2013年9月 3日

NEWS 大地を守る2013年9月号 GLOBAL REPORTS


写真左:学前の学力テストを受ける男の子。学力によりクラスが決まります。何度も先生に質問しながら回答していました。
     学びたいという強い気持ちが伝わってきます。
写真右:集められた古着は品目ごとに分けられた後、50キロのベールに圧縮されてパキスタンに送られます。
     写真はベールをパキスタン向けのコンテナに積み込みをしているところ。JFSAの活動に賛同したボランティアの皆さんです。


古着で学校支援!

 大地を守る会では、衣類のリサイクルを通してパキスタンの子どもたちを支援するNPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)の活動に賛同し、会員の皆さんに古着の回収を呼びかけています。JFSAは1998年から、パキスタンのカラチ市のスラムにある学校アルカイール・アカデミーを支援するために古着を回収しています。選別した古着をパキスタンに送り、現地で販売し、その売上を学校運営の資金に充てています。


義務教育のない国

 パキスタンには義務教育制度がありません。もちろん学校はありますが、通う義務はありません。パキスタンは階級社会のため、それぞれの階級によって通う学校が決まります。富裕層の子どもは高額で質の高い私立学校へ、下層の子どもたちは家族を助けるため、仕事に就く子どもがほとんどです。親もそれが当然のことと考えています。安い公立学校もありますが、先生が副業に専念して不在などの理由で、学ぶには不向きな場合が多いのです。がんばれば豊かな暮らしが手に入るということはまずありません。長い歴史のなかでそれが自然なことと考えられてきたからです。


それでも教育は大切

 アルカイール・アカデミーは、1987年にムザヒル校長先生が10人の生徒から始めた私立学校です。学費は無料、学科は宗教に偏らず広い知識と考える力が付くように組まれています。スラムの子どもたちにも教育を受ける機会を与え、自分で考える人が育てば社会も変わる、という考えを基本にムザヒル先生はスラムの人々に呼びかけてきました。アカデミーの子どもたちは現在3,000名を超えるまで大きくなりました。かつての生徒だった子どもが親となり、その子どもたちが通い始めています。地域の意識は確実に変わってきました。一方で、毎年何百人もの子どもたちが入学できないのも事実です。その理由は学校運営予算が不足しているからです。予算の半分以上は国内の寄付に頼っていますが、不安定なものです。皆さんの古着から得られる売上は大きな力となっています。古着の回収にぜひご協力ください。
 

大地を守る会の震災復興支援

生産者に会いに行こう 商品を知ろう! 料理を楽しもう! 知って学ぼう! みんなで話そう!

海外とつながろう! 安心な食べもの 食べて守る生物多様性! 農業のこと 環境のこと 大地を守る会のこと 「NEWS大地を守る」PDF版 大地を守るメディア取材 大地を守る Deli