遺伝子組み換え: 2008年7月アーカイブ

2008年7月 8日

カンガルー島からのお客様

 

オーストラリアのカンガルー島という島から、お客さんがやってきた。

現地から5名の方々に、オーストラリア大使館の方。

引率してきたのは、菜種油をいただいている石橋製油さん。

つまり、彼らはオーストラリアのノンGMナタネの生産者たちである。

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訪問のお礼の挨拶とともに、

大地を守る会の概略説明をする藤田和芳会長 (右から二人目)。 


ここがカンガルー島。

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南オーストラリア州に属し、本土からの距離16km。 

州都アデレードから南西143kmに位置する。

開発や外来種からの影響を免れたため、オーストラリア独自の貴重な動植物の宝庫であり、

野生生物のパラダイスなどと言われる島である。

世界最古のミツバチ保護区もあるそうだ。

 

ここで彼らはノンGM (非遺伝子組み換え) のナタネを栽培している。

南オーストラリア州は、ナタネのGM栽培を禁止していたモラトリアムが解け、

どうやらGMナタネへの商業栽培が始まるようなのだが、

彼らは、カンガルー島という離島のメリットを活かして、

ノンGMの栽培を維持したいと考えている。

 

離島であるため、ここでは花粉の交配という心配もありません。

また自然環境の豊かさや生物多様性を守ることで、島の観光産業も支えていきたいのです。

日本で遺伝子組み換えに反対している消費者団体との関係を密にし、

互いに支えられる関係を築きたい。

 

私からは、大地を守る会の説明をするのに、

そもそもの設立の背景からお話させていただいた。

1960年代から進んだ日本の農業の近代化、農薬公害の発生、そして有機農業の発展の歴史。

それに対応しながら大地を守る会の活動や事業も深まってきたこと。

 

彼らの興味を引いたのは、生産者と消費者を具体的につないできた事業の歴史のようだった。

引き売りや団地での青空市から始まって、共同購入、そして戸別宅配、

さらには卸しやレストランなど、事業が拡がってきたこと。

まったくのゼロからスタートして、マーケットを開拓しながら、

なおかつ生産者と消費者の交流が、今でも盛んに行なわれていること。

 

来年の東京集会には我々も参加したい、という率直な感想に、

彼らが大地を守る会をどう見たのかが表現されているように思った。

 

皆さんがノンGMナタネを栽培し続ける以上、私たちもずっと応援し続けます、

と締めくくらせていただいた。

別れ際に記念の一枚を撮らせていただく。

南オーストラリアで種を守りたいと語る農民は、ごくフツーの快活な若者たちだった。  

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写真中央が、石橋製油の上野裕嗣さん。

ジャズが好きで、いつも加工品製造者会議や東京集会で遅くまで喋くり合ってしまう、

暑苦しい飲み仲間である。

 



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