雑記帳: 2008年7月アーカイブ

2008年7月13日

村の小さな夏祭り

 

e08071205.JPG

 

昨日(7月12日)は、地元にある小さな神社の夏祭りがあって、

朝から準備に駆り出される。

本音を言えば、専門委員会・おさかな喰楽部が主催する、三浦での海の交流会に

出たかったんだけど、なんせ今年は自治会の班長さんという大事な役目が回ってきていて、

地域の重大行事を放ったらかして出かけるわけにはいかないのである。

一山美秋さんのマグロ漁船大航海時代の話を聞きたかったなぁ・・・・・

なんて思いながら。

 

ま、それはそれとして、

規模は小さくても、地元の人たちがずっと大切にしてきた祭りである。


男どもがざわつきながら集まってきて、準備に取り掛かる。

幟 (のぼり) を立て、テントを張り、演芸会のステージをつくり、

まわりに飾り物などをつけてまわる。

全部、自治会の手づくりである。

寅さんみたいな人が来て屋台を出してくれるわけでもなく、

出店も子ども会の方々を中心に、カキ氷やらポップコーンやらを準備したりして

運営してくれる。

 

不思議というか、面白いと思うのは、

毎年こうやってみんなで準備しているのに、いつも設営の段取りでもめることだ。

「そうじゃねぇだろ!」 「何やってんだ、ァ~ん!  こっちが先だんべぇよ!」

果ては、「誰だぁ、こんな結び方したんは!」

とか罵って、せっかく縛ったロープをほどいてしまう古株まで登場して、

ワイワイガヤガヤ、右だ左だ、何とかかんとか......

とても新住民が手を出せる、いや口を挟める余地などない。

(こう見えても、もう20年になるんですけどね~え... やっぱり新住民...)

 

要するに、みんな祭りの段取りでは誰にも負けたくないんだね。

八坂神社祭典のことなら、俺は子どもん頃から知ってんだ、という自負が、

この喧騒を生んでいる。 

しかも、彼らにとっては、ここからもう祭りは始まっているのだ。

 

準備が整ったあたりから、だんだんと人がやってくる。

e08071203.JPG

 

これでも行政区としては 「市」 に入るのだけど、

どう見ても、「村の小さなお祭り」 と表現するのがふさわしいような風景だね。

 

e08071202.JPG

 

神社本殿では、「かしこみかしこみ」 と神主さんのお祓いが行なわれ、

氏子総代や自治会の役員の方々、それに

各班から選出された 「灯ろう番」 さんたちが、祭典終了までご神体の番を務める。

 

祭りの定番、お神輿の登場。

e08071204.JPG

 

この神社には、大人が担ぐ神輿はなくて、子ども神輿だけ。

しかも練り歩くのは境内の中だけ。 寂しくもあるが、これでも

子どもたちに 「祭り」 というものを実感させてあげたくて、こしらえたものだ。

子どもたちも、それなりに一生懸命になって 「ワッショイ、ワッショイ」 と担いで歩く。

 

やっぱり祭りには、子どもの姿が必要だ。

e08071206.JPG

 

子どもたちが、地元の行事に親しんで、喜んでくれている顔が、

親父たちをシアワセな気分にさせ、そして準備の段取りを仕切りたがらせる。

 

日が暮れれば、大人たちは飲む。 飲ん兵衛は飲み続ける。

e08071207.JPG

 

地元集落総出で夏祭りを盛り上げる。 こんな風習は、ここいらでもだいぶ廃れてきた。

祭りすらなくなってしまった神社もあると聞かされた。

 

『奉納 演芸大会』 -要するにカラオケ大会なんだけど、

オヤジの下手なコブシより、やっぱこういう風景こそ、お祭りですよね。

e08071208.JPG

 

最後は、盆踊り。

e08071209.JPG

 

朝の9時から準備。

午後3時から八坂神社祭典。

午後5時から飲み出す。

演芸大会終了後、午後10時から打ち上げ -という名の飲み会。

翌日の今日は、午前9時から片付け -準備と違ってさっさと進む。。。

午後3時から役員会の反省会 -という名の飲み会。

普段飲んでるのとは違う日本酒に、最後はついにフラつく。

 

「祭り」 というハレの日。 

心のどこかで 「今年も守ったぞ」 の気概が渦巻きながら、男たちは飲み、騒ぐ。

子どもたちに、ふるさとの記憶を持たせたくて、

またこの土地を少しでも愛してくれたら、という思いも多少はあって、

そんでもって、「来年は...」 の話をもうしてる。

どうせ来年も喧嘩するくせに。

 

どうあがいても新住民の僕は、

「ホタルが、この20年でずいぶん減ったですね」 とか言ってみたりしている。

俺だって、この地で、大事にしたいものはあるのだ。

 



最近のエントリー

大地を守る会のホームページへ
とくたろうさんブログへ