あんしんはしんどい日記: 2012年5月アーカイブ

2012年5月30日

お詫び-「連続講座」 第1回、予約満杯です。

 

今日は急ぎで、お詫びの二連発。

 

3月28日付日記 「世界一優秀な農民になろう」 に、

" ゆめ "  さんから質問のコメントが寄せられていたのに、

お返事ができていませんでした。 

遅ればせながら、しかも簡単なコメントで申し訳ないですが、

アップしましたので、ご確認ください。

合わせて、てん さん、まさママ さんにもコメントへの御礼を申し上げます。

コメントへの返事は三日以内にせよ、というのが

ブログを始めた時の管理人からのお達しだったのですが、

日記そのものが数日後にようやくアップできている始末でして、

なかなか反応できてません。 申し訳ないです。

てん さん始め皆様からのコメントにはいつも励まされております。

改めて感謝申し上げます。

 

二つ目のお詫び。

3月から準備してきた 「大地を守る会の 放射能連続講座」 の件。

第1回の参加申し込みにつき、締め切り後も若干の追加までお受けしましたが、

すっかりパンク状態 (席数160) となり、今はお断りしている状況です。

会場に椅子の増設をお願いしましたが、

消防法との関係で、規定席数以上の準備はできないとの事です。

 

昨日は弊社スタッフがたじたじとなる参加のご要望も受けたようです。

申し訳ありませんが、事情ご了解願うとともに、

USTREAM での中継でご参加いただければ質問も受けられますので、

何とぞご容赦のほどお願い申し上げる次第です。

 

2回目以降の、現時点での確定情報はこちらにて。

会場もすべて決定し、データを更新しました。

⇒ http://www.daichi-m.co.jp/cp/renzokukouza/

2回目、3回目の申し込みも承っております。

 

お詫びだけでは何なので、おまけ情報。 

3月に フランスからの取材を受けた話 をしたけど、

取材陣の中心メンバーの一人だった女性の科学・環境ジャーナリスト、

カミーユさんから、しばらく前に記事をアップした、との連絡。

http://www.actu-environnement.com/ae/news/mesure-contamination-nourriture-japon-fukushima-radioactivite-15630.php4

 

フランス語なので、ワタクシにはチンプンカンプンでやんすが

(英語的に読んで多少想像する程度)、

" Daichi Wo Mamoru Kai "  と T・Ebisudan の文字が散見されていて、

さて、あちらではどんな反応だったのだろうか。

読める方、感想聞かせてください。

 

それから、4月に遡りますが、

ネットで配信されている 「現代ビジネス」 というサイトで、

取材を受けた記事もアップされてます。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32201

 

以上、参考まで。

 



2012年5月 7日

未来に残したい財産は、ここにある

 

未来に残したい財産は、ここにある。

特段珍しくもないけど、

それでも美しい (と感じるのはそれぞれの個人史によるようだけど)、

資源の宝庫、ニッポンの里山。

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僕のゴールデンウィークは、ここ会津・喜多方市山都町での

" 堰さらい "  ボランティアが年中行事となった。

毎年5月4日に実施される、地元総出での水路の清掃作業。

6年連続6回目の出場、ということで秘かに自分を褒める。

この作業の説明はもういいですかね。

毎年書いているので、昨年のブログ を見ていただくことで省略したい。

 

今年のボランティアは、過去最高の49名を数えた。

大地を守る会からは職員・会員合わせて13名 + 将来のボランティア後継者1人。

ついに二ケタ到達! 一大勢力と言われるまでになった。

苦節6年、ウウッ(泣)。。。

 

前夜祭で盛り上がった後、二つの公民館に分泊したボランティアたち。

我々が泊まったのは本木(もとき) 集落組。

朝みんなで朝食をつくって、食べて、お昼用のおにぎりを握って、片付けて、

7時半集合。

堰守りから挨拶があり、班分けが読み上げられる。 

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「頑張りましょうね、皆さん」 と余裕をかましていたら・・・

今年の作業は、ちょっと、、、違った。

通常の堰の土砂さらいとは別に 「特別班」 なるチーム編成が行なわれ、

大地を守る会から僕と須佐(農産チーム職員) が指名された。

「何をやるかと言うとですね・・・・」 と

何やら意味深な 「堰と里山を守る会」事務局長・大友治さん。

「崩れたところとか、倒木の片づけとか、詰まっていそうなトンネルの箇所とか・・・」

状況が想像できるだけに、一瞬うろたえ、唾を飲む。

しかし、、、ここでひるむワケにはいかない。

腰に手をやって、にっこり笑って、覚悟を決める。

 


というわけで、僕と須佐は地元の二人に連れられて、

別働隊として堰に分け入ることになった。

 

今年の冬は雪が多く、春が遅かった。

なだれ的に崩れた箇所がある。 倒木もでかいのが落ちてきている。

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そして・・・

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この溝に潜って土砂を掻き出す・・・ わけですか?

そう、らしい。

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隊長の遠藤金美(えんどう・かねみ) さんが先に入り、

土砂をバケツに汲んでリレーする、と言う。

2番手は、大地を守る会のプライドをかけて、、、行くしかない。

四つん這いではない、文字通り、腹這いで。 

体を上げることも向きを変えることもできない。

天井の隙間から冷たい水がボタボタと落ちてくる。

あんまり想像してもらいたくないけど、

水というやつは、どんなに細かい隙間にもしみ込んでくるのである。

あっという間に全身ずぶ濡れ状態。

それでも、家庭菜園用のスコップで土砂を浚ってはバケツに汲み、

ヤモリのように水の中を這いながら、前進-後退を繰り返す。

 

中は当然暗い。

入口から懐中電灯を照らしてもらいながら作業を進める。

闇の先で金美さんの声がした。 「こりゃ、ベトコンだぁ!」

圧倒的戦力を誇るアメリカ軍に対し、地下トンネルを張り巡らせて

ゲリラ戦で対抗した 「南ベトナム解放戦線」。 米軍は彼らをベトコンと呼んで恐れた。

ベトコンと聞いて、アドレナリンが吹き出してきたか。 

負けるわけさ、いがね! ってなもんで。

しかし、体はどんどん冷えてきて、やがて震え始める。

 

間もなく、ここは作業ポイントではなかった、という落ちがつくのだが、

ま、それはともかく、

金美さんが気遣ってくれて、お昼前に中断して里に下り、

金美さん宅でシャワーを借り、

着替えを一式用意してもらって (パンツと股引はもらうことにした)、

お昼を食べて、午後再び山に入るという、

6年目にして戴いた、貴重な 「ベトコン体験」 であった。

 

やっぱりボランティアでは本当のご苦労は分からないですね、と聞けば、

「いやあ、オレも入ったの、初めてだあ」 と金美さんも笑ってくれる。

 

足手まといになったのか、力になれたのか、分からない。

でも、この堰にいっそうの愛着が涌いたのは確かだ。

水よ、巡ってくれ、この里に。

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作業終了後、例によって早稲谷の公民館前で打ち上げ。

気を使ってくれたのか、乾杯の音頭に指名された。

 

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風呂に入って、夜は 「里山交流会」。

今年の勉強会には、二本松市東和の菅野正寿さんが呼ばれていた。 

 

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菅野さんの話には意外な報告があって、

ちょっと重たいので次回に回すとして、

ここでまったく想定外の人に会ったので、触れておきたい。

 

人気長寿漫画 『美味しんぼ』 の原作者、雁屋哲さんだ。

 

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雁屋さん一行は今、

福島を取材して回っている。

 

実は昨年暮れ、雁屋さんから

知り合いの会津農家の米を売ってくれないかと依頼されたのだが、

僕らも契約農家の米を売るのに手一杯であることを伝えた経緯がある。

雁屋さん推薦の米ですら・・・ですか、と言いながら。

 

みんな苦労しながら、突破口を目指している。

僕らは近いうちに、ひとつの出口で出会うことになるだろう。

出会わなければならない。

頑張りましょう。

一緒に作業すればよかったのに- という台詞はさすがに抑えた。

 

すっかり地元のキーマンになった浅見彰宏さん。

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気がつけば、

チャルジョウ農場、小川光さんも登場。

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アコーディオンを奏で、女子に取り囲まれている。

息子の未明(みはる) さん、曰く。

「こういうところでのオヤジは、すごいんですよ。 かないません。」

 

「種蒔人基金」 で用意したお酒 「種蒔人」 24本は、完売で足りないくらい。

自腹で確保していた6本も供出して、里山交流会は熱く終了した。

 



2012年5月 6日

すべての原発が止まった「子どもの日」

 

昨夜、2012年5月5日午後11時3分、泊(3号機) が止まりました。 

日本で稼働していた原発すべてが停止した、記念すべき 「子どもの日」 。

にくい計らいですね。。。てことはないか。

 

このまま再稼働がなければ、

二度とフクシマのような大惨事は起きないですむ(だろう)、、、日本では。

これ以上悪くなることはない、と思いたい。

しかし厖大な核廃棄物の管理は未来永劫にわたって続くわけで、

そのコストは子々孫々に負わせ続けなければならない。

ただひたすら厳重に隔離させるためのコスト。

不条理なことだと思う。。。

仮に一部再稼働させても、将来へのツケは増すばかりである。

いったい誰のための再稼働なのだろうか。

 

「電力不足」 で危機を煽る方々には、

「節電で乗り越えられるならOKですか?」 と問い直したい。

「乗り越えられるならいいですけど」 と答えるなら、提案がある。

全国の自動販売機を停止してはどうだろうか。

特に煙草の自販機は不要である。

利用者だって、ないものと思えば、少々の工夫で何とかなるだろう。

何とかしようぜ! コンビニだってあるんだからさ。

みんなで知恵と工夫を出し合い、また企業なら

次代に向けての技術革新・市場創出のチャンスと捉えるべきだ。

 

とにかく、廃炉に向けての道のりは、これからである。

福島第1原発の廃炉完了には、

僕には確かめることすらあやうい時間 (30年以上) が必要とされている。

せめて 「持続可能な社会」 の夜明けを見とどけ、確信をもって眠りたいものだ。

頑張らないとね。

「子どもの日」 がいつも希望の笑顔で輝いていられるように。

 

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加藤登紀子さんが提唱した 「緑の鯉のぼり」。

僕の机にも女子がさりげなく立ててくれて、眺めては自らを励ます。

 

未来に残したい財産は、ここにある。 

どこにでもある(あった、と言うべきか)、しかも美しい、日本の里山風景。

資源の宝庫、でもある。

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・・・・・という流れで、会津・堰さらいの報告へと進みたいのだけど、

昨日遅くに帰ってきて、今日は一日遅れの 「子どもの日」 の感慨に

どっぷり浸かってしまった。

レポートは明日に回して、あちこち張った筋肉と腰をさすりながら

このまま思いにふけることを、お許し願いたい。

 


 



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