雑記帳: 2007年12月アーカイブ

2007年12月23日

飯能焼

 

自宅から車で10分少々のところに陶芸の窯がある。


「飯能窯」 と称し、地元飯能の山の土で焼く。

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江戸時代、天保年間から明治時代にかけて焼かれたようだが、廃れてしまった。

それを1975(昭和50)年、

虎澤英雄さんという陶芸家が土岐のほうからこの地に入り、

100年ぶりに飯能焼を復活させた。


 

実はその程度の知識しか持ってないのだが、

たまに何かの折に覗きに来る。

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飯能焼体験教室なども開いている。

この日も軽い、失礼、明るい若者たちが来ていて、楽しそうにやっていた。

 

展示室がある。

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鉄分の多い飯能の土100%で焼く。

それに白絵土による "イッチン"描きの絵付け、これが特徴である。

和紙などで筒をつくって釉薬や泥将を入れ、

指で押し出しながら陶磁器の肌に盛り上げの文様を描くやり方。

 

へえ。エビにそんな素養があったの?

いえ。説明にそう書いてあります。

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加えて 「翠青磁」 と名づけられた独自の青磁釉の技術を持つ。

国際陶芸展はじめ、数々の賞を受けた深い色合い。

青でもなく、碧ともちがう、これが翠と表現される色なのか

-といつも見入ってしまうのである。

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今回覗きにやって来たのは、

20年以上も大地で勤めてくれた女性が退職されることとなり、

どうしても送別会に出られない事情もあって、

何か用意したくなったから。

色々と眺め、二つの展示室を行ったり来たりして、迷うこと小一時間。

ずっと目から離れない一品-「やっぱりこれ」。

 

思い切って、翠青磁のぐい呑みをひとつ、求める。

 

その方は、杉並区永福町のセンターから始まって、

調布センター、そして幕張まで付き合ってきてくれた。

大地にとって、この年月は大きい。

酸いも甘いも......と言ってもいいだけの時間を共有した、

まあ僕にしてみれば、"同志" のようなものだ。

 

勤務が幕張に移ってから、体調もあまりすぐれず、退社となった。

 

ちょっと抜け駆けの感もあるが、20数年来の仲間ということで、

許していただきたいと思う。

 

陶芸家・虎澤英雄さん自ら箱の蓋に一筆したためてくれて、

嬉しい気分で窯をあとにする。

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窯の裏手にある東屋と雑木林が、なんともいい佇まいである。

 

この盃に我が銘酒 「種蒔人」 をつけて贈ることにする。

 

じゃあHさん、これからの人生も楽しくありますように -乾杯!

 



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