2013年12月アーカイブ
2013年12月30日
ミニ太陽光発電システム組立てワークショップ (同時開催/藤野電力・自然エネルギー充電ステーション見学会)
藤野の町に大地を守る会の会員様6組13名の方々が参集しました
「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」事務局が企画した、
ミニ太陽光発電システム組立てワークショップと、
藤野電力・自然エネルギー充電ステーションの見学のためです。
顔の見えるエネルギープランコンペの理念・活動内容や、
コンペで支援対称として選ばれた藤野電力をもっと知ってほしい
との想いから、今回のイベントが企画されまして、
それなりの額の参加費にも関わらず、6組の応募が集まりました!
/info/
なお、「藤野電力」とは、自然や里山の資源を見直し、
今回のワークショップ会場となる牧郷ラボは、
木造の旧小学校跡を地域の人々が工夫して多目的使用している施設
黒板もそのままで教室そのものの会場は、
始めは足下も冷えていましたが、小さなストーブだけでなく、
参加者・主催者・取材者たちの熱気で徐々に暖まります。
藤野電力の小田嶋電哲さんによる分かり易い解説は、
中学生で習う電気のしくみを基本から復習、
安全に回路を組み上げる順序とその理由、
回線接続に使う工具の使い方を
ひとつひとつ丁寧に説明してくださいます。
各々のテーブルで最後にライトを接続し、スイッチONの瞬間、
まだ小さいため作業を手伝えなかった子供達の顔にも明かり灯りま
午後に開かれる結婚式の準備をしている最中の校庭に出て、
完成したミニ太陽光発電システムをお日様にかざし記念撮影。
カフェレストランで自家製野菜を使ったランチを挟み、
充電ステーションの見学に一同バスツアーに出発!
まず訪れた「ふじのアートヴィレッジ」は、
小高い丘の上にきれいな佇まいの
9つの木造コンテナギャラリーが虹状に配置された
アート市場としてのスペース。
虹の中央に位置する1つのコンテナギャラリーの店先、
子供の背丈と同じくらいの木の立体構造物に
小鳥の巣箱のようなデザインの充電設備がちょこんと乗っています
これもひとつのアート作品ですね。
ここでは電気スクーター・電気自動車、ケータイ電話などの
充電拠点として利用される計画です。
続いて「アートヴィレッジ2」に到着。
こちらは相模湖の湖畔の崖の上に建っていた
廃業したホテルの地下駐車場跡を改装して、
アーティスト達がブースを構える拠点です。
コンクリートに囲まれながら螺旋状に奥へ奥へと進むと、
先に見学した「ふじのアートヴィレッジ」とは打って変わって
そこでは新進気鋭の若いアーティストが集う、
サイケデリック(極彩色が渦巻くイメージ)で、
実際に薄暗いためアンダーグラウンドな空気感も漂う空間。
そこに、地上に置かれたキャンピングカー風のコンテナに
設置されている太陽光パネルから、
太陽のエネルギーを、地下に注ぎ込むのですね。
ここも電気の出力規模を大きくしたら、
アーティスト達の活動に使用する他、
立ち寄る電気自動車などの充電ステーションにする計画です。
近未来を想像させる場所でした。
解散前に参加者全員で輪になって、
設計士でもある藤野電力の池辺さんにこれからの想いを語っていた
そして参加者の方に各々感想を語って頂きました。
この日と同様の輪っかが全国に点在して、
これまでに藤野電力のワークショップを通して、
組み立てられた太陽光パネルの出力総量は、
32,330Wに及んでいます。
これからもこの輪っかを広げて行きましょう!
引き続き、企画目白押しですので、
「顔の見えるエネルギープランコンペ」事務局 奥山
2013年12月26日
福井さんの畑のお手伝いに行こう!
日時:2013年12月8日(日)
会場:福井さんの畑(埼玉県日高市)
毎年この時期恒例となっている援農企画。越冬白菜を作るため、霜で傷まないように白菜の頭を
外葉でくるんで、ひもでしばる作業です。10:30から始め、昼食をはさんで15:30まで、ひたすら作業
を続けました。
福井忠雄さん(左)と一洋さん。
「この催しは、本当に地道な作業です。風も吹くと寒い畑ですが、それぞれのペースでじっくり
取り組んでください」と挨拶。
まずは畑で一洋さんからレクチャーを受けました。
参加者は畑にちらばって、黙々と作業を続けました。
子どもたちもできる範囲でお手伝い。
ひとつずつしっかりとしばられていきます。
白菜って、葉の裏にはこまかいトゲがあって、手で触るとチクチクします。
冬の陽は傾くのも早く、少し暗くなってきたところで、作業も終了。
集合写真です。「やりとげたぁ~」という気持ちでいっぱいの参加者の皆さん。
柿の木の上に人が?! よ~く見たらマネキン。
案山子として、時々位置をかえて、(畑の中とかにも)立たせているとのこと。
◆参加者の感想から
・地道な作業で、足や腰がガクガクになったけれど、しばり終えた白菜が並んだ畑を見て、非常に
達成感を感じた。また、昼食時には、手作りの食べ物が並んでいて、とても美味しかった。
土や野菜に触れるということは、人間にとって生命をいただいているということが実感でき、
心が浄化されるように思う。良い経験でした。 (meekoさん)
・日々悩むことが多い中、心を無にして白菜しばりができて、リフレッシュできました。(うまくしばれ
なくて福井さんにはたいへん申し訳なく思いますが...) 大根のお漬物、ピーナッツ、ゆず、柿、
お味噌汁。心のこもったごちそうをいただけて、体も心も幸せでした。 (N.Kさん)
福井さんたちからも、「皆さんに手伝っていただき、本当に助かりました。我々だけでは何日もかかる量を、今日だけで一気にしばることもできました。よかったら今後もいつでも手伝いに来てくださいね」と笑顔で言葉をいただきました。
決して生産者の邪魔にはならず、こうして喜んでいただけることが、援農の理想的な姿です。
この日しばった白菜は、年明けに出荷です。今回援農に参加された皆さんは、注文するのが楽しみですね。味わいながら召し上がってくださいね。
(交流局 産地交流企画担当 事務局)
演奏と映像で語る~作っているのはコメと野菜と曲とまち
日時:2013年12月7日(土)
会場:wacocoro(東京都大田区)
出演:Gt&Vo 松本愼一郎さん(宮崎アグリアート 宮崎県)~32歳 3児のパパ
主催:だいちサークル・トリオデ&有志
今回の企画は、生産者によるライブ演奏(歌とアコースティックギター)と映像を見ながらのトーク
という内容。会場となったwacocoroは、会員が経営するロハスなカフェ。過去にも「だいちサロン」や
「だいち交流会」で利用させていただいたこともあります。
この日も、音響機器は㈱大地を守る会から持ち込んだものを使用しましたが、プロジェクターや
物販コーナー等は、スタッフがwacocoroの店主さんとじっくり相談したうえで、仕立ててくださいました。
スタッフお手製の看板で、ステージエリアとなりました。
演奏する松本愼一郎さん。
写真奥が入口ですが、外は静かな住宅街。
参加者集合写真。
宮崎アグリアートから届いた野菜類。
物販コーナーで販売もされましたが、企画終了後の懇親会での食材にもなりました。
このブログでは残念ながら松本さんのギターと歌は伝えられませんが、生産者との交流において
このような企画ができるとは、なかなかないことです。
企画された、だいちサークル・トリオデのスタッフのおひとりが、過去の東京集会地区会場において、松本さんと会われたのがきっかけになっているものですが、2013年の東京集会でも、松本さんは画像を用意してトークされましたので、そうした実績にもとづいているものでしょう。
実は、松本さんは20代の前半は、福岡でライブハウスとかのPA(音響関係)の仕事をされていたとのこと。お父様は宮崎で開拓者として農業を始められた方。そこに戻って、宮崎アグリアートという法人(株式会社)を立ち上げ、現在は、さらに若い人材を農業の現場に引き入れる役割も果たしていらっしゃいます。
地域では、昨年、今年と、「野良音」(※)なる屋外フェスを企画実行された松本さん。
大地を守る会の催しでは当たり前になっている「マイ箸・マイカップ・マイ皿持参」を、そのフェスでも
呼びかけたら、かなりの参加者が協力してくださり、地元でもそれが話題になったとのこと。
稲刈り後の田んぼに、1000人規模の集客での音楽イベント。
地域が、そして世代も超えて、人と人がつながったことでしょう。
だいちサークルでも、今回のように、今までにはない形で、生産者とのつながりを実現することが
できました。企画したスタッフの皆様のアイデアと緻密な準備に感謝です。
そして、「出演」いただいた、松本愼一郎さん。ありがとうございました!
(※ 野良音 http://nora.asia/oto/2/ )
(だいちサークル担当 事務局)
2013年12月25日
会員宅で☆わくわく復興支援カフェ
日時:2013年12月3日(火)2013年12月24日
だいちサロン36回目
日時:2013年11月28日(木)
会場:遠忠商店(東京都中央区)
主催:だいちサークル・サロン部
今回のだいちサロンは、佃煮でおなじみの遠忠食品の代表・宮島一晃さんにご協力いただきました。会場も、中央区・水天宮のすぐそばにある遠忠商店さんのビルの3階の会議室。
宮島さんは、大地を守る社会貢献活動(CSR)をすすめる会の生産者運営委員であるだけではなく、おさかな喰楽部にも属しておられます。したがって、大地を守る会とのおつきあいも、単に製品を出荷するにとどまらず、東京集会はもちろん、さまざまな機会に出展(出店)されたり、水産関係の生産者とも交流を深めていらっしゃいます。
(写真左が宮島さん)
この日は、海苔の佃煮を例にとって、市販品と遠忠さんのものを、水で溶いた後振ってから静置して見せてくださいました。すると、同じ量で測って入れたのに、明らかに海苔の量が異なることがわかりました(もちろん遠忠さんの方が多い)。いかに市販品が、海苔以外の素材で量を増やしているかが見てとれました。
宮島さんは、「食の観点から関わることで、東京湾再生への思いがとても強くなった」と語ります。
プロジェクターでは、千葉県木更津沖で収穫している海苔、行徳・三番瀬のあさり、横須賀・猿島周辺でとれる昆布などの様子も見せていただきました。
参加者一同、江戸前の食材を、安心して、潤沢に食することができるようになれば、という気持ちを抱けたと思います。
お話が終わった後は、1階のお店でお買い物も楽しめました。
佃煮に限らず、吟味された品々が並んでおりました。
宮島さん、積極的に活動されていますね。
36回目を迎えた「だいちサロン」。いつものお茶をしながらのおしゃべり会とはまたちょっと違った、
勉強会の内容でもありました。
来年(2014年)も、あちこちで、いろんな企画で「だいちサロン」は開催されることでしょう。
皆様のなかにも「ぜひうちの近くでもサロンを開いて、地域の大地を守る会の会員どうしで交流したい」という方がいらっしゃったら、事務局までご連絡くださいませ。
「だいちサロン」には、いろいろな可能性があります。ぜひ皆様もご参加ください。
【予告&予定】
だいちサロン 37回目 2014年2月13日(木) 10:00~12:00 中原市民館(武蔵小杉駅近く)
「おやつ」をテーマにお話しましょう。
だいちサロン 38回目 2014年3月中旬 カフェ・スピネル(JR中央線日野駅から徒歩4分)
日野周辺にお住いの方、仲間づくりをしませんか?
だいちサロン 39回目 2014年4月中旬 wacocoro (東京都大田区)
ロハスなカフェ、wacocoroにて。 過去にも何度か開催しています。
だいちサロン 40回目 2014年5月 千葉でやりたいな、と相談しています。
それでは皆様からの情報もお待ちしています!
(だいちサークル担当 事務局)
東京有機クラブ・川里さんの畑に行こう!
日時:2013年11月21日(木)2013年12月19日
第21回秋田ブナを植える集い
今年も米プロジェクト21(以下、米プロ)として、「秋田ブナを植える集い」に参加してきました。今年で21回目の開催となり、米プロは第2回から参加しています。主催は「馬場目川上流部にブナを植える会」。主催者の一人でもある黒瀬さんに合流し、会員の方とともに9名で参加しました。
11月3日は過去の天気の統計上晴れの確率が高く、実際、数年前までは当日の天候を心配することはありませんでした。しかし、ここ数年雨の予報が多く、雪の時もあり荒れ模様。今年も当日の予報は雨で心配されましたが、不思議と開会とともに雨はあがり、晴れ間も見える状況になりました。天にも守られているイベントのようです。
みんなが集合し、植林の開始です。
このイベントは1993年11月3日に馬場目川上流部の国有林を借りて、第1植栽として植栽を開始。馬場目川は、大潟村の水源となる八郎潟調整池(旧八郎潟)に流入する河川の一つで、大潟村の飲料水や農業用水となります。その上流部の水源となる森林を再生させようという目的で、20年前に始めた活動です。地元五城目町や馬場目川流域の八郎潟、そして大潟村などの生産者有志の方々(黒瀬さん、相馬さん)が始めました。
そして20年かけて第3植栽地まで植栽をすすめ、その間夏の下草刈りなどの管理も行い、今や第1植栽地は立派な森の生長しました。今年21回目となる2013年は、数年前に閉鎖された「五城目町恋地国設スキー場」を新たな植栽地として選び、これから10年ほどかけて植栽管理を進めていきます。ロッジやリフトもそのまま残っており、雪が降ったらまだまだスキー場のようです。
今年の参加者には、毎年参加していた地元のボーイスカウトたちの参加がなく、全体としては少なく70~80名ほど。大地を守る会からは9人(うち子ども3人)が参加しました。1人当たりの割り当てが多くなり、心配されましたが、ベテラン、体力自慢の面々もけっこういたようで、1人で10本以上も植えていただいた会員さんもいて助かりました。
大人と子どもが力を合わせ、1本ずつていねいに植えていきます。
心配された天候にも助けられ、無事植栽が終了。今年も500本ほどのブナを植え、21年で合計1万5630本になりました。この第4植栽地が森に戻る姿を見届けたいと思います。
終了後は、餅つきやBBQが準備されており、豆腐の差し入れなど昼食を楽しみました。お腹も人心地がついたころ、恒例のコンサート。今年は秋田で活動されているゴスペルグループが盛り上げてくれました。知った歌などもあり、全員参加で例年以上の盛り上がりで1時間ほどのコンサートを堪能。最後は次の時代を担う若者によるアピール文の読み上げ、大きな拍手で閉会しました。
翌日はオプションで企画した白神山地散策。「白神山地トレッキング 貸し切りタクシー8時間フリープラン」で、ガイド付き観光タクシーを利用しました。 秋田県八峰町の留山~薬師山散策コースと、青森県深浦町の十二湖散策コースの2コースを回りました。樹齢数百年のブナ。よく見ると爪痕があり、説明では冬眠のために熊がよじ登ってブナの実を食べるのだそうです。
2013年12月17日
阻止ネットフォーラム
日本アイソトープ協会滝沢村医療用放射性廃棄物処理工場の村委監視委員(1988.5~)。
事務局長を経て、1998年~共同代表を務める。
2014年4月頃 阻止ネット脱原発フォーラム(院内集会)
原子力規制委員会による下北半島周辺の活断層調査結果が公表されるであろうことをうけて、
また、当日は独自コースでのデモを模索します。
各地域の活動リーダーを中心とした200人規模の学習会を企画します。
脱原発議員(国会議員、地方議員)・脱原発首長にも参集(もしくはメッセージ参加)
そのために、国会議員・地方議員・首長との対話と情報交換を密にして、
2013年12月 9日
浜岡原発の防潮堤を見に行ってきました!
とても危険な立地に不安を感じざるを得ませんでした。(M.Y)
2013年12月 6日
11/16・17 震災からの復興を後押しするみやぎ応援ツアー
"命を吹き込む"味への追求が続く11月16~17日。大地を守る会の専門委員会「おさかな喰楽部」で、「第2回震災からの復興を後押しするみやぎ応援ツアー」を行いました。
参加したのは、大地を守る会社員4名、生産者2名、消費者9名の総勢15名。東日本大震災で被災した練り物の生産者・高橋徳治商店、カキ漁師・二宮義政さんのご家族との交流を目的に、宮城県東松島市を訪れました。
初日は、高橋徳治商店の新工場を見学、代表の高橋英雄さんに震災当時の話から、新工場を立ち上げた現在までのお話を、当時の写真とともに語っていただきした。
高橋徳治商店は、震災当時は同県石巻市にあり、本社工場、自宅も1階部分は完全に浸水、「冷凍原料」が置いてある魚町工場にいたっては大破し、原型すらとどめていなかったそうです。被害総額は流された原料だけでも2億円以上、それに伴い従業員は止むを得ず「解雇」するしかありませんでした。
高橋徳治商店の震災から300日の復興ストーリーはこちらhttps://store.daichi.or.jp/NewsDetail/index/contentscd/31/year/2009/no/121
津波で壊滅的なダメージを受けた石巻市。高橋徳治商店の前の通りは、満潮になると海水が流れ込んできた。
石巻市は津波の被害が甚大で、自宅や工場を失い、地域も壊滅状態、先の見えない不安と記憶に焼きついた悲惨な光景、一時は自分を失いかけ、精神異常もきたしたという高橋さん。そんなどん底から新工場を設立するまでの勇気を持つことができたのは、取り引き先やボランティアの方々の献身的な助けと励ましでした。石巻市には延べ5,000人以上が全国から駆けつけ、「なぜそこまで...」。言葉を失うほどの支援を受け、泥が流れ込み見えなかった工場の床が姿を見せるにつれ、復興への意欲が湧いてきたそうです。「やれるかもしれない。やるんだ」。
高橋徳治商店の新工場の屋根には、ソーラーパネルを設置。災害時には、地域に電力を供給する役割を担う。
新工場の見学では、従業員の皆さんの感謝に満ちた笑顔が印象的で、高橋さんの話しぶりも、一年前と比べると晴れやかで前向きで安心しました。また、「食べ物を通して、何かを伝えたい」という皆さんの気持ちも伝わりました。
ちょうど冬のおでんシーズンです。高橋徳治商店の"命を吹き込んだ味"を、噛みしめて食べたいと思います。
『おとうふ揚げ』のご注文、高橋徳治商店(宮城県石巻市)の復興ストーリーその2はこちら
https://store.daichi.or.jp/NewsDetail/index/contentscd/31/year/2009/no/129
おでんシーズン真っただ中。忙しくも、気持ちを込めて仕事に取り組み従業員の皆さん。
「風化させてはいけない」と、参加者に震災当時の出来事、そして復興へ歩みだすまでの気持ちの変化まで、写真とともに語ったくれた高橋徳治商店代表・高橋英雄さん。
人口4万3千人のうち、1107人が犠牲になった東松島市。なかでも東名地域野蒜海岸付近は、500名以上が犠牲になり、多くの被害があった地域です。この東名に居をかまえ、牡蠣養殖をおこなっていた二宮義政さんとその家族を尋ねた二日目。
来年用の牡蠣の種付けも終わり、順調に育っています。二宮さん個人の牡蠣棚を見学。
外洋に移動された、1月に出荷予定牡蠣。これからもっと大きくなります。家族の牡蠣養殖の中心を担う息子の二宮義秋さんも嬉しそう。
牡蠣養殖が盛んな東松島においても、外洋での養殖が可能な東名地域の漁師さんたちは、皆、自分たちの牡蠣が一番うまい自負していますが、船上で食べた牡蠣は、まさに「今まで食べた牡蠣で一番うまい!」と、参加者全員が口をそろえて賛美の言葉がとびかっていました。
港に戻り、二宮家でささやかな交流会。たっぷりと自慢の牡蠣をいただきつつ、震災時の話、そして牡蠣の生態、魚場の話、牡蠣の剥き方講座まで、残された時間ギリギリまで交流を深め、再会を約束して別れました。
2011年6月のキャンドルナイトで、二宮さんに応援の意を込めて送った大漁旗を前に記念撮影。二宮義政さん(中央・シルバーのジャケット)も、念願だった交流会が実現できて嬉しそうでした。
※二宮さんの牡蠣は、大袋での販売になりますが年明けに販売予定です。世界で一番おいしい牡蠣を、会員制宅配ほか、大地を守る会のウェブストアでご注文ください。
大地を守る会のウェブストアはこちら
https://store.daichi.or.jp/Top
一歩一歩進んでいる、東松島市の復興
ツアーの最後には、一般財団法人「東松島みらいとし機構(HOPE)」のメンバーに、東松島市の被災地視察、復興の現状を説明していただくミニツアーを開催。HOPEは、東松島市役所とともに復興まちづくり計画の実務遂行を担い、一般企業、ボランティア、市民と協力して、快適で安心な新しい社会システムの構築を使命にたちあがった団体です。
はじめに見学したのは、二宮さんのご自宅があった東名地区。かつて塩田だった土地を田んぼにして開拓した土地は、地盤沈下により海になり、現在でも水を抜く作業が続いていました。次に三井物産が市から土地を借り上げて作ったメガソーラー施設の見学。津波によって更地となった土地の有効利用を目的に建設され、賃料が市の収入となり市民に還元されるしくみです。また、一般財団法人「CW.ニコル
アファンの森財団」と一緒に取り組んでいる、新しく建設される小学校の裏山の整備を見学。津波の被害で傷ついた子どもたちの癒しとなるツリーハウスの建設を見学。いずれも、HOPEの復興フェーズに沿った計画であり、市民の認知、協力体制も広がりつつあります。
東松島市をめぐり気付いたのは、一年前と比べると一歩ずつではあるが、確実に復興している姿でした。象徴的だったのは、来年早々にもすべての処理が終了するという瓦礫の山が、明らかに小さくなってきていること。これは東松島市が10年前にも津波の被害にあい、瓦礫処理のノウハウを持っていたこともありますが、市内にある8つの自治協議会が、それぞれミニマムに自治を行い、迅速に対応してきた証です。地域のコミュニティーの力こそが、国にも企業にもできない"復興の原動力"となるのだと感じました。高橋徳治商店の生産再開では、多くの雇用を生み出しました。また、二宮さんが住み、被害の大きかった東名地区では、牡蠣まつりの開催計画もあります。おさかな喰楽部では、今後、被災した生産者の食べ物を食べて応援する動きとともに、こうした地域の取り組みにも寄与し、復興の後押しを続けます。
東名地区で水没したまま残された家。この家の向こうに二宮さんの家があった。
更地に建設されたメガソーラー施設。土地の賃料が市の収入となり、市民に還元される仕組み。
2013年12月 5日
マゴメ訪問見学会
2013年12月 2日
映画「天のしずく」上映会を開催
11月28日(木)日比谷図書文化館コンベンションホールで、映画「天のしずく」上映会を開催しました。
この作品は、料理家・辰巳芳子さんの日常を追ったドキュメンタリーで、
大地を守る会も「特別協力」というかたちで製作に携わっています。
大地を守る会の生産者の富谷亜喜博さん(さんぶ野菜ネットワーク)も映画の中に登場します。
~
~辰巳芳子さんがお父さんのために工夫を凝らして作りつづけたスープは、
やがて人々を癒す「いのちのスープ」と呼ばれるように~
★作品についての詳細は、以下をご覧ください。
↓
今回、「午前の部」、「午後の部」と2回上映しました。
開映前に、司会より大地を守る会の活動についてお話させていただきました。
上映が始まると、みなさんの目がスクリーンに釘付けに。
多くの参加者から
「いい作品でした。ぜひ、また上映会をやってください」
とのうれしいお声をいただきました。
前向きに検討させていただきます。
(C)2012天のしずく製作委員会