大地を守る会: 2012年8月アーカイブ
2012年8月28日
今こそ農業の時代 ~藤本敏夫から託された未来~
「 原発の開発とともに進んできた第七次エネルギー革命の時代は、
ゆっくりと衰退への道に入っていく。
それに替わって、生態圏の生成の原理に立ち戻って、
そこに別の豊かさを取り戻そうとする、
第八次エネルギー革命の時代が隆起する。
それに連動して、経済の思想が根底からの転換をはじめる。
社会は再生への運動をはじめる。
とてつもない災禍をくぐり抜けたあと、日本の進むべき道は、
いまやはっきりと前方に見えてきているのではないか。」
(『日本の大転換』 中沢新一著、集英社新書)
いまこの方を知る人たちは、思想家・人類学者としてより、
「グリーン・アクティブ」 の代表としての中沢新一(明治大学野生の科学研究所所長)
に注目していると思われる。
この政治的仕掛けへの論評は僕にはまだ無理なので控えるとして、
今日は、11月に予定している 「藤本敏夫 没後10年を語る」 での記念講演について、
中沢さんの研究所までお願いに上がった。
藤本さんの奥様・歌手の加藤登紀子さんも一緒だった。
すでに登紀子さんや弊社・藤田社長から依頼され快諾を頂いていたもので、
僕としては概要説明や実務的な詰めを兼ねた表敬訪問のつもりだったが、
自ら同行されたところに、登紀子さんがこの日に託す思いの強さを感じた。
登紀子さんにはきっと、中沢さんの講演に期待するイメージがあるのだ。
(おねだりして1枚。 素人写真に登紀子さんは渋々OKを出してくれた。)
登紀子さんの思いは、当日の記念講演タイトルに表現されている。
「 今こそ農業の時代 ~藤本敏夫から託された未来~ 」
大地を守る会初代会長・藤本敏夫が生前語っていた言葉がある。
- 歴史は未来からやってくる。
- 地球の上に土下座して、すべてをそこからはじめたい。
- 自然と歴史を喪失した都市の中で、伝統の保存ではなく、
伝統の創造のために行為しなければならない。
- 農業の生命産業としての再構築しかない。
- 危機だからこそ創造が可能だ。
- 今、私たちは失望に向かって動いていっているかもしれない。
(しかし) どんなことがあっても、どのような状況にあっても、
希望を持ち続けなければならない。
「第八次エネルギー革命」 を、植物の光合成から、
つまり第1次産業の力に求める中沢さんが、
どんなふうに 「藤本後10年」 を整理し、3.11を踏まえた展望を指し示してくれるか、
期待したい。
案内チラシのリード文は、以下のようにしたためさせていただいた。
- 希代の英傑・藤本敏夫が没し、10年の歳月が流れました。
彼が語り描いた農からの希望と未来の姿は、未完のまま、
しかし輝きを失うことなく、今も私たちを励まし続けています。 ・・・・・
登紀子さんからのメッセージも届いている。
「 藤本敏夫が他界してからの10年、めくるめくように時代が動きましたね。
鴨川自然王国に若い人たちが来るようになり、
娘の Yae が農業を目指す若者と結婚したことは、思いがけない喜びでした!
去年の震災からまた新たな意味で、農的生活を求める人たちが増えています。
楽しくなきゃ人生じゃない!
生きる喜びこそが、社会を変える!
何もかもが行き詰っているように見えるけど、
スマイル・レボリューションはもう始まっていると思っています。
藤本敏夫の時代から次の世代へ、革命のバトンをつないでいけるよう、
大いに熱い思いを語りたく思います!
どうぞ、たくさんの方のご参加を、楽しみにしております。」
では改めて-
「 藤本敏夫 没後10年を語る
~ " 土と平和の祭典 " の前夜に~ 」
2012年11月17日(土)17:00~21:00。
日比谷公園内 「松本楼」(まつもとろう) にて。
中沢氏の記念講演の他、
トークセッション - 「 『青年帰農』 から始まった10年 若者たちの新しい生き方」。
後半の立食パーティでは、
松本楼に顔向けできないはずの暑苦しい闘争世代 (土下座して入れ!) と
爽やかな若者たちのリレートーク、
そして登紀子 & Yae さんの歌なども予定しています。
会費は、少々お高いですが、1万円。
大地を守る会の会員の方々には、10月1日の週にご案内を配布します。
それに合わせてHPでも告知します。
どうぞ、世代を超えてご参集くださいますよう。