2013年8月28日
大地を守る会、九州の産地、長崎有機農業研究会30周年
大地を守る会は1975年に誕生しましたが、それから8年後、長崎県の島原半島で、
長崎有機農業研究会(以下、長有研)が30才代の若者を中心に25名で結成されました。
右の写真は、第一回の総会資料の表紙です。
長有研さんと大地を守る会は、結成当初からの
おつきあいですので、ほぼ30年になります。
30年目にして、長有研としては初めて、記念の
式典が島原半島の雲仙で開催されました。
2代目の長有研の社長兼会長に就任された長尾泰博さんの挨拶です。
「先輩かたがたが、おいたちの
生きとるうちに、いっぺん、式でも
してくれんねといわっしゃるで
すから」ということで、今回の会に
なったそうです。
30年の間には、相当なご苦労も
あったようですが、それは後に。
こちらは初代会長兼社長の近藤正明さんです。現在、65才になられますから、30年前というと
35才です。1983年です。家族もあり、大変な時期だったでしょう。長崎ではまだ、「有機農業」への
理解はほとんどなく、農協を離脱してやっていくのは、相当の覚悟だったことのようです。その
ころの思い出などを感慨深く語られました。
大地を守る会の藤田和芳代表が、「有機農業運動と大地を守る会」と題した記念講演をしました。
藤田は、初代社長の藤本敏夫さん、そのおつれあいの加藤登紀子さんとのエピソードから語り始め
ました。そして、日本の有機農業運動を3っつのイノベーションで語りました。
○生産者の技術向上
・化学物質(農薬・化学肥料など)に依存しない農業技術の確立。
○流通業者の創意工夫
・例えば、大地を守る会などがはじめた、個人宅配など。
○消費者の意識の変革
・安全や味をより重要視するのであれば、見た目より中身を
→殺虫剤をまかないため、カイガラムシの点々のあるミカンを許容するなど。
そして、有機農業は「多様性」を包含するものであり、さまざまな人々、団体、究極的には生物が、
関係して成り立つもので、それらがお互いに協力しあって成り立っているものではないかと語り
ました。であるので、大地を守る会は他人(他団体)のことを悪く言うことはしない、ということを
モットーとしています、と。長有研と大地を守る会は有機農業運動の仲間として、長きに渡り活動を
ともにしてきました。
大地を守る会は今、北京での有機農産物宅配サービスを開始しています。領土問題などで日中
関係は良くない状態ですが、安全な食べ物を通して、ぜひとも、そういった問題を改善していき
たいといったことも説明しました。
この会には、全国から100名を超す方々がお祝いに駆けつけていたのですが、大地を守る会の
生産者としておなじみの熊本県の波村さん(写真左から2番目)もいらっしゃっていました。
最後に、近藤正明さんらと最初から苦楽を共にされてきた、松藤行雄さんの文章を掲載することに
します。短いですが、この文章に、いろんなことが込められているように感じました。