大地を守る会: 2010年11月アーカイブ

2010年11月14日

35周年-" 新たな挑戦の時代 " が始まっちゃったよ!

 

" しんどい "  日記を表題に掲げてきた我がブログとしては、 

この一日をスルーさせるわけにはいかない。。。 しんどいけど。

10月30日(土)、加工食品製造者会議の翌日、

NGO大地を守る会の臨時会員総会と (株)大地を守る会の臨時株主総会をやって、

35周年記念パーティへとなだれ込んだ長~い一日の話。

 

会場は千葉・幕張、アパホテル&リゾート東京ベイ幕張。

朝10時から午後2時までNGOの総会、午後3時から株主総会。

議案は他にもあったが、議論はほぼこの一本に絞られている。

NGOと株式会社の合併である。

 

ともに時間をオーバーして審議いただいた。 

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最終的に承認をいただいたものの、

現時点ではまだ合併後のかたちが見えないことが、

会員の不満や不安を激しく募らせたように思う。

特にNGOで展開してきた運動面がどのように組織内に位置付けられ、

会員の活動が保証されてゆくのか。

35年続いてきた、" 運動体と事業体を車の両輪として展開させる " 

という組織論の発展的転換。 

これを進化と言われてもイメージできない、というのも尤もなところだと思う。

 

組織論というのは、未来永劫にわたってこれこそが正しいと言い切れるものはなくて、

社会状況とともに変化させることも必要になる時がある。

NGOと株式会社が時に別々に切り分けられて語られることに対する漠とした不安は

僕らの中に常にあったし、この組織において、NGOだけが美しく存在し続けることは

実態としてあり得ない。 

大地を守る会は  " 無農薬の大根一本を、つくり、運び、食べる "  運動から始まったのだし、

会員は生産者と消費者 (と事業体の社員) なのだから。

一方でひとつになればなったで、

事業体が持っている宿命的な業(ごう) に運動面が引きずられ、

その健全性が維持できるかという不安も生まれる。

 

だからこそ2年前、僕らは会社の定款に

「 『自然環境に調和した、生命を大切にする社会』 の実現を目指す社会的企業」

であり続けることを、憲法の前文のように付記した。

" 設立時の理念を本業のなかに血肉のように浸透させ、たたかい続ける企業となる " 

宣言である。

とは言ったって、どんな形にしても、要(かなめ) は構成員の意思の持続性にかかっている。

 

加えて、将来的に会社の上場を目指すという大胆な表明もあり、

両総会は合併と上場論議とが交錯しながらの進行となった。

「今はまだ、(上場は) 少年が東大に入ると宣言したようなものですから・・・」

という会長説明もなかなかだけど、

こういう事業にこそ社会は投資すべきではないか、

と言い続けられる事業が展開できたなら、それはそれで挑戦に値する、という思いはある。

これは囲碁や将棋でいうところの、驚くべき次の一手、新手である。

 

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この 「承認」 は期待の大きさとともに、責任の重大さの自覚が求められた決議であることを、

僕らは肝に銘じなければならない。

35周年宣言の起草に関わった者が言うのも恥ずかしいが、

自分の現役中にここまで来ようとは、とても思わなかった。

時代の変化はスピード感を増している。 

それだけ大きな社会的期待を受け止める決意表明をしたわけだ。

社会変革を目指す運動論をエンジンに据えた事業体を、

僕らはビジョンとモラルを持って走らせなければならない。

世界を席巻するグローバリゼーションを前にして。

 

35周年。 

よくぞここまで、で終わるわけにいかない。

新たな時代を拓く、厳しい船出を、とりあえずみんなで励まし合う。 

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ご参加いただいた皆様、有り難うございました。

 

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生産者を代表して、設立時からお付き合いいただいたお二人から

ご挨拶をいただく。

 

静岡県浜松市のお茶の生産者、樽井ちえ子さん。 

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北海道江別市、じゃがいもの生産者、金井正さん。 

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そして、加藤登紀子さんはビデオ・レターでメッセージを送ってくれた。 

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藤本敏夫・登紀子夫妻の遺伝子を受け継いだ、八恵ちゃんが謳ってくれた。

 

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彼女を見ると、配送員時代 を思い出してしまう。

オレも頑張ったよ、と言いたくなっちゃうのだ。

 

記念のケーキを用意してくれた、ムーラン・ナ・ヴァン の加藤パティシエにも感謝。

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最後は、職員が並んで皆さんをお見送り。 

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感謝と、次の時代への決意を込めて。

ガンバローね、みんな。

 



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