あんしんはしんどい日記: 2008年10月アーカイブ

2008年10月31日

反省・・・

このところのお祭り的イベント続きで、持病の腰痛が再発。

一日ダウンして (させてもらい)、火曜日から復帰するも、

いろんな業務調整やら溜まったメールの処理やらに追われる始末。

29日に予定していた、汚染米に関する集まりもキャンセルして、宿題に向かう。

もちろん日常の仕事のなかにもいろんなネタやトピックはあるんだけど、

拾う間もなく次へ次へとやっつけていると、何も書けなくなる。

そんな合い間にも飲み会などあると、これがなぜか、つい深酒してしまう。

かくして、10月は低調に終わってしまった。

 

日曜日の出店お手伝いのご褒美に、おきたま興農舎の小林亮さんから頂いた

「もってのほか」(山形特産の食用菊) をつまみながら、暫し反省の夜を過ごす。

なんでかなあ。 腰が痛いよう、とか言いながら頑張っちゃうのよね、まったく。

生来の貧乏性だな・・・

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「もってのほか」-正式名は 「延命楽」 。 食用菊の王様とも言われる。

その名の由来は、「もってのほか美味い」という説と、

「おそれ多くも天皇の御紋である菊を食べるとはもってのほか」

からきたという説があるらしいが、私としては後者に軍配を上げたい。

偏屈の多い山形県人のこと。 「いやは、畏れ多くもよぉ、~とはもってのほかだな」

とか言いながら、ザクザク食っている姿が、っぽい感じがする。

シャキシャキして、味は淡白。 

面倒なので軸もいっしょに茹でちゃったが、やっぱり花びらだけの方がよかったか。

生産者が 「ホウレンソウと一緒に和えるといい」 と言ってたな。

たしかに。 次はそうしよう。

 

あ~あ。 今週届くのを心待ちにしていた 『あいづ山都の若者たちの野菜セット』 も

限定数を超えるオーダーがあり、職員は早々にカットされてしまった。

仕方ない、というより喜ぶべきことなのだけど。

 


水をやらずに育てた、ギュッと甘みと酸味を詰めたようなミニトマト。

チャルジョウ農場・小川光さんが手塩にかけたオリジナル品種-「紅涙(こうるい)」。

酸味の感じがとてもいいのだ。

 

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食べたかったなあぁ・・・ 

 

しかし、このセットにもクレームが発生した。

予告では 「これら8品目の中から5品目入ります」 と書いておいたのだが、

届けた箱に入れたチラシに8品目の作物紹介を載せたところ、

「チラシに書いてある8つが入ってない!」 とお怒りの電話が入ったのである。

会員サポート部署からは、「チラシに追記して作り直せ!」

さすがに今からそこまではできないと、お届けする会員への請求書に、

入るのは予告どおり5品目である旨のメッセージを入れてもらうことで、お許しを願った。

 

ところがしかしながら・・・である。 

そんなドタバタなどまったく知る由もなく、実際には、6品目入っていたのである。

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                     (会社に届いた現物見本から)

5品目との約束ではあったが、彼ら ( 「あいづ耕人会たべらんしょ」 の若者たち) は

喜んでもらおうと、もう1品目、余分に入れてくれたのだ。

この心づかいは、彼らのメッセージでもある。

大地を守る会とのつながりを、彼らなりに大事にしようとしてくれたことに、

感謝したいと思う。

来年はもっといい形でできるよう、しっかり考えなければ。

 

慌しい収穫の秋のイベントは峠を越したけど、

11月は11月で、シンポジウムやフォーラムが続く。

腰をさすりながら、整理できていない机の上を眺め、

ついに11月3日の秋田行 (ブナを植えるつどい) もキャンセルする。

電話の向こうから、黒瀬正さん (ライスロッヂ大潟) の高笑いが返ってくる。

「ハァーハッハァ! 腰が痛いてか。 そらあかん(使いものにならん)わ。 まあお大事に」

くそッ、口惜しいィィィ・・・・・

 



2008年10月27日

フードアクション ニッポン

 

土と平和の祭典から1週間後の日曜日、

今度は東京・丸の内でのイベントに参加する。

農水省が、食料自給率1%アップを目指して展開する

フードアクション ニッポン」という広報戦略の一環として開催された、

「EAT JAPAN (日本を食べよう) in Tokyou Marunouchi 」。

ここに出店した山形・おきたま興農舎 (東置賜郡高畠町) の応援にかり出されたのだ。

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『美味探求 山形美味 (うまい) 屋 』 と銘打って、

興農舎自慢のお米にお餅、野菜に果物が並べられる。

 

どうやら東京・丸の内仲通りの歩行者天国を利用しての出店に、

代表の小林亮さんも、要員不足を感じたらしい。

「いやぁ、段取りもちょっと不安でよ、ここは大地の力を借りたいんだぁ。」

しかし、日頃から農政には手厳しい亮さんが、どういう風の吹き回しなの。

 


だいたい自給率がここまで落ちてしまったのは、農業政策によるところが大きいだろう。

それが何よ、自給率向上国民運動とか称して17億円もの税金を使ってさぁ。 許せるの?

「そうなんだけども、何とか山形から出て欲しい、としつこく頼まれてよ・・・・・」

 

亮さんもちょっと歯切れが悪い。 人がいいというか。

しかしそんな亮さんからのSOSを受けてやってくる俺たちも、

まあかなりのお人よしではあるけど。

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とか何とか言っても、いざ蓋を開ければ、ごちゃごちゃ御託を並べている暇はない。

山形人に成りきって、

ここは東京の人たちに一人でも多く、美味しい国産農産物を食べてもらおう。

ガンガン行くぞ!

 

こんにちわぁ。 山形は高畠町からやってきましたぁ。

有機栽培のお米にお餅、無農薬の野菜いろいろ、美味しいリンゴにラフランス。

どうぞ食べてみてくださ~い。

 

新米のコシヒカリにリンゴの試食で~す。

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反応はかなりイイ。

 

試食販売に力を発揮したレンタルのキッチンカーに女性陣たち。

亮さん(左) -いやぁ、俺は何もすることねぇな。楽させてもらったなぁ。

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朝11時から夕方の4時まで、途中30分ほどの休憩だけで、

声を出し続け、野菜と果物をさばききる。

土・日と4名ずつの応援部隊も頑張ってくれて、

少しは見直してくれました? 亮さん。 

 

土曜日には娘の和香子ちゃん無事出産の連絡もあって、

夫の温さんは、片付け早々、飛んで帰ったのでありました。

おめでとうございます、お爺ちゃま。

 



2008年10月 7日

10月19日は 『土と平和の祭典』 へ

 

先週から4日ほど秋日和らしい好天の日が続いてくれて、

気持ちよく収穫祭を終えて帰ってきたら、一転して秋霖のような日々に。

どうにも続かないですねぇ、天気が。

 

集まってきている産地からの情報も、先行き不透明どころか、

明らかにこれからの野菜不足を予見させていて、

農産仕入担当職員の間にも "かなりヤバイ" 感が漂ってきている。

8月のゲリラ豪雨攻撃から9月の断続的に続いた雨や低温の影響で、

関東各産地の作業と生育が遅れている。

長野・野辺山の川上村では、9月中旬に霜が降りた。

冬が早いかも・・・・・との連絡である。

雨の中での収穫-出荷をお願いするケースも増えていて、

それは品質にも影響してしまう。

 

先週の理事会でも、千葉・山武の富谷亜喜博さんが言ってた。

「千葉の北総台地あたりでは、秋冬の人参は7月25日から8月10日の間に蒔かないと

 モノにならない。 なかでも有機でやるには8月の1日から10日の間に限られる

 (7月中に蒔くと生育途中に病気が発生するらしい) 。

 それが8月5日の豪雨で流されて、天気や畑の様子を見ながら、何とか

 7-8日に蒔き直したけど、そのあとも5回、ゲリラ豪雨にやられたんだよね。

 9月も良くなくて、10月の回復がポイントだけど、それでも相当な収穫減は必至だね・・・」

 


「普通の年がなくなった」 と生産者から言われるようになって、もう何年になるだろう。

温暖化、温暖化と、それだけのせいにはしたくないんだけど・・・・とも。

しかし、たしかに作りづらくはなっている。

 

気候変動は、おそらくとどまらない。 いやそれどころか、激しさを増すだろう。

加えて、グローバリズムによる輸入農産物の増加は外来害虫の増加なんかも招いていて、

農業生産の困難さに追い討ちをかけている。

厳しい時代である。

 

一方で、エネルギー戦争 (と勝手に言ってますが) の深刻化と、

食糧・資材の高騰が進んでいる。

様々な側面のつながりを俯瞰して、見極める必要があるのだが、整理しきれない。

メディアに登場する論評にしても、どれも一面的な感じがして、スッキリしないし。

 

そして、いろいろと堂々巡りしながら、いつもたどり着くひとつの確信は、やっぱり

 「これからが本当の有機農業の時代」 である。 

国が呪文のように唱えている農地の集約化や規模拡大、国際競争力の強化といった

グローバリズムと国際格差を前提とした政策に振り回されるのではなく、

環境との調和・地域資源の循環を基本に据えた、持続型農業に未来は託されている。

世界は化学肥料の枯渇の段階へと進んできているのだから。

 

実は、有機農業推進法に後押しされて、各地の有機農業先進地が

若者たちの参加 (新規就農) を呼びかけているのは、そのことと無関係ではない。

耕作放棄地の増加といった危機感が反映していることもあるけど、

新しい血を吹き込んで、これからの地域づくりを考える主役になるところまで、

有機農業は歩んできたのだ。 

 

まあ、目の前の不測の事態に、やれるだけの努力はしなければならないとして、

ちょっと気分を変えて、未来志向型の呼びかけをさせていただければ-

  

先日報告した、会津・喜多方の若者たちの野菜セット販売の話では、

試験的ながらも実現にこぎつけました (会員の皆さんには今週チラシが入ってます) 。

山間地で頑張る若者たちの、ささやかな、しかし思いいっぱいの野菜をお届けしたい。

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また、今月19日に日比谷公園で開催する 『土と平和の祭典』 でも、

大地を守る会のブースで、新規就農募集の産地を紹介する予定で準備を進めています。

 

健全な野菜をいっぱいつくって、健全な土を守る担い手を育てたい。

耕作放棄なんて言葉をぶっ飛ばして、

どこよりも美しい村づくりで競い合う社会を、築かないか。

未来開拓者よ、来たれ!

  ・・・・・とまあ、こんなふうに希望を語ることで自らを鼓舞して、

      しんどい日々を支えているワケですが、

お時間がありましたら、10月19日(日)、日比谷公園にお越しいただけると嬉しいです。

会場は小音楽堂とにれのき広場です。

 

昨年のブース風景 (立ち止まって見ているのは実行委員長の歌手 Yae さん) 。

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今年もあちこちから生産者が応援に来てくれます。

ぜひ声をかけてあげてほしい。

 



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