遺伝子組み換え: 2008年9月アーカイブ
2008年9月16日
ケント・ロックからの手紙
『 Dear Daichi ;
大地を守る会の皆さま
家畜の品評会や展示会は、アメリカの農業関係者にとって、
自分の仕事を同業者や消費者に見せる素晴らしい場所となります。
消費者や農業に携わる者の両方にとってもです。
私の気持ちも、消費者や私と同じ仕事をしている人々と意見交換をすることで
リフレッシュされます。 』
そんな語り口調で、ケント・ロックからの手紙が届いた。
カーギル・ジャパンの方が、ちゃんと翻訳して届けてくれた。
以下、こんなふうに綴られている。
食品のことを考えている人と会った忘れがたい機会は、
7月にアイオワ州デモインで行なわれた、若手のための全米アンガス牛品評会でのことです。
一人の女性と彼女の娘が、展示会場の近くで、卵を勧める展示をしていました。
" 牛だけ " のショーで卵の展示とは・・・・・
ケントは調べに行かなければなりませんでした。
私は卵の展示をしている女性のことを知りませんが、
おそらく農家の人で (牛の出品者であるバッチをつけていましたから)
鶏と牛を飼っているのでしょう。
展示されている卵は4-Hプロジェクトに関係していました。
( 4-Hは、政府も資金を出している組織で、農村地帯の若者、子どもたちに
活動を通して農業を学んでもらうものです。 )
その展示は、実際は味覚テストで、
スクランブルエッグにしたスーパーで買った白い卵と、
おそらく彼らの農場で育てられた桜色の卵の味を比べるものでした。
これはすばらしい機会です!
大松さんや下河辺さんのようなすばらしい家畜生産者が育てた鶏や卵の効能を
日本で見聞きしていたので、私はこのような比較をしてみたかったのです。
このテストでは割る前/割った後の見た目やサイズ、色、卵の殻などの比較もありました。
また、料理の見た目や香りのテストもありました。
味覚のテストは私がやりたかったものですが、
普通のスーパーの卵を選んでしまうのではないかという不安もあって、
本当はやるのは怖かったです。
分別流通 (飼料を使用している) 農場の卵から作られたスクランブルエッグを
選ぼうとするのではなく、どちらの卵だと思おうが、
私の好みにあった卵を選ぼうとしたことを憶えています。
驚いたことに、味に違いがありました。
(私は東京でゲテモノバーを探していた男だということを頭に入れておいてください)
私は分別流通された桜色の卵を選びました。
その女性は、私が選んだほうが多数派だと言いました。
多くの人が普通のスーパーの卵と比べると、彼女の方を好んだのです。
このテストは、塩などで味付けせずに行なわれました。
この展示はとても良く、女性たちは消費者が彼女たちの製品をどのように理解し、
評価するのかを学ぶのに、純粋に興味があるようでした。
味覚テスト前の私は、卵の選択は気持ちの問題で、
味覚の問題ではないのではないかと思っていましたが、間違っていました。
良く世話され、良い飼料を与えられた鶏からの卵の味は、より良いのです。
今までレポートするのを控えていた理由は、
テストがどうなったか、女性から結果をもらうのを待っていたのです。
彼女は結果を送ると言っていましたが、まだ送ってきません。
もう最終結果をもらうつもりもないので、大多数の反応は私と同じだと報告します。
(直後にテストの結果も送られてきたので、別紙に記載しました。)
≪ 別紙は割愛します。ケントの想像通りなので。 ≫
もしこれが、アイオワの牛の品評会でのシンプルな味覚テストでなかったら、
食物の味が、どのように育てられ、取り扱われるかによって変わるということに
気づくことはなかったでしょう。
最高の食物は、最高の生産者と取り扱い業者から生まれます。
大地を守る会が食物を提供する人たちの中で最高の人々だということを見て学びました。
私の農業技術と私の農場も " 最高 " のカテゴリーにしたいと思っています。
私は大地の食材から作られた様々な料理をともに楽しんだ時、
私は世界最高品質の食物を味わったということです。
お客さんのために、良い品質の食物を生産してくれて、感謝しています。
ケント ロック
(2008年6月19日: 『山藤』 西麻布店にて)
つねに探究心を怠らず、自身の経営と栽培技術を高めようとしている
アメリカ農民からの、ウィットも含ませたエールでした。
彼のセンチュリーコーン (非遺伝子組み換えトウモロコシの品種) は、
今年も順調に育っている、とのことです。