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2007年12月29日

「偽」 の年の仕事納め

1年の仕事を終える。

毎年のことだが、何とも言えぬ脱力感がある。

しかし本当は、まだ終わっていない。
明日も食材は届けられるわけだから。
年の瀬の最後まで、
ミスやトラブルの連絡にハラハラ、ジタバタするのが食品流通の宿命である。

しかも、大晦日だって、正月だって、僕らの責任はついて回る。
本当は、毎日が気が気じゃない日々。

おせちはちゃんと届いただろうか…
正月に呼び出しがくるんじゃないだろうか…
でも、休まなかったら生きてけない、というのも本音であって、
溜まった書類を思い切ってシュレッダーにかけて、
ざっと机の上を片づけ、
パソコンも受話器もきれいに拭いて、終わりとする。

あちこち電気が消えた後、何人か残っている職員に声をかける。
大晦日の夜にデータのバックアップに入る奴もいる。

「じゃあな、お疲れ様。良いお年を」


こんな夜は、サッチモなど聴きたくなる。
特に今年は、そんな気分だ。

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名曲 -「WHAT A WONDERFUL WORLD」

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2007年12月19日

鶏肉生産者の叛乱?

さて、話は一日遡って、12月15日(土)。
茨城県石岡市(旧八郷町)にて生産者の集まりがあり、出かける。

集まったのは、大地に鶏肉を出荷していただいている常陸地鶏協議会と
北浦シャモ生産組合の生産者たち。
以前にレポートした米国のコーン視察で一緒だった下河辺昭二さんの
仲間への視察報告会 +夜は懇親会(という名の忘年会)、という集まりである。

下河辺さんは、私のブログ・レポートや写真を適当にチョイスして構成して、
パワーポイントの画面効果なども駆使して報告。
仕事の合い間に、よくつくったもんだと思う。

続いて、これも視察で一緒だった工藤さんという生協の方から、
遺伝子組み換えの問題点や現在の状況・課題などを概括的にまとめた報告。
これもなかなかの力作であった。

そのあとに私から、補足的にポイントの整理と
これからの取り組みの方向などを話させていただく。口だけで。

お二人の後に、ということなので、話す内容は聞きながら考えるしかなく、
写真を撮るのも忘れてしまった。

要は、生産と価格の安定を目指すためにも、
地域(国内)での自給力の向上に向けた取り組みの強化と、
米国のノンGMコーン生産者との連携の必要性を伝えたわけだが、
いまここで、現実に、
飼料高騰の直撃をくらいながら苦しいたたかいを強いられている生産者たちには、
かなり ‘しんどい展望’ というか、話であったことには違いない。

そして、その後の懇親会、である。 ・・・・・・・・・・
 
 

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2007年12月02日

振り返り

気がつけば、師走である。

エンデの小説 『モモ』 じゃないけど、誰かに時間を奪われている気がする。
米国視察あたりから、完全に‘追われる’ペースになっちゃった。

昔のように夜なべも利かなくなったし・・・
などと一人ため息をつきながら11月を振り返れば、
米国レポートを長々と続けてしまったこともあって、いろんなことを書き漏らしてしまった。

ここで一気に振り返ってみたい。

まずは1日。
島根で開かれた加工品&乳製品製造者会議。

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2007年10月27日

無事帰国したものの…

10月26日(金)、午後6時前に成田に到着。無事帰国しました。

でも時差(14時間)ボケもあってか、
昨夜は、荷物を整理する途中で、とても我慢できずに、
6日ぶりに日本酒を一杯飲んだ途端、
ふうーッと気を失って、ついに朝まで爆睡。

そんでもって、今日(10/27)は大地職員の研修合宿の日なんだけど、
昼間のプログラムはパスして、幕張の事務所に出社。

机の上には、いろいろな郵便物やら書類やら伝言メモ。
加えて加工品や雑貨品の審査物件が、まあだいたい50件ほどか。
パソコンを開けば400件くらいのメールが溜まっている。
(ミネアポリスでは携帯でも受信できたので、実はチェックしていたんだけど、
 返事出したりすると追いかけれらるので、連絡できないことにしてた。
 こういうのも、今の世間のビジネスマンには許されないことなんでしょうね。)

とりあえずやれるだけ処理して、夕方、強くなる雨脚の中、
今度は千葉みなとに向かう。
職員合宿 (といっても今回は日帰り) の打ち上げの会場である。

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2007年09月27日

食物アレルギーの仕組みを学ぶ

昨日、大地の社内研修・勉強会を実施した。
テーマは、食物アレルギー。

研修の対象は、会員からの質問や意見・クレームなどに日々対応している会員相談グループ
だったのだが、入会のサポートをする部署や商品開発の担当者も手を挙げて、
16名の社員が参加してくれた。

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講師は、NPO法人アトピッ子地球の子ネットワークの赤城智美さん。
ご自身も子どもの頃からアレルギーに悩みつつ、大人になった方。

大地は特別に食物アレルギー対策を目的としてきた団体ではない。
‘食の安全性’にこだわり、農薬や食品添加物などの化学物質に頼らない食べものを
生産者やメーカーと提携して、消費者に届けることを、ただひたすらに目指してきた。

しかし、であるがゆえにというべきか、
食物アレルギーは、すでに私たちにとって対岸の問題ではなくなっていて、
現実に食材選びに苦労される方々が多く入会されている。

農薬や添加物を極力排除した安全へのこだわりと、
原材料のトレースの精度が、それなりに信頼されてのことかと自負するところだが、
であるがゆえに、情報の確かさと質問等への対応はおろそかであってはならない。

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2007年09月14日

『プロセス』 から 『ツチオーネ』 へ

大地を守る会の「大地宅配」。
会員向けの商品カタログ 『PROCESS』 の誌名が変更される。
今週が最後の 『PROCESS』 となった。

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『PROCESS』が発刊されたのは1989年7月。
何度ものリニュアルを重ねながら18年。
大地の成長とともに歩み、まさにそのプロセスを体現してきた情報誌だったと思う。

この誌名を社内に提案し、最初の編集・制作を担当したのは私である。
大地の姿勢や思想をそれなりに‘つかんだ’ネーミングだったと、今でも思っている。

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2007年08月17日

仕事再開-いきなり100件!

一週間お盆休みを頂戴して、仏さんと一緒に過ごしてきました。
四国は今も弘法大師さんとともに在るような国です。

さて本日(17日)、一週間ぶりに仕事に戻れば、
机の上には100件ほどの新商品の審査物件書類がド~ンと詰まれていて、
パソコンを開けば、溜まったメールが300件強。
とても今日一日では処理し切れないなぁ、とため息ひとつ吐いて、開き始める。

審査物件100といっても、初見のものは半分弱くらいで、
多くは一度はチェック済みのもの。
不足書類を要請したり、内容の再確認・不備の指摘に対して返ってきたものである。
なかには何回も往復してきたものもある。

安全審査グループをつくって5年。
すべての取り扱い基準を整備し直し、
それに基づいての商品情報のトレース体制を築いてきたが、
必然的にメーカーからの提出書類は膨大になった。

古くから付き合いのあるメーカーの方から皮肉られたことがある。

「大地は‘顔の見える関係’と言ってきたけど、
 これじゃまるで‘紙の見える関係’だ!」

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2007年08月03日

台風情報でも少しは役に立ちたいと・・

台風4号から半月ちょっとで5号の来襲。
おとといの日記は、ただの能天気なコメントになってしまった。

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今日も農産チームのスタッフがあちこち電話しては、
「台風、どう?」とやっているのが聞こえる。

とりあえず、そんなに大きな被害はないようだ。 よかった。
ただ早場米の宮崎が、やっぱりヤバイ感じ。
生産者・宮本恒一郎さん -「今年はキツイ年になりそうよ」
これは、実際には4号からの影響のようだ。
会員の皆さんには、『PROCESS』での新米情報にご注意を。

さて、大地もただ生産者から聞き取っているだけではない。
せっせと情報を集めては生産者に発信している者が、一人いる。
安全審査グループ有機農業推進室・古谷隆司。

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2007年07月26日

トレーサビリティの根幹に思想はあるか

今日の夕方、関西のある消費者団体の若い職員の方が、大地を訪ねてこられた。
その団体の代表の方とは古くからのお付き合いである。

聞けば、
その団体でも農産物の栽培情報のデータ管理(コンピュータ管理)を進めているのだが、
どうも相当難儀しているようなのだ。
そこで大地ではどんなふうにやっているのか見てみたいと、
ここ千葉・幕張の事務所までやって来られたのだった。

我々に教えられるものがあるのかどうかはさておき、
そういう相談を受けること自体、大地が評価されているとも言えるし、
双方内輪の実態を明かすような話なので、大地が頼みやすかったのかもしれない。
信頼されているというのか、友だちっぽい気安さがあるのか……

ま、それはともかく、暑い中ようこそ、ということで、
東西の情報交換などしながら、大地のシステムについてお話させていただいた。

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2007年07月17日

台風と地震の波状攻撃

7月には珍しい大型の台風4号が、各地に被害を残して走り去った。
この異例の強さはラニーニャの影響らしい。

・・・とか書き始めたのが15日(日)の夜。
でも産地の状況など集めた上で書くかと思い直して
16日(月)、会社に向かえば、今度はなんと中越沖での地震報道だ。
こちらも大きい……えっ? 阪神淡路級!
何だか、背中の方からざわざわしてくる。

午後になっても、夜になっても、余震が続く。千葉でも揺れた。

昨日から、農産物や水産物の仕入部署である生産グループの職員は、
各産地の被害状況の聞き取りなどで、せわしなく電話している。

情報企画室からは、
「台風の影響情報を整理して、会員向けに号外を出したい」
とのメールが早々に入っていたが、地震情報も追加!となる。

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2007年07月07日

ハート会

7月6日(金) ハート会での講演、無事終了。
ま、REACHについてそれなりに整理してお伝えできたかと思う。
参加者からもたくさん好評を頂戴し、ホッとしているところ。

私のほかには、
有機認証機関と検査員協会の方からのお話。
そして老舗の繊維メーカーの方から環境への取り組み、など。

参加者は80名くらい。
ハート製品の製造にかかわる関係会社の方々が集まり、
ハート会の求心力もなかなかのもの、と感じた次第である。

EUがREACHでやろうとしていることは、
たんに化学物質を上から力でもって規制し管理することではない。

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2007年07月05日

土壌分析のすすめ

安全審査グループ有機農業推進室(以下、推進室)のスタッフが、新しい冊子を作った。
『土壌分析のすすめ(保存版)』(A4版・24頁)

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推進室では毎月、大地の機関誌(だいちMAGAGINE)と一緒に
部署内で制作した『今月のお知らせ』というニュースを生産者に送っている。
実にシンプルで、飽きのこないタイトルでしょう。
推進室から生産者への各種のお願いごとや、
有機農業とか農薬に関連する新しい情報、大地の行事の案内などをまとめて、
月に1回発行している。

そこに今月は上記の冊子が同封された。
『保存版』としたところにスタッフの気持ちが込められている。

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2007年07月03日

リーチってか…

オーガニックふとんでお付き合いいただいている「ハート」さんが、
原料の調達から製品仕上げまでの行程で関わりのある関係会社さんたちを集めて、
年に1回、「ハート会」なる研修会を開いている。
今年は7月6日(金)に東京で開かれる。

そこで3年ぶりに講演の依頼がきた。

3年前は、大地の基準の考え方や栽培管理システムの体系などを通じて、
トレサビリティ(追跡可能性)体制の大切さについてお話しさせていただいた。

そんな経緯もあるので、今回は何をテーマに話をしろというのだろうと、
担当に確認してもらったところ、まったく想定外の課題が突きつけられた。

リーチ法について話して欲しい。

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