2012年11月アーカイブ

2012年11月12日

TPP交渉参加表明阻止の行動にお集まりください!

東アジアサミットを前に、首相周辺の動きに目を離せなくなってきました。

1 1月15日(木)に、TPP交渉参加表明阻止のための抗議行動を、首相官邸前で行います。

 

 ◆首相官邸前抗議行動

日時
1 1月1 5 日(木) 1 6 : 0 0 ~ 1 7 : 0 0

 

場所
<首相官邸前>
最寄駅:丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前」等

 

「首相がTPP参加表明の直後に年内解散を検討・・・」と報じられている今、まさに正念場です。
みなさまどうぞご参加ください。
抗議の声を上げましょう!!

 

当日は、スタッフが大地を守る会の幟旗をもって参加しておりますので、
それを目印にしてお集まりください。

 

その他、抗議行動の前14:00~15:30には、砂防会館において、
全国農業協同組合中央会、全国農業者農政運動組織連盟の主催で
「T P P交渉参加断固阻止緊急全国集会(仮称)」が開催されます。

 

さらにその前、
11:30~12:30には、憲政記念館・講堂で、
TPP交渉参加表明を阻止する集会が行われます。

 

この日は、超党派議員・生産者・市民団体・業界団体が連携して、TPPストップ運動を展開していく上での、

重要な日になると思われます。どうぞこの日の集会・行動と、今後の動きにもご注目ください。

 

TPPについての詳しい内容は、以下をご覧ください。
考えてみよう!TPPのこと
http://www.think-tpp.jp/index.html

 

STOP TPP!!市民アクション
http://stoptppaction.blogspot.jp/

 

(大地を守る会 CSR推進課 秋元浩治)



2012年11月 8日

「ゆかいな野菜物語」

会員さんから回収した使用済み食用油をディーゼル燃料化して、
それを燃料にトラクターなどに使用し、野菜を栽培するプロジェクト
「ゆかいな野菜物語」。
/info/press/2012/07/-723.html

そのプロジェクトで使用済み食用油を
バイオディーゼル燃料・VDF※に精製してくれている
㈱ユーズさんの工場の見学をさせてもらいました!
さて、食用油はどのように燃料となっているのでしょうか。
ご紹介します~

※Vegetable Diesel Fuel(植物性軽油代替燃料)の略

まず、こちらの建物で油を植物性のものやラードなどに分別してまとめ、
油カスなどの取り除きます。
建物内はほのかに揚げ物の香りがします。


主に都内から集まってきた油です。
某有名ハンバーガーチェーンの油も届くそうです。


家庭から集まる油の多くは、ペットボトルに入ってきます。
ペットボトルの口の大きさにあわせた網で
効率的に油をまとめていきます。


大きなタンクに入れて油カスをいっきに取り除きます。
油カスも絞るとかなり油が出るので、
ここもしっかり有効活用します。


油を絞りとった油カスです。
この油カスは、肥料の原料として売られます。
リン酸やカリウムなどと混ぜて、肥料として売られるそうです。
無駄がありませんね!


ここからはVDFの精製工場です。
大きな機械に入れ、触媒などを化学反応させます。
一日に1,400リットル処理できるそうです。


油は使用用途によって酸性度が違います。
酸性度によって色も違います。
その酸性度にあわせて、精製に必要な触媒の量を調整します。


完成したVDFはディーゼル車に給油して
そのまま使えます。
工場内にある給油所。給油のホースを持つのは
㈱ユーズの社長、染谷ゆみさんです!


この精製工場はVDFを燃料として発電した電気で動いています。
これが発電機です。
ディーゼルも電気も、こうやってみるとなんだか身近ですね。


油を分ける工程は揚げ物の香りがしたり、
油カスをとったり「てんぷら屋さん」という感じでした。
でも精製工場の方にいくと「酸性度」や「触媒」など
化学的な工程があり、再びきれいな液体に戻っていて
なおかつ電気まで発電しているので、
まさに、身近なものがエネルギーになった!瞬間に
立ち会えたように思いました。

それと集まった油はもちろん、油カスからも油を絞り、
さらにその油カス自体も肥料になり...と
無駄のなさにびっくりしました!

現在、都内に油回収ステーションが200店舗、
また墨田区全域の保育園前で月2回油の回収を行っているそうです。
http://tokyoyuden.jp/facebook/facebookpage.html


大地を守る会の会員さんはもちろん宅配時に油を出していただいて、
そうでない方はお近くの回収ステーションを探して、
この身近なエネルギープロジェクトに参加してみては
いかがでしょうか。

TOKYO油田2017(ユーズ)
http://tokyoyuden.jp/


大地を守る会
宇田川


2012年11月 7日

食品表示一元化問題 ~遺伝子組換え食品編~


前回の添加物編(→URL)に続いて、今回は遺伝子組換え食品編とします。遺伝子組換え食品は、

添加物と比べれば、法律的な位置づけなどもまったくシンプルで、争点も明確だと思います。

前回の添加物を理解していただけたみなさんなら、5分でわかっていただけると思いますので、

どうぞ気楽にお読みください。


消費者庁Q&A(→URL

厚生労働省(→URL

農林水産省(→URL


法律的な解説

添加物と違って、種類がたくさんあるわけではないのですが、一応、一通り、法的な位置づけ

などを追っていきたいと思います。


食品衛生法
食品が組換えDNA技術(酵素等を用いた切断及び再結合の操作によつて、DNAをつなぎ
合わせた組換えDNA分子を作製し、それを生細胞に移入し、かつ、増殖させる技術をいう。
以下同じ。)によつて得られた生物の全部若しくは一部であり、又は当該生物の全部若しくは
一部を含む場合は、当該生物は、厚生大臣が定める安全性審査の手続を経た旨の公表が
なされたものでなければならない。


遺伝子組換え技術を用いた食品は、一応、「安全性審査」を経て、認可される仕組みとなっています。

しかし、その実態は大変にあやういものだということがわかる事件(事柄)が、昨年、発生しました。

それは、遺伝子組換え技術で作成された微生物を原料とした、添加物の問題です。輸入品の中に、

認可されていない添加物(遺伝子組換え微生物由来)が混入していたことが発覚したのです(→URL)。

普通の市民感覚からすれば、厚生労働省はその販売業者に対しすぐに回収指示を出し、原因追及

などをすべきでしょう。しかしなんと彼らは、これらの添加物をたいした審査もせずに、後追い認可

したのです。行政がいかに業者よりであり、国民の安全を軽んじていることでしょう。これで、この

「認可制度」の信頼性も、一気に地に落ちた感がしました。



表示のはなし

ここまでは厚生労働省の食品衛生法の問題でしたが、ここからは表示になります。表示は、

今のところ、農林水産省管轄のJAS法で定められています。文章は長いのではしょりますが、

「JAS法第7条第1項」に規定されています。まず、上記の問題のような「添加物」の遺伝子組換え

食品は、そもそも表示の対象にすらなっていません。図1を見ながら、読んでください。

まずは、表示対象となっているものが何か、から見ていきましょう。まず、現在の日本で認可されて

いる遺伝子組換え作物は、大豆、じゃがいも、なたね、とうもろこし、わた、てんさい、アルファルファ、

パパイヤです。これら自体やこれらが原料となった加工食品が、表示の対象となっています。

認可されていないものは流通していたら、それ自体が違法だということです。

そして、加工食品にも表示義務となる対象群があって、納豆、きな粉、コーンスターチなど、

33品目群が指定されています。逆に言うと、遺伝子組換え作物が原料であっても、対象品目群

でなければ、表示対象となりません。今のところ、そのような商品が販売されている形跡は

ありませんが、逆に言うと、表示されないので見つけるのも不可能ということになります。


GMhyouji.jpg

































で、ここからは「駄目なルール」ばかりになってしまいます。

「上位3品目ルール」
今、加工食品は多種類の原材料から作られています。遺伝子組換えの表示ルールでは、上位3品目
だけが表示対象で、それ以外に遺伝子組換え作物が使われていても、表示されません。


「全体の重量に占める割合が5%以上」
上のルールに加えて、重量比が5%に達していない場合は、表示の対象になりません。遺伝子
組換え微生物由来の添加物などは、ほとんどの場合、1%未満しか使用されないので、対象に
なりません。


「混入5%許容ルール」
そして、アメリカ、及び事業者への最大の配慮から生まれたルールが、5%許容です。遺伝子
組換え作物の最大の生産国はアメリカです。特に、大豆、とうもろこしについては、アメリカの
畑の90%以上が遺伝子組換えになっています。アメリカから作物を輸入する場合、何ヶ所かの
港に集められ、コンテナに積み込まれ、大きな船で運ばれます。その作業場は、広大で細かい
分別まではできません。今、国どおしで、「分別生産流通管理」に関する規定が決められ、
「非遺伝子組換え作物」の流通が実施されています。この規定を使って流通したとしても、
先述のような理由により、一定の割合で遺伝子組換え品が混入してしまっています。最近の
調査では、3%前後の混入があるということです(伝聞で、根拠となるデータは持っていません)。
このような事態をふまえ、非遺伝子組換えの「分別生産流通管理」をしたものであれば、遺伝子
組換え品の混入(5%まで)があっても、「非遺伝子組換え」として扱っていいことになっています。


「非検出対象外ルール」
最後に紹介するのが、原料が遺伝子組換え品であっても、最終加工品に、組換えDNAやそこ
から生じたたん白質が、現在の技術で検出できなければ、表示対象外、というルールです。
これにあてはまる商品群が、「油」、「醤油」などです。油には「なたね」、「綿」、「とうもろこし」
などが、醤油には「大豆」などが使用されています。


非検出対象外ルール、があるために、実に多くの加工食品が、遺伝子組換え、の表示から

逃れています。輸入実績から見ると、日本はアメリカと並び、世界最大の遺伝子組換え食品

消費国です。しかし現実には、「遺伝子組換え」、と表示された商品は、日本にはほとんどあり

ません。これは、上記四つの例外規定のためです。つまり、今の表示ルールは消費者にまったく

何も示していなくて、「遺伝子組換え食品大量消費国」という事実を覆い隠しているだけ、

ということです。


では、私たちは何を求めていけばいいのか。その答えはすでにEUが出してくれています。EUの

ルールは、図2を見てもらえばわかりますが、完璧に日本の例外を排除するものとなっています。

上位3品目でなく全品目が対象なので、「添加物」までカバーしています(一部、加工助剤などでは、

表示対象にならない規定もあり)。重量比による例外規定もありません。そして肝心な点が、

非遺伝子組換え作物に混入している遺伝子組換え品の割合を、0.9%までとしている点です。

これで、アメリカからの輸入作物は、ほぼ全て「遺伝子組換え」と表示されます。最後に、

「非検出対象外ルール」でなく、トレーサビリティで遺伝子組換えが確認できるものは、表示対象

だということです。これらのルールにより、例えば日本で「遺伝子組換え」ではないとして販売して

いる商品が、同じ中身でEUに輸出されると、「遺伝子組換え」の表示で販売されている場合があり

ます。そういった実例を、「遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン」の方がベルギーで発見され、

会議で紹介されていました。

また、EUのルールでは、家畜飼料も表示対象です。そして、外食産業で遺伝子組換え商品が

販売される場合にも表示義務があります。そのままでなく、調理して出される場合は対象外です。

EUの表示についての参考サイト(→URL



EU.jpg



































コストもかからない、スペースもいらない

「遺伝子組換え」表示に関しては、消費者は、単純にその商品に遺伝子組換え作物が原料として

使用されているか否かが知りたいだけ。単純に、該当するものに「遺伝子組換え」と書いてもら

えればいいだけです。それには、コストもスペースもいりません。政治家、行政の判断だけです。

ぜひ、市民の思いをこれらの人々に伝えて、「遺伝子組換え」表示を実現させていかなければ

なりません。


新しい技術が新たな脅威に

表示の問題はまだまだ残っていますが、そんな中、遺伝子組換えに関しては、新しい技術を

使った遺伝子組換え微生物をメインにした開発が進んでいます。そしてその新しい技術に対して、

厚生労働省は、どんどんとお墨付きを与えてしまっています(→URL)。

それらは、「セルフクローニング」、「ナチュラルオカレンス」、「高度精製品」、「人口制限酵素」など

という言葉で表されるものです。

専門的なことについては、また別の機会にするとして、これらの言葉については、覚えておいて

いただき、報道などにも注意を払っていただければと思います。

市民運動としても、これらの技術に関しては、注視、監視していきます。




2012年11月 5日

NEWS 大地を守る2012年11月号 東日本大震災から1年半が過ぎた

復興息づく、東北を巡る

 3月11日の東日本大震災から1年半が過ぎようとする9月中旬。震災後、大地を守る会の復興支援活動を

先頭に立って行った事務局長・吉田和生(当時水産畜産責任者)が、三陸沿岸を襲った巨大津波によって

被害を受けた生産者たちのもとを訪ねました。復興に向けて進む生産者たちの長い道のりは、ひと通りでは

ありません。震災当時の様子から、復興に臨む想いや今後の展望について、生産者たちの〝今の声〞を

お届けします。

(NEWS大地を守る編集部)


津波で養殖いかだをすべて失った奥松島水産振興会の

二宮義秋さんと、養殖の状況を船で見に行く吉田。

下は、震災後に新しく吊るした養殖いかだで成長する

1年目のカキ。被災地の希望のシンボルです。































重茂 



半島内陸部にあったため津波の被害を免れた

工場で、ワカメの芯取り作業が行われていました













重茂漁業協同組合 岩手県宮古市

   これからの漁村モデルをつくっていく

 重茂半島は、岩手県の中でも巨大な津波に襲われた地区の一つです。その高さは37mにも及んだといわれ、

重茂漁協にあった800隻の船は、わずか20隻ほどを残し流されてしまいました。当時は国の補償がいつに

なるかわからなかったこともあり、震災後3日目には、重茂漁協は船の手配や工場の修復のために動き

出しました。

 「組合員である漁師たちに復興への道筋を示す必要がありました。今振り返ると、驚異的なスピードで

復興に突き進んだと思います」と話す後川良二さん。

 後継者不足に悩む漁協が多い中、重茂漁協は組合員の約8割に後継がいるという優良な生産者組合

でした。また、石けん運動や青森県の六ヶ所再処理工場反対など、海の環境を守る運動に積極的に取り

組んできた組織力の強さがありました。

 「大地を守る会から送られた2隻を含め、なんとか船を200隻集めて漁を再開しましたが、不慣れな船を

何人もの漁師が共有しながら漁をする状態が続き、これまでのような漁獲量を復活させるのは困難でした」。

 現在では船の数も増え、組合員の8割が漁に戻っています。

 「水揚げ量が増えることも、もちろん大切なこと。でも2割の人が震災後に漁をやめたのも事実。

だからこそ漁協としては、重茂地区に住むことの価値も高めていきたい。老人が安心して暮らせる、

子どもを安心して育てられる、そういう新しい漁村づくりを進めていきたいですね」




定置加工販売課長 兼 購買課長
後川 良二さん

震災後、リアス式海岸沿いの道路や橋が壊れたため、孤立した

生産者たちに歩いて支援物資を運んだ後川さん。








気仙沼


建物の損傷が少なかった内陸の加工場では、

スタッフが元気に働いていました。











村田漁業株式会社 宮城県気仙沼市

 戻ってきてくれた従業員とともに

 村田漁業は、本社の1階が被災したほか、加工場や製氷工場が大破。

そして、加工場で一人の若い従業員が尊い命を失いました。

 「震災後に黙々とがれきの片づけをする従業員の姿を見たときに、絶対に元に戻してみせる、

と決心しました。ただ、失業保険の給付のために従業員を一時解雇せざるを得なかったときは、

本当につらかったです」と、当時のことを思い出し、村田憲治さんは涙をにじませていました。

 また、震災時に倉庫内にあったマグロやカツオ約400トンは腐敗してしまうため、海洋投棄を

余儀なくされたそうです。

 「商品が重機でごっそり持ち上げられる姿は切なかったですね」。

 その後、昨年の8月には製氷工場が、11月末には加工場が復活し、販売を開始しました。

約50人いた従業員のほとんどは会社へ戻ってくれたそうです。

 「昨年、大地を守る会への年始用マグロの出荷を目指したのですが、残念ながらそれは

かないませんでした。

でも、地元の人たちが、全国から寄せられた支援のお礼にと、贈り物用に商品を購入してくれ

ました。地元での知名度が上がったのは思わぬ効果です」。

 村田さんは「気仙沼の復興はまだまだ先」と話します。市内には地盤沈下によって建物を

再建できる土地が少なく、都市計画の目途が立っていないからです。村田漁業の本社ビルは、

今年の2月にようやく完全復旧しました。大地を守る会では、今年から村田漁業の商品の取り

扱いを再開しています。



代表取締役社長 村田 憲治さん

地元では、屋号である『「川」の字のマグロを食べないと年を

越せない』と言われるほど、気仙沼市の中でも老舗のマグロ

問屋。







石巻


「おとうふ揚げ」を持つ従業員の皆さん。元気に戻って

きてくれました。

本商品は商品カタログ『ツチオーネ』148 号で取り

扱います。









-株式会社髙橋徳治商店 宮城県石巻市-

  私たちは、何を学んだろうか?

 震災後、髙橋徳治商店には工場復旧のため多くのボランティアが集まりました。しかし、いくら泥を

すくっても地盤沈下した工場内には、ヘドロが再び入り込みます。代表の髙橋英雄さんは「こんなこと

をして、意味があるのだろうか?」と深く思い悩んだと言います。

 そんなとき心の支えになったのは、避難先の神社で生活をともにした約180人の人々の顔でした。

電気も水もない共同生活の中、笑顔を振りまいてくれた小さな子どもたち、野の花を摘んで生けてく

れたお年寄りたち。「震災翌日になってようやく小さなおにぎりをみんなで分け合いました。そしたら

身体がふわーっと温かくなったんです。あのときのことは忘れられません。彼らがいなかったら、自分

は今頃どうなっていたか」と髙橋さんは振り返ります。

 工場のラインが一部再開してから最初に製造した「おとうふ揚げ」は、大地を守る会が「一日も早い

復活のためには、生協などの取引先と統一商品で」と提案したもの。「応援してくれた人たち、関わっ

てくれた地元の関係者の期待を裏切れない」と、髙橋さんは商品の品質にとことんこだわりました。

 髙橋徳治商店では、今の工場から約6km内陸に自然エネルギーを取り入れた新工場を建築中。

髙橋さんがその想いを強くしたのは福島でのある集会で、一人の少女が「私たちの未来を返してくだ

さい」と訴えたのを聞いたから。「背筋を正さざるを得なかった」と髙橋さん。震災に何を学んだのかと

いう自問に、「食べものの大切さ、人や地域とのつながりの大切さに気付かされました。あのおにぎり

を忘れずに、進んでいきたいと思います」。



代表取締役社長 髙橋 英雄さん

避難所で一緒に苦楽をともにした仲間たちの思い出の写真を

見せながら、当時を振り返ってくれました。










東松島

修復したカキ養殖いかだの向こうには、

津波で破壊されたいかだの残骸が今も

残っていました。海底にがれきが残って

いるため、いかだから吊るすカキの養殖

ロープを短くせざるを得ないそうです。















-奥松島水産振興会 宮城県東松島市-

  カキの加工場を何とか建てたいです

 震災の日、消防団に所属していた二宮義秋さんは、津波の浸入を防ぐため、消防車で堤防へ向か

いました。そのとき、すれ違った車の中に、父と母、妻、子どもの姿があったそうです。

 「家族とすれ違った直後に津波が襲ってきました。家族が乗った車は私と反対方向に走っていまし

たが、津波がものすごい速さで車を追いかけていたので、正直、もう家族は死んだと思いました」と、

二宮さんはあの日を振り返ります。

 家族を失ってしまったかもしれないという悲しみで気力も失われていましたが、次の日親戚に会い、

家族が助かったことを確認。大地を守る会にも連絡を入れてくれました。

 現在二宮さんは、カキの殻をむく処理場をほかの生産者と共同で使っています。また、カキの種は

組合員で均等に割り振ることになりました。二宮さんが生産できるカキの量は、震災前の3分の1程度

の量になってしまったそうです。

 「早くおいしいカキをお届けできるようになりたいです。ただ、震災前の状態に戻すには、まだまだ

時間がかかると思います。津波で壊れた橋も道路も復旧の目途が立っていません。まず私は、カキ

の加工を建てることに力を入れたいと思います」。


二宮 義秋さん

父・二宮義政さんのカキ養殖事業を引き継ぎ、今や二宮さんのカキ

生産の大黒柱となった義秋さん。乗っていた消防団の車が波に流さ

れるも、奇跡的に脱出することができました。

 まだ、カキの処理場を共同で使っていたり、仕入情報をやり取りす

                   るファックスも使えない状況。再開時期はもう少し先になりそうです。




2012年11月 1日

福島・東北有機農業支援活動

日本有機農業研究会の公開研究会「福島・東北有機農業支援活動」が、
福島県二本松市で開かれます。
 
実施会場となるのは、大地を守る会の生産者・二本松有機農業研究会(代表大内信一さん)の農場です。
 
ご案内いたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
2012年度 市民公開研究会
「福島・東北有機農業支援活動」

■内容:
①農作業:野菜畑での夏野菜の片付け(キュウリ、なす等の支柱、
ネットやマルチをはがす(要:園芸用はさみ)、
玉葱苗の植え付け、ごぼう・里芋の収穫)
 
②放射能汚染低減対策:畑のプラソイラーによる深耕をし、ロータリー耕転、落葉etc.
[魚住農園]
 
同時に放射能の測定(深耕の前後)
[森里海放射能共同検査室:常総生協]
 
③有機農家と参加者との交流会
★ 作業をする畑や実際の農作業、時間などは、現地の指導による。
 
■日時:2012年11月7日(水)10時~8日(木)14時
現地集合・現地解散

■参加費:15,000円 (1泊2日)※現地で集めます
(移動費、宿泊・夕食・朝食・8日の昼食費、トラクターなど重機の搬送費を含む。)

■実施会場:福島県二本松市(二本松有機農業研究会)
大内信一さん(代表)ほか3~4名の有機農家の農場

■集合場所:11月7日(水)午前10時  東北本線「二本松駅」前
※交通案内:東京から、東北新幹線で「郡山駅」にて、東北本線に乗り換えて「二本松駅」にて下車。
車の方も、二本松駅前に集合。

■宿泊と交流会:智恵子の湯
〒969-1404 福島県二本松市油井町ハ軒81番地(コープさんの隣)
TEL 0243-23-1178 FAX 0243-23-1184

■持ち物:7日の昼食、水筒、園芸用ハサミ(ある方)、作業着、くつ、軍手(手袋)、タオル、帽子、マスク 

■定員:30名

■申込み方法:下記の本会事務局に電話、FAX、Eメールにより、11月2日(金)までにお申込み下さい。
男女、電車・自動車かについても。

■申込み先:日本有機農業研究会事務局
電話 03-3818-3078 FAX03-3818-3417
E-mail info@joaa.net 


大地を守る会の震災復興支援

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