2011年1月 4日

町おこしで注目の島根県海士町で対談

ユッキーこと大野由紀恵です。

新年あけましておめでとうございます。2011年もよろしくお願いいたします。

第一弾のブログは、12月に、島根県海士町で行なわれた対談です。

地域や第一次産業の未来が問われる今、2011年にもその先にもつなげていきたい大切な

メッセージが、小さな島にありました。

 

2010年12月11日(土)に、地域活性で注目を集める島根県海士町に、NGO大地を守る会会長で

株式会社大地を守る会代表取締役社長の藤田和芳が、海士町町長の山内道雄さんと

対談しました。対談のテーマは「一次産業×地域活性=残したいものを自分たちで守るために」。

 

島根県海士町は、隠岐の島の中の1つで、人口約2,400人の小さな島です。1221年、

後鳥羽上皇が流された地としても有名ですが、近年は急激な過疎化と財政危機に直面。

それを乗り越えるため、町長自らが給与を50%カット、町役場職員も30%給与カットと

役場一丸となって町おこし資金をねん出。

 

特産の岩ガキを生のおいしさそのままで急速冷凍できる「CAS」を導入し、特産化に成功。

さらに教育交流事業で都市から多くの研修生を受け入れるなど、さまざまな工夫により、

5年で200人以上がIターンした、地域活性で注目の町になりました。

海士町オフィシャルサイト

 

周りを海に囲まれ、山々の合間に田んぼがある、自然に恵まれた島です。

20101211ama_zenkei.jpg 

 

こちらがCAS。大きな設備ですねー。

20101211ama_cas.jpg 

CASは Cell Alive Systemの略で、細胞組織を生かして急速冷凍するため、解凍しても

水が出ることがなく、とれたての味が再現できます。

年間予算40億円の海士町が5億円!の設備投資で導入したことでも話題になったそうです。

 

岩ガキの養殖場です。

日本名水百選にも選ばれた「天川の水」が注ぐ保々見地区で、3年かけてじっくり岩ガキは

育てられます。

20101211ama_kaki.jpg 

 

20101211ama_kaki2.jpg

 

島のあちこちに湧水があります。水が豊富なため、稲作も盛んだそう。

20101211ama_wakimizu.jpg 

 

blog20101211setsumei_wakimizu.jpg

 

そんな自然に恵まれた海士町の資源を活かし、地域活性に成功した山内道雄町長との

対談が12月11日(土)、海士町町民ホールで開催されました。

 

この対談のすごいところは、インターネットで生中継され、ツイッターを使って、リアルタイムで

コメントできたところです。東京や京都などのカフェでは、海士町の食材を楽しみながら、

講演を聞くイベントも企画されました。

 

準備中の会場。スクリーンが2台設置され、他会場のようすやツイッターのコメントが映し出されます。

20101211ama_kaijo.jpg 

 

開始直前の会場。ほぼ満席です。

20101211ama_kankyaku.jpg 

 

いよいよ対談の開始。山内道雄町長。

20101211ama_koen_chocho.jpg 

 

山内町長は、町長になる前はNTTに勤務。民間会社での経験を活かして町を元気に

してきました。一番大切なことは?という質問に、「足下を見直すことが一番最初。

当たり前だけど、自分たちの町を好きになるのが全てのスタート。町長の立場からは

挑戦と決断と実行。リーダーには決断が大事」と答えていました。

 

大地を守る会の藤田和芳。

20101211ama_koen_fujita.jpg 

 

藤田からは、「資源を信じて活用することが未来につながると思う。第一次産業が

もっと大事にされる社会にしたい。農薬をまくことはミミズや虫を殺すこと。

有機農業は多様性を認めること。生き方にもつながる。海士町はその自立したモデル」

というメッセージがありました。

 

そしてこの対談を企画した株式会社巡の環の代表、阿部裕志さんです。

20101211ama_koen_abe.jpg

 

阿部さんは大学院卒業後、大手自動車会社に入社しましたが、大量生産大量消費の

スタイルに疑問を感じ、海士町にIターン。海士町のPRやツアー企画などを手がける「巡の環」を

設立しました。海士町の現リーダーとこれからの若きリーダーが並んでいる点でも注目の

対談でした。

画面には次から次へとツイッターで寄せられるメッセージが現れ、その内容にも

触れながら対談は進行。小さな島と全国がつながる不思議な空間でした。

 

島外からは365人が視聴していました。その人数もすごいですが、何千人、何万人が見ていても

よいくらいの可能性を感じる対談でした。

 

対談のもようは、巡の環のサイトで見られます。

 

今回の対談に合わせて、12月10日(土)~12日(日)に2泊3日で全国から集まった15名が

参加した海士町ツアーがありました。ツアーの中では、地元のお年寄りと輪投げを楽しむ企画も。

20101211ama_wanage.jpg

 

これがなかなかむずかしい!藤田も参加。

20101211ama_wanage_fujita.jpg 

 

結果は。。。(笑)?

 

ツアーの最後、船が出港する時には、山内町長はじめ、町の方々や巡の環の方々が

見送ってくださいました。紙テープの粋な演出付です!

20101211ama_miokuri.jpg 

 

豊かな自然と、素敵な皆さんと出会えた2泊3日でした。

皆さんも機会がありましたら海士町へぜひ!

大地を守る会でも、このご縁をきっかけに、海士町とのつながりをつくっていければと

考えています。

 

大地を守る会 事務局 大野由紀恵

大地を守る会の震災復興支援

生産者に会いに行こう 商品を知ろう! 料理を楽しもう! 知って学ぼう! みんなで話そう!

海外とつながろう! 安心な食べもの 食べて守る生物多様性! 農業のこと 環境のこと 大地を守る会のこと 「NEWS大地を守る」PDF版 大地を守るメディア取材 大地を守る Deli