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2007年12月04日

黒瀬さんからの便り

11月22日付-「よみがえれ!ブナの森」 を読んでいただいた、
大潟村の黒瀬正さん(ライスロッヂ大潟代表)から、嬉しい便りが届きました。

私宛てではなく、大地の会員皆さんへの御礼とメッセージの形になっているので、
ここでご紹介させていただきます。

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(黒瀬正さん)
 

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2007年12月01日

西日本生産者会議

11月29日(木)から30日(金)、
西日本生産者ブロック会議を開催。

生産者会議もここ数年は、先日の「土づくり会議」(11/20の日記参照) のように、
テーマを設定して開催するのがほとんどだったが、
久しぶりに西日本の生産者の集まりをやろう、ということになった。
10年ぶりくらいだろうか、正確に思い出せない。
対象は近畿から九州である。

会場になったのは、高知県土佐町。四国のど真ん中。つうことは山ん中である。
吉野川の上流になる。
干ばつになるとよくテレビに登場する早明浦(さめうら)ダムのあるところ。

ここに 「土佐自然塾」 という、有機農業を教える学校がある。

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2007年11月25日

宮城・雁とエコのツアー

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夜明け前です。
気温は0℃。雲は低く覆っていて、底冷えのする朝6時。

まだ弱い薄明の湿原一帯に、何種類もの鳥の声がざわめいている。
グァグァとカモの類、コォーコォーと高いのはハクチョウ、
中でも多いのがガァンガァンと鳴くやつ。雁(ガン)だ。

突然、湿原の奥から、ものすごい数の雁が一斉に舞い上がって、空の色を変えた。
あっちからもこっちからも、呼応して飛び立ってくる。

写真が上手く撮れなくて悔しいが、
上空に筋雲のように映っているのが、すべて雁である。

ここは宮城県大崎市(旧田尻町)、蕪栗沼(かぶくりぬま)。
11月24日(土)、我々 『宮城・雁ツアー』 一行20名は、朝5時に起き、
ここで雁が飛び立つ様を見に来たのだった。
 

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2007年11月20日

全国土づくり生産者会議

記録-その2

11月15日(木)、第5回全国土づくり生産者会議。
千葉県山武市・さんぶの森中央会館にて開催。
今回の受入団体は、有機農業の生産グループとして組織されて間もなく20年という
さんぶ野菜ネットワーク (旧JAさんぶ郡市有機部会)。

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土づくり会議も今年で5回目だが、今回も講師は能登で農業を営む西出隆一さん。
東京大学農学部を卒業後、ひたすら現場主義で、
正確な土壌診断による健全な土づくりと高品質のモノづくりを追求して、かれこれ50年。

現場での歯に衣着せぬ辛口批評は怖いものがあるが、
実践に裏打ちされた西出理論をものにしたいと集う生産者は年々増え、
その風貌からは、 ‘カリスマ’ というより、はっきり ‘教祖’ と呼んだほうが似合っている。

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西出講座は、3年連続である。
「俺のほ場を西出さんに見てもらいたい」 と、
さんぶの生産者の強い要望でお招きした。

有機農業の基礎となる土づくりの、しかも本などではなかなか学べない
(学者の言う理論とも違ってたりする)、
具体的な処方(アドバイス)つきの勉強会である。
この開催の案内に、全国から100人を越す生産者が集まってくれた。

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2007年10月01日

長崎のみかんも焼けて-

ぶどう、梨、りんごに栗に柿に・・・・・と ‘果物の秋’ 真っ盛りといった
賑わいを見せている「大地宅配」のラインアップ。

10月に入って、みかんもまた極早生(ごくわせ)品種から出荷が始まる。
そんな折り、9月28日(金)の夜、
(株)大地取締役の長谷川満が長崎出張から帰ってくる。

「おい、エビスダニ。長崎のみかんも焼けてるよ」

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2007年09月21日

九代目 弥右衛門 襲名

9月20日(木)
東京は明治記念館-「鳳凰の間」にて、
「九代目弥右衛門襲名を祝う会」が開かれる。

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べつにヤクザの世界の話ではない。
大地のオリジナル純米酒 『種蒔人』 の醸造元である大和川酒造店
代表の佐藤芳伸氏が、
代々当主が継いできた 「弥右衛門」(やえもん)の名を正式に襲名し、
そのお祝いの会が催されたのだ。

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2007年09月11日

台風9号(続報)

台風9号の影響については、8日に速報(?)的に書いたが、
月曜日になって、産地担当が各地の被害状況をまとめてくる。

長野から北海道まで、
稲(米)は大丈夫なようだが、
やはり野菜と果物に色々な被害が出ている。

ピーマンやオクラが倒れたり、ハウスが破れたり、レタスやキャベツは風雨に叩かれ、
人参などあちこちで畑が水に埋まったところもある。
果物も、りんご・梨・ぶどうなどで落果の報告。特に洋ナシがひどい。

いずれも、これからの病気の発生や傷痕などの品質が心配される。

前にも書いたけど、果樹など年一作の作物は、
一年の先行投資分を収穫で取り戻さなければならない。
「梨が1トンほど落果」
「樹に残っていた早生りんごの半分が出荷不能」
「ラ・フランスのひどいところは70%の収穫減」
・・・・・といった報告を聞くのは実にせつないものがある。

それでも生産者はおしなべて
「それほどでもない」 とか 「意外と(被害は)少なかった」 と言う。
力強いものだと思う。

しかし実際は ‘それほどでもなくはなかった’ という現実も運ばれてくる。
流通の悩みはこれからである。

会員の方々には、来週、被害状況をまとめた号外が配布されます。
ぜひご確認いただき、届いたりんごやレタスに 「よう頑張った」 のひと声でも
かけていただけたら、嬉しいです。

2007年09月08日

台風9号

関東を席巻し、昨夜のうちに東北を縦断した台風9号。
今週の頭から進路が心配され、
有機農業推進室・古谷はこまめに各地の予報を生産者に送っていたが、
案の定、かなりヤバいコースをたどってくれた。

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なんなんだぁ! という進路である。

今日は土曜日なので、農産チーム・産地担当諸兄は顔を出してないが、
おそらくそれぞれに産地と連絡取り合っていることだろう。
とはいえ、こちらもやはり気になるものは気になる。
何軒か連絡を入れてみる。

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2007年08月27日

平沢さんのスタークリムソン

長野県松川町の平沢充人さんから、
「スタークリムソン」という名の、珍しい洋ナシが届く。

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まだわずかしか収穫がないので販売には回らないが、
これから増えてくれば、数年後には注文書にもお目見えするかもしれない。
少しずつ穫れるようになってきたよ、という便りである。

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2007年08月23日

猛暑の影響は続く

数日前より、ここ千葉でも夜にはコオロギの声が聞かれ始め、
少しは過ごしやすさも感じられるようになってきたけれど、
農産物は、引き続き猛暑の影響下にある。

毎週火曜日に産地担当(生産グループ農産チームの面々)がまとめる
畑の状況報告がある。

文書名は-『産地担当報告』。
何の工夫もない、いや失礼、誰も気に留めず、まったく飽きのこない、
空気のような名前がいい。
有機農業推進室が出している『今月のお知らせ』といい、大地は飾らない人が多い。

ま、そんなことはどうでもいいとして、各地の様子が短いコメントで並んでいる。
今週は、こんな感じである-

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2007年08月22日

追録(Ⅱ)-台風がくれた財産

昨日は中途半端に閉じてしまった。
ガス欠というより、休暇明けの残業に土日の青森出張もあり、ちょっと息切れした感じ。
失礼しました。

昨日の日記で書きとどめておきたかったこと。
新農研が30年を経て、周りも羨むほどに後継者が育ってきた土台には、
一戸さんたち創設メンバーの悲喜こもごもの苦労や失敗の歴史があるわけだが、
それを支えた根性や意地みたいなものは、
かなり地域の風土や文化によって育くまれてきた個性を有していて、
同時にその風土への誇りのようなものが、いつも背中から滲み出ていたのだろう。
これはきっと大事な “精神” なのだ。
そんなことを、世界一の扇ねぷたに重ねて思ったのである。

生き方や技術に嘘があっては後継者はついてこない。
『後継者を育てた津軽魂 -新農研の伝統とスピリッツは、受け継がれている。』
私の個人的な監査報告として追記しておきたいと思う。
農作業日誌に記されることはない、作物より前に生産者を育てる土台技術として。

そしてもうひとつ、書き残しておきたいこと。
台風がくれた財産があった、のである。

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2007年08月21日

新農研の監査報告-追録

新農研の監査同行の出張で、僕は二つのことを教えられた。
監査の趣旨には関係ない話だけど、忘れないでおきたいと思う。

認証機関から後日提出される監査報告に付けるとすれば、
これはただの感傷的な「余禄」でしかないが、
僕の重要な価値基準に、つまり琴線に触れたこととして、
ここではあえて「監査-追録」とさせてほしい。

ひとつは、
監査を終え、青森空港まで送ってくれるという車に乗ってすぐ、
新農研代表・一戸寿昭さんが、「ちょっと見てってよ」と車を止めて見せてくれたもの。

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これがウチ(旧平賀町)の「世界一の扇ねぷた」なんよ。

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2007年08月20日

大地農産物の現地監査-青森編

8月19-20日
青森・新農業研究会(平川市/以下、新農研)にて、農産物の現地監査が実施された。

これは大地に出荷される農産物がすべて大地の生産基準に合致していることを、
第三者認証機関の監査によって確認する作業で、
5年前から毎年いくつかの産地が認証機関から指定され、監査を受ける仕組みである。

今回その指名を受けたのが新農研。
29名の生産者の中から、りんご、米、野菜それぞれで生産者がサンプリングされ、
有機JASの検査員によって監査される。

りんごの生産者・外川春雄さんの圃場(畑)での監査風景。
手前のお二人が、認証機関の方と検査員である。
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2007年08月19日

林檎が火傷する夏

志朗くんが
「りんごが焼け始めている」
と電話をくれた翌日(18日)。

朝5時に起き、一番の飛行機で青森に向かう。
用務は、りんごや米・野菜を作ってくれている新農業研究会(以下、新農研)の監査である。
大地の生産基準通りに栽培されているか、認証機関の確認に立ち会うの仕事。

でも監査の報告より、こっちを先に伝えたいと思う。
“焼けるりんご”は、青森でも進んでいた。

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これが、りんごの高温障害。火傷(やけど)が進行した跡の姿である。

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2007年07月23日

全国から、農業後継者が埼玉・小川町に集合!

7月19日(木)~20日(金)
『第5回全国農業後継者会議』が、埼玉県小川町で開催される。
青森から長崎までの各地から、36名の農業後継者たちが集まった。
年齢は20歳から43歳(平均年齢30.6歳)。
農業経歴は-半年(脱サラして家に戻って始めたばかり)から14年まで。
ここでは、年齢と農業経歴は相関しない。

今回、この集まりを受け入れてくれたのは、
有機農業暦36年のキャリアを持つ金子美登(よしのり)さん。

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経営する農園の名は「霜里農場」。
金子さんは、若い頃からの日本有機農業研究会の幹事であり、
今やこの世界での‘カリスマ’と言っていい。

また昨年成立した「有機農業推進法」を牽引してきたネットワーク組織、
現在の「日本有機農業団体協議会」の代表も務める。
というか、こちらからたって代表就任をお願いした方である。

漫画家・尾瀬あきらさんの名作『夏子の酒』を読まれた方には、
夏子に有機農業での米作りを教える「豪田」なる農民を覚えていることと思う。
その男のモデルこそ、実は金子さんである。
尾瀬さんは、かなり足しげくし金子さんを取材し、その後有機農業研究会の会員になった。

まずは金子さんに霜里農場を案内していただく。
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住居も含む農園全体が、‘自給’と‘環境’でこだわり抜かれている。

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2007年06月29日

ぬくもり庵

北海道中富良野の生産団体「どらごんふらい」のメンバー、布施芳秋さん。
いま、廃校になった近くの小学校を、仲間と一緒に改造して宿泊研修施設をつくっている。

「ぬくもり庵」と命名された可愛らしい元小学校を覗くと、なんと教室の数が三つほどで、
元々から学年ごとに分かれることを想定していない造りである。
職員室も数名程度の小部屋。地方の分校というのもいろいろだろうけど、
この小ぢんまりさは……微笑むしかない。

そんなミニチュアのような小学校にも、奥に入ればちゃんと講堂が設えてあって、
足を踏み入れた途端、何処からか

「ここがボクらの学校です!」

という声が聞こえたような気がした。

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徳弘と藤田夫妻

元大地社員、徳弘英郎と藤田京子夫妻。
北海道中富良野に入植して7年。
大地の生産団体「どらごんふらい」の一員として、
ジャガイモ、玉ねぎ、人参、ズッキーニ…いろいろ作ってる。
鶏も飼ってる。
生活は苦しいが、地域の役員なども引き受けるようになって、
しっかり北海道の大地に根づいたみたいだ。


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