雑記帳: 2012年7月アーカイブ

2012年7月15日

麗しの山河と 時間を返してくれ!

 

久しぶりに日曜日らしく、奥武蔵の川辺から。

 

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今年も河鹿蛙(カジカガエル) の美しい鳴き声がこだまして、

わずかだけれどホタルも確認できた。

もう少ししたら梅雨が明けて、

夕方の陽射しが少し柔らかくなったかと思う頃になると、

蜩(ヒグラシ) の合唱に覆われる。

そんな森と川から涌いてくる生命の鼓動に包まれながら長湯するのが、

僕にとってのささやかな、かつ最高の癒しのひと時になっていて、

勤務地がどんなに遠くなっても、この時間は捨てられない。

 

この癒しタイムが減ってしまったのは、ゲンパツのせいだ。

お願いだ。 慰謝料は請求しないから、時間を元に戻してもらいたい。

 


 

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おとといも首相官邸前には行けなかった。

報道によれば、唱歌 「ふるさと」 を合唱する人たちがいたという。

日の丸と一緒に 「子どもたちの命と麗しき山河を守れ」 と掲げた一団もあったとか。

 

兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川  ・・・

風呂場で口ずさんでみても、心は晴れない。

どうにも消すことのできない汚らしい塵をかぶってしまった山河。

ホタルの光に向かって、すまないねと詫びる悔しさ。

腹の底から憎むぞ。

 

「脱原発依存」 というヘンな言葉が生まれた。

その依存度が何%かで有識者の意見は分かれるのだそうだが、

冷静に分析していると思われている方々には、

以下の疑問を解いていただきたい。 お願いです。

 

 1.問題は、何基まで減らしたか(何基稼動させるか) ではないでしょう。

   リスクは稼動数ではなくて、「稼動」 そのものにあると思うのですが、

   リスク対策はさて、どのように前進したのでしょうか。

   事故が起きないという保証は、この1年でどのように確立されたのでしょうか。

   福島の苦しみを想像しながら、お答えいただきたい。

 2.すべての産業の努力も、未来への保証システムも水の泡になるような、

   そんなリスクを背負える者はいない。

   だれも責任など取れないと思うのですが

   (それを証明しているのが今の状況でしょう)、いかがでしょう。

   「首相の責任」とは、誰に対するどのような責任を言っているのか、

   正直にご説明いただきたい。

 3.廃棄物管理まで含めた原発の経済収支を、

   その業務が終わるまでの年月で計算して明らかにしてもらえませんか。

   それは国民が、何百世代ローンみたいに払い続けることになるわけですから。

   中途半端に継続することのメリットがあるのか、知りたいです。

 

依存率を下げても、危険度は変わらない。

依存率を下げても、将来へのコスト・アンバランスは (原発の数だけ)上昇する。

依存率を10%とか25%の水準に維持するというのは、

「推進する」 ということ以外の何ものでもない (でなければ10%ですら維持できない)。

というのが僕の認識ですが、間違っていますか。

 

世界が自然エネルギーのイノベーション競争に入っているのに、

いったい何を脅えているのか、と思う。

昨日までの 「推進派」 が、隠れ蓑に使っているかのような 「脱・依存」 には

思想もビジョンも、計画もないように見える。

なんと腰の据わらない言葉だろうか、と思う。

いや、言葉のカラクリのなかに 「推進」 を潜り込ませたのだ。

ま、首相の 「決断」 は、「脱・依存」 などという弱腰ではない、

という本音を露わにさせたもの、とも言えなくもないような。。。

 

・・・とか考えてしまうこと自体、腹が立つ。

貴重な日曜日、今このひと時の、優しかった時間を返してくれ~

と叫びたくなる。

ゲンパツってまるで、

エンデの小説 「モモ」 に出てくる灰色の男 (時間泥棒) みたいだ。

いや灰色の泥棒なんかじゃない、強盗に近い。

しかも大事な、秘密の部屋まで荒らされて。

 



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