あんしんはしんどい日記: 2009年8月アーカイブ

2009年8月 4日

スーパーマーケットにも大地の野菜

 

今年4月の社内の部署再編成により、

外販営業部隊 (営業チーム) が我が農産グループに編入されてきている。

量販店や自然食品店・レストラン・外食・給食などなど、

要するに宅配以外の卸し業務全般を担う部署だ。

したがってわたくしエビも、グループ長のメンツもあり、時には営業にも出ることになる。

 

ということで、本ブログでは初公開になるけど、

大地を守る会の野菜を販売していただいているスーパーさんをご紹介したい。

小田急線沿線中心に28店舗を構える 「小田急OX」 さん。

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写真は、さる7月24日に訪ねた狛江駅前のお店の外観。

ここから数分歩いたところに研修施設があり、

この日、各店舗の店長さんが集まっての研修会が開かれることになった。

そこで 「大地を守る会の野菜」 について話をしろ、というご指名を受けたので、

当社取締役の長谷川満とタッグを組んでやってきたのだった。

かなり頼りないコンビだって? 誰、そんなこと言うの。 もしかして大地通の方?


会議室に通され、

各店の店長さんに本部の方など合わせて30名ほどの方を前に、お話しする。

前に出て話した当事者なので、写真はなし。

 

店長さんなので、野菜専門とは限らない。

お肉分野から上がってきた方もいれば、雑貨畑でやってきたという方もいる。

「野菜はよく分からない、という方もいますので、小難しい専門用語は通じない

 と思ってやってください」 と事前にくぎも刺されていた。

 

まずは戎谷から、会の歴史と組織概要の説明、基本理念、農産物の自主基準と

トレサビリティや独自の監査の仕組み等をお話しし、

御社の販売する農産物の 「信頼」 に貢献できる自信があることを伝える。

続いて、人参・きゅうり・キャベツを生で試食してもらいながら、

長谷川から、大地を守る会の野菜の違いについての話。

栽培の特徴から野菜の具体的な " 目利き "  まで。

キャベツはここを見るのです。 きゅうりはこうなってないと、人参は・・・・

店長さんたちが一番興味を示したのもここで、やっぱり話は具体的なほうが面白い。

市販品との比較ではちょっとドキドキもしたが、

「うん、違うね、特に人参。 キャベツも甘い。 きゅうりは・・ちょっとわかんねぇなぁ 」

まずまずの好評で、ホッとする。

 

問題は表示である。

有機JASやら特別栽培やら〇〇農法やら、どうなってんの、ってな感じ。

僕も違いについて解説したが、どうもご納得いただけなかったようだ。

「もっと分かりやすくできないかねぇ、う~ん。」

課題ですね。

店長さんたちと忌憚なく会話ができ、

これからのサービスというかフォローのポイントも発見でき、

自分なりに、いい市場リサーチになったと思う。

本部の方曰く。

「今日はなんか、みんなリラックスして、けっこう質問が出ましたね。

 いつもはもっと静かなんですけど。」

これがこのタッグの力なんですよ。 まあ長谷川キャラに負うところ大だけど。

 

お店の大地コーナー。

自社製品といえども店内風景を撮影するには許可がいる。 挨拶して撮らせていただく。

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大地の野菜の特徴を一所懸命伝えてくれている。 有り難い。 

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お店から見れば、わが社が宅配していることは、営業上のデメリットになるのでは、

と思われる方が多い。

しかし、そんなことはないのです。

週一回の宅配で、足りなくなったとき、買い忘れた時など、

町々に一軒の取り扱い店があれば、そこに足を運んでくれる。

お店の方からも 「大地さんの会員さんらしき方も結構お見えになって、

それなりの相乗効果が出ているように思う」 とはよく言われることだ。

 

問題は、こういう不特定多数のお客様を相手にするお店では、

常に一定(以上) の見栄えも含めた品質が求められていて、

大地のように特定の生産者と契約した野菜というのは、

時に一般市場でははじかれるような形状のものも届いたりして、かなりリスキーなところだ。

会員さんからたまに 「こんなのスーパーじゃ置いてないわよ」

とお叱りを受けることがあるが、

そういうのはだいたいバックヤードではじかれていて、

誰に見られることもなく捨てられているワケなんですね。

生産者から見れば 「食べてほしい」 ものなんだけれど (もちろん、傷んでいるとかは別) 。

特定の生産者との契約とは、その時のその土地の結果が

ストレートに反映されたものが届く、ということである。

量販店で有機野菜と付き合うには、粘りと意思が必要になると思う。

そしてもうひとつ、大らかさも。

小田急OXさんとは、お付き合いをさせて頂いてもう20年になる。

 

以前、八百屋塾の話を書いたけど、

町の八百屋さんだって、スーパーさんだって、

" 日本の野菜(農家) を守りたい、支えたい " という思いを持っている人はけっこう多い。

こういう人たちとネットワークして、市場を開拓し変えていくことは大切なことだと、

ぼくは強く思っている。

有機のマーケットが広がり、食の安全の土台が強くなって、

消費者も手に入れやすくなって、農業全体が変わっていければいい。

 

有機農業推進法ができて3年になろうとしているが、

ぼくらは34年前からその精神を実践してきた自負がある。

仁義のひとつくらい切ってもらいたいものだ、農水省には。

そして町のスーパーさんに対しても、Gメンとかいって監視して回るだけでなく、

ちゃんとやっているところには頭を下げろ、と言いたい。

 

後日、OXさんから、

先日の話を社員向け小冊子に掲載したい、改めて原稿にまとめるので協力してほしい、

との連絡が入った。

実にありがたい話である。

 



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