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『この地球(ほし)と生きる 大地百選』 てどう?

エコ系の新しい雑誌が、また創刊された。
『自然力マガジン WATER』 。
「新しいエコロジーライフの時代へ-」 と謳い文句が付されている。

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発行元は(株)地球丸。
釣り関係の書籍や、雑誌 『夢の丸太小屋に暮らす』 『天然生活』 など
アウトドアやエコ的ライフスタイル系(とでも括らせていただく)の出版物を
多く出している版元である。

ここでは雑誌の宣伝をしたいわけではなく(しちゃってるけど)、
実は、我らが敬愛する米の生産者・千葉孝志さん(宮城県大崎市/旧田尻町)が、
その創刊号の冒頭のコラムに登場したので、紹介したくなったわけ。

いや実は、単なる紹介では終わらなくて、
ここで新たな試みを始めてみたい、と思うのである。

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「国内初! ラムサール条約に登録された田んぼ」

宮城県蕪栗沼(かぶくりぬま)。
世界で初めて、沼周辺の田んぼまで含めて、
水鳥の生息のための 「大切な湿地」 として世界的に認められた場所。
千葉さんはそこで米を作っている。

農薬は撒かない。
渡り鳥のために、冬も田んぼに水を張る冬季湛水(とうきたんすい。「冬水田んぼ」とも言う)
を実践している。

千葉さんは有機JASの認証も取得しているが、
「有機」の規格に適合したからすごいのではない。

本当に田んぼが好きで、生き物が好きな人の田んぼに、生き物はやってくる。
その生き物たちによって、田んぼもまた豊かになる。

生命のつながりによって私たちは生かされている。
そのことをはからずも実証している米づくり、なのだ。

僕はこれが
法律で縛られてしまった「有機」の規格を超えるひとつの道筋である、
と思っている。

雑誌では、
「千葉さんの田んぼには、生き物の気配が満ちている」
なんて書かれている。

   「もともとは水鳥のためにやったことでしたが、冬でも水を張っていることによって
   イトミミズなどの生物も増え、生態系がゆたかになるんですね。鳥の糞も肥料に
   なりますし。すると田んぼの生産力が強くなるわけです。そのことに気がついて
   からは、安全な無農薬の米づくりに拍車がかかりましたね」
   
    畦道を歩くと、カエルが一斉に田んぼに飛び込んだ。チョウが鮮やかな稲の上
   を舞う。千葉さんの田んぼには、生き物の気配が満ちている。自然循環型農業
   のひとつのかたちがここにあるようだった。

『WATER』 に刺激され、思い切って出したいと思う。
僕が密かに温めていた、こんな企画。

『この地球(ほし)と生きる、大地百選』

ちょっとクサいけど、このブログの中で、勝手にやるならいいよね。

渡り鳥が静かに体を休め、餌もたっぷりと用意してくれている田んぼ。
その鳥たちを優しく見つめ、彼らのためにビオトープを設ける。
いっぽうで餌となる虫たちも慈しみながら、米を作っている。
千葉さんの田んぼにやってくる渡り鳥は、
この地球(ガイア)の、かそけき生命連鎖の伝達者である。

僕は千葉さんが作った米と連帯したい。
ということで、
私が勝手に選ぶ 『この地球(ほし)と生きる、大地百選』 -登録第1号とする。
お許しいただきたい。


それにしても、
こんなに似たような雑誌がいっぱい出てきて、いいのか?
アウトサイダーとか反体制とか言われながら日陰者のように生きてきた者としては、
キレイなエコ雑誌乱立の現象は、バブルのようにも見えて少々気になるところである。

ま、時代の波でもあるだろうし、新たな層が掘り起こされることもある。
どちらでもいい。本物が残る、という覚悟でやりましょう。


<追伸-会員の方へ->
来週か再来週に配られる『だいちマガジン』10月号で、
千葉さんと蕪栗の田んぼを訪ねるツアーの案内があります。
日程は、11月23-24日。
田んぼや沼で憩う鳥の数のすごさは圧巻です。生命の賑わいを実感できるツアー。
たくさんの人の参加を待ってます。

≪注--雑誌『WATER』には大地宅配の広告も出稿もしているので、
 多少宣伝したい気持ちであることも、告白しておきます。
 個人的には、アラスカの自然や生物を撮り続けた写真家・故星野道夫の記事は、
 もっとページを割いて特集してほしかった。全体的にやや中途半端な感あり。≫

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