雑記帳: 2010年7月アーカイブ

2010年7月 9日

六本木農園での再会

 

驚くべき再会、というのが人生には間々あるね。

今回の再会は、記憶の片隅にあった人が、突然輝いて目の前に登場した、

そんな驚きである。

 

昨夜、当会六本木会議室で専門委員会 「米プロジェクト21」 の定例会を行なった後の、

暑気払いも兼ねての一席。 

メンバーの方の提案もあって、訪れたのが 「六本木農園」 というお店。

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ホームページには " 農業実験レストラン " と謳われている。

すべて生産者の顔が見える食材。

秋の 「土と平和の祭典」 にも出店されている 「農家のこせがれネットワーク

とも連携していて、スタッフはみんな農家出身の人たちだとか。

生産現場に足を運び、農作業もやっている。

 

ここでお会いしたのが、グランシェフ・舘野真知子さん。

実は、1997年に大地を守る会が主催した 「カナダ先住民族ツアー」 で一緒だった。

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写真左が舘野さん。 13年ぶりの再会。 お懐かしい・・・

カナダ・ツアーのときは管理栄養士の仕事をされていたか、

英語の勉強をしていた時だったかと思う (記憶が曖昧で、すみません)。

その後、アイルランドで料理の修業をされて、立派なシェフになられた。

料理学校も主宰しているらしい。

「料理の原点は素材を生かすことだと学びました」

素晴らしいね。 

こんなふうに、10数年ぶりでの成長した姿との再会なんて、感動モノだ。

内心、自分がフケたことも実感させられるけど。

 

ちなみに、写真右は 「園長」 の堀田幸作さん。

カンペキな農的お名前だが、こちらは銚子の漁師さんの息子だとか。

 


これが当時のツアーの写真。 

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前列左でしゃがんでいるのが舘野さん。

その後ろの赤いジャケットが僕。

少人数のアットホームなツアーで、ロッキー山脈の自然を満喫しながら、

ネイティブたちと楽しい時間を過ごした。

 

さて、店内には生産者の写真が貼られ、畑のビデオが流されている。

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料理は野菜中心。

素材の滋味を目いっぱい楽しむ。 

夏の " 特集農家 "  さんのウェルカム・ベジタブル。 

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添えられたソースも上品な味わいで、

塩や醤油 (ひしお-古代の醤油) も選び抜かれている。

 

三種のお惣菜。

白ゴマとコンニャクの根菜シャキシャキ・サラダに

蒸し新じゃがのルッコラ・セサミペースト和え。 カップにあるのは茶碗蒸し。 

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ありが豚 ( " ありがとう " からもじった豚肉) のさっぱり梅ハーブ鍋。 

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酒も、ワタシ的には文句なし。

みんな満足な様子。

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お店の隣には、ミニ農園が設えられている。 

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品種選びにもスタッフたちのこだわりが表現されている。 

 

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大地を守る会と直接の関係はないけど、

こういうお店が増えて、食べる人の関心も高まっていければ、嬉しいことだ。

一緒に食文化と農業を支えていければいい。

 

すっかり振り返ることもなくなっていたカナダ・ツアーの、

最後の夜のことを思い出した。

オーガニック農業 (というより自給的農業に近い印象だったが)

を営むネイティブの農民が、遺伝子組み換えを激しく批判していた。

「種を奪われることは、自分たちの自立を失うことだ。 種は命だ 」 と。

そして、自分が守ってきた野菜の種を日本に持って帰って蒔いてくれ、と

僕らに種を渡そうとした。

そこで参加者の一人が 「種を持ち帰ることは法に触れる」 と怒ってしまって、

とても気まずい空気になったのだが、

とっさの判断でなんとか取りつくろったのだった。

「この種は、あなたたちにとって大切な種です。 どうぞここで育ててください。

 僕らは、あなたのその心を種としていただいて、日本に帰って蒔くことを約束します 」

 

舘野さんはあの時もらった種をしっかりと蒔いている。

僕もただ 「種蒔人」 を飲むばかりじゃなく、

あの夜の約束を忘れずに生きてゆかなければならない。

 

「六本木農園」 での再会に感謝。

ごちそうさまでした。

野菜もさることながら、最後にいただいた土鍋ご飯が最高でした。

 



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