まで全員の質問に真摯に答えてくださって、良かったです。」 と

概ね好評をいただいた中に、

「終了予定が1時間も延びて、帰宅に苦労しました」 の声も。。。

 

また 「事前に質問を回収しておいてもよかったのでは?」

のご提案もありました。

質問者の話が長くなるケースがあるので、というのが真意かと思いますが、

実は、これは難問なのです。 

昨年の経験では、紙だと、意見や悩みも含めてたくさん上がってきて、

逆に質問がさばけなくなり、

「せっかく書いたのに・・・」 という不満を募らせてしまった方もおられました。

まだまだ工夫の余地があるのだと思います。

次回は  " 一歩前進 "  と言われるよう、考えます。

 

その他、ご意見。

 ・ できれば昼間の時間帯にやっていただければ・・・

   ⇒ こればっかりは、講師のご都合ですので、やむを得ません。

     「7月までで、空いているのはこの日の夜だけ」

     という予定を埋めていただいたことに、感謝しましょう。

     参加が無理だった方のために、アーカイブもアップしております。

       http://www.daichi-m.co.jp/cp/renzokukouza2/

 

 ・ もっと内部被ばくに絞って話してほしかった。

   ⇒ これを一番の関心事として参加されたのだと理解します。

      ただ先生にとっても、今も必死で除染とたたかっていること、

      一方で変わらない国の対応や、真意を理解しない反応や批判についても、

      知ってほしかったのだと思います。

      信頼できると思われましたら、著書を読まれることもお薦めします。

 

 ・ 東大の原子力村と呼ばれるものへのイメージが大きく変わりました。

 ・ 政府の審議会の問題も聞けて、勉強不足を反省しました。

 ・ 質疑応答で、やや先生のマイクの音が小さかった。

   (戎谷の声が大きかったので調整してほしかった、の声も・・・スミマセン。)

 ・ 原発を心配する人の方が原発をより深く知ろうと努力している。

 ・ 先生の言われるところの 「不作為の責任」 から逃げようとする状態

   (責任の範囲内のことしかしない・言わない) だということが認識できました。

・・・・・などなど。

 

今後への希望・要望。

 ・ 今回の内容は、ある程度の知識がないと理解しにくいところがあったように思う。

   参加前に予習に適した文献やサイトの紹介があると良かった。

 ・ 理解出来る用語と理解しにくい用語があり、用語の定義を別添でもよいので、

   まとめておいて頂ければ有り難く存じます。

   ⇒ う~ん、です。 

     忙しい講師の講演内容を事前に把握することはほぼ困難ですし、

     直前に配布資料を頂けたとしても (今回は頂けましたが)、

     それを読み込んで追加資料を作成することは、正直言って、厳しいです。

     講演というのは、ある意味で考えるきっかけの提供でもありますので、

     「もっと知りたい」 「よく分からなかった」 と思われたところは、

     著書にあたるとか、ネットで探すとかの復習もお願いしたいですね。

     そういう意味でも、案内には講師の著書を記載するようにしています。

     なお、例として記載されていた 「消化型か昇華型か」 については、「昇華型」です。

     配布した資料を見ていただければ図が出ています。

 

 ・ カラー資料もグーだが、もう少し大きい絵だと良かった。

   ⇒ 率直に申し上げますと、スライドの印刷には1ページに入れる単位があり、

      紙と印刷のコストとの関係で、ここまでが限界でした。

      あとは、各自で工夫をお願いしたいところです。

      図の内容からカラー印刷にしたことを褒めていただけたことは、

      こちらとしてはけっこう嬉しいところです。

 

 ・ 正しい情報を定期的に知ることができる場を、継続して提供してほしい。

 ・ 講座自体を長く続けて頂けると嬉しいです。

   正しい知識を得ることが家族を守ることにつながります。

   ⇒ 有り難うございます。

      今年はあと5回、計画していますので、ぜひご参加ください。

 

 ・ チェルノブイリの現状、健康被害、等。

   チェルノブイリの原発事故と福島との相違、同一点。

   ⇒ ラジャー(了解)。 

      次回の河田昌東(かわた・まさはる) さんから聞けると思います。

 

 ・ 福島の生産者の話を聞かせてください。

 ・ 現在の福島県の様々な状況をお話し下さる講師の方に来ていただきたいです。

   ⇒ 第5回(7月25日) は、福島で医療支援や健康調査にあたってきた

      坪倉正治さんです。

      坪倉さんもチョー多忙な中で日程調整していただきました。

      こちらも平日の夜ですが、ご容赦ください。

      第6回(8月に計画中) は、生産者を呼ぶ予定です。

      ご期待下さい。

 

 ・ もう一度食事を見直したいので、放射能を防ぐ食事、免疫力を UP する食事を知りたい。

   ⇒ 第4回(6月9日)は、高橋弘医師。 まさに免疫力の話です。

      来てね。 来なかったら、怒りますよ。

      それと、昨年の講座の第2回も、よろしかったらアーカイブでご確認ください。

        http://www.daichi-m.co.jp/cp/renzokukouza/

 

 ・ 事故があった時の放射能の防ぎ方の講座があると嬉しいです。

   酪農家の皆さんはもちろん、ペットを持つ皆さんの、一緒に連れていく非難の仕方など。

   ⇒ お気持ちは分かりますが、私には適当な講演者が浮かびません。

      すみません。

 

最後に、戎谷の司会・進行へのお褒めの言葉を 3通❢ も頂きました。

これだけで、ワタクシのモチベーションは持続します。

感謝❢ です。 頑張ります❢

 

U くん、写真、頂戴。

 



2013年4月 5日

血液内科医、坪倉正治さんの話

 

昨日は代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターまで出向き、

連続講座第5回の会場申し込みを行なってきた。

 

この回で交渉していた講師は、東京大学医科学研究所の研究員で、

震災後の4月から南相馬市立総合病院に入り、

医療支援にあたってこられた血液内科医、坪倉正治さん。

今も毎週、月曜から水曜は福島に出向き、医療活動をする傍ら、

住民の内部被ばく検査や相談に応じている。

残りの日が東京での勤務となっていて、またしても厚かましく

坪倉さんのスケジュールの隙間を埋めさせていただき、

講座開催日は7月25日(木) の夜となった。

 

この講座の準備でしんどいところは、

講師と日程を決めてから会場を探さなければならないことだ。

規模と予算と交通の便を秤にかけながら、一発で決まることもあれば、

どこも埋まっているという事態に陥ることもある。

巷では予算と相談しながら会場を探している人たちがこんなにもいるのか、

という心境になったりする。

 

今回も少々苦戦したが、何とか120人収容の研修室をゲットした。

施設使用料、10,000円。

 

しかも有り難いことに、

昨日は夜に、ここで坪倉さんの講演会がある日でもあった。

講演会は事前に申し込んであって、話を聴きに行くそのタイミングで、

幸運にもこの会場にひとつ残されていた空き部屋を見つけることができた。

こういう運は大事にする方で、

「ここでやれ」 ということだろうと決断した。

 

さて、昨夜の坪倉さんのお話し。

主催されたのは、南相馬市の 「ベテランママの会」 と

「南相馬こどものつばさ」 という団体。

参加者 30人 ほどの小さな 「お話し会」 だが、

これも数十回続けられていて、

述べにして千人を超える方が坪倉さんの話を聞かれたとのこと。

何事も積み重ねが大事、ということですね。

 


坪倉さんは、先述した通り、

週の半分は南相馬市立総合病院に出向いている。

福島第1原発から北に 23 km 地点。

原発から一番近い総合病院で医療支援を続けている。

今日は平田村まで出張して、帰って来たばかりだという。

平田村ということは、おそらく

ホールボディカウンターによる内部被ばく検査かと推測する。

 

原発から 20-30 km 圏は 「緊急時避難準備区域」 という

実に微妙な指定を受けていて、これによって住民たちは振り回された。

病院のスタッフは、避難するかどうかは自主判断とされ、

270 人いたスタッフが 80 人にまで減ったんだそうだ。

そんな中で坪倉さんは支援に入った。

患者さんを避難させるべきか、動かさない方がいいのか、

正解が見つからない中で苦悶が続いた。

放射線リスクへの不安が募る当時の状況にあっては

「避難させるべき」 という判断は間違ってなかった、と今でも思う・・・

しかし高齢の患者さんにとっては、環境変化そのものが大きなリスクだった。

現実に、その影響で心身が弱まり、亡くなっていった方も多数いる。

 

いま現場で進行している事態は、放射線によるストレートな影響ではなく、

様々な環境要因によって患者さんや住民が苦しめられている、ということ。

原発事故という災害がもたらした複層的な影響、

その現実を知ってほしいと、

坪倉さんは慎重に言葉を選びながら報告されるのだった。

 

南相馬市の原町で産婦人科医院を開業されていた

高橋亨平さんというお医者さんの尽力によって、

1台目のホールボディカウンターが到着したのが 2011年5月。

それは鳥取県の元ウラン鉱山に置かれていたものだった。

高橋医師は、震災後は老若男女を問わず受け入れ、

末期がんと闘いながら最後まで住民を支え続けたという。

今年の1月、74歳で逝去された。

坪倉さんの口から何度となく 「高橋先生がいたから・・・」 という言葉が聞かれた。

 

住民の検査を続けて分かってきたことは、

体内のセシウム量は最初の4ヶ月で半分に減少した。 子どもはもっと早い。 

そして、その後は増えていない。

これは、ほとんどが初期の被ばくですんでいることを証明している。

しかし初期の被ばく量、特に半減期の短いヨウ素の量は、

今となっては不明のままである。

継続的な健康診断で見ていくしかない。

 

現在の食品による内部被ばく量は、高く見積もっても 0.01 mSv 以下

レベルになっている (野生のキノコなどを平気で食べている人は別にして)。

これは核実験時代の日本人の平均以下

-だから 「安全です」 と言うつもりはないが、事実として。

 

医者として悩ましいと思うのは、

例えば日本人の骨密度は欧米人と比べて低い。

そこでカルシウムが足りないと言われるが、それを補ってきたのがビタミンDで、

日本人はキノコと魚を食べてビタミンDを摂ってきた。

キノコや魚をたくさん食べましょうと言いたいのだが、逡巡する自分がいる。。。

 

先日、ベラルーシを視察する機会を得た。

そこで見たものは、ただ淡々と定期検査を継続する光景だった。

27年前の事故の記憶は風化してきている、と感じた。

 

データを残していくことが、将来の風評被害を防ぐことにつながる。

そして大切なのは、教育の復興である。

 

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福島の再生・復興を考えることは、日本の未来を考えること。

 - 多くの方が訴えていることだ。

事故から2年。 改めて  " 福島の今 "  に思いを馳せ、

私たちに何が求められているのかを考えたい。

 

「子どもたちの姿は、私の未来」 -そんな台詞を残したのは、

" 宇宙船地球号 "  の概念を編み出したバックミンスター・フラーだったっけ。

単純に " 食べるか食べざるべきか "  といった話ではなくて、

日本の未来とどうつながるか、を見つける作業をしたい。

ゲンパツから 23 km の場所で医療支援を続ける

  " 悩める医者 "  の声に、耳を傾けてみたいと思います。

 

大地を守る会の放射能連続講座Ⅱ-第5回は、以下の概要で決定しました。

◆日時: 7月25日(木)、18時半~。

◆講師: 坪倉正治さん(東京大学医科学研究所研究員、南相馬市立総合病院非常勤医)

◆場所: 国立オリンピック記念青少年総合センター・センター棟研修室。

       (小田急線・地下鉄千代田線 「参宮橋」 駅から徒歩7分)

 

多数のご参加をお待ちします。

 



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