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林檎が火傷する夏

志朗くんが
「りんごが焼け始めている」
と電話をくれた翌日(18日)。

朝5時に起き、一番の飛行機で青森に向かう。
用務は、りんごや米・野菜を作ってくれている新農業研究会(以下、新農研)の監査である。
大地の生産基準通りに栽培されているか、認証機関の確認に立ち会うの仕事。

でも監査の報告より、こっちを先に伝えたいと思う。
“焼けるりんご”は、青森でも進んでいた。

e07081801.JPG

これが、りんごの高温障害。火傷(やけど)が進行した跡の姿である。

気温が34℃を超えた日が三日以上続いて、発生し始めたそうだ。

素人目には、まだぽつぽつとしか出てないようなのだが、
新農研の事務局を担当する今井正一さんが、冷静に数えている。
彼はりんごと米の生産者でもある。

一本の樹に成らせた実の一割が火傷している。

最初はこのように、焼けて色が落ちる。

e07081802.JPG

ここから腐ってゆく。

気温だけで一割の減収。
サラリーマンの僕はセコい計算をする。

生産者にとっては、毎年何がしかの影響を受けるのは当たり前のことなのか、
あるいは経験則による希望なのか、
「これから普通の気温に戻ってくれて、台風の直撃さえなければ」
とか、色々なプラスマイナスを頭に入れて話してくれる。
我々(検査官と大地職員)を前にして、
生産者は豪気に笑い、流通者(私)は溜息で付き合う。

しかし・・
年々読めなくなる気候変動が生産現場に底知れぬ不安を落としていることは間違いない。
青森の林檎が焼けた・・・・・2007年夏の記憶として残しておこうと思う。

お互い、本当の勝負はこれから、ではあるが。

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