2013年3月15日

TPP交渉参加に反対するアピール

3月12日、日比谷野外音楽堂で開催されたTPPへの交渉参加に反対する緊急集会で、
大地を守る会が事務局を務める「全国学校給食を考える会」の五十嵐興子さんが登壇されました。

その時の素晴らしいスピーチをここにご紹介します。


TPP参加に反対するアピール

全国学校給食を考える会 五十嵐と申します。

全国で約954万人の児童生徒が学校給食を食べています。
給食費は全国平均、小学校5.6年生の一食220円です。
給食費は児童生徒の保護者負担で、すべて食材料費にあてられます。

低所得の家庭に対して就学援助費で給食費を補助するシステムが各自治体にありますが、
財政難の中、多くの自治体では就学援助費の捻出に苦労しています。
結果として給食費を安くすることで財政支出を抑える現状です。

TPP交渉に参加すると海外から安い米や牛乳・乳製品、牛肉、砂糖の原料が入ってきます。
輸入された食料品の価格に合わせて給食費は安く抑えられ、
結果として学校給食は輸入食糧を使わざるを得ない状況に追い込まれます。

戦後、食糧難を理由にアメリカの余剰農産物である小麦粉と脱脂粉乳で、
学校給食は再開されました。オーストラリアからの牛肉輸入自由化の折には、
冷凍庫をおまけに付けて値引きされた牛肉が学校給食に使用されました。

子どものための学校給食を二度と輸入食糧のはけ口にしてはいけません。

全国学校給食を考える会は、給食関係者や保護者・教職員・市民運動に関わる人たちと共に、
子どもたちが生活する地域で収穫された食材を中心に学校給食を調理する、
地場型学校給食運動に20年以上取り組んできました。

たとえ小規模であっても、おじいちゃん・おばあちゃんが自家用に作っている野菜を少し増やして、
みそや梅干しなど少し多めに作れば、地域全体で協力することで
地場型学校給食は実現しています。

私たちは、誰がいつ、どのようにして作ったかが分かる、
安全性の確認できる食材での手作り給食を推進してきました。


生産者からも誰がいつ、どんなふうにして食べるかが見えれば、
もっと美味しく、安心して食べてもらえるよう工夫をします。

子どもたちと生産者がお互いに顔の見える距離にいることで食の安全が保障されます。

農業や水産業、林業と子どもたちの生活とのかかわり、
人間と自然とのかかわりを学ぶ場に学校給食はなります。
私たちは学校給食の教育としての役割をこのように考えています。

全国各地に学校給食を巻き込んだ地域内自給率を向上させる事例がみられるようになった今日、


TPPに参加すれば、日本の学校給食は、
この先長い将来にわたって主食としての米や牛乳・乳製品が外国産に奪われます。
更には遺伝子組み換えや放射線照射、食品添加物等化学物質の不安から
れられなくなります。

外国産米のご飯に、遺伝子組み換え飼料で育てられた牛の肉と放射線照射されたカレー粉で
作られたカレーライスと輸入牛乳の給食を毎月子どもたちは食べさせられることになります。
日本の食文化はどこか知らない所に行ってしまいます。

安全な学校給食が保証されなくては、学校での食育活動は、
内容の伴わない張り子のトラのようなものです。

健やかな子供の成長を願う私たちはTPPに参加することに断固反対し、
農業・水産業・林業を、皆様と一緒に守って行きます。

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