雑記帳: 2009年1月アーカイブ

2009年1月14日

ニッポンの食はオレたちがつくる! ときた。

 

予告した手前、12日朝のNHK成人の日番組を録画とっておいて、

遅ればせながら改めて見る。

 

『あしたをつかめ スペシャル

 -農業漁業はオレに任せろ! 期待の20代大集合- 』

 

おおッ! カッコいいねぇ。

北海道から鹿児島まで、農業や漁業に新規就農(漁) した若者に、

「農業をやりたい!」 とハッキリと意思表示する東京農大の学生たち。

いやあ、実に頼もしい。

 - と言いたいところだが、サーフィンもできる場所を探して来たとか (ま、いいけど)、

売上500万 (利益-手取り-はその半額、しかも根拠の薄い皮算用) で

 「将来はリッチ・ファーマーかな、アハハ」 と屈託なく笑う若夫婦を見て、

不安に思った方もいるのではないだろうか。

しかも 「ゆったりとした老後を送りたいので」 とか言われた日にゃあ、

その前のキビシ~イ人生がすっ飛んでんだろ! と叫んでしまったりして、

汗出てきちゃったよ、まったく。

「子どもの養育費が必要になったときとか、苦しいよね」 なんて諭されながら、

それでも 「なんとかなるかなぁって」 といえる豪快さ、

いや、文字通りの底抜けの明るさに、脱帽である。


まあ何と言うか、これが若さの強みってやつなんだろうか。

僕にも、身に覚えがないワケでもなく・・・・・

でもさすがに老後云々てのはなかったなぁ、と思う。

そもそも自分は啄木(26歳) や中也(30歳) のように夭折すると信じていたし、

あるいはチェ・ゲバラのように-。

嗚呼いつの間に、世間の垢に汚れちまったか・・・・・

 

そんな中で登場した、「株式会社 ゆうき」 の若者たち。

安原義之さんの息子さん、裕也くん(27歳) 。

栽培から営業へと、仕事を覚えようと懸命である。

神社の境内での青空市で声が出ない  - 僕も思い出すことがある。

大丈夫、これは慣れだから。 見せてやりたいなぁ、いまの恥知らずのオレの売り子姿。

 

高卒後、鉄工所勤めを辞めて裕也君の誘いで入社した高橋智和。

「農業を一生の仕事にしたい」 と。

田中亜矢子さんは、新潟っぽい仕事をしたくて、公務員の職を捨てて帰ってきた。

夏は米づくり、冬は酒づくり、楽しそうである。

 

ま、いいか。 成人の日に、

「ニッポンの食はオレたちに任せろ! 私たちがつくる!」

と気勢を上げる若者たちに、僕らは未来を託すことになるのだ。

精一杯応援してあげなければ、と思う。

街に解雇された人々が溢れ、世界のトヨタも操業を縮小するという状況をもろともせず、

農業・漁業に 「面白い! 楽しい!」 といって乗り込んでいく彼らの瞳が、

淀み壊れないように祈りたい。

いや、俺たちの責任だけでもまっとうしなければ、か。

 

それにしても、屈託なく夢を語り合えているニッポンの成人式の日にも、

地中海に面した街では子どもたちが逃げ惑い殺されているこの世界の今ってのは

何なんだ、と考えてしまう性 (さが) がある。

やっぱり考えたい、と思うのである。 

経済がグローバリゼーションなら、僕らの思考も地球規模で働かせなければならない。

新しいカタチで人はグローバルにつながる必要がある。

そうやってこの時代を創造的に超えないと、

わたしやキミの気楽な老後なんてありえないんだって。

振り回され、収奪されながら、しかも元金を失っていくようなこんな世界、

変えようよ! と言ってみないか、その清新なセンスで。

 



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