知って学ぼう! の最近のブログ記事
2015年4月23日
イベント「おっぱいとごはん」を開催しました
2015年4月 8日
大地を守る会のおいしさ凝縮! 2015/2/28 だいち交流会レポート
開催日:2015年2月28日(土)
会場:江東区東大島文化センター3階 第1・2会議室
「ふたたび・みたび、会ってみませんか」というテーマで開催された、江東会場のだいち交流会。
作る人・届ける人・料理する人・食べる人が、集まり、おしゃべりしながら、割烹着の会・消費者有志のみなさんが作ったごちそうをいただきました。味のおいしさはもちろん、お料理に使われた食材ひとつひとつの作り手が集結しているので、とても贅沢な食卓です。アットホームな雰囲気でおしゃべりできること、みんなで食卓を囲めること。そのおいしさは格別でした。
これこそが、だいち交流会の醍醐味です。
今年は大地を守る会40周年。複数の家庭が共同で購入する仕組み「共同購入」の発祥の地・東大島が会場ということで、「大地はじまり物語」と称して、ベテラン消費者、生産者へのインタビューショーも開催。当時の苦労話も飛び出して「ほんもののおいしさ」を巡るたくさんの思い出に会場は大盛況でした。
皆さんもぜひ、大地宅配のおいしさと「ふたたび・みたび、会ってみませんか?」。その場でのおいしさはもちろん、参加後に普段の食事が一層おいしく楽しくなること間違いなしです。交流会はもちろん、大地を守る会のイベントは、心からの「いただきます」と「ごちそうさま」が詰まっています。
(営業部 栗村)
お待ちかねのごちそうタイム! 料理をとる時も楽しくおしゃべり。
このブログでも、レシピ、当日のメニュー、参加生産者のお名前リスト、マップをお見せします!
【レシピ】
江東会場交流会レシピ(考案者:割烹着の会).pdf
【メニュー】
2015江東会場 しおり メニュー.pdf
【リスト】
2015江東会場 しおり 生産者リスト.pdf
【マップ】
2015江東会場 しおり 生産者マップ.pdf
2014年12月22日
イベント「アルガンオイルのある生活」を開催しました
2014年12月12日
援農イベント 福井さんの畑のお手伝いに行こう! 報告
2014年8月28日
太陽油脂石けん工場見学を開催しました
2014年8月27日
イベント「綿から糸を作りましょう」を開催しました
2014年6月 3日
イベント「富士酢のお話」を開催しました
2014年5月15日
DAFDAF基金ミャンマー支援
2014年4月10日
「本当の食の見分け方」講座を開催しました
2014年3月10日
食品添加物入門講座を開催しました
1月30日(木)日本消費者連盟と共同で開催しました、食品添加物入門講座の
様子をお伝えします。
午前の講座では、最初に、日本消費者連盟共同代表の山浦康明さんからご挨拶をいただきました。
山浦さんから、国内では、消費者庁による食品表示の基準作りの作業が進んでいること、
また海外に目を向ければ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の問題があることをお話
いただきました。
TPPについては、食品添加物の基準を含め、食品の安全基準について、
異なる国同士の足並みをそろえるために、一本化することが検討されていること、
一本化のために、食品添加物について甘い基準で各国で同意され、
そのような食品が今後、日本に輸入され、日本にいる我々の食卓に上がる可能性について
説明いただきました。
これからの時代、食品添加物がどのようなものか、これから、どのようにつきあったらよいのかを
知ることは、ますます重要になりそうです。
講師は、長年、大地を守る会で品質管理の担当を務める南忠篤です。
食品添加物を規定している「食品衛生法」は、
1947年12月24日に成立され、1948年1月1日に施行されました。
現在のように冷蔵庫の性能も優れていない時代に制定された法律は、
時代とともに見直しされてますが、一方で、制定された時代の影響も多く残っているようです。
食品添加物は、2011年現在で1470種類が登録されて、以降も
その種類は増え続けています。
自然界にあるニガリやイカスミなども、食品添加物として登録されています。
どのような理由で食品添加物が使われているかを学びました。
内容のなかからいくつかをご紹介します。
①惣菜「手作りひれカツ」に使われている「着色料(アナトー)」。
これは、揚げムラが目立たなくなると理由で添加され、惣菜のパン粉に使われます。
揚げムラがあるとおいしそうに見えない...という消費者の心理からメーカーは添加物を
使うようです。
②コンビニエンスストアで販売されているおにぎりに使われる「PH調整剤」。
ごはんに添加して、ごはんを酸性に保ち、保存性を向上させる目的で使われます。
③ペットボトルのお茶などに添加される「酸化防止剤(ビタミンC)」。
添加する目的は、主に緑茶など、色味が変わるとおいしそうに見えないものに使われます。
①の「着色料(アナトー)」も同様、消費者にとって、どう見えるかの視点から添加される食品添加物です。
その他、市販の海苔佃煮のように、人の手間をかけることができないために
複数の添加物が使われるものもあります。
海苔佃煮の原料は乾燥海苔を使いますが、乾燥海苔は
そのなかに砂浜の石や他の海藻など異物が入っています。
人が手作業で異物をとる作業をするとコストがかかるため、乾燥海苔を水に長時間つけて、
海苔をひらかせ、異物を取り除きます。水に長時間つけることで、うま味も粘性もなくなるので、
食品添加物を使わざるを得なくなります。
手間をかけるとコストがかかり商品の値段が高くなる、それを避けるために、
食品添加物を複数入れる。食品添加物が商品コストを抑えるために使われる実例です。
一方、大地を守る会でご紹介している遠忠食品の「生のり佃煮」は、
すべて、乾燥海苔の異物をすべて手作業で取っています。
そのため、海苔本来の旨みも、海苔の持つ粘性も残っています。
コストもかかり、市販品より価格も高くなりますが、
ラベル裏の表示の違いは歴然です。
消費者が商品の値段や見た目について、どう感じるのか...そこを意識して、
食品添加物が使われる背景が見えてきました。
消費者の意識こそ、食品添加物の問題を改善する鍵であることを学びました。
2014年2月 5日
【「バナナと日本人」 その後】 セミナーのお知らせ
2013年12月 5日
マゴメ訪問見学会
2013年10月18日
がら紡と考える「衣」の地産地消講座を開催しました
2013年10月15日
【イベントのお知らせ】課題先進国会議~いま最も大切な問いについて語り合う時間~宮台真司さんと語る
【開催場所がDaichi&keatsから変更なりました】
3.11の震災、原発事故をきっかけに、本当に大切なものは何だったのか、
どういう生き方、暮らし方をしたかったのかを見直すことになった人は多かったのではないかと思います。
この企画は、食の安全、環境保全、多様な教育機会の提供など、社会の"おかしい"の解決に
取り組んできた社会企業家が、社会学者やアーティストなど異分野の方を毎回1人招き、
「これから私たちはどうしていったらよいのか」について語り合うトークセッションです。
社会的企業家のトップランナーである、藤田和芳、熊野英介が、毎回1名、異分野の方をゲストにお招きし、
3.11をきっかけとして"課題先進国"としての姿が浮き彫りとなった日本において、いま何が問題なのか?、
その問題の解決のためには何が必要なのか?というシンプルな問いから、新しい社会システムのあり方と、
その糸口を模索していくトークイベントを、シリーズで展開します。
第1回目は、11月 23日(土)、宮台真司さんをお招きし、スワンカフェ&ベーカリー赤坂店にて開催します。
ご自身も二人のお嬢さんを育てていらっしゃることからも、経済や社会システム論にとどまらず、
育児、教育制度、原発、エネルギー、少子高齢化など、様々な社会的課題に対して深い考察と
発言をされている宮台真司さんと、 これからの日本について語り合ってみませんか?
■開催日: 11月 23日(土)18時~20時
■開催場所: スワンカフェ&ベーカリー赤坂店
銀座線 虎ノ門駅より徒歩5分
南北線 溜池山王駅より徒歩5分
丸の内線 国会議事堂駅より徒歩6分
■募集人数:30名
■参加費:会員)1,000円、非会員)2,000円
■協賛:NEC
■参加を希望される方は以下よりお申し込みください。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/e223170c268294
先着順の受け付けとなります。
■お問い合わせ先:
一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク
担当:石井 E-mail:ishii@socialbusiness-net.com 電話:
2013年9月28日
9/7に「鶏肉の飼料について学ぼう!」おこないました
まほろばライブファームの伊藤幸蔵さんを講師に招いて、肉鶏生産の国産飼料やアニマルウェルフェア、こだわりについてお話をうかがいました。
2013年9月27日
ヘナ入門講座を開催しました
2013年9月17日
9/8(日)「ふるさと回帰フェア2013」が開催されました。
9/8(日)「ふるさと回帰フェア2013」が早稲田大学を会場に開催されました。
主催は、大地を守る会も事務局構成団体となっている、
認定NPO法人ふるさと回帰支援センター。
「田舎暮らし最初の一歩 最後の一歩」のキャッチコピーどおり、
「田舎暮らしに興味があるけど、何からはじめればいいのかわからない」
という人から、
「仕事、住むところなどいろいろ具体的に調べたけど、最後の最後、何となく不安」
という人まで、多くの来場者でにぎわいました。
「ふるさと暮らし自治体相談コーナー」には、北海道から九州まで多くの自治体が出展。
多くの来場者が相談に訪れました。
「田舎暮らしトークセッション」も2つ開催。
「地域の未来をつくる働き方」では、
日本仕事百貨店の中村健太さんをコーディネーターにパネルディスカッションを行ないました。
また、
「農的ライフを始めよう」では、
NPO法人農家のこせがれネットワーク代表理事の宮治勇輔さんにコーディネーターを務めていただきました。
その他、「ニッポン全国ふるさと市場」では、全国各地の農産物、地元の特産品などを販売。
「ゆるキャラショー」や「野良着ファッションショー」も開催されました。
「野良着ファッションショー」の様子
審査員としてアッキーこと安倍昭恵首相夫人もかけつけてくださいました。
一時雨も降ったりしましたが、多くの方にご来場いただきました。
会場に足をお運びいただいた皆様、ありがとうございました。
田舎暮らしにご興味のある方、「田舎暮らし入門講座」のご案内です。
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★☆★ 「田舎暮らしノウハウ講座入門編 ~田舎暮らしへの第一歩~」 ★☆★
来たる10/5(土)10:30~、ふるさと回帰支援センター(東京交通会館)にて
「田舎暮らしノウハウ講座入門編 ~田舎暮らしへの第一歩~」を開催いたします。
田舎暮らしに興味はあるけれど、どんな地域がオススメ?
田舎暮らしってどれくらいお金が掛かるの?
住まいや仕事はどうやって見つけるの?
農的な暮らしや自然の中で暮らしたいと憧れている方やちょっと興味がある方に、
田舎暮らしをするには、どんなステップで準備を進めていけばいいのか、
地域を選ぶコツや地域に溶け込むためのポイントなどを、
先輩移住者の失敗・成功の体験事例を踏まえてご紹介します。
夢を夢で終わらせない、最初の一歩を踏み出してみませんか?
田舎暮らしの専門相談センターのふるさと回帰支援センターの相談員が
田舎暮らしを始めるコツをお伝えします。
◇開催日時 2013年10月5日(土) 10:30~12:00
◇会 場 NPO法人ふるさと回帰支援センター
(千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館6階)
◇講 師 ふるさと回帰支援センター田舎暮らし相談員 嵩和雄・星久美子
◇参 加 費 無料
◇定 員 30名
◇受付締切 9月20日(金)
◇お問合せ CSR推進部(牛島)
◇共催 NPO法人ふるさと回帰支援センター
※大地を守る会は、NPO法人ふるさと回帰支援センターの事務局構成団体です。
2013年9月 8日
「夏休み!自由研究講座。むかしの野菜と今の野菜」イベントレポート
8月31日の「831の日(野菜の日)」に合わせて、むかしの野菜(在来品種)と今の野菜(一般品種)の
違いを親子で学べるイベントを8月25日に勝どき駅近くの「グロースリンクかちどき」で開催しました。
「日本むかし野菜」について親子で学びました!
8月31日は「8(や)3(さ)1(い)」の語呂合わせから、野菜の日とされています。
今回のイベントでは、大地を守る会でも「日本むかし野菜」シリーズの販売でお馴染の在来品種の
野菜について説明をし、実際に25種類の在来品種の野菜を並べ、お子さんに触れてもらいました。
お子さんには、白紙の日本地図に在来品種の絵や説明を書いてもらい理解を深めてもらい、
最後には一般の野菜と在来品種の野菜の食べ比べも実施しました。
参加したお子さんからは、
「前から知りたかった昔の野菜のことが知られて、楽しかった」
「野菜が好きだから参加した」という声もあれば、
「夏休みの自由研究が終わるから参加した」という素直な声も。
また、お父さんお母さんからは、
「在来野菜だけで数種類を食べ比べしたキュウリやナスが、実際に見たり食べたりでき違いがよくわかった」
と好評でした。
2013年9月 3日
NEWS 大地を守る2013年9月号 有機農業から世界を変える!
2013年9月 2日
だいちサロン33回目 おいしいお茶の点て方・基礎編
2013年8月22日(木) 於・中原市民館 和室(川崎市 武蔵小杉駅近く)2013年8月14日
食物アレルギー対応キャンプ-「夏休み環境教育キャンプ2013」-報告②
2013年8月13日
食物アレルギー対応キャンプ-「夏休み環境教育キャンプ2013」-報告①
2013年8月12日
NEWS 大地を守る2013年8月号 放射能に負けない力を。
2013年8月 9日
オーガニックバラ栽培講座を開催しました
2013年8月 5日
2013夏期学校給食学習会
2013年7月 1日
NEWS 大地を守る2013年7月号 食品表示の摩訶不思議
食品表示を知ることで、食の安全の問題が見えてくるNEWS 大地を守る2013年7月号 GLOBAL REPORTS
2013年6月14日
世界が食べられなくなる日上映+トークショー
6月17日(月)には、上映後のトークイベントに、
~遺伝子組み換え作物を与えたラットの長期実験、
カーン大学セラリ―ニチームの実験について~
講師:前川隆文
CSR推進課:学校給食運動、照射食品反対運動、
(履歴)--------------------------
東京大学大学院にてPh.D取得(トランスポゾンの研究)
大阪大学において色素性乾皮症(遺伝性皮膚がん)の研究
専門:分子生物学 --------------------------
2013年6月 3日
NEWS 大地を守る2013年6月号 『世界が食べられなくなる日』公開記念スペシャル対談
映画監督
ジャン=ポール・ジョー
2004年、自らが結腸がんを患ったことを機会に、『未来の食卓』を製作。2010年の『セヴァンの地球のなおし方』では、すでに遺伝子組み換え食品と原発の危険性を示唆していた。その際の来日で、東日本大震災後の日本を取材し、今作を完成させる。
新作ドキュメンタリー『世界が食べられなくなる日』の公開を迎え、ジャン=ポール・ジョー監督が来日。
大地を守る会の藤田社長と、本紙2011年8月号以来となる、対談を行いました。
(聞き手...NEWS大地を守る編集部)
人類の歴史における2つのスキャンダル
―― お二人が対談されるのは2年ぶりですね。
藤田 前回は福島の原発事故の数カ月後でした。監督が、祝島(山口県上関原発反対の運動が長年行われている瀬戸内の島)で使われている「原発絶対反対」のはちまきを巻いて現れて驚きました。原発がこんな状況になって日本人はなぜ怒らないのか、と叱られたのを覚えています。大地を守る会の多くの会員は、監督の作品を観て、いろんなことに気付かされたことと思います。
―― 今回の映画についても教えてください。あのような映画を撮った、モチベーションはどこからきたのでしょうか。
ジョー 私は、このような状態の地球を残すことが、とても恥ずかしい。未来の世代に毒の入ったプレゼントを贈らなければならないことをすごく恥だと思っているんです。なぜ、毒が入ってしまったかというと、遺伝子組み換え(GM)作物と原子力のせいです。人類の歴史における2大スキャンダルがあるとしたら、この2つではないでしょうか。
前作の撮影をしているころに、その作品にも参加してくれていたセラリーニ教授から、打ち明けたい秘密がある、と言われました。「5カ月前からGM作物に関する実験をしている。われわれが目にしていることは、誰も想像ができなかったことだ。だから今この問題に関する映画をつくるべきだ。それを君の手でやってもらいたい」と。 そして、この映画の撮影中に、福島の事故がありました。この映画では、原子力とGM作物のテクノロジーを結びつけて扱っています。この2つは密接につながっているのです。つまり、反民主的に、人間に押しつけられたもの、しかも人間には制御不可能なテクノロジーで、取り返しがつかないという性質を持ち、同じような病気を引き起こします。しかも、それらがもたらす汚染は一日や二日で消えません。何世紀にもわたって残り続けます。だからこそ、この映画をつくったのです。
藤田 映画を観て真っ先に思ったのは、世界中の政治的なリーダー、あるいは世界中の研究機関に、セラリーニ教授が行ったのと同じような実験をしてほしいということです。いかにGM作物が人間に害を与えるのかということを、あのラットの映像と同じように、世界中の人に向けて明らかにしてもらいたい。あの実験の前までは、モンサントのたった3カ月の実験の結果で、人間の体には害がないという根拠となり、GM作物が流通することになりました。セラリーニ教授は、そうではないということを明らかにしてくれた。監督はわかりやすいように、それを映像に撮って世界中の人に広めようとしている。とても重要だと思います。
ジョー 皆さんにも受け入れてもらえるとうれしいです。
藤田 映画は大きな役割を果たすと思います。第一に、本来なら人類がみんなで使うべき種を、モンサントという一つの企業が独占しているという大きな問題を皆さんに知ってもらうこと。第二に、GM作物の特徴ですが、ある特定の除草剤、ラウンドアップをいくらでも使ってしまうということ。
私たちが勉強してきたこの2つの問題は、日本の消費者にはわかりにくい面もありました。しかし、GMトウモロコシやGM大豆が、私たちの体にどんな悪さをするのか、具体的なことを知らせるのが一番わかりやすいし、とても大事なことです。今回の映画はそういうインパクトがあります。
ジョー ありがとうございます。
彼らの商品を買わないという一票を投じること
藤田 モンサントや原子力など、巨大な企業、産業に対するレジスタンスをしていると、圧力や弾圧はありませんか。
ジョー ありますよ。たとえば経済的な嫌がらせ。彼らはお金を持っていて、それを武器としています。でも彼らがどうやってそのお金を手に入れたかというと、私たちが払っているのです。私たちが消費することで、彼らにお金を渡しているのです。私たちは、彼らにお金を与えるのをいつやめられるのでしょうか。
フランスの大手テレビ局でジャーナリストが私にインタビューをしたのですが、検閲されました。私の映画は一度も、その国営テレビで放映されません。なぜなら、テレビ局の一番の広告主は、世界を汚染している企業で、私はその企業を糾弾しているわけですから......。
国家に属する警察の人たちが、映画館の館主に対して脅迫じみたことを言って、私の映画が上映されないということもありました。日本でも、前回の来日のとき、ラジオ局が私にインタビューをしたのですが、カットされてしまいました。おそらく私がしていたはちまき(原発絶対反対)のせいでしょう。はちまきしている姿を電波で流せるなんて、日本のラジオはすごいですね(笑)。
「彼らの商品を買うということは
未来の世代を担保に入れているようなもの。」
―― そのような巨大な企業に対して、私たち一人ひとりは何をすればよいのでしょうか? どうしたらより良い未来がつくれるのでしょうか。
ジョー さっきも言いましたけれども、彼らは私たちのお金を搾取して自分たちの武器にしています。だから、彼らのために消費してはいけない。つまり、スーパーに行って、カートを押したら、「買わない」という一票を投じることが大事です。彼らの商品を買うことは、未来の世代を担保に入れているようなもの。そういうことはストップしましょう。
藤田 そのためには事実を知らないといけません。日本人はここ数十年の間に、肉を食べる食生活に変わりましたが、その穀物飼料の97%以上は海外から輸入したものです。そのうちのほとんどはアメリカからのGMトウモロコシです。でも、安全でおいしい国産の肉を食べていると日本人は錯覚しています。
私たちもいろいろと取り組んでいますが、GM作物にただ反対するだけでは力がわいてこないので、別の「これを食べるといいよ」と消費者に伝える必要もあると思っています。大地を守る会では、日本の伝統的な種を、生産者の人たちに栽培してもらい、それを消費者の人たちに食べてもらっています。もちろん反対は必要ですが、こうした取り組みも必要だと思っています。
「GM作物が、私たちの体にどんな悪さをするのか、
具体的でわかりやすく描かれている。」
ジョー それはいいことですね。でも、今起こっているこの状況をストップすることも忘れないでほしいと思います。たとえば、排気ガスを出す車に乗らないとか、有機の綿でない服を買わない、というように。私たちは責任をもって「ノン」と言うことも必要です。
では、この世で一番安価で、クリーンなエネルギーは何だと思いますか?
藤田 太陽ではないですか。
ジョー 違います。答えは、消費しない、ということです!(一同笑いがおこる)でも、これは大事です。ちょっと例をあげましょう。2年前、環境に関するフランスでのシンポジウムに招待され、セヴァンさん(※)と一緒に出席しました。太陽が燦々と輝いていた午後......、討論会場は、天井からどこからすべてのライトがついていました! このライト、本当に必要ですか、と私は言いました。私たちは、ライトを全部つける必要はないということを意識しなければなりません。ときどきは全部つけても良いと思いますが、たまにはつけないことや、ちょっとしかつけないことが蓄積されていくんです。
藤田 大地を守る会ではキャンドルナイトというイベントを10年前から行っています。夏至と冬至の日に、2時間電気を消して、電気ではなく、ロウソクの灯で過ごそうというものです。1000万人もの人が参加しています。この2時間は電気を消費しません。
ジョー セビアン。ブラボー。とても重要ですね。 たしか原子力は日本では30%くらいの供給量だった思います。自宅に照明が3つあるとして、一つをつけないだけで、原子力の30%分です。みんながそれをやれば、解決できますね。いくつかついていればちゃんと歩けるでしょう。
モントリオール映画祭ではすごく好評でした!
藤田 私は、映画の冒頭の台詞を書き留めました。「アメリカにとって、GM作物は第三世界から経済的な自立を奪うための兵器です」と。とても印象に残りました。
ジョー ニクソン大統領時代のキッシンジャー長官は言いました。世界を制覇するには、食糧を制覇するのが手っ取り早いと。だからアメリカで、GM作物が推進されたわけです。種子を私有化するなんていうのは、生物、個人を私有化するのと同じです。
藤田 監督の映画は、アメリカの国内では上映されないのですか?
ジョー されていません。
藤田 モンサントのような企業のある国の国民にこそ観てほしい映画です。
ジョー モントリオール映画祭では上映されました。主催者はカナダで配給したかったようですが、できませんでした。阻止されてしまったのです。でも、映画祭では、すごく好評でした。
藤田 アメリカやカナダで上映されない分、私たちが日本で頑張りましょう!
日本は広島と長崎、そして福島も経験して、世界中で誰よりも原発の問題に反対して、明らかにすべきだと私は思っています。
それと、監督が言っているように、原発の問題と遺伝子組み換えの問題は、テクノロジーとしては根っこが同じです。監督の映画をぜひたくさんの人に観てもらいたいと思っています。モントリオール映画祭ではすごく好評でした!
※セヴァンさん......12歳のときに環境サミットで伝説のスピーチを行った、セヴァン・カリス=スズキさん。20年後、ジョー監督の『セヴァンの地球のなおし方』に主演。現在も地球のために活動中。
『世界が食べられなくなる日』
6/8(土)より、渋谷アップリンクほか全国順次公開。
詳しくは、公式ホームページをご覧ください。
NEWS 大地を守る2013年6月号 GLOBAL REPORTS
2013年5月23日
遺伝子組み換えサケとアメリカでのGM表示運動
2013年5月 1日
NEWS 大地を守る2013年5月号 このお弁当、「ルーツ」は見えていますか?
2013年4月24日
「学校給食ニュース」のご案内
2013年3月31日
ヘナの使い方講座を開催しました
染め上がりの野田のようす。
2013年3月15日
NEWS 大地を守る2013年3月号
2013年1月 8日
NEWS 大地を守る2013年1月号 糀蔵の冬
2012年12月26日
白神こだま酵母で作ります はじめてのパン作り講座を開催しました
講座時間は片付けの時間も含めて、10:30〜14:30。
講座時間が限られているからといっても、
この限られた時間に、自然の酵母だけで、パン教室を開催できるのは、
白神こだま酵母があってこそです。
白神こだま酵母は世界自然遺産に指定された白神山地から発見された自然界の酵母。
1年の約半分を雪で覆われる豪雪地帯という環境を生き続けた生命力の強い酵母は、
種起こしが不要で、発酵力が強く、仕込みから短時間で焼き上がるという特性があるのです。
白神こだま酵母はトレハロースが通常の酵母の4〜5倍の酵母。
植物の乾燥や傷みを抑えたり、うまみを引き出すトレハロースが多いことで、
少ない砂糖で自然の甘さになり、油脂や添加物を使わなくても、しっとりやわらかくパンが焼き上がる
まさに奇跡のような酵母です。
講座でチャレンジしたのは、ピザパンとプチパン。
「湿度と温度という酵母が好む環境を準備することで、基本的にパン作りは酵母にお任せ」と津田さん。
ただ一工程だけ、材料をよく混ぜ合わせながら生地をまとめていく作業だけは、
生地がこね上がったら、容器の中に入れ、生地が膨らむのを待ちます。一次発酵です。
講座では、その間、津田さんから、白神こだま酵母についてのお話を伺いました。
生地はスケッパーを使い、二つに分割。ベンチタイムを経て、成形です。
一つはそのままめん棒でひらたくして、ピザ台に。
そのピザ台の上に、
大地を守る会のタマネギやトマト、ピーマンなどの野菜のほかに、
マッシュルーム、ソーセージや、ツナ缶、ホールコーンを
お好みに合わせてトッピング。オーブンへ。
一方プチパン生地も成形し、2次発酵させてから、パンの上部に切れ目を入れて、
焼き上がりがこちら。講座では、昼食にピザを皆さんでいただきました。
自分で作った焼きたてのピザは、きっと格別でしょう。会場から「おいしい!」という言葉が
あちこちできかれました!!
奇跡といえる自然の酵母•白神こだま酵母だからこそできる「引き算のパン作り」が
サラ秋田白神にはあります。
大地を守る会で毎週取り扱いのパン:
サラの白神(ソフトフランス) 1コ
これを多くの方に手軽に楽しんでいただけるようにと、
サラ秋田白神と相談し、現在"ピザ台"を開発中なのです。
3月ごろにはご注文いただけるかもしれません・・・。
2012年12月12日
「食品への放射線照射はいらない!!」政府との意見交換会
2012年12月 3日
NEWS 大地を守る2012年12月号 若手生産者特集
2012年11月 8日
「ゆかいな野菜物語」
2012年11月 7日
食品表示一元化問題 ~遺伝子組換え食品編~
2012年11月 5日
NEWS 大地を守る2012年11月号 東日本大震災から1年半が過ぎた
復興息づく、東北を巡る3月11日の東日本大震災から1年半が過ぎようとする9月中旬。震災後、大地を守る会の復興支援活動を
先頭に立って行った事務局長・吉田和生(当時水産畜産責任者)が、三陸沿岸を襲った巨大津波によって
被害を受けた生産者たちのもとを訪ねました。復興に向けて進む生産者たちの長い道のりは、ひと通りでは
ありません。震災当時の様子から、復興に臨む想いや今後の展望について、生産者たちの〝今の声〞を
お届けします。
(NEWS大地を守る編集部)
津波で養殖いかだをすべて失った奥松島水産振興会の
二宮義秋さんと、養殖の状況を船で見に行く吉田。
下は、震災後に新しく吊るした養殖いかだで成長する
1年目のカキ。被災地の希望のシンボルです。
半島内陸部にあったため津波の被害を免れた
工場で、ワカメの芯取り作業が行われていました
-重茂漁業協同組合 岩手県宮古市-
これからの漁村モデルをつくっていく
重茂半島は、岩手県の中でも巨大な津波に襲われた地区の一つです。その高さは37mにも及んだといわれ、
重茂漁協にあった800隻の船は、わずか20隻ほどを残し流されてしまいました。当時は国の補償がいつに
なるかわからなかったこともあり、震災後3日目には、重茂漁協は船の手配や工場の修復のために動き
出しました。
「組合員である漁師たちに復興への道筋を示す必要がありました。今振り返ると、驚異的なスピードで
復興に突き進んだと思います」と話す後川良二さん。
後継者不足に悩む漁協が多い中、重茂漁協は組合員の約8割に後継がいるという優良な生産者組合
でした。また、石けん運動や青森県の六ヶ所再処理工場反対など、海の環境を守る運動に積極的に取り
組んできた組織力の強さがありました。
「大地を守る会から送られた2隻を含め、なんとか船を200隻集めて漁を再開しましたが、不慣れな船を
何人もの漁師が共有しながら漁をする状態が続き、これまでのような漁獲量を復活させるのは困難でした」。
現在では船の数も増え、組合員の8割が漁に戻っています。
「水揚げ量が増えることも、もちろん大切なこと。でも2割の人が震災後に漁をやめたのも事実。
だからこそ漁協としては、重茂地区に住むことの価値も高めていきたい。老人が安心して暮らせる、
子どもを安心して育てられる、そういう新しい漁村づくりを進めていきたいですね」
後川 良二さん
震災後、リアス式海岸沿いの道路や橋が壊れたため、孤立した
生産者たちに歩いて支援物資を運んだ後川さん。
気仙沼
建物の損傷が少なかった内陸の加工場では、
スタッフが元気に働いていました。
-村田漁業株式会社 宮城県気仙沼市-
戻ってきてくれた従業員とともに
村田漁業は、本社の1階が被災したほか、加工場や製氷工場が大破。
そして、加工場で一人の若い従業員が尊い命を失いました。
「震災後に黙々とがれきの片づけをする従業員の姿を見たときに、絶対に元に戻してみせる、
と決心しました。ただ、失業保険の給付のために従業員を一時解雇せざるを得なかったときは、
本当につらかったです」と、当時のことを思い出し、村田憲治さんは涙をにじませていました。
また、震災時に倉庫内にあったマグロやカツオ約400トンは腐敗してしまうため、海洋投棄を
余儀なくされたそうです。
「商品が重機でごっそり持ち上げられる姿は切なかったですね」。
その後、昨年の8月には製氷工場が、11月末には加工場が復活し、販売を開始しました。
約50人いた従業員のほとんどは会社へ戻ってくれたそうです。
「昨年、大地を守る会への年始用マグロの出荷を目指したのですが、残念ながらそれは
かないませんでした。
でも、地元の人たちが、全国から寄せられた支援のお礼にと、贈り物用に商品を購入してくれ
ました。地元での知名度が上がったのは思わぬ効果です」。
村田さんは「気仙沼の復興はまだまだ先」と話します。市内には地盤沈下によって建物を
再建できる土地が少なく、都市計画の目途が立っていないからです。村田漁業の本社ビルは、
今年の2月にようやく完全復旧しました。大地を守る会では、今年から村田漁業の商品の取り
扱いを再開しています。
地元では、屋号である『「川」の字のマグロを食べないと年を
越せない』と言われるほど、気仙沼市の中でも老舗のマグロ
問屋。
石巻
きてくれました。
扱います。
-株式会社髙橋徳治商店 宮城県石巻市-
私たちは、何を学んだろうか?
震災後、髙橋徳治商店には工場復旧のため多くのボランティアが集まりました。しかし、いくら泥を
すくっても地盤沈下した工場内には、ヘドロが再び入り込みます。代表の髙橋英雄さんは「こんなこと
をして、意味があるのだろうか?」と深く思い悩んだと言います。
そんなとき心の支えになったのは、避難先の神社で生活をともにした約180人の人々の顔でした。
電気も水もない共同生活の中、笑顔を振りまいてくれた小さな子どもたち、野の花を摘んで生けてく
れたお年寄りたち。「震災翌日になってようやく小さなおにぎりをみんなで分け合いました。そしたら
身体がふわーっと温かくなったんです。あのときのことは忘れられません。彼らがいなかったら、自分
は今頃どうなっていたか」と髙橋さんは振り返ります。
工場のラインが一部再開してから最初に製造した「おとうふ揚げ」は、大地を守る会が「一日も早い
復活のためには、生協などの取引先と統一商品で」と提案したもの。「応援してくれた人たち、関わっ
てくれた地元の関係者の期待を裏切れない」と、髙橋さんは商品の品質にとことんこだわりました。
髙橋徳治商店では、今の工場から約6km内陸に自然エネルギーを取り入れた新工場を建築中。
髙橋さんがその想いを強くしたのは福島でのある集会で、一人の少女が「私たちの未来を返してくだ
さい」と訴えたのを聞いたから。「背筋を正さざるを得なかった」と髙橋さん。震災に何を学んだのかと
いう自問に、「食べものの大切さ、人や地域とのつながりの大切さに気付かされました。あのおにぎり
を忘れずに、進んでいきたいと思います」。
避難所で一緒に苦楽をともにした仲間たちの思い出の写真を
見せながら、当時を振り返ってくれました。
津波で破壊されたいかだの残骸が今も
残っていました。海底にがれきが残って
いるため、いかだから吊るすカキの養殖
ロープを短くせざるを得ないそうです。
カキの加工場を何とか建てたいです
震災の日、消防団に所属していた二宮義秋さんは、津波の浸入を防ぐため、消防車で堤防へ向か
いました。そのとき、すれ違った車の中に、父と母、妻、子どもの姿があったそうです。
「家族とすれ違った直後に津波が襲ってきました。家族が乗った車は私と反対方向に走っていまし
たが、津波がものすごい速さで車を追いかけていたので、正直、もう家族は死んだと思いました」と、
二宮さんはあの日を振り返ります。
家族を失ってしまったかもしれないという悲しみで気力も失われていましたが、次の日親戚に会い、
家族が助かったことを確認。大地を守る会にも連絡を入れてくれました。
現在二宮さんは、カキの殻をむく処理場をほかの生産者と共同で使っています。また、カキの種は
組合員で均等に割り振ることになりました。二宮さんが生産できるカキの量は、震災前の3分の1程度
の量になってしまったそうです。
「早くおいしいカキをお届けできるようになりたいです。ただ、震災前の状態に戻すには、まだまだ
時間がかかると思います。津波で壊れた橋も道路も復旧の目途が立っていません。まず私は、カキ
の加工を建てることに力を入れたいと思います」。
二宮 義秋さん
父・二宮義政さんのカキ養殖事業を引き継ぎ、今や二宮さんのカキ
生産の大黒柱となった義秋さん。乗っていた消防団の車が波に流さ
れるも、奇跡的に脱出することができました。
まだ、カキの処理場を共同で使っていたり、仕入情報をやり取りす
るファックスも使えない状況。再開時期はもう少し先になりそうです。
2012年10月16日
10-12月の外部団体イベント予定
2012年10月 3日
スウィーツソーパー・スキンケア講座を開催しました
今回は、スイーツソーパーの基礎化粧品、マッサージ用のオリジナルブレンドオイルなどのほかに、
2012年10月 1日
NEWS 大地を守る2012年10月号 はじめよう ひろげよう キッチンからエネシフト
ご存知ですか?家庭から出る廃食油の行方
1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25〜35万トンといわれています。そのうち、飲食店から出る廃食油の大部分はリサイクルに回されていますが、一方で、家庭から出る廃食油の実に9割は、そのまま捨てられているのです。
これまで大地を守る会は、環境保全と消費者の安全・安心を第一に考えたエネルギー問題への取り組みを進めてきました。
昨年4月11日には、原発に頼らない社会の実現に向けた「スイッチ!電力」宣言を行い、6つのアクション(左図参照)を発表。
そのアクション【3】「大地を守る会で自然エネルギーの導入をすすめます」を実現する取り組みの一つとして、昨年の7〜9月に「ゆかいな野菜物語」プロジェクトを実施しました。
このプロジェクトは経済産業省の助成事業で、宅配会員から回収した廃食油をバイオディーゼル( VDF)に精製し、大地を守る会の生産者が農機具の燃料として使用して、野菜を栽培・販売するというものです。3カ月間という限られた期間でしたが、会員の皆さまから回収した廃食油から2,308リットルのVDFを作り、4 .5トンのCO を削減することができました。
「ゆかいな野菜物語」(7月より再開)は、太陽光発電機など特別な機械を必要としない循環型代替エネルギーのプロジェクトです。
もし、捨てている廃食油があれば、資源としての活用を考えてみませんか。次ページからご紹介する「ゆかいな野菜物語」で、手軽にできるエネルギーシフトを、はじめましょう。
※ベジタブル・ディーゼル・フューエルの略。
廃食油を原料とするディーゼルエンジン用の新しい燃料。1993年に㈲染谷商店が世界で初めて開発に成功した。
1 電力についての消費者アンケートを実施します
2 自然エネルギー推進団体等、関連ネットワークと協同します
3 大地を守る会で自然エネルギーの導入をすすめます
4 原発に頼らないための「節電アクション」を募集します
5 消費者の声をいかし、世の中に提言を行います
6 原発のない、日本をつくります
「ゆかいな野菜物語」が再始動!
昨年7〜9月にかけて行われた廃食油をエネルギー活用するプロジェクト「ゆかいな野菜物語」。今年の7月23日からは、継続的な取り組みとして新たにスタートしています。
ネーミングが表すとおり、油(ゆ)が回る(かい)循環型代替エネルギーの実現を目指すこのプロジェクト。キッチンから出た廃食油をVDFに精製して生産者に提供し、そのVDFを燃料としてトラクターなどの農機具を動かします。
そして、栽培された野菜が宅配会員の食卓へと戻ってくる仕組みです。これまで廃食油を回収する生協などはありましたが、野菜の栽培・販売までをサイクルに取り込んだのは、大地を守る会が初めての試みです(大地を守る会調べ)。
廃食油から精製したVDFは、大気汚染の原因となる硫黄酸化物ゼロ、呼吸器官障害の原因といわれる黒煙は軽油の半分以下と、とてもクリーンなエネルギーです。
昨年は運搬費やVDFの価格などが課題になっていました。そこで今年は、株式会社ユーズのご協力のもと、ほぼ軽油と同等価格でVDFを販売。
また、2013年7月末までは、VDFの運搬費を大地を守る会で負担することにしました。
今回は、プロジェクトに参加している生産者の富谷亜喜博さんと、廃食油をVDF化しているTOKYO油田(ユーズ)の染谷ゆみさんにお話を伺いました。
「ゆかいな野菜物語」プロジェクトの廃食油回収にご協力ください。あなたのキッチンから出た廃食油がVDFとして精製され、トラクターなどを動かして野菜作りに役立ちます。
回収方法は、廃食油をペットボトルに入れて食材配送時に大地を守る会へ渡すだけ。ゴミとして廃棄するよりも手間がかかりません。
そして何より、クリーンエネルギーにシフトする確かな一歩となります。持続可能で豊かなライフスタイルの実現を一緒に目指していきましょう。
富谷亜喜博さん
さんぶ野菜ネットワーク 代表理事
千葉県山武市で、小松菜やレタスなどの葉物野菜、スイカなどの果物など、多種多様な農作物を栽培。
昨年から「ゆかいな野菜物語」に参加しています。VDFの存在は以前から知っていましたが、正直、農機具に影響が出ないか不安がありました。
トラクターなどの農機具は10年、20年と長く使うものですから、生産者であれば、誰しも感じることだと思います。ですから、VDFを使い始めた当初は、軽油とVDFを混ぜて使っていました。
ハウスで使うと、軽油とのにおいの違いがよくわかります。ほのかに天ぷらの香りがするんですよ。
環境への優しさを体感する瞬間ですね。徐々にVDFの濃度を上げて繰り返し使ってもトラクターに影響はなく、軽油と変わらないパワーで動かせると実感できたので、今ではVDF100%で使用しています。ただ、トラクターの種類によってはパワーの差を感じるかもしれません。
私は3台のトラクターで試してみましたが、もっとも古いトラクターとの相性がよいと感じました。新しいトラクターは濾過機が繊細だからかもしれませんね。
VDFは、一斗缶かドラム缶での配達が選べます。私は頻繁に耕運するほうではないので、一斗缶で購入しています。そのときどきでVDFが黄色っぽかったり赤みが強かったりと色は異なりますが、使用感に違いはありません。
昨年は、軽油に比べてVDFの価格が高くコスト面に課題がありましたが、今年からは軽油と同等価格で販売されると聞き喜んでいます。軽油と大差ない価格なのであれば、環境に優しい方がいいですよね。
大切なのは、新しい試みをおもしろいと感じて、楽しみながら挑戦する気持ちだと思います。いろんな生産者がVDFを使って情報をみんなで共有できたら、誰もが安心してVDFを使えるようになると思います。
染谷ゆみさん
(株)ユーズ 代表取締役
廃食油を回収し再資源化する事業を展開。1993 年には、世界初となる廃食油の軽油代替燃料の開発に成功。
「廃食油は資源であり、東京は大油田」という発想から、東京の家庭や飲食店から出る廃食油を回収して再資源化しています。
大地を守る会とは、1995年の宅配配送車へのVDF使用以来のお付き合いです。
ソーシャルビジネスの大先輩ですし、一緒にプロジェクトに取り組めて嬉しいですね。
昨年の会員アンケートでは、「油は食用として使い切るから回収に出さない」という意見が7割を占めたと聞いています。会員の皆さんの環境への意識の高さを感じました。私は廃食油を回収している立場ですが、本当は1滴も廃食油が出ない社会が理想的だと考えています。
廃食油を循環できるからといって、どんどん出してほしいわけではないんです。ただ、1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25〜35万トンといわれ、家庭の廃食油の9割は、残念ながら捨てられているのが実情です。
固めて捨てる、紙に含ませて捨てるといった方法では、新たなゴミを生み出すことになってしまいます。
これまで捨てていた廃食油を資源として捉え、「ゆかいな野菜物語」を通じて、回収に参加してくれる人の輪が広まっていくことを期待しています。
・回収するもの:使用済み、もしくは未開封の食用油(液状の油に限る)。
・回収容器 :使用済みペットボトル(最大2リットルまで)に入れ、ビニール袋に入れてしばる。
・回収方法 :配送員に手渡し、もしくはハッポウ箱・コンテナに入れる。
・回収に出される場合は下記URLを必ずご確認ください。
https://member.daichi.or.jp/news/dispdetail/contentscd/9/year/0/no/688
生産者の皆さんへ
VDFを使ってみませんか?
「ゆかいな野菜物語」では、VDFの価格を120円/リットルにし、2013年7月末まではVDFの送料を大地を守る会が負担します。これは、より多くの生産者にVDFを使ってほしいという思いからです。
ご興味のある方、ご質問は下記連絡先までお問合せください。
お問合せはこちら:03-6661-1610(株)ユーズ(担当/河合)
いろいろなところではじめています、エネシフト。
野菜残渣をエネルギーに変える「ベジィエナジー」
日々の宅配業務でどうしても出てしまうもの。それは、傷んで商品にならない野菜や、土で汚れた外葉などの野菜ゴミ(残渣)です。この残渣をエネルギーに転換するプロジェクトが「ベジィエナジー ~もったいナイをエネルギーに~」です。バイオエネルギー事業で実績のあるバイオエナジー社にご協力いただき、昨年の11 月14 日から継続して取り組んでいます。
自然界に存在する微生物が残渣を約30日かけて分解し、バイオガスを発生させます。
このガスで、ガスエンジン発電機を動かして発電したり、精製・熱量調整・腐臭などの加工をして都市ガスにしています。
除染しつつエネルギーを生む「グリーンオイルプロジェクト」
有機栽培による米・麦・大豆の輪作を実践してきた稲葉光國さんが代表を務める栃木県上三川町のNPO法人 民間稲作研究所は、放射能の除染からエネルギー自給までを循環サイクルで実現していく「グリーンオイルプロジェクト」を開始しています。この「グリーンオイルプロジェクト」は、大豆・ひまわり・なたねを育てることで除染を行いながら、圧搾した油から出た廃油をSVO化し、トラクターの燃料としたり、搾油後の残渣をメタン発酵させ、各種の燃料として利用していくことを目指しています。
大地を守る会は、このグリーンオイルプロジェクトについても、どう関わっていけるのか、検討していきます。
※ストレート・ベジタブル・オイルの略。植物油(廃食油)をそのまま燃やしてしまう燃料のこと。
NEWS 大地を守る2012年10月号 やまけんの大地を守るうんまいもん探訪
さやあかねジャガイモは男爵とメークインばかりじゃない
新じゃがのシーズンは1 年に2 回。春先に出てくる九州地方の新じゃがと、これからの季節に出てくる北海道の新じゃがだ。北海道では雪が溶けてから種芋を植えるのでこの時期に掘り始めるのである。
縦に長い日本の端と端だから、北海道と九州では得意な品種も違う。ジャガイモは品種によって味や肉質が全く違うから、いろんな品種を楽しむのが吉だ。ちなみに、定番の「男爵いも」「メークイン」は日本に導入されてから約100年経っている。近年定着した「キタアカリ」だって1987年の品種だから古い! 実はジャガイモは新しい品種が少なくとも年に5 種は開発されているのだが、なかなか新品種が根付かない特殊なマーケットだ。売る側にすれば、知名度のある定番品種は労せずとも売れる。一方、新品種は売れるかどうかわからない。
だから安全パイの定番品種を並べるばかりで、新品種が根付かないわけだ。
けれども、最近の品種は定番品種の欠点を補ったものが多い。例えば男爵いもはごつごつして皮を剥きにくいけれど、新品種のほとんどがツルンとした表面で、皮を剥きやすい。味の面でも様々で、栗のような香りのする「インカのめざめ」や、バターなどと合わせるとおいしい「シンシア」など、目的別に選べるようになってきた。
写真は十勝で無肥料・無農薬で栽培された「さやあかね」。無肥料とは思えないほどに立派で、新じゃがの状態でも香りが強くおいしい。こんな新しい品種が拡がるかどうかは、食べ手の皆さんにかかっている。ぜひ食べたことのないジャガイモ品種にも手を伸ばしていただきたい。
山本 謙治(やまもと けんじ)
1971年、愛媛県に生まれ、埼玉県で育つ。農産品・食品などのコンサルタント会社(株)グッドテーブルズ・代表取締役社長。
『日本の食力? 国産農産物がおいしい理由』ほか。ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記(www.yamaken.org)」が人気。
NEWS 大地を守る2012年10月号 今月の数字
NEWS 大地を守る2012年10月号 くらすことつながること
自分でできることは、なるべく自分でいま、窓から山が見えます。毎朝、聞こえてくるのは、鳥の声。
晴 れた日には、湖面に山が映ります。この夏、あたらしい場へ移り住みました。移り住んだのは、四国の山のほうです。水がいい地域で、水道の水でも「おいし い」と感じられます。空気があまく、1日のうちに何度も深く深く息をします。暮らす場所は変わりましたが、日々することは、どこにいてもそう変わりませ ん。きちんと作られたものを選び、食べ、仕事をして、人とつながり、あとはできることをしていく。そのくり返し。そんななか、ひとつ、積極的に「やろう」 と思っていることがあります。それはセルフケア。いままでもしていましたが、いままで以上に。これからは、できることは「なるべく自分で」が、いいと思う のです。
たとえば、ヘナを使っての髪のカラーリング。いままでお店に行っていましたが、自分ですることにしました。ヘナはカラーリングだけでな く、デトックス効果もあると言われています。頭にこもった熱を逃がしてくれるそう。また、余ったヘナで足湯もできます。日ごろ、頭は使ってばかりでなかな かケアできない部分。月に1 度、自分の体と向き合う時間にしようと思います。ほかには、朝、起きたら白湯を飲む、オイルマッサージをする、足をあたためるなど、ちいさな習慣もつづけ ています。最初は、手間がかかる、と思うようなことも、習慣にすると、1日の流れのなかにうまく組みこめます。
きちんとしたものを食べることと、セルフケアは、どちらも「自分で」という気持ちから。ときどき何かに、だれかに手伝ってもらいながら、教えてもらいながら、工夫して、できることはやっていこう。
なんと言っても、そのために、あたらしい場に来たのですから。
廣瀬 裕子(ひろせ ゆうこ)
作家。日々の暮らしがその人を育むという思いを言葉に乗せている。著書に『できることからはじめています』、『まいにちのなかにオーガニック』など。3.11を受け「5年後10年後のこどもたちが健やかに育つ会」を立ち上げた。
NEWS 大地を守る2012年10月号 平和の象徴オリーブの苗木をパレスチナに送ろう。 スマイルオリーブ基金が始まります
大地を守る会で取り扱う「オリーブオイル(パレスチナ自治区産)」は、イスラエルによる占領化が進むパレスチナ自治区で生産されています。パレスチナと言えば、時折ニュースで聞く紛争地を想像される方も多いでしょう。
詳しくは『ツチオーネ』142 号5ページ、23ページをご覧ください。植えたオリーブの苗木は、3 ~ 4年で実を付けます。
直接支援ご希望の方は以下の方法で!
上記のプログラムと合わせて注文週142(10月8日~12日注文週)から145(10月29日~ 11月2日注文週)で、一口500 円から支援金を募ります。
2012年9月26日
モロッコガスール紀行 洗浄力と保湿力をそなえた粘土(クレイ)
みなさん、「ガスール」をご存じですか?2012年9月24日
GMOフリーゾーン欧州会議報告会(2012年9月20日)
2012年9月18日
MOP6(インド・ハイデラバード)で何が議論されるのか
2012年9月 3日
NEWS 大地を守る2012年9月号 報告 第75回 くらしから原発を考える講座 「原発はいらない! 被ばく労働の実態」
NEWS 大地を守る2012年9月号 環境百科 エコペディア
環境ジャーナリスト・天笠啓祐が身近な環境問題を読み解くNEWS 大地を守る2012年9月号 やまけんの大地を守るうまいもん探訪
1971年、愛媛県に生まれ、埼玉県で育つ。農産品・食品などのコンサルタント会社(株)グッドテーブルズ・代表取締役社長。
『日本の食力? 国産農産物がおいしい理由』ほか。ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記(www.yamaken.org)」が人気。
2012年9月 2日
NEWS 大地を守る2012年9月号 今月の数字
24,477ha 33.8% → 東日本大震災での被災農地面積と復旧率今年4月20日に農水省が発表したデータ。昨年の大震災で被災した農地面積は12 県で約2 万4,500ha。そのうち一年後の3月11日時点で復旧できた農地は約8,300ha、33.8%という状況です。津波によって堤防や排水機場などが破壊された地域では農業基盤そのものの復旧が必要で、被害の甚大さを示しています。農水省が立てた「農業・農村の復興マスタープラン」によれば、3 年間で19,000ha(約78%)での営農再開が謳われていますが、それまで農家が持つかどうかも心配されます。農林業センサスによると05 年から10 年の5年間に販売農家は17%(約33万戸)も減少しています。2030年までに64%減少するというデータもあります。一刻も早い復旧・復興が求められます。
またマスタープランでは、復旧の見通しが示せない「その他」の農地が1 割存在します。そのほとんどが原発事故による警戒区域や避難指示区域です。「その他」という扱いもひどいものですが、浪江・双葉・大熊・富岡・楢葉の各町の復旧面積「-」という冷たい表示が、原発事故の冷酷さを訴えているかのようです。
(米プロジェクト21・戎谷 徹也)
参考資料:農林水産省ホームページ
http://www.maff.go.jp/j/press/tokei/seiryu/pdf/120420-01.pdf
2012年8月31日
大地を守る会関連団体、9月のイベント案内
2012年8月30日
緊急院内学習会「消費者が求める食品表示」2012年8月28日
2012年8月13日
第22回北海道生産者会議レポート
初めまして、今期から消費者運営委員を務めさせていただく見澤海です。
子ども時代から"大地を守る会"の食材で育ちました。
結婚を機に入会しました。
専門委員会「原発とめよう会」、会員サークル「おひさま会」のメンバーです。
今回が生産者会議デビューです。
よろしくお願いします。
7月19日20日、さわやかな初夏の北海道上川郡当麻町にて、
第22回北海道地区生産者会議が開催されました。
北海道全土から約60名の生産者の方が参加しました。
東京は35℃という暑さでしたが、旭川空港に降り立つと、21℃という爽やかな気候です。
空港から会場へ向かう途中も広大な田畑、青い空と、素晴らしい景色がひろがります。
講演会の前に当麻グリーンライフさんの圃場見学へ。
駅舎の中に事務所があります。
駅舎にて野菜を販売
北海道は、圃場の規模が他の地域とは桁違いだそうです。
ほうれん草 ハウス一つで200坪!!
今、収穫の真最中で人手が足りないそうです。
逆に冬は、雪や寒さで仕事ができないので冬場をどう乗り切るかが大きな課題です。
トマトを加工品にして冬場でも仕事ができるように模索している最中だとおっしゃっていました。
一番景色がいい斜面にあるキャベツ畑
レタス畑
高台の斜面にある畑です。とても見晴らしが良く、素敵な光景です。
珍しい品種のトマト"シシリアンルージュ"
もぎ立てをいただきました。ジューシーでとても美味しかったです。
形は"アイコ"に似ていました。
会場に到着し、講演会が始まります。初めに藤田社長の挨拶です。
その後池田成志先生による「植物共生微生物と農業」です。
共生微生物が農産物の風味、品質に重要であり「おいしさ」の
化学的解明が可能になりつつあるとのお話です。
肥料の成分、メチレン尿素やC1化合物を与えると植物がどう育つかなど化学式での説明が続きます。
私には高校以来の化学式でした。生産者の皆さん真剣です。
農業とは、化学でもあるのだと感心しました。
植物の生育を阻害する悪玉に微生物も共生し、腸内細菌相と同じで善玉と悪玉の割合が重要です。
また、人間も植物と一緒で子どもは最初の離乳食でその子の持つ菌が決まるという話にびっくりしました。
質疑応答では、活発な意見交換がなされました。
皆さんよりよい農作物を作るために試行錯誤しています。
持続的農業生産とは、有用共生微生物との共存(自然の力の本質)との言葉に、
私たち人間も色々な微生物に助けられながら生かされていると(共生)感じました。
講演会後は、各生産者の方から近況報告です。
北海道はここ2.3年雨に悩まされ不作続きでした。
今年は干ばつ気味ですが作柄は順調との報告をうけました。
しかし今年は春先が不安定で、春が短く季節が年々おかしくなっているという話もでました。
また、大都市出身の若者の新規就農者が多く「北海道に憧れてこの土地に来た」という言葉が印象的でした。
近況報告の後は懇親会です。
皆さんお酒を沢山飲みます!
二次会・・・三次会・・・と続きます。タフです。
放射能についての話もしました。
北海道という土地柄、チェルノブイリの子ども達を受け入れていた事や、
放射能についての映画を自主上映した事、福島の子ども達を長期休みの間受け入れている事
・・・とてもパワフルに活動しています。
すごく勉強になるお話しばかりでした。
また、私が子どもの頃に我が家にホームスティに来た生産者の方が、お元気という事が分かりとても嬉しかったです。
今回の生産者会議に参加して、食物を作るという事は、頭も身体も使い本当に大変な仕事だと実感しました。(皆さん日焼けをして格好良かったです♪)
いつも美味しい食べ物を作っていただきありがとうございます。
より一層感謝して食べ物を頂きたいと思いました。
見澤 海
2012年8月 6日
NEWS 大地を守る2012年8月号 今月の数字
NEWS 大地を守る2012年8月号 くらすことつながること
作家。日々の暮らしがその人を育むという思いを言葉に乗せている。著書に『できることからはじめています』、『まいにちのなかにオーガニック』など。3.11を受け「5年後10年後のこどもたちが健やかに育つ会」を立ち上げた。
NEWS 大地を守る2012年8月号 やまけんの大地を守るうんまいもん探訪
1971年、愛媛県に生まれ、埼玉県で育つ。農産品・食品などのコンサルタント会社(株)グッドテーブルズ・代表取締役社長。
『日本の食力? 国産農産物がおいしい理由』ほか。ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記(www.yamaken.org)」が人気。
NEWS 大地を守る2012年8月号 山形村短角牛(岩手県久慈市)牧野に、躍る
-美しい日本の風景を守りたい-「山形村」産直31年-
南部赤べこから「短角牛」へ
山形村、牛飼いの歴史
東北地方に牛が導入されたのは、遠く室町時代にまで遡ります。特有の赤褐色から「赤べこ」と呼ばれ、頑強で忍耐強く、沿岸から内陸部へ塩や海産物を運ぶなど、主に荷役に使われてきました。民謡の「南部牛追唄」は、荷を運ぶ牛を追いながら歌われたもの。
そして、山形村で年に数回開かれてきた闘牛は、列の先頭をいく強い雄牛を決めるために、力のあるもの同士で角を突き合わせさせたのが始まりなのだとか。
この荷役牛をつかう「牛方(牛追い)」の多くが山形村から出て、また、山形村は「子とり(繁殖)」の地になっていきます。
稲作に向かなかった山形村は、炭焼きや雑穀作りのかたわらで牛を育て、子牛を売ることで暮らしを立てたのです。当時はもちろん配合飼料などあるわけもなく、夏は山に放して草を食べさせ、冬は牛舎に入れて飼いました。現在も引き継がれる「夏山冬里方式」は、ここから始まったのです。
伝統の闘牛生産者が"勢子"をつとめる
大地を守る会に「牛を売る」
村の命運を託した決断
その後、南部牛は、明治から昭和初期にかけて輸入された「ショートホーン種」を交配、改良されていき、日本固有の肉専用種「日本短角種」となります。西日本に多い黒毛種と違い、「赤べこ」の血を引くだけあって筋肉質で頑強な牛です。
当時の山形村の主な産業は、炭焼き。けれど木炭は、昭和の半ばには他のエネルギーに取って代わられていきます。村の窮地に、新たに取り組み始めたのが、肉牛としての短角牛の飼育でした。
ただ、山形村は昔から繁殖させた子牛を売るのが主体で、肥育して肉牛として売る経験がありません。混乱、そして赤字続きのなか、ある時、「短角牛を買いたい」という団体が現われます。輸入飼料に頼らず、伝統的な「夏山冬里方式」で育てた牛を買いたい。ちゃんとした赤身の肉が欲しい――それが、大地を守る会でした。
当時の大地を守る会は、まだまだ小さな団体でしたが、日本の農業・畜産業について考え、健全に育った牛を探し求めていました。そして出会ったのが、短角牛だったのです。「牛を売って、ちゃんと金を払ってくれるのか」――山形村の当時の担当は悩んだと言います。けれど、本物の牛を育て、それを理解できる消費者に売れるなら......山形村は、決断します。
2012年5月の山上げツアー
「短角牛」の枠を超え
村と付き合う
取り引きにあたり山形村が出した要望は、短角牛だけではなく「村と丸ごと付き合う」こと。単純に、牛を育て、それを売る・買うだけではない関係性ーーもちろん、きちんと育てられた短角牛には正当な評価をし、正当な価格を支払う。でもそれだけでなく、「村一番の名産」以外の、ほかの産物にも光を当てよう、村の経済を支えようと山形村との産直提携が結ばれ、1981年の年末「短角牛」は、初出荷の日を迎えます。翌々年からは、会員が山形村を訪れる「べこツアー」も開始されました。安全で、おいしい食べ物を作る人々、その商品の価値を理解し、買う人々......国内版「フェアトレード」とも言える関係の始まりでした。
以来、山形村と大地を守る会は歩みをともにし、短角牛のほか、共同出資して設立した㈲総合農舎山形村を通じて、ほうれんそうやしいたけなどの農産品・加工品を取り扱っています。短角牛もまた、飼料の完全な国産化をはかるなどの進歩を遂げています。「いわて短角牛」ブランドを冠するなかでも国産飼料100%は山形村だけの取り組みであり、いずれ東北全体へ、そして日本中に広がっていく、そのモデル作りでもあると考えています。
山上げのとき、おどおどする子牛たち
日本の将来のために
今こそ「食べて、支える」
昨年3月、東北は甚大な被害を受けました。東日本大震災、そして、東京電力福島第一原子力発電所の事故。東北の畜産業は、交通麻痺によって飼料が入手できず、多くの家畜を失いました。そんななか、山形町は直接的な被害も少なく、また、生産者自らが飼料作りを手がけてきた甲斐あって、牛の餌に困ることもありませんでした。
けれど、原発事故の影響は、「短角牛の売上低下」という形で、原発から300km以上も離れた山形町にも表れました。「やれることは全部やろう」。震災の翌月には牧草や稲ワラの放射能検査、そして7月には出荷する牛の全頭検査も始め、これまでのところ全頭不検出(放射性セシウム134・137および放射性ヨウ素131が概ね10ベクレル/㎏以下)という結果です。それでも、震災前に比べ出荷頭数にして6〜7割と、短角牛の消費は極端に落ちてしまっています。
東北産の食べ物を食べることを、強要はできません。ただ、「山形村短角牛」は、大地を守る会の、食や第一産業に対する取り組みの象徴です。村ごと付き合うーー山形町との約束を果たすために私たちが出来ること、それは「食べること」ではないでしょうか。商品を買い、食べることが、山形町へのなによりの応援です。そして、生産者をはじめとする山形町の人々に会うことがあれば、ぜひ「食べてます」「おいしかった」と伝えてください。そのひと言が山形町を支え、東北を支え、日本の美しい農村風景を守る、大切な原動力になるからです。
※山形村は2006年3月、旧・久慈市と合併して久慈市山形町になりました。
山形村短角牛応援企画 実施中!
短角牛を守り続けたい。その思いで、増量・値下げなどさまざまなキャンペーンを実施しています。同時配付の『ツチオーネ』や「ウェブストア(http://store.daichi.or.jp)」をご覧いただき、ぜひお買い求めください。
2012年7月20日
7/10(火)「丸の内朝大学」食と農クラス、初回講座レポート
2012年7月 9日
遺伝子組み換え(GM)ナタネ自生調査全国報告集会@福岡
2012年7月 2日
NEWS 大地を守る2012年7月号 やっぱり止めよう。TPP
「ちゃんと、たべもの」宣言で、TPPにストップを!TPP(環太平洋経済連携協定)のニュースを見ても、「よくわからない」と感じる方が多いかもしれま
実は大地を守る会では、震災前にインターネットを利用して、だれもが気軽にたべものについて語り
このサイト上では、ツイッターを利用して「ちゃんと、たべもの」宣言を投稿することができます。
※「ちゃんと、たべもの」宣言については3 ページをご覧ください。
TPPとは?
TPPは、例外なき関税撤廃をはじめ、参加国の金融や投資、医療、保険、労働などのルールを統一
内閣府は、TPP参加の利益と損失とを相殺したGDP(国内総生産)の増加額を、10年で2.4~3.2
年収500万円の人に例えるなら、いくら年収が増えることになるでしょうか。たった2700円程度で
2 輸入品が安くなって本当に家計が楽になるの?
TPPは、日本がこれまで堅持してきた関税の「最後の砦」も明け渡すような徹底した自由化を目指
3 遺伝子組換え表示がなくなるかも
実際に米国は、ニュージーランドとの交渉のなかで、遺伝子組換え表示を撤廃するよう圧力をかけ
TPPの交渉で主導権を握っている米国流のやり方が統一ルールとなれば、日本が定めている食品
4 牛肉の安心・安全が脅かされる
5 農業大国が世界の食を独占する
6 主食米の90%が海外産に
7 日本の食料自給率は14%に低落
NEWS 大地を守る2012年7月号 今月の数字
2012年6月26日
2012夏期学校給食学習会
「辰巳芳子さん・いのちのスープから学ぶ食育」
「TPPから問い直す食の安全・日本の食事情」
2011年の大震災、原発事故からすでに1年半が経過しようと
して
いますが、被災地の復旧には遠い道のりが残っています
し、食品の放射能汚染問題は学校給食にも深い影を落として
います。しかし、未来を担う子どもたちを健康に育てるという
重要な責務はこれまでもこれからも私たちにあります。
今年の学習会は、初日の午前中に学校給食のこれまでと
現況を学校給食ニュース編集担当の牧下圭貴さんに講演いた
だきます。午後からは、大豆百粒運動で学校給食に深く関わっ
ていらっしゃる辰巳芳子さんから講演をいただき、今秋封切
予定の映画「天のしずく」を特別試写いたします。学校給食の
持つ教育力をみんなで確認したいと思います。
二日目は、食の安全に重点を置いたラインアップです。天笠
啓祐さんに輸入食品の問題を中心に最新事情を講演いただき、
里見宏さんには学校給食の食品衛生について振り返っていた
だきます。そして、政治経済体制として食の安全に直接関係し
てくる、「TPP(環太平洋経済戦略協定)」について、先頭に
たって反対の論陣を展開されている鈴木宣弘さんに講演いた
だきます。わかりにくいTPP問題を知る好機としてください。
2012年5月18日
ロバート・ケナー監督、映画祭、食べもの考
2012年5月 6日
お知らせ:市民と政府の意見交換会―TPPを考えよう― 5月22日(火)
【初開催!】
市民と政府の意見交換会
―TPPを考えよう―
2012年5月22日(火)18:20~21:00
文京シビックセンター
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、日本社会そして世界各地に大きな影響を与え、私たちの生活の様々な側面に根本的な変化を及ぼします。
情報公開を求める全国の100以上の団体や市民の呼びかけに政府が応じ、このたび市民主催の意見交換会(ダイアログ)を初めて開催することになりました。
TPP協議についての理解を深め、広く市民による議論を促進するための、誰もが参加可能な機会です。
ぜひご参加ください。
【と き】2012年5月22日(火)18:20 - 21:00(17:30 開場)
【ところ】文京シビックセンター・小ホール (東京都文京区春日1-16-11) → URL
都営地下鉄三田線/大江戸線『春日駅』文京シビックセンター連絡口から徒歩1分
JR総武線『水道橋駅』東口から徒歩9分
【出席者】 < 市民有識者 >
色平哲郎さん(JA長野厚生連佐久総合病院医師)
鈴木宣弘さん(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
安田節子さん(食政策センター・ビジョン21)
< 政府 >
内閣官房、外務省、経済産業省、農林水産省などから政務三役・交渉担当者
【プログラム】 第1部 18:20-19:00 有識者によるTPP概略説明
第2部 19:00-19:50 政府によるTPP概略説明、有識者と政府協議担当者の対話
第3部 20:00-21:00 会場参加者・有識者と政務三役・政府協議担当者の対話
※事前に「政府インターネットテレビ」にて、
「TPPをともに考える地域シンポジウム」の概要説明をご覧ください。
→URL
【主 催】 市民と政府のTPPダイアログ・東京実行委員会
【お問い合わせ】市民と政府のTPPダイアログ・東京実行委員会
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F
アジア太平洋資料センター(PARC)気付
TEL:03-5209-3455 / FAX:03-5209-3453
email: tpp-ngo@parc-jp.org
2012年5月 1日
お知らせ:生物多様性の日 記念イベント 5月19日(土)
生物多様性の日 記念イベント
『フード・インク』』の監督が語るアメリカの食と農の現状
~今日のごはん選びが必ず変わります~
■解説
急速に失われつつある生物の多様性について考えるために、国連が定めた「生物多様性の日」。その5月22日には毎年、生物多様性に関するイベントが世界各地で開かれます。食農市民ネットでは、生物多様性を食べものと農業の視点から考えようと、『フード・インク』の監督で、食と農の問題に精力的に取り組んでいるロバート・ケナーさんをお迎えして生物多様性の日の記念イベントを開催します。『フード・インク』はアメリカの食品産業の闇に迫った衝撃的なドキュメンタリー。この中で監督は、私たちがどのような食べものをどのように食べるか、1日3回の食事のときに考えることで、大量生産・大量消費のフードシステムはかえることができるという、力強いメッセージも発信しています。監督からアメリカにおける食と農の現状や、いまアメリカで盛り上がっている遺伝子組み換え表示を求める動きについてお話しいただきます。
■ フードインク公式サイト URL
■日時
2012年5月19日(土)13:30~18:00(開場13:00)
■会場
東京ウィメンズプラザ ホール
(東京都渋谷区神宮前5-53-67)
■連絡先
食農市民ネット事務局 → URL
TEL:03-5155-4756
e-mail:office@fa-net-japan.org
■プログラム
13:00 開場
13:30 開会のあいさつ
13:40 映画『フード・インク』
15:20 休憩
15:30 講演 ロバート・ケナー監督
「アメリカの食と農の現状について」
16:30 トークショー 日本における生物多様性と
遺伝子組み換え生物の状況
17:00 休憩
17:10 質疑応答・意見交換
17:50 閉会のあいさつ
18:00 閉会
2012年4月20日
日本の手仕事を守ること
2012年4月 2日
news大地を守る4月号 食品と放射能問題 検討共同テーブル続報
「バランスのとれた食事こそ大事な防護」白石久二雄さん学習会放射能対策特命担当 戎谷徹也
大地を守る会など4団体で構成する「食品と放射能問題 検討共同テーブル」では、2月17日、元(独)放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター・内部被ばく評価室長の白石久二雄さんをお招きし、「食物摂取による内部被ばく」をテーマに内部学習会を開きました。
白石久二雄さんは、食品による放射線内部被ばくのリスクについて専門的に研究された日本で唯一の研究者。チェルノブイリ原発事故後、「ウクライナ医科学アカデミー放射線医学研究センター」との共同研究に携わりました。
ウクライナでは1994年、知識不足によって健康を損ねがちな現地の人々のために、放射線に対する正しい知識と防護のための食事法(食材の選び方や調理法など)を解説した小冊子が、国際赤十字社の支援によって無料で配布されました。白石さんはその冊子を翻訳し、自費出版しました(『チェルノブイリ:放射能と栄養』)。
それが今、福島原発事故の発生によって注目されるとともに、多くの書物等に援用されています。学習会では、放射線の基礎から始まり、事故前の自然放射性核種と人工放射性核種の被ばく実態、体内の放射能、放射性物質の人体に及ぼす影響、吸入摂取・経口摂取による内部被ばくの計算法などについて解説いただきました。
食品からの内部被ばくを避けるための防護の基本は以下の4 点。
- 可能な限り放射性物質の含有量の低いものを摂取する。そのための情報開示が必要。
- 調理や加工法により放射性物質を減らす。基本は、洗う(皮を剥く)、煮る(浸す・茹でる)、塩や酢の活用、前処理なしでの油料理は避ける、魚は骨や内臓を避ける、等。
- 放射性物質の吸収阻害と排泄促進。カルシウムはじめミネラル類と食物繊維の摂取を推奨。カリウムとペクチンも有効。
- 被ばくに対する生体の抵抗力(免疫力)を強化する。バランスのとれた食事によって免疫力を上げることが重要。ビタミン・ミネラル類、抗酸化物質、タンパク質を摂ること、脂を摂り過ぎないこと。海藻類や発酵食品を主とした伝統的和食を見直すこと。
白石さんは、国の新たな基準については一定評価しつつも、検査機器の徹底した配備、陰膳法の活用など、もっと子どもに対して配慮する必要があると主張されました。「共同テーブル」では、こういった内部学習や専門家へのヒアリングを進めながら、食品における放射性物質に対する規制・基準の"あるべき形"について、検討を重ねています。
news大地を守る4月号 今月の数字
2011 年の国際森林年を記念し、森林保護に貢献をしてきた人をたたえる国連森林フォーラムによる「フォレストヒーローズ」に「カキじいさん」の愛称で知られる宮城県気仙沼市のカキ養殖業 畠山重篤氏が選ばれたのは記憶に新しいことです。畠山氏は、漁民による広葉樹の植林活動「森は海の恋人」運動を、20 年以上続けていらっしゃいます。森を育てることで海がとても豊かになりました。
空気や水をはじめ、気候の安定、土壌保全、エネルギー、文化やレクリエーションなど、わたしたちの暮らしも森に支えられています。
自然の恵み(生態系サービス)の価値を、何らかのかたちで評価しようという試みがあります。「その生態系が失われたときに、同じサービスを人間が技術的に提供するとしたらどれだけ費用がかかるか」で見る方法です。日本学術会議による試算例では、先に挙げたような森林の持つ様々な機能の合計は年間約70 兆円になると評価しています(※)。さらに、生物多様性保全機能などは貨幣価値として換算することが難しいためこの中には含まれておらず、実際の価値は試算額を大きく上回るだろうということです。目に見えない地球とのつながりや自然の価値について知ること、そして森林を守っていく視点を持つことを必要とされています。
※出典:農林水産省「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的機能の評価について(答申)」
2012年3月19日
イベント・アルガンオイル紀行を開催しました!
今週配布の『ツチオ―ネ』114号28ページ 雑貨特集のなかの2012年3月 1日
NEWS 大地を守る2012年3月号 安心安全の農業を再び!
東日本大震災から1 年。原発事故に立ち向う福島の農家の声
安心安全の農業を再び!
東日本大震災の発生から間もなく1 年。
太平洋沿岸を襲った大津波を受けた地域では、
深い悲しみを背負いながらも、
復興に向けて一歩ずつ前に歩みを続けています。
しかし、東京電力福島第一発電所の事故の収束は険しい道のりです。
放射能は周辺住民の日常を奪いました。
第一次産業が盛んな福島県の大地や海を汚染しました。
それでも福島の農業の未来を信じ、頑張る
福島の農家の声に耳を傾けてください。
農地を襲った津波と放射能・福島有機倶楽部(浜通り地区)
津波被害と注文激減 二重の苦しみにもがく日々
福島有機倶楽部は大地を守る会の生産者の中で、福島第一原子力発電所に最も近いグループです。すでに、浪江町の生産者は福島県を去り、田村町の生産者は遠い避難先で避難指示解除を待っています。現在もいわき市で大地を守る会向けに野菜を出荷している2組の生産者にお話を聞きました。
3月11日、福島有機のメンバー・小林勝弥さん、美知さん夫妻の畑では、大地を守る会向けに出荷予定だった春菊の手入れの真っ最中でした。小林さんの農園では福祉サービス事業所と提携して、一般企業で働くことが困難なハンディを持つ人たちに、農作業を通じた社会参加の場を提供しています。3月11日、激しい揺れの後、津波警報を聞いた小林さんたちは大急ぎで車に飛び乗り避難。仲間全員無事でした。しかし、警報解除後、小林さんたちが目にしたのは海から流れてきゴミ、魚の死がいや稲わらなどで覆われた畑の悲惨な姿。ボランティアの協力もあり、一か月ほどで農作業を再開することができましたが、畑は海水をかぶり、塩分に弱い作物は栽培できなくなってしまいました。
大地を守る会では福島有機倶楽部の野菜の放射能検査を実施。暫定基準値を大きく下回る数値であることを確認し「福島と北関東の農家がんばろうセット」を中心に取り扱っています。しかし、ほとんどの売り先からの注文はなくなりました。「収入はほとんどゼロ。大地を守る会の注文は、本当にありがたい」と勝弥さん。しかし、美知さんたちは、ここで供に働く仲間の今後が心配だと言います。「一般企業になじめない彼らは、ここの仕事が好きだと言ってくれます。でも、彼らの健康も心配だし、この事故で農作物の収入が激減したこともあり、一緒に働くことは困難......」。小林さんたちの苦悩は続きます。
いわき市で農業を続ける左から阿部哲弥さん拓さん親子、小林美知さん、勝弥さんご夫婦。
高い放射能で農地を放棄も夢はあきらめない
もう一組のメンバーの阿部拓さんは、宮城県出身の方。脱サラ後農業で生計を立てようと、東北地方では比較的温暖ないわき市に移り、有機農業に取り組んでいました。阿部さんの畑の一つは第一原発から約30キロメートル圏内。津波の被害には遭わなかったものの、6年前に借りたこの有機認証取得の圃場からは1万ベクレル/キログラムを越えるセシウムが検出されました。放射能低減のため様々除染を試みましたが、顕著な効果は得られず、この農地での栽培を断念しました。阿部さんは、福島県内の汚染の少ない農地を息子さんの哲弥さんに任せ、故郷の宮城県に土地を取得し、そこに拠点を移し、再起を図っています。「農業を始めるとき、農家出身の父親から絶対食えないと言われました。でも、なんとか食えるような農業を目指してきたんです。ここでやめるわけにはいきません。後を継いでくれる息子にも後悔だけはさせたくない」と力を込めて話しました。
津波で浸った場所を指す小林さん。海と畑の間にごみ集積場があったため、被害が少なかった。
津波が襲った直後の写真。手前は流れ積もった稲わら。海水の下が小林さんの畑です。
安全でおいしい米作りをあきらめない・ジェイラップ(須賀川市)
昨年の成果をベースにさらなる挑戦が続く
本紙12月号でお伝えしたとおり、約300 の圃場のお米のほとんどが放射能不検出(核種ごと検出限界値概ね10ベクレル/キログラム以下)という成果を得た須賀川市のジェイラップ(稲田稲作研究会)。2011 年収穫米の予想をはるかに下回る数値に、生産者一同ひとまず胸をなでおろしました。しかし、ここまで来るには苦しい道のりがありました。
「岩城(いわしろ)の国・福島と教えられ、地震の少ない土地だろうという安心感がありました。しかし、会社の建物が引き裂かれ、農道が蛇のようにうねる姿をみて、恐ろしかったです」と語るのは、ジェイラップの若手メンバー伊藤大輔さん。
「この地域も10月ごろになってようやく道路の整備も終わり、震災の傷跡は少なくなったと思います......。
しかし、原発は想定外でした。震災直後は地元のものはもちろん、自分たちが安全にこだわって作ってきた農作物を食べていいのか、本当に不安でした。すぐにでも検査をしようと動いたのですが、どの測定器メーカーも予約待ち状態で、途方にくれました。ようやく7月に、大地を守る会から検査機を借りることができ、出荷用の農作物はもちろん、自分たちの食べ物も検査ができるようになりました」。
土壌調査用のサンプルを手にする伊藤大輔さん。二人の子供を抱え、自分の子どもにも安心して食べさせられる農作物作りがベースだと話します。
反転耕でさらなる安全確保を目指す
ジェイラップでは今年の田植えに向けて、収穫後の田んぼの綿密な土壌検査を行っています。「田んぼの水の取り入れ口、中央、排水口の土壌サンプルをすべての田んぼで検査を行っています」と伊藤さん。検査と並行して田んぼの除染作業にも着手。「3・11にばらまかれた放射性物質の約9割は、地表10センチメートルのところで留まっています。政府が除染方法の一つとして、表層の汚染土を削り出す手法を提案していますが、それは非現実的です」と伊藤さん。「例えば、1ヘクタールの田んぼで、約5 センチメートルの土を運び出すのには少なくとも大型ダンプ40台は必要。コストも受け入れ先も課題が多いのです」。
そこでジェイラップでは、田んぼでは普通行わないプラウ(反転耕)という手法を採用しました。地表から25センチメートルくらい掘って、土を反転させるのです。放射能の約9割が蓄積する表層部と、汚染されていない深層部の土を入れ替えることで、稲が放射性物質の吸収するのを大幅に防ぎ、生産者の被ばくも軽減します。
こうした取り組みで希望が見えてきたのでは?と問い掛けると伊藤さんは何度も考え込み、言葉を探しながら、若い農家の複雑な心境を打ち明けてくれました。「こんなことを言ったら商売下手と言われるかもしれませんが......。無理をしてまで、福島のお米を買ってくださいとは言えません。選ぶのは消費者の方です。自分も小さい二人の子どもを持つ身。検出値がゼロがいいという気持ちもよくわかります。だからこそ私たちは放射能ゼロベクレルを目指し様々な取り組みを行います。その結果、私たちの農作物を'おいしくて安心だから、買ってみたい'と言われるまで、自分たちは努力を止めません。結果も徐々に付いてきています。だから、これまで以上に安全な食べものを作る農業を続けるしかないのです。消費者の方には、その姿をぜひ見続けていただきたい」。
本誌でも、ジェイラップの取り組みについて今後も情報を提供していきます。
プラウの様子。田んぼの表土を剥ぐことは、これまで農家が丹精込めて作ってきた栄養豊富な土壌を捨てることに等しいのです。
自主検査で信頼回復・ゆうきの里東和(二本松市)
里山の循環型農業の夢を打ち砕いた原発事故
最後にご紹介する、「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」[二本松市(旧東和町)]。原発からの放射性物質の主たる拡散経路からは外れましたが、森林などでは1万ベクレルを越える数値が検出されている場所もあり、空間線量もおよそ0・8マイクロシーベルト/時を計測します。
ゆうきの里東和は、道の駅での農産物直売所を軸に、過疎化が進む山村を再生しようと2005 年に設立されました。もともと桑の産地でしたが、国内の養蚕・繊維産業の衰退とともに、桑畑は放棄されました。このままでは村の崩壊を免れないと、里山での循環型農業をキーワードに、農業を志す新規就農希望者を集い、村おこしをスタート。その成果が実り、これまで35人もの30〜40代の新規就農者を受け入れています。大地を守る会への出荷は、売り先の少ない新規就農者の経済的自立の一助として大きな役割を担っていました。
そんな夢を求めた里山にも放射能は降り注ぎました。「肥料に利用していた落ち葉、雑木林の広葉樹を利用したシイタケ栽培、春先の山菜......、放射能はこうした里山の恵みを台無しにしました。資源循環型の里山の農業にとって、手足を奪われたに等しい」と、協議会理事長の大野達弘さんは憤ります。
道の駅「ゆうきの里東和」を前に代表の大野達弘さん(左)と佐藤佐市さん(右)。
安心安全を計測し地元消費者の信頼を回復
ゆうきの里東和では、10台の空間線量測定用のガイガーカウンターと、3台の精密な検査器を導入して農作物や土壌の検査を行っています。その検体数は1000 を優に超えています。
「空間線量と土壌の分析に相関関係があることがだいぶ分かってきました。これをもとに、耕作できる農地か否か見極めようと考えています」と副理事長の佐藤佐市さん。
また新潟大学の土壌学の専門家・野中昌法教授の協力のもと、事故後早い時期から土壌の放射性物質の農作物への移行を調査しています。昨年の調査の例では、耕作地が4600 ベクレル/キログラムの土壌であっても、精米された米は不検出でした。こうした傾向は里山の土壌性質に関係があると言います。「チェルノブイリでの土壌調査の経験もある野中教授は、この地域の土壌の性質上、農作物への放射性物質の移行は少ないだろうと、当初から予測していました。この地域に多い腐葉土は団粒構造を作り放射性物質を固定する傾向があり、植物に移行させにくいのです」と大野さん。この調査内容は農業継続することへの希望の光となりました。
ゆうきの里の検査の様子は多くのマスコミに取り上げられ、県内外からも視察が後を絶ちません。県内遠方からわざわざここの野菜を買いに来る人も多いとか。
震災後、ゆうきの里東和には5人の新規就農者もありました。
ベラルーシ製の検査器に、収穫した農作物を入れる様子。写真はふきのとう。
土壌を計測するために乾燥作業が行われていました。本来農家のやるべき仕事ではない作業が増えているのです。
見守ってください。福島を風化させないために福島県の農家たちの放射能との闘いはこれからも続きます。
「風評被害ならぬ風化被害がもっともつらい」と福島県民は言います。
産地では放射性物質を農作物に移行させない栽培技術の確立に必死に取り組んでいます。大地を守る会でも汚染した農作物を流通させないための検査・公開体制を強化しています。消費者の方に福島はもちろん、国産野菜を安心して食べていただけるよう努力を惜しみません。もちろん食べる、食べられないという判断は消費の方にゆだねられますが、ぜひ福島の農業を見守ってください。「放射能になんか負けていらんねぇ、がんばっぺ福島」はまだまだ、これからなのです。
(企画編集チーム・宇都宮義輝)
2012年2月 1日
NEWS 大地を守る2012年2月号 やまけんの大地を守るうんまいもん探訪
世界中どこでも、その国でもっともたくさん穫れる農産物からお酒が造られます。
イギリスでは麦からビールやウイスキー、フランス・イタリアではブドウからワインができます。
そして日本はコメの国、だから日本酒はコメから造られるわけです。
いっとき、日本酒ブームが来て透明な酒が流行りました。
無色透明で、呑んでも水のように端麗で甘い香りがする新しいタイプの酒がブームを生み出しました。
この透明さは磨き抜いたコメと酵母、そして炭濾過という技法でもたらされていました。
活性炭が匂いを吸着してくれることは有名ですが、酒の匂いや雑味消しにも使われていたのです。
けれども透明感を追求するあまり、肝心要の味や特徴的な香りまで消してしまう酒も多いことが問題でした。
時代は変わり、いまは個性のある酒が人気を呼ぶようになり、強い炭濾過を施した透明な酒ばかりではありません。私は大地を守る会の「種蒔人」というお酒が大好きです。
これを白い磁器の猪口に注いでみると、ほのかに琥珀色でしょう?
また、素晴らしい料理酒として有名な「蔵の素」の色は、ほとんど褐色と言っていい。
これが本来のお酒の色だと思うのです。
こうした色つきのお酒は旨みが濃いので、料理に合わせて呑むのが吉。
それも、舌が麻痺してしまうような「冷や」で飲むよりも、圧倒的に「お燗」の方が美味しい。
お酒で冬の夜長を楽しみましょう!
山本 謙治(やまもと けんじ)
NEWS 大地を守る2012年2月号 くらすことつながること
寒い季節がおとずれると「どうしようかな」と思います。それは、味噌づくり。今年は「どの豆を使い、どの麹にしようか」と、そんなことを考えはじめるのです。
味噌を仕込んでいる人は周りに多く、何人もから「味見」と称する自家製味噌をいただきます。
おなじ豆、おなじ麹を使っても、その人、その家で味はずいぶんちがいます。しっかりした味噌、やわらかな風味の味噌、塩が強い味噌。その人の手とその家の空気が、それぞれの味噌をつくり出すのを感じます。
味噌づくりをはじめるまでは、家での味噌作りを「むずかしい」と思いこんでいました。でも、友人に教わったところ、とても簡単。
1 日か半日の作業で、半年後にはおいしい味噌ができるのです。
前日の夜、豆をたっぷりの水に浸けます。この作業をわすれないようにするため、いつも、豆を目につくところに置き、メモ書きしておきます。翌朝、目が覚めると、ふっくら膨らんだ豆がまっていてくれます。
豆を圧力鍋で煮て、つぶして、塩と麹と混ぜる。空気をなるべく抜くようにして、保存容器へ。作業を確認しながら、話しながら、味噌づくりを進めます。
仕込んだ味噌は、しばらくしたら「天地返し」を。これは、上と下の味噌を入れ替える作業。でも、うちではしません。それでも、おいしい味噌ができるのです。麹の力はすばらしい。
仕込んだ味噌は、半年後から食べられますが、わたしは、1 年、寝かせてからいただきます。みずみずしい味噌は自家製ならでは。
こうして、その家らしい味噌ができ上がっていくのです。
いままで、味噌づくりは、友人と夫との3人での作業でしていました。わが家の味噌づくりは、すべて手作業。豆をつぶすときにフードフロセッサーを使う方法もありますが、手のほうが作業が早いのです。つぶす作業を手早くするには、男性の力があると助かります。
でも、今回は様子がちがいます。
3.11 を受け、それぞれの生き方、在り方を見つめ直しはじめた人もいると思います。わが家もそう。しばらく、夫と別々に暮らすことになりました。夫はすでに自分用の味噌を仕込み終わったところ。わたしの味噌づくりは、これからです。どこで、どんなふうに味噌を仕込むんだろう。
自家製味噌は、麹が生きています。発酵がつづいています。食べるなら、ぜひ、生きている味噌を。
廣瀬 裕子(ひろせ ゆうこ)
作家。日々の暮らしがその人を育むという思いを言葉に乗せている。著書に『できることからはじめています』、『まいにちのなかにオーガニック』など。3.11 を受け5 年後10 年後のこどもたちが健やかに育つ会を立ち上げた。
http://y-hirose.com/
NEWS 大地を守る2012年2月号 今月の数字 vol.53
約1000万円経済産業省庁舎が原発の電力を使わない電気を購入して、削減した電力料金
みなさんは、ある一定以上の契約電力であれば、原発の電気を使わない選択ができることをご存知ですか?
日本では段階的な電力自由化により、現在ではおもに50kW 以上の契約電力であれば、東京電力や関西電力などの大手電力会社以外の、原発を持たずに電力を供給する会社「PPS(特定規模電気事業者)」から電気を購入することができます。
残念ながら、自由化の対象には個人宅やコンビニなどの小規模の電力需要家は入っていません。
しかし、すでに多くの学校や自治体、官公庁の庁舎などはこのPPS から電力を購入しているのです。
PPSから購入する最大のメリットは、原発の電力ではないということはもちろんですが、電力料金が安くなる場合が多いということです。なんと原子力発電所を管轄する経済産業省では、PPSと契約することにより年間約1000万円もの電気料金を削減しています。
自治体でも、立川市の積極的な取り組みが知られています。
しかし、PPSの電力全体のシェアは全国でわずか約3%程度。PPSの市場拡大=原発を使わない市場の拡大とも言えます。
この動きは今後も注視していきたいですね。
PPSについてもっと知りたい方は下記ホームページをご覧ください。
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/genjo/seido.pdf
PDF の12 ページにタイトルの内容があります。
(原発とめよう会・藤岡玲子)
2012年1月20日
2/18・19「低炭素杯2012」に大地を守る会も出場します。
2011年12月 1日
第6回きのこ生産者会議報告
うっしーこと牛島真也です。
佐藤輝美CSR運営委員による、第6回きのこ生産者会議報告をお届けします。
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11月10、11日の2日間にわたり、長野県須坂市で第6回きのこ会議が行われました。
開催された会場は、長野県須坂市須坂温泉古城荘。
ちょうど菊が満開で、あちこちにものすごく手を掛けた菊の花が飾られていました。
旅館のエントランスからの眺め
中から中庭を眺めたところにも
美しい菊の花を横目に見つつ会場へ
14:15分より会議開始です。
まず、藤田社長のあいさつ、2日目の施設見学を引き受けてくださった、
有限会社キノコ村の荒井社長からお話がありました。
14:30分よりキノコの栽培基準についてのディスカッションが始まりました。
まず、なぜ、ここで、栽培基準のディスカッションを行うのかの、説明がありました。
今までは、Non GMの資材を使用する、国産のものを使用する、というのが大きなテーマだったのですが、
Non GMの資材の証明書が取りづらくなってきているということと、
(証明書をだしてくれない資材屋さんが増えてきた)原発事故による放射性物質の飛散の問題があり、
ここで改めて培地の基準の見直しを感じたため、今回の会の開催に至ったとのことでした。
この背景には、福島産のオガ粉(おがくずの粉)が全国シェアの3~4割を占め、原発事故の影響で、関東圏での福島産以外のオガ粉を確保するのが難しくなっているのではないか、ということと、米ぬかについても同様な心配がある、ということがあります。
ここで、各生産者にそれぞれの状況の確認と、今後の見通しについて話していただきました。
いずれの生産者の皆さんも、気にしておられ、すでに放射性物質について汚染されていないことが確認された資材の確保に手を打たれていました。証明書のほうも、みなさん、資材屋さんが出してくれた、ということで、一応なんとかなっている、という印象をもちました。
一応としたのは、放射線の影響が長期にわたる場合、果たしてこのまま確保し続けられるかどうかについては不透明だ、というその場の見解があったからです。
ただ、原木しいたけについては、原木のシェアも福島が全国の約1/3を締めており、西日本から原木を運んでくるとなると、そのコストもあり、なかなか難しい問題が残っているようでした。
林野庁から出ている資料にはキノコ類の移行係数は3、となっていたのですが、実際はそこまで高くなかったことが、測定値の報告から確認されました。
かといって、やはり培地にはいっているのでは、キノコに入る可能性が高くなってしまうので、
やはり、培地に入らないように資材を手配するのが一番要になるということも改めて確認されました。
最後に参加した消費者CSR運営委員からのあいさつがありました。
その中で陶消費者運営委員が、「キノコは自然界の中で、生産者(植物)、消費者(動物)分解者(菌やバクテリアなど)に分けたとき、分解者にあたり、分解しつつ、そこから食料がとれるということはすばらしい。」と言われたのが印象に残りました。
2日目は、有限会社キノコ村さんの栽培施設を2箇所見学しました。
1箇所目はレトロな感じで、いろんなキノコが、一緒のお部屋で栽培されていました。
案内してくださった、キノコ村さんの荒井さん(社長の息子さん)は、サーカス小屋、なんて表現をされていましたが、
色々な色のキノコが、レトロな感じの同じ部屋にあるのは、なんか楽しげで、みんなでわいわいいいながら大きくなっていっているように見えました。
普通、同じキノコだけを一部屋で育てることが多いそうで、他の生産者の方もびっくりされていました。
2箇所目は、うってかわって近代的な建物で、3階建ての高さの建物が吹き抜けになっていて、
棚がびっしりあり、そこに培地が入っているポットが、コンピューター制御されたクレーンで運び込まれて、整然と並んでいました。
そこで栽培されていたのは全部ブラウンえのきでした。
建物の中が細長い部屋で区切られており、それぞれ、温度や明るさ、湿度が変えて管理されていました。
最後の部屋はとても寒く、収穫間近のえのきがたくさんならんでいました。
ここの工場のえのきの特徴は、腰の部分に紙をまかず、ちょっと背が低いことと、傘が開いているので、
とても大きく、わさわさ、とした感じのえのきになっていました。
2箇所目の栽培棚
奥が見えないぐらい遠いです。また、天上もものすごく高いです。
ここを毎日上から下まで、置くから手前まで登って降りて、を繰り返して、
どれを出荷するか決めているそうです。
そして一番驚いたのは、ここまでコンピューター制御されているのに、
収穫するかどうかの判断は、目視で行われており、そのための人間が乗る用の乗り物はないので、
命綱を着けて、毎朝、この3階建てのたかさまであるたなを登ったり降りたりして確認している、
というところでした!
「いい運動になります。」と笑っていらっしゃりましたが、とても大変なお仕事だと、本当に驚きました。
今回の会議で、あらためて大地のキノコ栽培も、ほんとうに生産者の皆さんの努力で支えられていることがよく判りました。
また、いろんなキノコがあることも判りました。
これからもおいしくて信頼のできる大地のキノコを食べ続けて生きたいな、と思いました。
皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。
消費者CSR運営委員 佐藤 輝美
2011年8月17日
2011 米生産者会議報告 in 北海道
今回「お米の生産者会議」が行われたのは、「涼しく短い夏」というイメージの北海道でした。
講演して頂いたのは、菊池治己先生。元上川農業試験場長。
まずは、北海道の開墾の歴史から。
森林を開墾して水田にしたそうですが、ユンボもない時代に相当大変なことだったと思います。
田んぼに残る木の切り株が当時の苦労を伺い知れます。
稲作は、明治10年頃からどんどんと北進していったそうです。
明治33年を見ると、ちょうど今の札幌辺りまできています。
ちなみにこの年は、エゾオオカミが絶滅してしまった年でもあります。
北海道は、やはり内地と違って寒い。
4年に一度は冷害に見舞われるという状況があって、以前としてそのリスクはあるそうです。
そんな厳しい環境条件の中、育種をどうやって進めていったのか?
育種のプロジェクトが始まったのは1980年。なんと、今から30年以上前にさかのぼります。
稲は普通に作ると1年に1作しかできませんが、もし1年に2作、3作とできれば、
育種のスピードを早めることができます。
それを実現する為に最初は鹿児島県や沖縄県にお願いして作ってもらったこともあったそうです。
その後、道南農試に大型の水田温室を用意し、2期作の体制を整えました。
30年で60年分の仕事ができるというわけですから、すごいことです。
冷害に強い個体を選抜する為には、人工気象室も用意。
「冷害に強く、生産量も多い」という性質だけではお米は売れません。味も重要な点です。
そこで「北海道のお米はまずい」といわれる理由を分析したところ、
アミロース含有量が低くなりにくい為、粘りが無くなりおいしくない、ということが判明。
(アミロースが0になるとモチ米になる)
夏場に高温になりにくい北海道では、どうしてもアミロース含有量が低下しないという
気候的要因が良食味をはばかっていることがはっきりしたのです。
そこで、低温下でもアミロースが低くなる系統を作るという育種目標が掲げられました。
その為に、様々な品種を導入。
「おぼろづき」に至っては、なんと新規の低アミロース遺伝子を見つけ出すこととなりました。
カリフォルニア米で有名な「国宝ローズ」の血も入れたんですね。
正直、これには執念と気合いを感じました。
また、純系を短期間に作る為にも重要な葯培養の技術も導入。
教科書ではよく習う技術の1つですが、葯培養で実用品種を作った例というのは
あまり知らなかったので、非常に興味深く話しを伺っていました。
このような工夫と努力が実って、北海道の寒い気候でも育ち、
しかも高アミロースにならないという品種が誕生したわけです。
食べ比べをしてみましたが、「おぼろづき」「ゆめぴりか」には正直びっくりしました。
炊き加減もあったのかと思いますが、食べ比べの値を集計しても
コシヒカリより上の評価がついていました。
これだけの時間と努力をしてきたのですから、「素直に評価したい!」と思いました。
話の終わりに、産業用大麻の話がありました。
麻は、どうしてもマイナスの側面ばかり取りざたされますが、
THC(向精神薬)を殆ど含まない産業用大麻というのがあります。
大麻は本来伝統的に日本で栽培されていた作物で、植物体は繊維やプラスチックとして、
また「実」は大変栄養価に富んだ食料として我々に大きな恵みを与えてくれる植物です。
最近では、その秀でた成長力と吸肥力から、放射性物質を吸収してくれる可能性についても
示唆されています。
この植物の持つポテンシャルを日本でももっと活用できる日がくればいいですね。
最後に気になった生き物を一つだけ。
北斗会の水田に生えていた糸状藻の一種、アミミドロ。
過去の観察経験を踏まえてお話すると、水田では、温度が低い時期にサヤミドロが出現し、
その後アオミドロやアミミドロなどが出てきます。
サヤミドロは非常に細い細胞でできていて、イネには殆ど影響を与えません。
初期にこれがあることで抑草効果もあることが報告されています。
アオミドロは、場合によってですが風などで一カ所に集まってしまうことがあり、
その結果イネを倒してしまう害も報告されています。
アミミドロは、全体がネット状に繋がっていて風の害を受けにくく、
場合によっては抑草効果もあります。
田んぼに生えている藻は、全部アオミドロだと思っている人が多いですが、
同じように見える生き物でも、時期や環境によって種類が違っているという状況があります。
地味な側面ですが、そんな生き物の営みもあることを知って頂けると嬉しいです。
以上、北海道生産者会議の報告でした。
CSR運営委員・陶武利
2011年8月12日
大地を守る会 パキスタン洪水支援報告
お久しぶりです。とよまるです。
昨年2010年の7月下旬から8月中旬にかけてパキスタンのインダス川が氾濫し、国土の20%が被害
を受けたというニュースを憶えていますか。
大地を守る会ではNPO法人JFSAを通して、会員の皆さんに古着をお送りいただくことにより、カラチ
市のスラムの学校運営に協力しています。昨年11月からそのスラムの学校、アルカイール・アカデミ
ーの生徒たちの発案により被災地支援が始まり、大地を守る会は、会員の皆さんからご支援を募り
支援に協力をすることにしました。集まりました支援金は、2,391,000円! 直ちに現地に送られまし
たが、今回はその現地報告です。
いきなりですが、ここはパキスタンのカラチ市から北へ約500キロの村、シター郡ダドゥ村です。踏み
固められていますが畑です。洪水が引いてから、塩が表土に出てきて作物が植えられません。
私は7月2日にここに到着しました。気温40℃以上の暑さでしたが、外で農作業をしている人もちらほ
らいました。酷暑期は58℃になったと聞き、頭がくらくらします。アルカイール・アカデミーの子どもた
ちは、畑の復旧作業を手伝ったそうです。今回は、まだ暑い時期なので子どもたちの支援は一休み。
9月過ぎから再開するそうです。
同じ村の別の畑では、オクラが育てられていました。畑の復旧は急務です。オクラはカレーによく使
われる食材ですね。
洪水で壊れた家屋です。もともと地震が少ない地域のせいか鉄筋を使わずにレンガを積んだだけな
ので、水の力で簡単に崩れてしまうようです。レンガも乾燥しただけの安いものが多くつかわれてい
るようでした。レンガは焼くと硬くなります。陶器と同じですね。値段も高くなりますが、再建するとき
は焼いたレンガも使用しています。
住むところが無くなった村の人々は、国連をはじめ様々なNGOからの援助物資を頼りに生活してい
ます。後ろに見えるようなテントで暮らす人が多いのですが、暑さを考えると過酷です。
パキスタンの農民は、大地主の農地を借りて耕していることが多いのですが、酷いところでは地主が
援助物資を横取りしてしまうこともあるようです。この村の地主さんは村人を大切にするとのことなの
で、支援を行うことにしました。もちろん日本人の我々にはわかりませんので、アルカイール・アカデミ
ーのムザヒル校長先生やスタッフが現地のあらゆるネットワークを駆使して決定しました。
(JFSA西村氏撮影)
他団体からの支援金を合わせて970万円のうち、500万円を使って家を建てることになりました。現時
点では、最も困っている農家15軒分を建設中です。どの農家の家を建てるかは、外部の者だけでは
決められないので、地主と村人と何度も話し合いをします。
これは小麦のもみ殻や茎を裁断したもので、家畜の餌になります。村人とアルカイール・アカデミーの
事業部が新ビジネスとして販売する予定で、支援策の一つの柱です。
これは、今年の1月にアルカイール・アカデミーの生徒たちが支援に来た時のひとコマです。農地を復
旧させるのと同時に、サトウキビの収獲も手伝いました。援農作業も支援の一つとなっています。
都会の子どもたちと村の子どもたちとの交流の場にもなり、お互い刺激を受けたそうです。
(JFSA西村氏撮影)
これが新たに建設中の堤防です。日本語で堤防というとコンクリートの巨大なものが頭に浮かびます
が、ここでは土を3メートルから5メートルくらいに積み上げて固めたものです。村の周りにぐるりとつく
ります。簡単なつくりですが、洪水時には頼りになります。
この写真も1月にアカデミーの子どもたちが支援にきたときのものです。村の生活もスラムの生活も
厳しいと思いますが、笑顔が良いです。 生活が厳しいところほど人と人の強い繋がりを感じます。
(JFSA西村氏撮影)
被災地支援とは別のお話です。アルカイール・アカデミーには、女性自立のための縫製学校もありま
す。アカデミー内では選抜された女性チームが日本から来た縫製のプロフェッショナルFさんからエプ
ロンづくりを学んでいます。チームの皆さんは日本で通用する縫製技術を身につけようと必死に話を
聞いていました。近い将来、大地を守る会でも販売できるようなものが出来ればと思います。
上記の通り、皆様からお預かりした洪水支援金は、きちんと有効に使われていることを確認致しまし
た。新たな動きがあり次第、またご報告致します。
とよまる こと CSR推進室 豊島でした。
2011年8月10日
2011夏期学校給食学習会
7月25日(月)26日(火)、東京都千代田区の科学技術館サイエンスホールにて2011年6月14日
神泉水の原水地、「埼玉県百年の森」クリーンアップツアー
うっしーこと牛島真也です。
今回は大地を守る会のイベントではなく...、
大地を守る会の生産者であるヤマキさんとJTBさんが企画した日帰りツアーをご紹介します。
日時は7月30日(土)。
神泉水の原水地である「埼玉県百年の森」でのクリーンアップツアーです。
今回は、JTBさんが社会貢献活動の一環として費用を負担!
埼玉県百年の森を会場として森林の保全活動(実際には下草刈りと枝打ち中心)を実施いたします。
2011年6月 9日
会員から回収した使用済の食用油をディーゼル燃料化。その燃料で野菜を栽培、秋より販売。7/11油回収開始
チェルノブイリ原発事故以降、継続して原発に反対してきた
大地を守る会は、原発に頼らない社会の実現のために、
4月11日に日本の電力のあり方を変えるための取り組み
「スイッチ!電力」アクションを開始しました。
・スイッチ!電力アクションについて
/info/news/2011/0422_2815.html
安定的で自然なエネルギーへの転換の一環として、
大地を守る会会員から使い終わった食用油の回収を行い、
ディーゼル燃料(以下、VDF)化し、その燃料を使い野菜を栽培します。
また、VDFを使用して栽培した野菜を販売することで、
廃食油リサイクルの認知拡大をめざします。
油を使った人から、野菜を作る生産者に輸送、
それを燃料にしてできあがった野菜がまた食べる人の元に届くという、
太陽光発電機など特別に機器を持たなくても参加できる、
生活に根づいた循環型代替エネルギープロジェクトです。
大地を守る会の会員さんは7月11日からの油回収にぜひご協力ください!
(※回収方法の詳細は7月4日週配布の別チラシをご覧ください)
大地を守る会の会員さんでない場合は、6月18日(土)に開催される
「100万人のキャンドルナイト@増上寺」にて油の回収をしますので、
ぜひお持ちくださいね。
【概要】
大地を守る会が会員から使い終わった食用油を回収して、
ディーゼル燃料(VDF※)化します。
そして大地を守る会の生産者がVDFを燃料として農機具を動かして
野菜を作り、その野菜を大地を守る会が販売します。
※廃食油(植物油)をディーゼル燃料化したVegetable Diesel Fuel
(ベジタブル・ディーゼル・フューエル)の略称
1)名称:ゆかいな野菜物語
~「ゆ」は油と輸とyou~
「油」を「回」収、燃料にして野菜を作る愉快なプロジェクト
2)スケジュール:
6月18日(土)100万人のキャンドルナイト@増上寺2011内にて
廃食油を回収、廃食油を使ったキャンドル作りのワーク
ショップ
7月11日(月)~9月30日(金)大地を守る会会員より油の回収開始、
廃食油のVDF化
10~12月末(予定)VDFを使用した野菜の販売
3)フロー:
①大地を守る会会員宅から廃食油回収
②㈱ユーズが廃食油をディーゼル燃料(VDF)化
③大地を守る会生産者が㈱ユーズよりVDFを購入し、野菜栽培
④VDFを使用して作った野菜を、油回収費用として代金を上乗せして
大地を守る会会員に販売
4)VDFを使用した野菜販売:
トラクターや掘り起こし機使用の際に、VDFを軽油に混ぜて使用する。
・品目 :ごぼう、葉物など(掘り起こし機、またはトラクターを使用するもの)
・販売名称:ゆかいなごぼう、ゆかいなほうれん草など
・販売価格:通常価格にVDF使用価格として10~20円上乗せ(予定)
※軽油と混合しないバイオディーゼル100%での利用は、既存の自動車で
利用した際、問題が生じる事例が報告されているため、
国が定めたバイオディーゼルの販売における混合率である5%を
目安として使用する。
●油回収で、代替エネルギー利用促進と環境保全につなげます
廃食油はリサイクルすればディーゼル燃料化することができます。
しかし廃食油リサイクルの消費者認知は低く、
一般家庭から排出される約20万トンの廃食油の多くが
生活排水として河川に流されたり、廃棄されているので
環境破壊の要因となっています。
油を回収することで、
代替エネルギーの利用促進と環境の保全につなげます。
●100万人のキャンドルナイト@増上寺2011で使用済食用油回収します
7月の会員宅からの油回収に先だって、6月18日(土)に開催される、
100万人のキャンドルナイト@増上寺にて、使用済食用油の回収をします。
回収した油を使って、キャンドルづくりも行います。
■日時:2011年6月18日(土)15:00~21:00 ※雨天決行
■会場:増上寺(東京都港区芝公園4-7-35)
都営三田線 芝公園駅、御成門駅より徒歩3分
・100万人のキャンドルナイト@増上寺について
/info/press/2011/06/100salyubird.html
大地を守る会 宇田川
2011年5月20日
鎌倉にて 手仕事ものがたりイベントを開催しました
3月11日の東日本大震災後、余震や計画停電等の影響により、
大地を守る会の多くのイベントが中止となりました。
そのなかで、『NEWS大地を守る』3月号特集「日本の手仕事文化を見直そう」で
登場していただいたもやい工芸・久野恵一さんにお話いただく
イベント「手仕事ものがたり」は予定どおり、
4月28日に開催することになりました。
ゴールデンウィーク直前のイベント当日はからりと晴れたとても気持ちのよいお天気でした。
もやい工芸のお店は鎌倉駅から徒歩10分ほど。
お店までの道は鎌倉の美しい街並みを歩きます。
緑はいきいきとし、心に迫るものがありました。
もやい工芸のたたずまいです。情緒あふれます。
こちらがもやい工芸のお店。
店内で行われたイベントのようすです。
たくさんの手仕事の作品に囲まれて、出席したみなさんは、
久野さんのお話に耳をかたむけていらっしゃいました。
講師のもやい工芸店主・久野恵一さん。
日本の地域的な人々の気質をベースに物づくりの状況やあるべき姿を
独特の視点で解説してくださいました。
久野さんの「手仕事」の定義はあたたかみがあって、庶民に手が届くもの。
「使う」ことを念頭に置いて作られた品々です。
現代日本の手仕事は危機的状況にあります。
安価な工業製品が出回り、大量消費されるようになった現代において、
手間とコストがかかる手仕事の需要は減り、手仕事の後継者不足が問題です。
久野さんは、日々の生活のなかで手仕事製品を使う人たちが増え、
そのことが職人たちを支え、手仕事文化が活性するのだと教えてくださいました。
日本の自然や生活と結びついてきた手仕事のぬくもりを
日々の生活で使うことが毎日の私たちの幸せにつながり、
そのことは日本社会の豊さにつながることを実感した
久野さんのお話でした。
注文書№126と同時配布(6月6日~10日)の『雑貨ツチオーネ』2ページで
もやい工芸の商品(沖縄ガラスと蚊取り線香入れ)をご紹介する予定です。
そちらもぜひご覧ください。
2011年2月14日
古着の積み出しをお手伝いしました!
とよまること豊島洋です。
「NEWS大地を守る」1月号で告知をさせていただいた、NPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル
連帯議会)の古着積み出し作業に行ってきました。大地を守る会の皆さんに年3回古着の回収を
呼びけていますが、その古着が分類されてパキスタンへ送られます。
パキスタンに到着るすると直ちに現地の業者に売られ、その売り上げがスラムの学校アルカイー
ル・アカデミーの運営資金となります。
古着ロールの山です。品目ごとに分類された後、50キロのロールに圧縮されてこのように倉庫に
保管されています。場所は千葉県千葉市のJFSAの倉庫。この山がコンテナに積み込まれます。
ロールの前にいるのは私、とよまるです。ロールの大きさがわかりますよね。
JFSAのスタッフ入江君(左端)から作業の流れについて説明を受けます。真ん中のハシゴ状のもの
にロールをのせて滑らせます。集まったボランティアの数は約40名。
午前8時半過ぎ作業開始です。ロールの山からどんどんロールを下ろして流していきます。けっこう
重い。直撃すると怪我をすることもあるので気を付けて作業します。
コンテナに積み込まれる直前で、品目を確認し番号をふったラベルを張ります。
力自慢の若者たちが積み込みを行います。この日は雨が降っていたので大きなテントを張っていま
す。
ロールはこんな感じで詰め込まれます。隙間があるともったいないので靴などの入った小さめな袋を
天井近くに押し込んでいます。研修参加の大地を守る会職員は「モザイクみたい」と言ってましたが、
まさに力で押し込むパズルです。JFSAのスタッフもこのような写真を数枚撮ります。
カラチ港の税関に提出し、古着だけが積み込まれたことを示すためです。
午後3時すぎには古着ロールがあらかた積み込まれました。今回は約22トン、ロールでいうと450
個以上のロールが積み込まれたことになります。
コンテナ積み込みのクライマックスは、最後のロールを押し込むとき。今回はピタリとハマりました。
お見事です。このコンテナは東京港を出港後、東南アジアを経てパキスタンのカラチ港に向かいま
す。約一カ月の船旅です。
JFSAの古着ショップ。作業をした千葉市の事務所と倉庫の一画にあります。国内で売れるものは国
内で売り、JFSAの活動資金となっています。柏店は柏市内で引っ越しをしたとのこと。その報告は
次回に。
大地を守る会 国際局 豊島 洋
2011年2月10日
2/26(土)、TPPに反対するお百姓さんの座談会を開催。
うっしーこと牛島真也です。
今日はTPPに反対するお百姓さんの座談会開催の紹介をします。
ここのところ、メディアの報道もやや落ち着いてきたものの、新聞、テレビ、雑誌など、
毎日どこかで見かける「TPP」問題。
報道を見ていると、「賛成派の経済界」、「反対派の生産者」というような印象を持ちますが、
実際には「どのような影響があるのかわかりにくい」という人も多いかと思います。
まずは、「最も影響を受ける」と言われている農家の方のお話を聞いてみませんか?
くわしくは、以下。
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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あたり前に生きたい、ムラでも、マチでも
TPPでは生きられない! 座談会
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
TPP(環太平洋連携協定)というのをご存知ですか。まだ正体のよくわからないこの妖怪がわたしたちに襲いかかろうとしています。
もともとは2006年に発効したニュージーランド、チリなど4カ国の小さなFTA(自由貿易協定)だったものが、新たにアメリカ、オーストラリアなど数カ国が参加を表明したため「バスに乗り遅れるな」とばかり菅首相が飛びつき、財界や大手マスコミが政府の尻を叩き、その賛否を巡っていまや大論争となっています。
それぞれの家庭にそれぞれの事情や都合があるように国や地域にとってもそれは同じです。相手の立場に配慮して協議をすすめるのが貿易交渉ですが、TPPは例外なき自由化を強引に進めようとするものです。菅首相はこれに参加することを、明治維新、敗戦に次ぐ「第三の開国」と述べました。
これが実行されたら、コメをはじめとして畑作物、乳製品から沖縄のサトウキビまでほとんどが輸入物に置き換わり、食料自給率は14%まで低下すると農水省は試算しています。これは地域の崩壊を意味し、人が暮らし続けることができるバランスのとれた社会としての「日本」の終わりを意味します。
マスコミの一部は「牛丼が200円になる」とはしゃいでいますが、労働力も自由化され、際限のない賃金水準まで下がりつづけ、安い牛丼すら食えなくなることを覚悟しておくべきでしょう。ワーキングプア、非正規社員はふえつづけ、農村からの離村者なども含め、都市に失業者があふれることにもなりかねません。
いったい誰のための自由化でしょうか。私たち農民はもとより、多くの人たちにとって、なんのメリットもありません。どうか、みなさん。この愚挙、この暴挙を阻止するために、私たちと共に立ち上がってください。
2月26日に全国の百姓が東京に集まり声を挙げます。多くのみなさんの参加を呼びかけます。
【とき】2月26日(土)午後1時~5時
※ 終了後は経団連へのキャンドルデモ(5時30分に錦華公園集合、キャンドルは各自持参)
【ところ】明治大学リバティータワー2階1021教室
JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水駅」下車徒歩3分
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」 下車徒歩5分
都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線「神保町駅」 下車徒歩5分
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【プログラム】
■基調講演
◎中野剛志さん(京都大学大学院工学研究科(都市社会工学専攻)助教)
〈プロフィール〉
1971年生まれ、東京大学教養学部(国際関係論)卒業。通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年よりエディンバラ大学留学、2005年博士号取得。経済産業省産業構造課課長補佐等を経て現職。TPP問題については反対の立場を鮮明にあらわし、新聞、ネット上などで反対論を展開している。著書に『自由貿易の罠』(青土社,2009)、『考えるヒントで考える』(幻戯書房,2010)、編著に『成長なき時代の「国家」を構想する―経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン―』(ナカニシヤ出版,2011)などがある。
◎自由化と闘う韓国農民からの報告(全国農民会総連盟・郭吉子政策局長)
■TPPやグローバリゼーションの影響を受ける多くの人たちからの3分間スピーチ
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【主 催】 TPPに反対する人々の運動実行委員会
【共同代表】 山下惣一(佐賀・百姓) 、菅野芳秀(山形・百姓)、 天明伸浩(新潟・百姓)
【問い合わせ先】
平和フォーラム事務局内 市村
Tel:03-5289-8222 Fax:03-5289-8223 Email:ichimura@gensuikin.org
★全国のみなさんからのメッセージを募集しています。ムラでもマチでも当たり前に生きたい、という当たり前の思いをぜひお寄せください。集会で参加者へ配布し、共有したいと思います。
宛先:E-mailあるいはファックスで上記問い合わせ先へ。200字以内でお願いします。
★集会へ賛同していただける団体・個人を募集中です。上記の問い合わせ先まで連絡をお願いします。
(賛同金は不要ですが、カンパは大歓迎!です。 下記口座へよろしくお願いします。)
<振り込み口座> カンパをお願いします
ゆうちょ銀行
口座記号番号 00170-4-457096番 「TPP反対連絡会」
☆最新情報は下記サイトをご覧ください
http://www.geocities.jp/yaoyahyakusho/muramachi/home.html
2011年2月 8日
ヤマキさんの手作り味噌教室に参加してきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
「神泉・畑の樂校」企画でいつもお世話になっている味噌や豆腐のメーカーさん、ヤマキさんを
訪ねてこの時期の定番企画「手作り味噌教室」を行なってきました。
大地を守る会に関わる皆さんは会員さんのみならず職員も含めて味噌を手作りする方がとても多く、
手作り味噌キットは毎年とてもたくさんの注文を頂きます。
一つの団体でこんなに味噌を手作りする人の密度が高い団体ってそうそうないんじゃないか?と
思えるほどの人気ぶりです。
もちろん、ツチオーネ誌で注文して自宅で味噌作りを楽しむ方が圧倒的に多いのですが、
「これから味噌作りをやってみたいけど不安... 何度か自己流で作ってみたけどうまくいかない...」
という悩める皆さんを全面的にバックアップしますっ!
大地を守る会は手作り味噌を作る皆さんを守る会になりたいっ!
との勢いでこの時期、味噌教室をヤマキさんにお願いして複数回開催をしています。
ヤマキさんの味噌教室に参加すると細かなコツが学べて失敗なく味噌作りが楽しめるので、
翌年からはめでたく独り立ち...と当初考えていたのですが「味噌教室に参加することが楽しい」と
リピーターの方も結構多い企画です。 うれしい誤算でございます!
今年は1月の末の土曜日、日曜日を使って連続で味噌教室を開催しました!
2日分の様子をまとめてご報告!
ヤマキさんのある神川町、旧神泉村は関東平野のはずれ埼玉県の北端にあります。
周囲を山に囲まれた風光明媚な土地で虎谷も大好きな土地なのですが、この時期だけはちょっと
好きになれません。周囲をかこむ山々には花粉をたっぷりと蓄えた杉の木があり、場所によっては
山一面が赤茶けて見えるほど。
いかにも「準備はOK!いつでも飛び立てるぞ!」という花粉たちのささやきがあちらこちらから
聞こえてきそうです。花粉症の虎谷は来月はもうここには来れそうもありません...。
花粉の恐怖におびえながらもまずは昼食を食べて元気を出します。
味噌作りは体力が要りますので先ずは昼食をしっかりとります!
ヤマキさんが自社の食材を使って美味しい昼食を準備してくれました。
この日出して頂いたメニューで肉を使っているのはメンチカツだけ。それもおからメンチですので
使われている肉の量は僅かですがボリュームはたっぷり!
肉好きな方でも十分に満足できる昼食でした。
ちなみにヤマキさんは最近大豆を使ったスイーツの開発にも力を入れていて、併設の喫茶室では
ドーナツや豆乳ソフトクリーム、ケーキなどが楽しめます。
昼食を準備してくださったヤマキの職員の皆さん。
カメラを向けると照れてむこうを向いてしまいました...。
ごはん、美味しゅうございました。おなかいっぱいになりました!味噌作りに励めそうです!
お腹がいっぱいになったところで次は腹ごなしに麦踏み体験です。
ヤマキさんは味噌や豆腐の原材料の大豆を栽培する畑を持ち、大豆の裏作でこの時期には麦も
作っています。麦は醤油の原料になるのですね。
麦踏みの目的としては、
・芽を踏んで霜柱で浮いた根を地面に戻す
・踏まれる事で株が刺激を受けて分けつを促す
2つがあります。もただ踏んじゃダメです。ちゃんと読んでね!
畑に出てもう一度作業の仕方を確認しました。ちょっと寒いけどがんばろう~。
広々してて気持ちがいい...けど寒いし花粉も心配。
麦踏みを終えて部屋に戻り、いよいよお待たせしました、味噌作り開始です。
まずは麹と塩を良く混ぜます。ビニル袋に空気を入れてフリフリして充分に混ぜます。
フリフリしてくださいね!
こちらもフリフリ。何んだか楽しくなってきました!
塩と麹が良く混ざったら次に茹でた大豆を加えてさらに良く混ぜます。
その後はひたすら潰します!
潰し終えてもよく探すとまだ潰れていない豆が見つかったりして夢中になります。
ちょうど緩衝材の「プチプチ」を潰して遊んだあの感覚です。
ひたすら潰しても、熟成が終わって味噌汁を楽しんでいる時に潰しそこなった豆が舌にのこる事も
あります。これが買った味噌だったら「ちゃんと潰してないじゃん、もう!大地さんに連絡便書い
ちゃお!」と思ってしまうかもしれませんが、手作りしたものだとすべてがカワイイ。
家族みんなでワイワイしながら楽しんだ思い出がよみがえってきたりして、一粒づつかみしめたり
なんかしてみたりして...良いものでございます。
体重の軽い子どもさんは足で踏んじゃえ!
日頃「食べものは大事にしなくちゃダメ!」と言われているお子さんはドキドキじゃないでしょうか。
しっかりと良く潰してね!
ちなみにヤマキさんの用意してくれる煮大豆は実は蒸したもの。お湯で煮ると煮汁に大豆の成分が流れてしまうのに比べ、蒸したものは成分が逃げません!
どんどん潰そう!
みなさん、ひたすら潰しております。
おとうさん、写真撮ってないで手伝ってあげてください(笑)。
お昼ごはんを食べて、畑行って、あたたかい部屋に戻って頑張っちゃったのでしょう。
疲れて寝てしまった様です。
容器を持参して下さった方に協力してもらい容器への詰め作業の実演。
味噌玉を作ってたたきつけるようにするのは空気が入らないようにするためです。
詰め終わったら空気に触れないようにして重石を載せて完成です!
味噌教室終了後にはヤマキの見学も行いました。
奥のテーブルは味噌樽の底板で作られています。立派です。
この味噌樽も今では作れる職人さんが減って入手困難になっているそうです。
ヤマキさんの味噌樽。私たちの味噌とは重厚感が違います。天地返しもスコップで行います。
この熟成室は温度管理がされていません。夏は暑さ、冬は寒さにさらされ、この土地の気候の
変化をそのまま受けて味噌の熟成が進みます。
温度管理をされている味噌に比べて熟成まで時間が倍以上かかるそうですが、単調な温度の
もとで熟成された味噌より味の深みは格段に違うそうです。
こちらは醤油樽です。
「手作り味噌といっても材料も一緒で何か違いはあるのかな?」と思う方も多いかと思います。
下2つの味噌は色が全く違いますが実は昨年の味噌教室で作られた同級生なのです!
仕込んだ時の条件は一緒ですが、それぞれお宅に行ってからの置き場所やその場所の温度、切り
返しの時に触れるその家の空気に含まれる菌が影響しているのでしょう。
また、好みの熟成度合で冷蔵庫に入れれば熟成の進行を遅らせることができますので、好みの味噌
を楽しめるのが手作り味噌の醍醐味ですね。
ちなみにビニルパックに入っているものは手作り麦みそです。
大地を守る会では味噌だけでなく干し柿や梅干し、梅酒、こんにゃく、たくあんなどの手作りを
皆さんに提案しています。
食品を自分で作ってみるとその食べ物を深く理解できる事はもちろんですが、さらに楽しいし
美味しいいし、で良いことがいっぱいです。
皆さんもぜひいろいろな食品の手作りに挑戦してみてください。
ちなみに紅茶、燻製、バター、荒巻鮭、豆腐、ソーセージ、納豆なども比較的気軽に体験できる
手作り食品です。作りする機会があればぜひ挑戦してみてくださいね!
大地を守る会 虎谷 健
2011年2月 2日
ネパールからスパイスの生産者がやってきました!
お久しぶりです。とよまること豊島洋です。
1月28日(金)にスパイスの生産者をお招きして勉強会を開催しました。
講師は22歳のイケメン青年アンキートさんです。彼はネパールのスパイス生産者団体SHSを代表して
日本にやってきました。SHSはSpicy Home Spicesの略称。大地を守る会は、フェアトレード団体で
あるネパリバザーロを通して彼らのスパイスとそのスパイスを使った加工品を販売しています。
午前10時からの講座には22名の会員の方々が集まってくれました。中央がアンキートさん。
向かって左側がネパリバザーロ副代表の丑久保さん、右側が同じくネパリバザーロの内藤さんで
す。
アンキート・ラジバンダリさんです。SHSは、小規模な事業体でスパイスの加工を行っています。
ネパールの各産地から生の状態で集められたスパイスを加工しパウダー状にしていますが、
全て有機的な環境で行われています。
SHSは、アンキートさんのお母さんであるシタラさんが2000年に二人の仲間と始めたビジネス。
紆余曲折を経て現在は、8名のスタッフを抱えるまでになりました。
SHSの設立目的は以下の3つ。
●高品質のスパイスを生産し、食の品質を向上させ、有機スパイスの市場を広めること。
●教育を受けることができないため、収入が低い女性たちに就業の機会を与えること。
●地方に住む農民たちに海外の市場へ販売する機会を与えること。
今後は販売量を伸ばして、より多くの地方に住む農民たちの生活向上に寄与したいとのことです。
同日夕刻、海浜幕張事務所で職員向けに同様の講座を開催しました。
大地を守る会 国際局担当 豊島 洋
2011年1月20日
狩猟をテーマにしたシンポジウムに参加してきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
「エコツーリズム」というと皆さん、どんな言葉を連想するでしょうか?
熱帯雨林にでかけての生き物観察や船に乗ってのホエールウォッチング?
ガイドさんと山を歩くトレッキング?
大地を守る会が岩手県久慈市で行っている「久慈市山形べこツアー」などでしょうか?
これまではエコツーリズムに関するシンポジウムというと、環境教育やアウトドアライフ、
安全登山などをどのように普及させてゆくかなどを話し合われることが多かったのですが、
今回、「狩猟」をテーマにしたシンポジウムが開催されました。
「たべまも」キャンペーンでエゾシカを食べて生態系を守ろう!と皆さんに呼びかけている大地を
守る会としてはほっとけません!さっそく参加して参りました。
農家さん、環境教育を実践するNPO、環境省、研究者の方が、それぞれの立場から基調報告
をして下さいました。
奥多摩の山々をフィールドに長年シカ・カモシカの研究をされてきた研究者の方は、捕獲頭数を
増やしてもなかなか適正頭数に減らないシカの習性について、実体験を交えて臨場感たっぷりに
報告してくれました。さらに大都会・東京のすぐそばでクマ・シカ・イノシシ・カモシカ・サルという
日本に生息する5大大型哺乳類が生息している自然の素晴らしさを語ってくれました。
(なお、上記映像中の動物たちはすべて東京都内で観察できる動物たちだそう。)
虎谷も以前、丹沢を山歩きしていた時に、雪の上に点々と残るツキノワグマの足跡を見つけた
ことがありました。ふと遠くに視線を移すと横浜の町並みやランドマークタワーが見え、クマの足跡と
大都会が一緒に視線に入る違和感が痛快だった事を思い出しました。
日本ではオオカミやカワウソなど絶滅(...したとは認めたくありませんが...)した動物もいますが、
まだまだ自然が残っているのですね!
欧米の自然保護は「一度徹底的に自然を破壊してしまった反省」に基づいている事に比べ、
日本では自然が里山という身近な形で残ったため「あって当たり前」という感覚なのかもしれません。
評価しにくいですが里山や水田を守り続けてきた農家や林業家が自然環境維持に果たした役割はかなり大きいようです。
次いで、環境省の方が省庁の役割説明から始まり、現在日本の山で何が起こっているかを
データを元に冷静に語ってくれました。
最近、クマに関わる報道をよく目にしますが、渓流釣りや登山中の事故などより、山菜取りや
農園脇、中山間地に住む農家さんの庭でのクマ遭遇による事故が増えているとのこと。
クマがより人里に近い場所に来ている事が想像できますね。
その原因は・・・
・奥山の乱開発で餌を得るために仕方なく人里に下りてきた、
・限界集落や耕作放棄地が増えて人間の近くの方が食べ物を得やすくなった、
・狩猟人口の減少で人に追われた経験のないクマが増え、人里近くに出没する事が増えた、
など、諸説あって「これが原因!」とは特定できておらず、実際にクマが増えているのか、減って
いるのかの正確なデータも今のところはないそうです。
農家の立場からの報告も。
この方が住む集落は限界集落を通り越して、唯一の人間の住人は彼の家族だけだそうです。
どこの山奥から来たんだろう...と思ったら神奈川県の西部地域でした!丹沢周辺にもそのような
限界集落があるのですね!
ここ数年は柵を作ったりして獣害を防いでいたようですが、動物たちもだんだん大胆になって
柵を壊して畑に侵入しだした、とのこと。「明日が収穫だな。」と思った翌日に収穫にいくと、すでに
食べられているということもしばしばだったそうです。
「サラリーマンで例えるともらったばかりのお給料を落して失くした感じ。」だそうです。
よく分かります!それは悔しい!戻ってこい!給料!
「柵で獣害が防げないので、狩猟免許をとって畑に出てきた鹿やイノシシは罠で捕獲して食べる
ことにしました、肉をあげると喜ばれます。」とのこと。
農村では野菜は豊富にありますしおばあちゃんが作る野菜の方がずっと美味しかったりしますが、
肉はなかなか手に入りません。なので、若者が集落に溶け込む手段として集落の肉の供給元に
なることは良いことかもしれませんね。
環境教育を行っているNPO団体でも狩猟をプログラムに入れています。
主に神戸から移住してきた若者たちが子どもたちを対象に環境教育プログラムを行なって生計を
立てているそうですが、冬場はどうしても仕事がない。
そこで畑を荒らす獣たちを仕留めて地域振興に役立てよう!と頑張っている例を報告してくれました。
捕獲して肉にするだけでなく加工品も作り始めました。
イノシシの骨でダシを取った「猪骨(ちょこつ、と読みます)ラーメン」です!
大人を対象に猟師体験企画なども開催するそうです。足跡を追跡して獲物を追う体験をしたり、
すでに仕留めた獲物を使って解体を体験したり...。なかなか頑張っている若者たちでございます!
就職難で安定した大手企業に就職希望が集中している、などのニュースを見聞きしますが、
好きな土地に飛び込んで自分たちで仕事を作っちゃえ!という気概は立派でございます。
「最近の若いモンもなかなかやるじゃないか!」と思わず父親の眼差しを投げかけてしまいました。
色々な色の紙をかざして危ない団体の様ですが(笑)、これは参加者の属性を調べている様子です。
「学生は赤、会社勤めは黄色、NPO勤務は緑」などと色分けし、どのような参加者が、どんな動機で
来ているのか調べています。環境教育を長くやっていた人ならではの調査方法ですね!
ちなみに色紙の計測は野鳥の会の皆さんが担当していました。
人の計測は年末の紅白歌合戦の時だけではないようです(笑)。
基調報告が終わって次はテーマごとのディスカッションです。
話をしながら話題に出た内容をどんどん紙に書き込んでいきます。何を話したかが残るため、
どんどん話がふくらんでいきます。
右の口髭の方はこの企画の世話人、広瀬敏通さんです。
広瀬さんは静岡県で家畜動物や富士登山、洞窟探検、熱気球体験などを通して自然を体験する
「ホールアース自然学校」という自然学校を主宰していました。
自然災害があるとスタッフを被災地に派遣する硬派な活動をする一方、修学旅行などを受け入れて
経済的にも成功していたのですが、経営をスパッと後進にゆずり(譲られた方々はかなり戸惑った
そうです)NPO法人日本エコツーリズムセンターを立ち上げ、日本にエコツーリズムを浸透させる
ために「世話人」として日本中を駆け回る日々だそうです。
生涯現役の方でございます。
「猟師」をテーマにエコツーリズムが話し合われる時代が来るとは想像もできませんでした。
「命の重みを感じる機会になると思う。」
「奪った命は最大限食べて供養してあげなくては。」というマジメな意見の他にも
「猟師ってモテる?」といった若者らしい感想まで...。
何にしろ、話し合われるって良い事でございます。
しかし、ほんの少し前までは自然環境に関心がある人たちの集まりでは「いかにダムやゴルフ場
建設による環境破壊をやめさせるか。」、「河口堰建設反対!」など、環境を守って動物を増やそう!
という話し合いが主流だったはずです。
それが、自然環境のバランスをとるために増えすぎてしまったシカやイノシシを獲ってどう活用しよう、
なんとか環境教育のプログラムに活かせないだろうか、などと話し合っているのですから、時代は
変わるものですね。
テーブルごとに話し合った内容は最後に発表!
解散後は居酒屋で打ち上げとなり楽しい時間を過ごすことができました。
ちなみに今回テーマになった猟師さんですが、日本では平均年齢は60歳以上で、20年後には
絶えてしまうであろう、と言われています。
いわば、レッドデータブックに載せたい「絶滅危惧種Ⅰ」でもあります。
本業として行っている人はおらず、趣味として行っている人がほとんど。
猟期は11月から2月までの冬季。
シカやイノシシを獲るには、「まき猟」と呼ばれる10人ほどの射手と勢子と猟犬で構成されたグループで
行なうのが一般的です。
山の一斜面の各所に射手が待機して犬に追われてきた獲物を狙います。
冬の山道を1時間以上歩いて持ち場についたら、後は勢子に追われた獲物が通るのを木陰で息を
殺してじっと待ち続けます。
獲物の姿を見て発砲できれば獲物が獲れなくても運の良い日。
木陰で寒さに耐えながら何も起こらずに一日が過ぎても当たり前、という忍耐の世界であります。
運よく獲物を手に入れられたとしても、山中で獲物を解体して内臓や骨、皮などはちゃんと埋設しな
くてはならず、手に入れた数十キロの肉も近くに誰もいなければ一人で背負って山から降ろさなくて
はなりません。(※山中で解体した肉は販売等できず自家消費のみ認められています)
勢子を行う人はさらに獲物を追う為の犬の訓練も欠かせません。
このような厳しい世界で若者が敬遠するのも無理はないのですが、それにも関わらずこの世界に
飛び込んでいこう!という若者が増えることは心強いことです。
私も「たべまも」キャンペーンでシカ肉を消費してお手伝いしたいと思います。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2011年1月17日
厳冬の神泉・畑の樂校に行ってきました
とらちゃんこと虎谷健です。
寒い日が続きますね!
「一年を通して畑の様子を知る。」を目標に開催している「神泉・畑の樂校」。
寒さにも負けずに埼玉県神川町にある畑に出かけてきました!
1月中旬の畑の様子です。
活き活きとした若葉が見当たらず静かな畑でございます。
殺風景な風景ですが、この時期だけは雑草のはびこる心配をしなくて済むので、
私たちにとっては心やすらかに畑を訪れることができる季節でもあります。
手前に広がる白いものは雪ではなく、ヤマキさんの豆腐工場からでるおからをまいたもの。
このあと畑にすきこんでしまいます。
この日は全国的に雪の多い日で千葉県の三郷でも雪が降りました。
「高速道路を通行中の皆さんはご注意!」というニュースが流れたほど。
でもここ神川では、雪雲は通過したものの雪には降られなかったのは幸運でした。
でも雪雲が通過して陽が陰ると寒さも厳しい!とても寒い日でありました!
おからをすき込む作業をしました。じっとしていると寒いので体を動かしたほうが楽でございます。
人参の収穫です。
人参の播種は8月。昨年の猛暑は「水分大好き!」なセリ科の人参には厳しい年でした。
ちょっと細いですが酷暑の中、よく育ってくれました。収穫できない分はそのまま畑に置いておき、
少しずつ収穫を楽しみます。
春になってとう立ちするまで畑に置いておけます。天然の冷蔵庫ですね!
写真は撮り忘れましたが大根も収穫する分以外は土をかけて畑に置いておくことにしました。
葉は枯れてしまいますが大根本体はみずみずしいままで保たれます。
作業は野菜の収穫の他にも、昨年から畑の脇にため込んでいた収穫野菜の残さ(茎やツル、
外葉など...)を集めてヤマキさんのおからを振りかけ発酵しやすいように水を掛ける作業を
行ないました。
畑を訪れる度に作業を繰り返しているのですが毎回、枯草の山が発酵して嵩が減ってきます。
春ごろには畑もスッキリきれいになることでしょう。
作物が少ないように見えましたがお持ち帰りの野菜はこんなに。
下仁田ネギ、人参、味美菜、大根を収穫。
ほかに、講師の庄司さんが自分の畑で育てたほうれん草、水菜、ヤマキさんが「昨年収穫した大豆
で~す。」と持ってきてくれた大豆がお土産になりました。
この寒い中畑に足を運んでくれた皆さん。本当にお疲れさまでした!
風邪などひいていませんか?
大地を守る会 交流局 虎谷健
2011年1月 4日
町おこしで注目の島根県海士町で対談
ユッキーこと大野由紀恵です。
新年あけましておめでとうございます。2011年もよろしくお願いいたします。
第一弾のブログは、12月に、島根県海士町で行なわれた対談です。
地域や第一次産業の未来が問われる今、2011年にもその先にもつなげていきたい大切な
メッセージが、小さな島にありました。
2010年12月11日(土)に、地域活性で注目を集める島根県海士町に、NGO大地を守る会会長で
株式会社大地を守る会代表取締役社長の藤田和芳が、海士町町長の山内道雄さんと
対談しました。対談のテーマは「一次産業×地域活性=残したいものを自分たちで守るために」。
島根県海士町は、隠岐の島の中の1つで、人口約2,400人の小さな島です。1221年、
後鳥羽上皇が流された地としても有名ですが、近年は急激な過疎化と財政危機に直面。
それを乗り越えるため、町長自らが給与を50%カット、町役場職員も30%給与カットと
役場一丸となって町おこし資金をねん出。
特産の岩ガキを生のおいしさそのままで急速冷凍できる「CAS」を導入し、特産化に成功。
さらに教育交流事業で都市から多くの研修生を受け入れるなど、さまざまな工夫により、
5年で200人以上がIターンした、地域活性で注目の町になりました。
周りを海に囲まれ、山々の合間に田んぼがある、自然に恵まれた島です。
こちらがCAS。大きな設備ですねー。
CASは Cell Alive Systemの略で、細胞組織を生かして急速冷凍するため、解凍しても
水が出ることがなく、とれたての味が再現できます。
年間予算40億円の海士町が5億円!の設備投資で導入したことでも話題になったそうです。
岩ガキの養殖場です。
日本名水百選にも選ばれた「天川の水」が注ぐ保々見地区で、3年かけてじっくり岩ガキは
育てられます。
島のあちこちに湧水があります。水が豊富なため、稲作も盛んだそう。
そんな自然に恵まれた海士町の資源を活かし、地域活性に成功した山内道雄町長との
対談が12月11日(土)、海士町町民ホールで開催されました。
この対談のすごいところは、インターネットで生中継され、ツイッターを使って、リアルタイムで
コメントできたところです。東京や京都などのカフェでは、海士町の食材を楽しみながら、
講演を聞くイベントも企画されました。
準備中の会場。スクリーンが2台設置され、他会場のようすやツイッターのコメントが映し出されます。
開始直前の会場。ほぼ満席です。
いよいよ対談の開始。山内道雄町長。
山内町長は、町長になる前はNTTに勤務。民間会社での経験を活かして町を元気に
してきました。一番大切なことは?という質問に、「足下を見直すことが一番最初。
当たり前だけど、自分たちの町を好きになるのが全てのスタート。町長の立場からは
挑戦と決断と実行。リーダーには決断が大事」と答えていました。
大地を守る会の藤田和芳。
藤田からは、「資源を信じて活用することが未来につながると思う。第一次産業が
もっと大事にされる社会にしたい。農薬をまくことはミミズや虫を殺すこと。
有機農業は多様性を認めること。生き方にもつながる。海士町はその自立したモデル」
というメッセージがありました。
そしてこの対談を企画した株式会社巡の環の代表、阿部裕志さんです。
阿部さんは大学院卒業後、大手自動車会社に入社しましたが、大量生産大量消費の
スタイルに疑問を感じ、海士町にIターン。海士町のPRやツアー企画などを手がける「巡の環」を
設立しました。海士町の現リーダーとこれからの若きリーダーが並んでいる点でも注目の
対談でした。
画面には次から次へとツイッターで寄せられるメッセージが現れ、その内容にも
触れながら対談は進行。小さな島と全国がつながる不思議な空間でした。
島外からは365人が視聴していました。その人数もすごいですが、何千人、何万人が見ていても
よいくらいの可能性を感じる対談でした。
対談のもようは、巡の環のサイトで見られます。
今回の対談に合わせて、12月10日(土)~12日(日)に2泊3日で全国から集まった15名が
参加した海士町ツアーがありました。ツアーの中では、地元のお年寄りと輪投げを楽しむ企画も。
これがなかなかむずかしい!藤田も参加。
結果は。。。(笑)?
ツアーの最後、船が出港する時には、山内町長はじめ、町の方々や巡の環の方々が
見送ってくださいました。紙テープの粋な演出付です!
豊かな自然と、素敵な皆さんと出会えた2泊3日でした。
皆さんも機会がありましたら海士町へぜひ!
大地を守る会でも、このご縁をきっかけに、海士町とのつながりをつくっていければと
考えています。
大地を守る会 事務局 大野由紀恵
2010年12月20日
たまなびファームに行ってきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
文化放送の玉川美沙さんの番組「たまなび」とコラボで半年に渡って大豆栽培を体験する企画も
いよいよ収穫の季節を迎えました!
産休に入られた玉川さんから「たまなびファーム」を引き継いだ菅野アナウンサーと一緒に神川を
訪問してきました。
「菅野しろうのアナログ情報バラエティー」、略して「しろバラ」の菅野アナウンサーと
有馬香アナウンサーさんです。
一面の枯野原?いえいえ大豆を畑に置いて乾燥させている畑です。
畑で乾燥させていると「パチン、パチン」と完熟大豆がはじける音がしてくるとのこと。
はじけてしまった大豆はもちろん収穫はできません。ちょっともったいないですが、ハトなど
野鳥たちにとってはご馳走でしょう。
「うん、ヤマキさんの大豆は他と違うね!有機無農薬だからね!」などと話しているかもしれません(笑)。
畑におき過ぎてはじけてしまった大豆。有機無農薬大豆がちょっとモッタイナイ!
ヤマキの角掛さんから大豆についてのお話や今年の作柄についてお話してもらいました。
春の遅霜、夏の猛暑、秋の長雨...今年は農業にとって大変な年でございました!
畑見学を終えてヤマキさんの食事処「紫水庵」へ移動。大豆尽しの昼食をいただきます。
その前に打ち合わせ。
窓の外の庭園が良い感じです。脇にはクレソンが生える水路があり、夏は水音を聞きながらの
食事もよさそう。
大豆の収穫を祝って大豆を使った料理を頂きました!名付けて「豆々菜々御膳」でございます。
赤米で炊いた大豆ご飯に味噌汁。
味噌汁の具はもちろん、ヤマキさんの味噌に豆腐に油揚げでございます。
湯葉に大根菜のあえもの。あえものにはおからと豆乳が使われています。
串に刺したお団子は地元でとれたこんにゃく芋のお団子です。ちょっとピリ辛でご飯にあいます。
厚揚げにはヤマキさんの醤油を含ませてありました。
左下の漬物はもちろんヤマキさんで作っているお漬物。
野菜、マイタケの天ぷらにうの花饅頭。うの花饅頭は長野県の「おやき」みたいで、
おかずとしても美味しく食べられる味とボリュームで美味しい!
「デザートかな?」と思って手を付けたので不意打ちの美味しさでした。
神泉水を使って仕込まれた純米酒までだしていただきました!
残念ながら虎谷は運転手でしたので眺めるだけ...。残念。
「味が濃くておいしい!」とのこと。食後のインタビューもお酒が入って楽しいものになるかな!
デザートでございます。
「豆姫」という商品名の豆乳のレアチーズケーキと「黒大豆ロールケーキ」。
「豆姫」はヤマキさんが一番初めに作った大豆を使ったスイーツです。
この商品が評判が良くてその後様々なスイーツ開発が始まった思い出深い商品だそうです。
ブルーベリーのジャムと相性がよく美味しゅうございました。
「黒大豆ロールケーキ」は抹茶のロールケーキです。中身のクリームにはこれまた豆乳が
練り込まれておりました。クリームと黒大豆の粒々感が良い感触を生みますです。
食事も済んでインタビュースタート!撮りためていただいていた大豆畑の写真を見ながら進みます。
インタビュー後は会場をヤマキさんの工場に移して工場見学と豆腐作り体験をさせていただきました。
コップに入れた温めた豆乳ににがりを加えてスプーンでさっと混ぜるだけ。
あっという間にできてしまうので余りにも簡単。「ヤマキさんの手作り豆腐教室」は簡単すぎて
企画できないかな...。
でも、私たちが作った豆腐と角掛さんが作った豆腐では均一さが違います!
やはり単純に見えて細かい技術の差は歴然です。ちなみにかき混ぜるスプーンを止める時に
「くっ」とスナップをかけてブレーキをかけるそう。芸が細かいです!
収穫した大豆は選別にかけられて等級が決められ用途が決まります。等級分けを見せて頂きました。
一番良い豆は湯葉や豆腐用。大豆のおいしさが直に伝わる食材に使われるのですね。
ちなみにヤマキさんでは来年蒔く種も自家採取した物を使います。使われる豆は一番良い等級の豆です。
二番目の豆は味噌用、三番目の等級の豆は醤油用になるそうです。
大豆の割合が少ないものへ順番に使われるのですね。
取材も終えて帰りにヤマキさんの売店によってお土産タイムです。
スイーツコーナーの前でいろいろご相談です。
虎谷は美味しそうなタルトを家族のお土産に買ってしまいました。「味噌タルト」でございます。
最後に「神泉・畑の樂校」の畑に立ち寄ってきました。
さすがに12月に入ると作物も減りますし、雑草との戦いもなくなるため心安らかに畑に行くことができます。
この畑で今年も春夏秋冬、いろいろと楽しませていただきました。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年12月16日
六本木ヒルズで「meccオーガニックトーク」
うっしーこと牛島真也です。
遅くなりましたが、イベントの報告です。
11月19日(金)六本木ヒルズで「meccオーガニックトーク」が開催されました。
主催は、大地を守る会も会員となっているみなと環境にやさしい事業者会議(mecc)。
毎年開催している「企業と環境展」の今年の目玉プログラムのひとつです。
当日、トークの様子は「USTREAM」で生中継されました。
コーディネーターは、オーガニックコンシェルジュの岡村貴子さん。
トークゲストは、大地を守る会職員で野菜ソムリエの小島潤子さんと、らでぃっしゅぼーやの潮田和也さん。
大地を守る会とらでぃっしゅぼーや。
オーガニック宅配業界を引っ張る両雄?!ですが、意外とこうした場で一緒になることは少なく、とても新鮮なイベントでした。
偶然にも両社ともレシピ本を発売したばかり。
岡村貴子さんが、大地を守る会とらでぃっしゅぼーやさんそれぞれの取組みについて、いろいろ聞き出してくださいました。
小島さんは「50分間もトークできるかな...」と不安そうでしたが、堂々とした話しっぷり?!でした。
「USTREAM」での中継の様子は、今でも見ることができます。
ぜひ見てみてくださいね。↓
大地を守る会事務局 牛島真也
映画「玄牝」公開直前スペシャルトーク開催
うっしーこと牛島真也です。
河瀨直美監督の新作『玄牝』の渋谷ユーロスペースでの上映が、
2011年1月7日(金)まで延長になりました。
河瀨監督と言えば、デビュー作『萌の朱(もえのすざく)』で、97年カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞。
2007年には、『殯の森(もがりのもり)』で同映画祭グランプリを受賞するなど、日本を代表する映画監督です。
映画『玄牝』は、"自然分娩"を行なっている愛知県岡崎市の吉村医院と、そこに集う妊婦たちの様子を追ったドキュメンタリー。
河瀨監督自ら16mmフィルム・カメラをかつぎ、お産という繊細な瞬間を見つめました。
※くわしくはこちらをご覧ください↓
大地を守る会では、「大地を守る会35周年」と連動して、映画『玄牝』とコラボ企画をいろいろ実施してきました。
河瀨監督の作品に対する思いや伝えるメッセージの根幹には、「自然環境に調和した、生命を大切にする社会の実現」を目指し35年間活動を続けてきた大地を守る会と通じるテーマが流れています。
コラボ企画のひとつ、「大地を守る会presents 映画『玄牝』公開直前スペシャルトーク」が、10月28日(木)東京・青山のウィメンズプラザ・ホールで開催されました。
遅ればせながらご報告させていただきます。
映画『玄牝』のダイジェスト版を見た後、河瀨監督を囲んでのスペシャルトークというプログラム。
司会は、J-WAVE「ロハスサンデー」のナビゲーターとしてもお馴染みの丹羽順子さん。
トークゲストは、フードコーディネーターの根本きこさん。
当日は雨にもかかわらず、150人以上と多くの方にご参加いただきました。
出産をテーマにした映画ということもあり、女性(特にお子さま連れ)の方が目立ちました。
お三方のトーク、会場からの質問も盛り上がり、終了予定時間を30分ほど越えて終了。
ご来場いただいた方のアンケートもご好評のものが多かったです。
ご来場いただいた皆さま、ステージ上のお三方、本当にありがとうございました。
私も試写などで何回か見ましたが、男性の方にもぜひ見ていただきたい映画です。
最近は立ち会い出産なども一般的になってはきましたが、男性にとっては生まれるまでなかなか実感がわかないというのが正直なところです。
多くの男性がこの映画を見て、お産について考えるきっかけになってくれたらうれしく思います。
東京では、渋谷ユーロスペースで1月7日(金)まで公開中。
これから全国各地で公開されますので、お近くの劇場でぜひご覧ください。
くわしくは公式HPで。
大地を守る会事務局 牛島真也
2010年12月 3日
江戸切子のお話 伝統を受け継ぐものづくり
晴天の12月2日(木)。
大地を守る会六本木事務所で江戸切子のお話講座を開催しました。
建物に隣接する桜の木はその葉を真っ赤に色づかせ、
会場3階のくもりガラスに、シルエットのように浮かび上がります。
きれいな光が会場にさしこみ、
ガラスがテーマの講座にぴったりのお天気です。
講師は、江戸切子制作会社のフォレスト・鍋谷孝至さん。
作品を目の前に、江戸切子の歴史から、フォレストのこれまでの取り組み、
そして現在にいたるまでを、幅広くお話いただきました。
ご自身、日々の生活のなかで、江戸切子を使って、生活を楽しまれる様子が、
伝わってきました。
そのなかで鍋谷夫妻が毎日の晩酌で愛用されているグラスのご紹介がありました。
そのグラスでビールをいただくと量を飲まなくても、ビールのおいしさを堪能でき、
年間でビールの消費量が200本以上減ったとか。
同じビールでもグラスの違いがさらにそのビールのおいしさを引き立て、
結果的に家の会計の節約になるなんていいですね。
鍋谷さんに、お持ちいただいたこれまでのフォレストの作品です。
大地を守る会でご紹介したグラスもあります。
美しさと丁寧な職人仕事の息吹が伝わる人気のフォレストグラスです。
こちらは江戸切子を削る道具のひとつです。
切子の模様ごとに使う道具をかえて制作します。
職人さんがガラスを吹き、さらに、模様ごとに道具をかえて、模様を誕生させる...
時間と手間をかけて初めて江戸切子は誕生します。
江戸切子のお手入れも実演いただきました。
お使いになっているのは、大地を守る会の台所石けんとナチュロンキッチンスポンジ。
江戸切子を洗ったあとの拭く工程は会場のみなさんとご一緒に。
使用しているのは、アバンティのオーガニックコットンふきんです。
会場のみなさんには缶入りのお茶をご用意し、缶から直接飲む場合と
こちらのグラスに注いで飲む場合と比較していただきました。
あらふしぎ!グラスに注いだお茶に、会場から「さらにおいしくなった~」とのお声が。
こちらのグラス、実はグラスが唇に触れると同時に、飲み物がなめらかに喉に
流れ込むよう作られているのです。
フォレストの鍋谷さんと醸造技術に精通した戸塚昭さんとのコラボレーションから生まれ、
口のなかにいれたときに、日本酒のおいしさを引き出す工夫がされています。
そのため日本酒はもちろん、お茶や水もおいしく味わうことができるのです。
ちなみに上のグラスは「切子グラス 杜康(とこう)の玻璃(はり) 北辰」
北辰は北斗七星のこと。グラスには6つの星が刻まれ、
液体を注ぐことで、7つめの☆が浮かび上がる趣向です。
飲んで、見て、触って楽しめます。
こちらは「切子グラス 杜康(とこう)の玻璃(はり) 魚子」。
液体を注ぐことで、グラスの中に模様が!新たな世界が広がります。
江戸切子は光の変化で表情が変わります。
講座終了後に、多くの参加者が会場に残って、その美しさを楽しんでいらっしゃいました。
手仕事ならではの趣向と、丁寧な仕事から生まれた江戸切子のグラスが
あるだけで、どれほど、毎日の食卓が楽しくなるだろう...。
そのことはきっと心の豊かさにもつながるだろう...。
きっと参加者のおひとりおひとりが感じられたのではないでしょうか。
講座終了後のみなさんのいきいきとした表情を拝見し、そう思いました。
2010年11月19日
辰巳渚さんの講演会を開催しました
11月16日(火)、中目黒で、辰巳渚さんの講演会を開催しました。
『捨てる技術』(宝島社新書)が100万部のベストセラーになり、
また、男の子と女の子の子育てを楽しむお母さんでもある辰巳さん。
多くの子育て本を執筆されています。
大地を守る会でも、辰巳渚さんの著書を『ツチオ―ネ』や本のちらしで
ご紹介していますが、辰巳さんが大地を守る会のイベントで登場されるのは
初めてになります。
これまで大地を守る会のアンケートで、多くのみなさんから
「子育ての指針になるような」、「子育てを省みることができるような」
イベントへのリクエストをいただきました。
辰巳さんにそのことをご相談すると、
「母としての在り方を考える...そこを見据えることが、
みなさんのリクエストにお応えできることになるのでは」とご提案をいただきました。
テーマは「母として何をすればいいの?」。
母としての自分の立ち位置が見えない...子育てをしていて
きっと一度は感じる時があると思います。
子育てという道を歩むお母さん応援企画です。
快晴の当日、多くのみなさんにお集まりいただきました。
ご自身も子育て中の辰巳渚さん。
参加者と同じ高さの視点で、一緒に考えます。
「親の使命はなんだと思いますか?」
「子育てのゴールは?」
会場の参加者に一緒に考えていただいたり、また、参加者への質問タイムも。
参加者のお声に熱心に耳を傾けるお姿が印象的でした。
子どもに親としてできること、そこをしっかりと見定めることで、母としての在り方も見えてきます。
本質として、大切なことはなにか、そこを見極め、そのための具体的な
ノウハウを導いてゆく辰巳スタイルがここにもありました。
母としての在り方への道しるべが見えてきました。
講座終了後、参加された方から、お声がけいただき、
「実はもっと固い感じなのかなという予想だったのに、"こうしなくちゃいけない"という感じではなく、
大きな許容のなかで、お話があり、これなら私もできると思い、勇気がでました」と感想を
いただきました。
辰巳渚さん、貴重なお時間をありがとうございました!
2010年11月10日
「神泉・畑の樂校」に行ってきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
11月6日の土曜日、埼玉県神川町にある「畑の樂校」の畑に出かけてきました。
2か月前の猛暑が信じられないくらいに着実に寒さが増してきました。
紅葉も見ごろを迎え、関越自動車道は大渋滞!30km以上の渋滞に「途中まで来たのですが...今日
は帰ります。」という方もいて残念!
前日の金曜日の天気予報で「週末は天候にも恵まれ、絶好の紅葉を楽しめるでしょう。」などと
言っていたせいでしょうか?
お願いですから外出を煽らないでいただきたい!と思う今日この頃でございます。
すっきりしてしまった畑の様子です。手前にあるのは収穫して乾燥させていたゴマです。
人参です。8月の種まきの時に雨が全く降らず、発芽しなかったため遅くに蒔き直しをしました。
寒さが増してこれからどこまで育つか心配ですが間引きをして成長しやすくしてあげました。
レタスと奥に見えるのは大根です。
こちらは順調に育っているようです。
レタスは葉が巻き始めると霜に弱く、葉の表面がはがれて浮いた様になってしまいます。
今回収穫したレタスは状態が良かったのですが、次回まできれいな葉を保っているでしょうか?
大根も間引きをしっかりしてあげました。
寒さが増して来ると生育が止まってしまいますので今からどれだけ大きくできるかが勝負です!
間引きをして葉全体に陽が当たるようにしてあげました。
育ち切った大根は葉を残して土で覆ってやればそのまま畑に置いておくこともできます。
葉は枯れてしまいますが大根本体は大丈夫です。天然の冷蔵庫ですね。
キャベツとなぜか1つだけ白菜が混じっていました。
防虫のネットを前回外してしまったため虫にたくさん食べられてしまいました!
ちょっと油断してしまったようです。やはりある程度寒さが増して虫の活動が止まるまではネットは
必需品です。
なぜか1つだけ混じってしまった白菜は虫に食われるより早く成長しています!
次回は頭をしばって冬越しに備えてやります。
長ネギです。こちらも順調ですね!乾燥に強い長ネギは今年の猛暑でも元気でした。
アスパラガスです。葉は見事に枯れていました。
このあと地上部分をざっくりと切り取ってやりました。来年の春にはまたアスパラガスを楽しむ
ことができますね。
でも年々アスパラの茎が太いものができてしまいます。
市場で流通しているサイズの茎が取れる期間ってとても短い事に気がつかされます。
同じサイズのアスパラを出荷するために農家さんはたくさんの株を育てなくてはいけませんね。
アスパラガス自体は一度植えれば7年くらいは続けて収穫できるのですが。
夏と違ってのんびりムードが漂い、ひなたぼっこでもしているように見えます。
草との戦いも終わりましたし、さつまいも等の重量物の収穫もなくなりました。
本日のメインイベント、ゴマの収穫です。
1か月ほど前に収穫して農家さんの軒先で乾燥させてもらっていました。
シートの上で逆さにしてたたくとゴマがこぼれ落ちてきます。貴重な国産ゴマ。みんなで分けました。
この時期、神川では夜桜見物ができます。「冬桜」という春と秋に花をつける桜をみることができ、
11月いっぱい城峰公園ではライトアップをしていますので見に行ってきました。
紅葉も始まっていました。
桜の花とモミジの紅葉。面白い取り合わせでございます。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年11月 1日
「神泉・畑の樂校」の報告を頂きました!
とらちゃんこと虎谷健です。
埼玉県の北部、神川町にある味噌や豆腐をいただいている㈱ヤマキの角掛さんから、
先日10月17日に行われた「神泉・畑の樂校」の報告をいただきました。
2週間に一度行われている「畑の樂校」企画。
虎谷は他の産地訪問企画と重なる事も多く欠品することも多数。
この日も千葉県の香取市で行われた「酒井さんのさつまいも畑に行こう!」企画と重なって
しまったため畑の様子を写真で報告していただきました。
指導でお世話になっている庄司さん。
この日の埼玉県は天気が良かったようですね。
千葉の方は雲が多くてどんよりした空模様だったのですが...。
大豆の株を掘り取ったので畑はすっきりしています。
今日の収穫物はかぼちゃ、なす、ピーマンに間引き大根。
秋もまだ浅く夏の作物と秋の作物が混在していますな。
落花生とさつまいもも収穫しました。
いのししにやられずに収穫できて良かった、良かった。
ヤマキ角掛さんよりコメントをいただきました。
「秋じゃがの植え付けと葉物の種まきができました。畑全体の様子も一変しました。秋本番と
いった感じになってきました。落花生のできが良く、庄司さんに褒めていただきました。」との
ことです!
角掛さん、報告ありがとうございました!
これから冬にかけて畑の様子はどんどん変わっていきますので皆さんにもその様子を報告
させていただきます。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年10月21日
酒井久和さんのさつまいも畑に行ってきました。
とらちゃんこと虎谷健です。
三里塚微生物酵素の会の皆さんの畑でさつまいも収穫体験を行った翌日、
香取市の酒井久和さんの畑にお邪魔して畑のお手伝いとさつまいもの収穫体験を行って来ました。
挨拶をする酒井久和さん。
生産者グループとのお付き合いが増えている中で少数派の個人農家さんでございます。
お宅も立派で作業小屋も大きい!我が家より大きいですな。
今日は一日よろしくお願いいたします!
まずは大根畑に出かけて大根の間引きを行いました。
間の1株を抜いて株間を広くしてあげる作業です。それにしても広い!
間引いた大根は皆さんに持ち帰っていただきました。
間引き大根は食べておいしいのですが難点はすぐにしおれてしまうこと。宅配では扱えません...。
間引き大根を楽しめるのは畑に来た方の特権ですね!
主にご夫婦で農作業を行っている酒井さん、お手伝いすることはたくさんあります!
大根の間引きを行った後は長ネギの土よせ作業を行いました。
長ネギは成長に合わせて土を茎にかけてやると白い部分がどんどん伸び、お馴染みの
長ネギの姿になります。
ある程度大きくなった長ネギは機械を使って土を寄せる事ができますが、まだ苗が小さいうちは
手間をかけてやらなくてはいけません。
足を使って葱に土をかけ過ぎないように注意しながら土を寄せてやります。
う~ん、内腿が筋肉痛になりそうです。
地道な作業ですが大勢で行うと早い!1時間ほどで作業が終わりました。
丁度お昼になりましたのでお弁当を広げてお昼休みです。
酒井さんの畑の野菜で作ったけんちん汁を出して頂きました。
皆さん、どんどんお代わりしてくださいね~。
間引き大根もごま油で炒めて油揚げをちらして立派な一皿ができあがりました!
午後はいよいよ本命のさつまいも掘り!っと意気込んでいたら
「ごぼう抜いてみる?」と酒井さんから提案が。
「ごぼう抜きなんて、大変...。」とちょっと後ろ向きだった虎谷ですが、希望者多数でスゴイ人気です!
酒井さんの畑は土も柔らかくて思ったより簡単に抜くことができました。
この時期の酒井さんの畑は楽しい事がいっぱいです!
こちらの畑では落花生を乾燥させていました。下を見ると株から落ちた落花生が点々と・・・。
「これ、拾っていいですか?」と酒井さんに聞くと快く了解!
「落ち穂ひろい」ならぬ「落ち落花生ひろい」も体験。拾った落花生は皆さんのお土産になりました。
お待ちかねのさつまいも掘りです!どんどん掘ってください!
ちなみにこちらは酒井さんのお宅と畑の全景です。
家に隣接してこれだけ広い畑があるっていいですね!農作業がはかどりそうです。
それにしても空が広い!
天気が良いと「ぶるぅぅ~すかいっ!」と叫びたくなるほどの空の広さでございます。
掘り取ったさつまいもをトラックに載せて作業終了!お疲れ様です!
農家さんのお宅に必ずと言って良いほどある軽トラック。
狭い道でも入っていけて荷物もどっさり積める働きものであります。
おまけに2シーター、ミッドシップ、4WD、とまるでスポーツカーのような装備でございます。
皆さんのおかげで作業がはかどりました!お疲れ様です!
参加された皆さんには「もう、いや!」というほどの間引き大根をお土産に持って行っていただきました。
ご近所さんにも配ってあげてくださいね!
酒井さんの畑におじゃまする時はいつもきれいな夕日に見送られて家路につきます。
今回も夕日がきれいでした。秋でございます。
畑のお手伝い企画は「子ども連れで役に立つかわからない...」と敬遠されてしまう方も多い様ですが、
大地を守る会の畑のお手伝いはきついだけのお手伝いはお願いしません!
メニューにちょっとひと工夫加えて、平日はお仕事で頑張っている皆さんが「今日はいいリフレッシュが
できたな。ちょっとだけ疲れたけど気持ちいい日だったな!」と思ってもらえるような内容にして
いますし、子どもさんがいても大丈夫な内容にしていますので「援農」という言葉にひるまずに
応募して下さい!
大地を守る会 虎谷健
2010年10月20日
三里塚の畑でおいも掘り!企画に行ってきました。
とらちゃんこと虎谷健です。
暑かった夏も終わり、食欲の秋!ですね。
秋は産地訪問会も目白押しで12月上旬までの週末は産地訪問やソーセージ教室でびっしり
でございます。
私の手帳を見た人は「この人、週末遊んでばかりだな!」と思いこむこと間違いなしでございます(笑)。
秋の産地企画のスタートはここ、三里塚でのさつまいも掘り交流会。
翌日も同じ千葉県の生産者、酒井久和さんの畑でのさつまいも収穫体験とさつまいも企画が
続きました。
三里塚微生物酵素の会の堀越さんのお宅。集合場所に使わせていただきました。
畑と家が隣接していて理想的。朝飯前に畑の見回りができますね!
早めに会場に到着した参加者の子どもさんがさっそくブロッコリーの世話を!
大地を守る会の会員さんの子どもはエライ!っと思ったら・・・。
ブロッコリーの苗についていたモンシロチョウの幼虫を取ってニワトリにあげていました。
ニワトリも嬉しそうに寄ってきます。
・・・確かにブロッコリーの苗にとってはうれしい事ですから立派な畑のお手伝いですね。
参加者の皆さんが集合したらさつまいも畑に移動です。
家族ごとにさつまいもの収穫開始!です。
一家族にコンテナ2つ割り当てです。「もうたくさん!」というほど掘ってくださいね。
一通りさつまいもの収獲を体験した後は千葉県の名産、落花生について堀越さんから説明
いただきました。
口で説明するだけでおさまらないのが超・行動派の堀越さん。
「オレが悪ガキのころ学校帰りに畑に忍び込んであそんだ遊びを紹介するよ!」と言うなり、
落花生を積んで火を付けはじめました!
・・・って子どものころからライター持って何してたんでしょ?
落花生の乾燥させた株は油を含んでいて良く燃えます。
みるみる白煙がもうもうとあがって...。
そうです、堀越少年は学校帰りに落花生の野焼きをして悪ガキ仲間と遊んでいたんですな。
こんな野焼きも最近は経験できません。
まだ煙がくすぶっている中から落花生を探して口に運びます。
野焼きですので焼き具合にどうしてもムラがでてしまいますが、この企画を始めて数年、最近では
丁度よい焼け具合の落花生が確実に増えてきています。
どうやら堀越さんはこの交流会を行う事で落花生の野焼きの腕もあげているようです。
こどもたちは口のまわりを炭で真っ黒にしながら落花生を楽しんでいました。
そのまま電車に乗って帰ったら車内で注目浴びること間違いなし、です。
畑近くではあけび取りも体験できました。
畑から戻って交流会。生産者の皆さんが作ってくれた豚汁を楽しみました。
豚汁にゆで落花生、焼き芋...みんな堀越さんたち三里塚微生物酵素の会の生産者の皆さんが
持ち寄ってくれた食材ばかりです。
この落花生は「ジャンボ落花生」。普通の物と比べると2~3倍の大きさです。
焼き芋は堀越さんのお父さんが籾がらを使ってゆっくりと焼いてくれました。
焼き芋、美味しかったです!
交流会の日の晩は成田市の花火大会がありました。生産者の皆さんに誘われて虎谷も参加!
この花火大会は成田市民有志が手作りで始めた花火大会です。
普通、花火大会というと夏に行う事が定番ですがなぜ10月なのでしょう?
それは花火大会の会場として貸してもらう田んぼの稲刈りが済んでから、という理由がありました。
出店もたくさん出ていましたが出店している皆さんは地域の方が多いそうです。
本当に手作りの花火大会なのですね!
年々規模も大きくなり、今年の花火打ち上げ数はなんと8,000発!
市民からのカンパも順調に集まったため、二尺玉を2発も打ちあげる事ができたそうです!
成田市民の皆さん、この花火大会を楽しみにしているんですね!
不景気、リストラ、パパのお小遣い減額!など暗い話題が多い今日この頃でございますが、
そのような暗い話を吹き飛ばすような明るいいい話でございます。
「成田市民はなかなかやるな!」と素直に感動させていただき、田んぼの中から打ち上がる
花火が輝いて見えました! ・・・って花火は元々輝くものでございました!
音楽に合わせて打ち上がる花火は大変に見事でございました。
大地を守る会 虎谷健
2010年10月14日
実りの秋です!神泉・畑の樂校に行ってきました。
とらちゃんこと虎谷健です。
いよいよ10月に入りました。食欲の秋ですね!
今年は猛暑の影響で果物が不作だったり、秋冬野菜の出荷に影響が出そうだったりと、
素直に実りの秋を喜べないのですが、それでも気候もよくなり、ほっと一安心ですね。
2週間に一度のお約束、埼玉県神川町にある畑の樂校の畑に出かけてきました!
畑に向かう途中の本庄市ではお米の収穫が始まっていました。
晴れた土曜日、家族や親戚が集まって稲刈りを行っていました。う~ん、実りの秋を実感!
神泉に到着すると何と、桜の花に迎えられました。
神泉の名物は「冬桜」。春と冬の2回花をつける珍しい桜です。
何でも他の地域に移植してもうまく花をつけないそうです。
10月の上旬なのにもう花をつけているんですね!毎年11月初め頃には「冬桜まつり」という催しが城峰公園という山の方で行われます。夜はライトアップされてきれいですよ。
陽が落ちて気温が下がって白い息を吐きながら桜を見ていると「もうすぐ春だなぁ~。」と、一瞬
錯覚に陥ります。 ※今年のライトアップ期間は11月1日~12月5日まで。16:30~19:00です。
畑の様子です。まだまだ夏のような日差しですが風がすずしく秋を感じます。
そろそろ大豆の実が膨らんで枝豆として食べても良い頃なのですが...。
何と、大豆の実が全く入っていませんでした!
花が咲いて実を付ける時期に今年は全く雨が降らなかったため、実を太らせることができなかった
ようです。
「花が咲いたら水をたっぷり与えること」という大豆栽培の常識を実行できなかったのではありますが、
ここまで実が入らないとは・・・。
他の鞘も調べてみましたがほぼ同じ状態でした。
残念ながらこれ以上待っても実が太る見込みはないため全部抜いてしまいました。
抜いた大豆は堆肥にして畑に戻します。山になった大豆に乗って遊ぶ子どもたち。落ちるなよ~。
この夏の猛暑&乾燥で大豆はお手上げでしたが乾燥の好きな長ネギは順調そのものです。
土よせをしてあげましたがちょっと土をかけ過ぎ...。葉の分岐部分は出してあげないといけません。
こちらも乾燥が大好きなゴマです。こちらも順調!
この日、収穫をして生産者さんの納屋に干させてもらいました。
乾燥して実がはじけるのを待って集めます。
ゴミと分けるのが大変なのですが、貴重な国産ゴマです。大切に食べよう!
前回定植したレタスの苗もうまく育っています。いもむし防止のネットも今回外しました。
虫に食べられるより早く成長してね!
ナスです。前回、木を弱らせないために根と茎をカットして木を休ませました。
また枝が伸び始めています。もうしばらくナスの収穫を楽しめそうです。
夏野菜の代表、モロヘイヤ。大きくなり過ぎて茎が支えきれなくなっています。
葉の色がさえません。そろそろ元気がなくなってきたようです。
こちらは蒔き直しをした人参です。
9月中旬から雨がそこそこ降っているので発芽はうまく行ったようです。
なかなか人参はうまく育ってくれていないので「今回こそ!」と期待がかかります。
こまめに間引きしてあげなくてはいけませんな。
大根の発芽もうまくいったようです。
こちらも間引き菜を楽しみながら大きく育てたいです。
ちなみに大根の間引き菜は食べるととても美味しいのですが、収穫して数時間でしなびてしまう
のでお店に並ぶことは皆無です。畑で作業をした人だけが楽しめる美味しさですね。
白菜の苗を定植しました。畑は秋冬野菜の様相にどんどん変わっていきます。
さつまいもの試し掘りをしてみました。
結構大きく育っていたのでイノシシの被害を受ける前に一部を収穫することにしました!
さつまいもの収穫の様子です。
大豆がなくなりさつまいもも収穫したので畑全体がすっきりしてきました。様相が一気に変わりました。
これからの季節は雑草取りや虫の害からも解放され、収穫物が増え、畑に来る事が楽しくなる時期です。
5月下旬頃から4ヶ月間ずっと草取りや暑さに耐えてきたご褒美ですね。
どんどん秋が深まり寒さも厳しくなってきますが畑の作物はまだまだ成長を続けます。
その様子をご報告してゆきますのでお楽しみに!
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年10月 6日
「神泉・畑の樂校」に行ってきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
9月11日に銀座三越に大地を守る会のお店が開店し、そのお手伝いに行っていたため
ブログの更新が遅れてしまいました。
銀座三越の地下2階に大地を守る会の食材で作ったお惣菜が買えるお店が、
地下3階に青果物や加工品などが買えるお店がオープンしました。
銀ブラの際にはぜひお立ち寄りください!
平日雨の夕方の三越デパート外観です。こんな天気なのに人通りが絶えません!
9階には芝生があるフリースペースがあり、天気の良い日は食品フロアで買ったお弁当を食べる
家族連れや奥さま方でいっぱい!皆さん楽しそうです。
・・・考えるにデパートとは女性の方々の ディズニー●ンドですな!
賑やかな銀座を離れて神泉の畑にやってきました!ほっとしますね!やはり土の上はいいです。
足の裏が痛くなりません。
9月半ばの畑の様子です。
1週間前にようやくひと月ぶりに雨が降りましたが、まだまだ暑さが続いていました!
手前の大豆もだいぶ大きくなりましたが、花が咲き終わって実を太らせる時期に雨が全く降ら
なかったために実の入りが心配です。他の作物の様子はどうでしょうか?
暑さに強いモロヘイヤです。こんなに大きくなるとは知りませんでした!幹などまるで灌木のようです。
今年の猛烈な暑さはエジプト生まれのモロヘイヤには良い天気だったのでしょう。
さつまいももぐんぐんツルを伸ばしています。
ツルが伸びる範囲を想定して畑を空けておいたのですがほぼぴったり!
来月にはさつまいもの収穫ができそうですが、ここ神川でもイノシシの出没が増えていて
「おいしいいもからやられてしまう。」とか。
イノシシの被害を受けずに収穫できればうれしいのですが、それって「お宅の畑のいもはまずいから、
いいや」という烙印をイノシシに押された事になってしまいます(笑)。
収穫を素直に喜んで良いのでしょうか...。
ゴマです。日照りに強いゴマも 調子良く育ちました。
来月には茎ごと収穫して逆さにして乾燥させて実がはじけるのを待ちます。
落花生です。こちらも10月に入ったら収穫です。いい感じです。
秋冬の野菜作りも始まりました。これは種を苗床で育てて今回定植したキャベツです。
モンシロチョウに卵を産みつけられないようにネットを張りました。
レタスです。
レタスは種を蒔く前に「休眠打破」といって一度冷蔵庫に入れてから播種すると、「うん、もう春
かな?」と目を覚まして芽を出します。休眠打破がうまくいってたくさんの苗が手に入りました。
大地を守る会が児童労働か!
いえいえ、子どもたちもお手伝いをしてくれています。
親の様子を見て今何が必要かを考えて手伝ってくれます。みんなえらいぞ!
定植した苗に水やりです。おおきくな~れ。
・・・って、お手伝いしてえらいぞ!っと誉めているさきからいたずらしてますな。
「落とし穴を作ろうと思っていたんだけど石を隠しているんだ。」とのこと。
いろんな遊びを思いつきますね。
レタス、キャベツの定植の他に大根やかぶの種を蒔きました。
来月10月はいよいよ収穫の秋に突入です!落花生やゴマ、さつまいも...と収穫物も増えてきます。
夏の暑さも過ぎて心地の良い季節の始まりです!
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年9月14日
古着のゆくえを追いかけて パキスタン編 その2
とよまること豊島です。
2005年10月8日午前8時50分ごろ、パキスタンの首都イスラマバードの北北東約90Kmを震源とする
マグニチュード8近くの地震が発生しました。
震源地から100Km以内でも激しい揺れが襲ったとみられ、最終的な今回の地震による死者は8万人
を超えたといわれています。
大地を守る会は、会員の皆さんに呼びかけて支援を要請、その結果700万円近くが集まりました。
その後、天候や治安の問題から大地を守る会としては直接現地確認ができていませんでしたが、今
回関係者の皆さんの協力を得て実現しました。
山あいのケートサラーシ村よりバラコート市を望む。一帯が地震被災地。5年前の朝、職場や学校で
被害にあった人たちが多数いました。
山肌は、崩れたままのところも多く、埋もれてしまった人々がそのままになったところも多いそうです。
学校では、多くの子どもたちがコンクリートの校舎に押しつぶされてしまいました。
いまだに遺骨が発見されることがあります。
バラコート市内の建物。復興は進んでいましたが、このように放棄された建物もあります。
建物の中は被災時のまま。
3つめのアルカイール・アカデミー、バラコート校。ケートサラーシ村にあります。
地震直後に始めた青空学校は、斜面に建てられた小さな校舎になっていました。
これも皆さんの支援金によるものです。
カラチから同行してくれたムザヒル校長先生が、特別授業として教壇に立ちました。
ここでは、2歳から5歳までの子どもたちのためにモンテッソーリ教育を基本に教えています。
6歳以上の子どもたちは、近隣の公立の学校に通いますが、学校の先生が「不登校」するという問題
があります。
今学校で学んでいる子どもたちは、地震の後に生まれた新しい世代。
ムザヒル校長先生は、今後も学校は続けていきたいと考えています。支援金はまだ残っているとの
ことですが、長期的な戦略が必要な時期でもあります。
こどもたちが持っている板はノートの代わり。その日の授業で大切なところを書き写していました。
家に戻ってからノートに清書するそうです。
カラチ市へ戻ります。ここは古着業者があつまるハジケンプといわれる地域。
世界中から古着が集まる町です。
NPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)のスタッフであり、古着のお店Kapre(千葉
県柏市)の店長でもある田辺航太郎さん。古着を売ると同時に買い付けも行っています。
世界中から集まる古着の中から、日本で売れるものを買い付けます。Kapreで販売し自らの活動資
金としています。
とよまるもお手伝いさせていただきました。
左がアルカイール・アカデミーの事業部のアマダリ君、左が田辺さん、中央がとよまる。
革ジャケットの山によじ登って一品ずつ選んでいます。室内温度は軽く40度を超えるので、
塩を舐め水を飲みながらの作業です。
さらに場所は変わって千葉県柏市柏駅前の古着店Kapreです。
Kapre店内。試験的な輸入販売を経て、2007年に開店。おしゃれなお店です。
価格は安めの設定なので一度はのぞいてみる価値ありです。
店内には、JFSAの活動を紹介するコーナーもありました。普通の古着屋さんとは異なるところ。
田辺さんが持つのは今回カラチ市で発見した一品。大戦中のフライトジャケットです。
70年も前のジャケットがどのような経緯を経てカラチにたどりついたのか。
まさに古着は世界を回るなあと実感します。
皆さんの出した古着も世界のどこかで誰かが大切にしていることでしょう。
大地を守る会 国際局 豊島 洋
2010年9月13日
夏野菜たっぷりのフランス料理を楽しんできました!
とらちゃんこと虎谷健です。
今年の夏は暑かったですね!
9月半ばになってようやく猛暑も落ち着いてきましたが、夏の疲れはでていませんか?
「秋バテ」という言葉もあるそうです。暑さが去っても安心されませぬよう。
体調管理に気をつけて過ごしましょう。
体のバテ防止にはやはりよく眠ることとしっかり食事を食べる事が大事ですね。
銀座和光レストランの総料理長・鈴木康太郎さんにお願いして「野菜たっぷりのフランス料理
ランチ会」を開催しました。
「夏の暑さで疲れた体のリフレッシュを兼ねて、食事を楽しむだけに作られた空間で、
プロの料理を楽しみましょう!」というテーマを掲げました。
今回鈴木シェフにお願いした料理の条件は以下の通りです!
・大地を守る会の夏野菜をたっぷり使った、野菜が主役のフランス料理を食べたい。
・「どうやって食べたら良いか判らない。」というご質問をいただく新顔の夏野菜(おかひじき・
とうがん・みょうがなど)を積極的に使っていただきたい。
・普段の料理では使わないような新鮮な調理方法で楽しませていただきたい。
・とにかく美味しい食事を楽しみたい!!
今回も生産者の名前入りのメニューを作って頂きました。
約30種類の大地を守る会の食材が使われています。
さあ、どんな料理で楽しませていただけるのでしょうか!
まずはおかひじきのオードブルです。
白身魚のすり身に少しぴりっと辛みのきいたソースが添えられています。
すり身のほんのりした甘味とソースのピリ辛が食欲を目覚めさせてくれます。
続いて色鮮やかなサラダです。「大和芋と海の幸のサラダ 夏野菜ソース」です。
すりおろした大和芋をお皿に敷いてその上に海の幸が載っています。
赤いソースはクッキングトマトを主に使っています。オクラや長いも、リーフレタスなどのサラダです。
オクラや大和芋、長いも、モロヘイヤなどに含まれるヌルヌル成分はヌチンと呼ばれ、タンパク質の
消化を促進する働きがあるので暑さで弱った胃に最適。
ヌチンたっぷりのサラダをいただき、がっつりお肉を食べる準備は整いました!
続いて「アナゴと夏野菜のリゾット」です。
青じその天ぷらに揚げたアナゴにかば焼きのたれ。「あれ、和食?」と思ったのですが、口に
ふくむとほのかに洋風風味が重なっています。
和食気分で口に運んだのに洋風の味わい。いきなりの不意打ちです。
アナゴの下からは枝豆、とうもろこし、冬瓜のリゾットがあらわれました。
ソースをつけて食べると味わいが広がります。
参加者の皆さんの様子です。楽しいはずの食事会なのに弾んだ会話や笑い声が聞こえてきません。
「どんな調理をしているんだろう...。」と、みなさん、熱心に味を確かめられている様子です。
メニューには、料理の順番通りに使用されている野菜の生産者リストが載っているので、
リストを見ながら素材の使われ方を想像したりおしゃべりしたりするのも楽しみの一つです。
農産担当だった頃に担当していた農家さんや、産地交流会でお世話になっている生産者名も
ちらほらと見受けられ、「う~む、あの豪快オヤジの作ったものがこんなに繊細な味になるんだ...。」
と感慨にふけってしまいました。
あまり感慨にふけっていると写真を撮り忘れたり料理の感想を忘れてブログ報告に差しさわりが
出てしまうので要注意です。
「すみません、写真撮り忘れたのでもう一回作ってくれません?」ともお願いできません。
美味しい料理に集中しきれずに味わう事は意外とつらい事でございます。
いよいよ本日のメイン料理が登場です。
「山形村短角牛のローストと夏野菜の白ワイン煮」でございます。
お肉の下には様々な野菜です。
きのこ、ピーマン、ごぼう、みょうが、ズッキーニ、セロリに大根、アスパラ、玉ねぎ、にんにく。
これら固さが違う野菜を一度に調理すると軟らか過ぎたり、火が通っていなかったり...美味しく
食べる事ができないので、あらかじめそれぞれ別々に調理してから最後に合わせ、もう一手間
かけるのだそうです。大変な手間ですね!
お肉とそれぞれの野菜からにじみ出る汁が渾然一体となり、スープがこれまたたいへんに美味しい!
パンに付けて一滴残らずいただきました!
夏野菜を堪能させていただきました!
料理を堪能し終わっていよいよデザートです。「巨峰のジュレ」です。
巨峰の味を邪魔せず、それでいてミントの香りがしっかり際立っています。
寒天のふるふるした食感が舌にひろがり気持ちいい!
寒天がまだ熱いうちにミントの束を入れて香り付けをしながら冷やすのだそうです。
ふるふるした食感を保つには2度冷やすことは厳禁だそうです。料理を出すタイミングは1回勝負ですね!
「あっ!準備が早すぎた!」と思ってもう一度冷やしてしまうと、寒天が固まってしまって
ふるふる感がなくなってしまうのだそうです。
「ニンジンとショコラのムース」です。
「砂糖などは使っていないですよ。人参の自然な甘さだけです。」という鈴木シェフの説明に
「さすが大地を守る会の生産者の人参は違うな!」と悦に入っていたのですが、さらに説明を
聞くとびっくり!
収穫して間もない人参は新鮮なあまみとおいしさはあるのですがそれは若いおいしさ。
その人参を冷蔵庫で1か月ほど寝かせておくと落ち着いた甘味になって、その甘味がデザートに
ぴったりになるそうです。
このランチ会のデザートのために1か月前から準備に取り掛かっていただいていたとは・・・。
生産者が作る良い食材と深い経験を持った料理人の技術が合わさって、さらに美味しい料理が
誕生するのですね!
長年、大地を守る会の会員を続けていただいている鈴木シェフは、大地を守る会の生産者さんの
作物の特徴をよくとらえてくださっています。私たちの強い味方です。
今回も堪能させていただきました!
デザートの時間に挨拶に来てテーブルをまわってくださいました。
今回も無理なお願いをしたにも関わらず見事な料理をありがとうございました。
次回もさらにわがままなお願いをして堪能させていただきましょう!(笑)
次回は来年年明けに冬野菜をテーマに食事会をお願いする予定です。
忘年会や新年会で弱った胃腸にやさしくて、風邪などに負けない体力をつけられるような、
野菜をたっぷりとれる料理などをお願いしたいと考えております。お楽しみに!
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年9月10日
古着のゆくえを追いかけて パキスタン編
とよまること豊島です。
6月に千葉県千葉市のNPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)を出発した
古着コンテナは、7月初旬パキスタンのカラチ港に到着しました。
今回は現地からの報告です。
(7月中旬、パキスタンで大雨が降る前に現地を訪問しました。)
まずは、カラチ市の北にあるアルカイール・アカデミー本校。
現在2,000人の生徒が学んでいますが、御覧の通り校舎を改築中です。
鉄筋が十分に入っていなかったので、地震がきたら危ないということで鉄筋を入れて建て直していました。
古着を販売した売り上げは、学校の運営資金になっています。
どこでも子どもたちは、元気いっぱい!ホッとする瞬間です。
本校は人数が多いので午前と午後で2シフト制です。
学費は無料。昼食が必要な子どもたちには無料で出しています。
学校に行きたいけど、「教育など必要ない」と親に反対される子どもたち。
幼い兄弟姉妹のめんどうを見ながら、仕事をしなければならない子どもたち。
学びたいけど学べない、そんな世界を変えたい。
ムザヒル校長先生が数人の子どもと始めた学校は大きく成長しました。
こちらは、カラチ市の中心からさらにはずれにあるゴミ捨て場カチラクンディ。
両側の建物はアルカイール・アカデミーの校舎です。
ここにカラチ市のゴミが次々と運び込まれ、火が放たれます。
そこに住む人々は金属屑などを集めて、それを売り生計を立てています。
ダイオキシンレベルは相当なものだと思います。歩くだけで目とのどがつらくなります。
目に障害を持つ人々が多いのも空気が汚染されているため。
運び込まれるゴミ。
生ゴミ、注射針や期限切れの血液などの医療ゴミ、粗大ゴミ、産業ゴミなど、なんでもミックス
されています。
人々には自分たちの領域があるので、運転手にお金を払って自分たちところにゴミを捨てて
もらうそうです。宝の山です。
牛やヤギなどの家畜も放たれているのが驚き。
ここが、その宝を買い取るところ。ゴミ捨て場の脇にあります。住民の貴重な収入源です。
学校では授業中でした。
本校に較べて衛生状態が悪いにも関わらず、きちんとした格好です。
そしてなにより授業を受ける態度が真剣です。これも驚き。ここに学級崩壊はありません。
2年前に訪問したときは、誰もがハエだらけでしたが、今回は風向きのせいで少なめ。
ハエが耳に何匹も入り込んで炎症を起こす子どもも多いそうです。
過酷な生活でも学びたいという気持ちが伝わってきました。
JFSAのスタッフ西村さん。義理人情の鉄人であり私の師匠です。
1年の半分はカラチに住み、アルカイール・アカデミーの活動に協力しています。
JFSAの活動は、現地との深いつながりが基本となっています。
パキスタンは人と人とのつながりがとても深く、またつながりを非常に大切にする国です。
7月12日、いよいよコンテナが届きました。
ここはカラチ市内、古着業者が集まるハジケンプという町。
コンテナそのものは千葉を出発した時と変わりません。
業者の方々とアルカイール・ビジネス事業部のスタッフが荷降ろしをします。
コンテナは税関で開けられていたので、盗まれていないかチェックします。
JFSAのスタッフが丁寧にまとめた50キロの古着のロールは検査のために開けられていました。
今回は幸運にも盗まれたものはなかったようでホッとしました。
税関検査の時に盗まれていることも多いのだそうです。
ここからは番外編。
カラチでは庶民の足として日本の古い車がタクシーとして活躍しています。
カローラが多いようですが、みな黒と黄の配色です。
ロバはいたるところで活躍しています。
大きな荷物を運ぶ時は涙を流しているように見えて胸が痛みます。
かわいいけどペットとは違うのだと実感。
カラチ市ではムザヒル校長先生の家に泊まりました。
食事はカレーとナン、チャパティのパターンが多いのですが、このときはパスタ。どれも美味です。
近所の人なども集まり賑やかな食事です。
皆イスラム教徒なのでアルコールは一切ありません。
気温は40℃を超えることもあるのでたくさん食べて体力をつけます。
私が去ったあとすぐにラマダン(断食)が始まりましたが、体験してみたかった。
右端が私、とよまるです。
今回はカラチの報告でした。
2005年の北部地震被災地も訪問しましたので、その報告は追って。
大地を守る会 国際局 豊島 洋
2010年9月 9日
鹿、いのしし対策 長野県の取り組みを見てきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
今年の夏は暑い!そして、9月に入りましたが、まだ暑い日が続きそうですね。
虎谷は、今年の夏休みは猛暑の東京から逃げるように、長野県の高原に行ってきました。
長野県では有害鳥獣駆除をした鹿やいのししの食材活用が盛んでしたのでちょっとご報告を!
まずは諏訪大社にお参りしてきました。ここでしか手に入らないお札が目的です。
狩りをするものは、猟師や武士、時代の将軍までが唱えた「諏訪の勘文」という、
慈悲と殺生の両立を説くお札「鹿食免」をいただいてきました。
このお札は、殺生は罪悪として狩猟を忌み嫌う時代にも、生きるために狩猟をし鹿肉を食べる事を
許しました。
諏訪地域の人々は諏訪大社から鹿食免を授かり狩猟を続けることで、長く厳しい冬を乗り越えたのですね。
明治時代まで発行されていましたが、食の近代化が進み狩猟が生活の糧とならなくなって
きたために発行が途絶えたとのこと。
しかし、食にまつわる問題が顕著になってきている現代、今の豊かな時代に感謝し
安全な食生活を送れることを祈念して、諏訪大社は今日、再び鹿食免の頒布を始めた
とのことでした。
鹿食免のお札を頂きました。さあ、がしがし鹿を食べよう!(笑)
今回の目的の一つ霧ケ峰高原の奥にある八島湿原。
八島湿原は日本南限の高層湿原で天然記念物にも指定されている貴重な湿原です。
「これほど見事な高層湿原は世界でもベルギーに一か所あるだけ。」と、世界の湿原研究者から
高い評価を受けている湿原です。
12,000年前に火山活動でできた溶岩のくぼみが池になり、土砂が流入して水生植物が繁茂し、
冬に枯れた植物が冷涼な気候のために腐らずそのまま堆積し、その上にさらに水生植物が
育って枯れて・・・を、気が遠くなるほど繰り返して今の形になったものだそうです。
ぐるっと回っても1時間半ぐらいで歩けるので小さな子どもさんを連れても安心です。
それにしても広くて開放感いっぱいです!
そんな開放感いっぱいの湿原の縁に無粋な柵が張り巡らされております。
これはなんでしょう?
なんと、鹿の侵入を防ぐ鹿防護柵が湿原一面に張り巡らされているのでした。
ここ長野県でも、増殖している鹿による植生被害を防止するために、柵の設置や猟銃による駆除
などが行われていました。
八島湿原のほとりにある山小屋のご主人は鳥類の観察・調査も続けているナチュラリスト。
話が鹿の食害の話に及び、「鹿食免」の話になると「実は私もお札持っているんですよ。」とにっこり。
自然に関心のある方は、鹿の食害問題は避けられない状況に来ている事を実感しているようです。
積極的に鹿を食べて頭数調整に関わろう、という機運が伺えます。
長野県では駆除のみならず捕獲した鹿の利用にも力を入れています。
今回の旅行でははからずも鹿料理食べ歩きの旅となってしまいました!
観光地で「ジビエ祭り」と称して鹿肉を味わってもらう企画が展開されていました。
ドライブインの入口にもありました!鹿食免。
以下、今回出会った鹿料理をご紹介です!
車山高原のドライブインにあったメニューのご紹介。
鹿肉の天ぷらです。
カレー丼です。カレーにすると鹿肉のクセが消えて食べやすくなるようです。
せっかくの鹿肉の風味が消えてしまって残念ですが、鹿肉入門には良い料理かもしれません。
カレーつけうどんです。
こちらは諏訪のレストランで見つけた鹿料理です。
「てっぽう揚げ」と書いてありましたが龍田揚げですね。
ドレッシングをかけてサラダと一緒にいただきました。美味しかったです。
鹿肉のステーキです。赤ワインのソースが相性ピッタリ。
モミジが載っているのは鹿肉を「もみじ肉」と呼んだ呼び名にかけてみたのでしょうか。
次の写真はちょっとワイルドなのでご注意を!
こちらは原村にあるレストラン。
屋根から下がっているのは鹿、いのししのハムです。ヨーロッパの市場でよく見る風景ですね。
・・・よく見るとひずめが付いたままの足が丸ごと干してあります!
オーナーさんはなかなかワイルドな方のようでございます。
ハムを注文すると丸ごと席まで持ってきてくれて目の前で削いでくれました。
「何がいい?」とヒゲ面の大男のオーナーさんが聞いてくれたので、
「シカとイノシシをちょっと多めに。豚は少しで。」とちょっとツウぶって注文してみました。
目の前で見る毛とひづめ付きのハムは迫力あります!
「鹿やいのししの肉に関心があるんですよ~。」などと話しかけると、ハムを切りながら「原村も
温暖化の影響かハムも作りづらくなってねぇ~。」とのこと。
ワイルドなハムですが、お皿も盛られるとこんなにお上品でございます。
鹿肉のハムは豚に比べて肉の味が強いので薄切りにして丁度よいくらいです。
チーズとあいそうなのでピザにのせても美味しいかもしれません。
高原の涼しい風に吹かれながら赤ワインと一緒に楽しみました。
ちょっとけだるい昼下がりのひとときでございました。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年8月31日
夏休みに親子で水の授業を開催しました。
ユージこと大北雄二です。
夏といえば、水の使用量が急増する時期。
同時に水道料金に頭を悩ませ、水の大切さを感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな夏休みの始めの7月29日(木)に、
水のスマートユース(水のスマートな使い方)を、親子で学べる水の授業を開催しました。
参加者のみなさんには6人1組の席に分かれた座ってもらいました。
テーブルごとに「土」、「海」、「川」、「山」と言ったテーブル名が。
そして、サイコロやビーズが置いてあります。
さてどんな授業が始まるのでしょうか?
水の授業の先生は、水ジャーナリストの橋本淳司さん。
日本のみならず、世界各地の水問題を取材し、水をテーマに執筆活動をされています。
同時に、大学、高校、小中学校などで、水の大切さを伝える「水の授業」を行なっています。
今日は、子ども向けの授業が得意な橋本さんならではの、
ユーモアあふれるワークショップ形式の授業が展開されました。
このワークショップでは、3つのことを学びます。
1つめは「水の循環とは何か」
2つめは「水の循環を変える要素は何か」
3つめは「水の循環を正常に保つ要素は何か」です。
上の図は、水の循環図です。
水は、海から空へ、空から山へ、山から川に流れて、また海へ、という流れを
繰り返しています。
私たちが使っている水道の水はどこからやってきたのでしょうか。
そして風呂場や洗面所、台所で使った水はどこに流れていったのでしょうか。
ちなみに、橋本先生がある大学で授業をした時に、
「僕の家は蛇口から水が出るので、川が汚れても大丈夫です。」
と真面目に答えた大学生がいたという、笑うに笑えないエピソードから
この授業を思いついたそうです。
まずは、この水の循環をゲーム感覚でイメージしてもらいました。
用意したのは、まずサイコロ。
サイコロの面には、テーブル名と同じ
「海」・「川」・「山」・「雲」・「地下水」・「動物」などと書かれています。
そして、ビーズとひも。
サイコロを振って、出た名前の席に移動。その席のビーズをひもに通す。
これを何回か繰り返します。
そしてそれぞれが出た目から水の循環を考えます。
例えば、「山」→「動物」→「川」→「海」と出たら、水はどんな動きがあるのか、
水の気持ちになって考えます。
「山の水を動物が飲んで、おしっこが川に流れて、川から海に流れました。」
子どもたちも一生懸命考えながら、自分なりの答えを出します。
参加した子どもたちの環境意識の高さに驚かされました。
水の循環を理解したところで、次のステップへ。
テーブルには水の循環図が描かれた、A2の模造紙が置かれます。
テーブルリーダーが書記となって、
・水の循環に人間がもたらす影響とは何か
その次に
・それらの影響を解決する方法は何か
大人も子供も真剣に話し合って書いていきます。
そしてそれぞれのテーブルで特徴的だった意見を発表します。
ひと口に水の循環図と言っても、私たちは生活の多様な場面で
直接的・間接的に水を使っています。
ですから、それぞれのテーブルの書き方、意見もそれぞれ違ってきます。
そんな多種多様な意見を全員で共有するのが、橋本先生のねらいなのでした。
「生活排水を減らすために、食器は汚れをふきとってから洗おう。」、「夏の冷房を減らそう。」
という意見を出す班から、
「ダムをやめよう。原発もやめたら冷却水を使わなくてすむ。」との意見まで、
本当に多種多様。
「農業用水で環境を汚さないために、農薬の軽減や、牛や豚のの糞尿を肥料にするなど
循環型農業をめざそう。」という意見もあがっていました。
橋本先生からは、水のスマートユースを実践するための考え方を話していただきました。
1.使う水の量を減らす
・・・節水型トイレ、節水型農業、食べ残しを減らす。
2.いままで使っていなかった水を使う
・・・雨水を、農業や生活用水に活用。
3.水をあまり汚さない
・・・お皿の汚れはふき取ってから洗う、食べ残しを減らす。
4.水循環への介在を減らす
・・・水源の森を守る、透水性舗装の道路を増やす。
この4つの考え方から今すぐにでも家庭で実践できることはたくさんあるでしょう。
ちなみに我が家では子どものビニールプールで使った水をトイレの流し水に使っています。
最後に、授業のまとめとして、
「水と食べ物とエネルギーは一緒に考える必要があります。」と
橋本先生は話しました。
この3つのバランスがみだれると水循環がくずれるそうです。
食べ物を作るためにはたくさんの水とそれを運ぶためのエネルギーが必要です。
きれいな水を作るためには下水処理などでエネルギーが必要です。
また、高エネルギーは地球温暖化をもたらし、水循環に大きな影響をもたらします。
安全な水を次世代に残すためには、エネルギーの少ない方法を選択することが、
水の循環を守ることにつながるのです。
環境問題は知るだけでなく、日々の生活の中で実践してこそ。
楽しく学んだことを活かして、日々の暮らしにどう役立てるかは参加者ひとりひとりへの
夏休みの宿題となりました。
大地を守る会 交流局 大北雄二
2010年8月26日
神泉・畑の樂校に行ってきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
お盆も過ぎてもまだ残暑が続いておりますが、皆さまどんな夏休みを過ごされましたでしょうか?
お盆の帰省ラッシュの真っただ中でも畑はやる事がいっぱいです!
8/15に「神泉・畑の樂校」の畑の管理に出かけてきました。
8月半ば過ぎの畑の様子です。
手前の大豆が大きく育ち、いつもの場所から写真をとっても全体が見えなくなるほど育っています。
花が散って鞘ができています。
まだ豆は育っていません。まだすかすかのぺったんこです。
さつまいもです。前回、草に埋もれかけていましたが、さつまいもの方が勢力を増しています!
このまま草に負けずに頑張ってくれ!(...というより負けないでください。)
モロヘイヤです。こちらは今が旬とぐんぐん成長しています。
モロヘイヤは葉だけをちぎって食べるのが普通、と思っていたのですが、農家さんから「茎も手で
折れるくらい柔らかい部分は一緒に食べれるよ。」と教えてもらいました。
出荷の時は手で折って収穫しているので、袋に入っている茎はそのまま食べれるということです。
皆さんも茎も一緒に召し上がってみてください。
左手はゴマです。花も咲いてきました。ピンク色のかわいい花です。
ゴマの隣に黒いビニルシートが張ってあります。
これは種を植える前に黒いビニルで太陽の熱を集め、地中にある雑草の種や虫などを熱で殺して
しまうためです。2週間ほどしてビニルを外してから種を植えます。
除草剤や殺虫剤を使わない栽培で使われる方法で、完全に駆除することはできませんが、苗が
雑草に負けてしまうことをある程度防ぐことができます。
この方法を使うにはこの一番暑い時期にビニルをかける必要がありますので、その作業も結構
大変です。この場所は白菜やキャベツなどを定植することを考えています。
ゴマの花はこんな感じです。かわいい花ですね。
ちなみに、ゴマの茎はきちっと正方形を していて、初めて見た時はちょっと感動しました。
自然界で四角いものってあまり見ません・・・。
ナスです。こちらも今が盛り!と鈴なりに実をつけています。
あまり頑張って実をつけてしまうと秋になって株が弱ってしまうので、ちょっと勢いを止めて
やらなくてはなりません。その方が長い期間、収穫を楽しめます。
実を取った後、枝をカットして、スコップでザクザクッと拡がった根っこを切ってやりました。
こうすると一時的に勢いは弱まりますが、しばらくするとまた実が付くようになります。
長ネギも順調です!草取りと土よせも行いました。
まだ残暑厳しい夏の真っ盛りですが、秋冬の作物の準備も始まりました。
人参の種まきです。おーい、皆さんおしゃべりに熱中していると、どこに種蒔いたか判らなく
なっちゃいますよ!(笑)
人参はセリ科で水が好き。播種してしばらくは水やりが必要です。
この作業は申し訳ありませんが地元のヤマキさんにお願いしてしまいました!
こちらはレタスの種をまいています。
レタスは種を直接畑に落とすのではなく、一度水に浸して冷蔵庫に入れて寒さにあててやります。
こうすると「あれ、寒さが過ぎて暖かくなった!芽、ださなきゃ!」と思うのか、一晩で根が動き出します。
「休眠打破」というそうです。
暑い中、一粒ずつ種を蒔く地道な作業をして頂きました。
芽を出してもまだ暑いですから虫たちがまわりにウヨウヨしています。
この時期厄介なのが成虫になりきっていないコオロギです。成虫は肉食ですが、幼虫の間は雑食で
新芽を食べてしまいます。芽を食われないようにネットで防ぎます。
この場所は、太陽熱で雑草の種と虫を殺す黒いビニル張りを2週間以上していた場所です。
栽培は数週間先を見越して作業を行わないと間に合わないことも多いので気を使います。
左隣は落花生です。こちらもだいぶ大きくなりました。もう、草に負ける心配はありませんね!
今日も皆さん、半日作業お疲れ様でした!
草とりも行い、秋冬野菜の播種も終わって一息ついた畑の樂校の畑です。
次回の作業は9月。いよいよ「収穫の秋」・「食欲の秋」にむかってまっしぐらでございます。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年8月23日
鹿、いのししの増加への対策。生産者の取り組みを見てきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
鹿やいのししに畑を荒らされて困る、というお話を農家の方によく聞きますが、実際にどのような
場所に出没しているのか、どのような対策をしているのかを見せてもらいに出かけてきました。
訪ねたのは群馬県甘楽町の農家さんで、農業被害対策に罠を仕掛けて鹿やいのししを捕獲して
いる方です。
5月に行なった「キウイフルーツの花摘みお手伝い&フランス料理で畑丸ごとクッキング!」企画では
地元食材の一つとして鹿肉といのしし肉を提供していただきました。
通常、狩猟期は11月15日から翌年2月15日までですが、農業被害の大きな地域では町の許可を
受けた狩猟免許所持者が「有害鳥獣駆除」として畑周辺に限り狩猟期以外でも捕獲ができます。
罠設置場所は人里離れた山奥かと想像していましたが、意外と人気の多い貯水池の近くでした。
白鳥のボートも浮かんでいます。この山の裏側に集落がありそこの畑が食害にあっているようです。
白鳥ボートの浮かぶ貯水池に続く道。この道を横断して獣たちは山と畑を行き来しているそうです。
畑のすぐ脇まで山が迫り、耕作放棄地も点々と広がっていました。このような畑に身を隠しながら
里山に近ずき、日没後に畑に現われて食害を引き起こしているようです。
畑の作物を覚えた動物は里山から離れず食害を繰り返すそうです。
山で餌を探すよりまとまって食物が得られますし、山で得られる餌よりはるかにおいしい作物の味を
覚えたらこの場所を離れがたい事は容易に想像できます。
畑に点々と残る足跡。
鹿、いのしし、ハクビシンにタヌキ、テン。・・・時にはクマの足跡も見つかるそうです。
足跡の土の崩れ具合によって新しい足跡かそうではないかを判断し、罠を仕掛けるか否かを判断します。
畑の隣に広がる耕作放棄されてしまった畑。悲しいかな、生産地でごくふつうに見られる風景です。
「ここは畑です」と言われないと気がつかないまでに草に覆われており、その先は山に連なっている
ので獣が容易に侵入できそうです。
これではいくら良い作物を作っても片っぱしから獣に食べられてしまうことでしょう。
電気柵などで畑を囲むしか作物を守る方法はなさそうです。
このような風景を見ていると、農業は一部の人が頑張っていても成り立たず、地域が元気でないと
立ち行かない仕事であることを痛感してしまいます。
畑だけでなく水田でも上流の耕作条件が悪い田んぼが放棄されてしまえば雑草の種などが流れて
下流の水田で雑草がはびこってしまう事が想像できます。勢い、除草剤などに頼らざるを得ません。
水田は水路の整備、清掃などで畑以上に地域の力が必要そうです。
畑の脇に「くくり罠」が仕掛けれていますが見えません!
鋼鉄製のワイヤーで輪を作っており、獲物が足を置くとバネが外れてワイヤーが足を締めつけ、
捕獲します。
捕獲対象の獣は鹿といのしし。間違ってクマなどがかからないように輪の直径の大きさは厳密に
決められています。
もし、万が一、クマがかかってしまった場合、町に連絡すると獣医さんが来て麻酔をかけ、奥山に
放獣するそうです。
罠設置場所近くには警告文が設置されます。
皆さんも山でこのような看板を見かけたら近寄るのはやめましょう!地元の猟師仲間でさえ
仲間の仕掛けた罠の場所が判らない場合は近寄らないそうです。
設置場所はだいたい地元の方しか訪れない場所に設置することが多いそうですが、要注意なのが
夏のこの時期。
クワガタ虫などを探して町の人が「まさか!」と思う様な場所まで足を踏み入れることがあるそうです。
間違って罠にかかってしまえば怪我をすることは必至ですが、罠に獲物がかかっていた場合、
興奮した動物に襲われてしまうこともあります!
鹿は足の蹴る力がものすごく強く、大人でも大けがするほど。
いのししは逃げ場がないと判ると人の足の間に突進し、股に牙を突き上げるそうです。
人間の足の付け根には大きな血管がはしっているので、そこを突き上げられたら失血して死んで
しまいます。
「いのししはクマより怖い。日本で一番の猛獣」と表現する猟師さんもいるほどです。
こちらは竹林に残るけもの道です。
「ここだよ。」と指さしてもらわないと判りませんでしたが、確かに獣一頭分の幅で道が続いています。
猟師さん達は傾斜や木のはえ具合を見て、どこに足をつくか想像し罠をしかけます。
罠をかける場所が決まりました。
輪っかの下が落とし穴になって、獲物が足を置いて体重がかかると輪が締まり獲物を固定します。
ワイヤーの端は木に固定されており、ワイヤーが締まって遊びができた範囲でしか動けなくなります。
ただ、かかった獲物が暴れて宙ぶらりんになってしまうような不安定な場所には仕掛けません。
かかった後の回収も考慮にいれて罠の場所を決めます。
土や枯れ葉をかぶせて設置完了です。
以前の獣は、人に気配を察知されないように遠回りをして罠を仕掛ける場所に接近したりした
そうですが、今の獣たちは人慣れしているのか人の臭いをあまり気にしないそうです。
それよりも嗅ぎ慣れている土の臭いに違和感があると警戒するとのこと。
罠を設置するために掘り起こした土は、別の場所に捨て表土と掘り起こした地中の土の臭いが
混ざらないように配慮するそうです。
あとは獲物がかかるのを待つだけですが、罠を掛けると毎日見回りをしなくてはいけません。
罠にかかった獲物を放置して死なしてしまうことは一番恥ずかしい事だそうです。
生きているうちに回収して放血などを速やかに行わないと、肉に血液が残り、臭いがついてしまい、
食べれなくなります。生きているうちの回収もできるだけ早い方が良いとのこと。
罠から逃れようと暴れる時間が長いほど、体内の糖分を消費してしまうのでおいしくない、ふやけた
肉になってしまうそうです。
また苦しむ時間をなるべく少なくしてあげたい、という気持ちの表われでもあるようです。
以前銃猟ハンターさんから聞いた「クリーンキル」という言葉を思い出しました。
これは「当らなくても良いから頭部を狙って一発で仕留めろ」という教えで、獲物が苦しむ時間を
少なくするための配慮です。
頭部を撃ち抜かれた獲物は脳味噌が吹き飛び目玉が飛び出し、狩猟に慣れたハンターでさえ
二目と見たくない状態となるそうですが、獲物にとって一番苦しむ時間が少ない。
撃たれた事さえ気がつかないかもしれません。肉には傷が付いていないので最大限食べてあげる
ことができます。
では、罠の場合、どうやって捕獲した獲物を回収するのでしょうか?
相手は動く自由を奪われ、興奮した野生の獣です。
今では町の協力で有害鳥獣の許可を得たハンターに連絡がいき、猟銃でとどめを差してもらうそう
です。
ただ、農業被害が始まった当初は猟をする人は誰も居らず猟友会の協力も得られなかった、とのこと。
農業被害を見かねて「これは俺がなんとかせにゃいかん!」と罠免許をとったばかりの頃は、
一人で棍棒一つでとどめをさしたそうです。
(※現在では狩猟法により棍棒や槍の使用は禁止されています。)
「いのししが俺を見つけて突進してくるだろ、ワイヤーが伸び切ったところで足をとられ、ガクッと膝を
折るんだわ、その瞬間に眉間に棍棒を振りおろして仕留めるんだ。」とのことです!
現代人が体験し得ないような野生動物との真剣勝負です。
いくらワイヤーで固定されているといってもワイヤーが外れない保障はありませんし、大きないのししは
ワイヤーをひきちぎってしまうこともあるそうです。
仕留めた獲物はすぐに内臓を出して放血して肉に血がとどまらないようにしないと、おいしい肉が
手に入りません。獲物の肉は精肉やミンチ肉、ハムを作って残らず利用するそうです。
どうしてそこまでして罠を仕掛け駆除をするのでしょうか?
「丹精込めて育てたじゃがいもが一晩で食い荒されたらそりゃ、くやしいさ。獲ってやろう、という
気にもなるさぁ。でも、どうして俺がこんな殺生までせにゃいかんのだろう、とも思ったが集落で
被害がでてりゃ誰かがやらなきゃいけないことだ、と自分を納得させたんだ。」とのことでした。
今では地元の若い農家仲間も猟に関心を持ってくれ仲間が増えているそうです。
仲間が一人でもいると罠の見回りの心強さも段違いだそうです。携帯電話の普及も心強さに
一役買っています。
一人ですると弱気になりがちな獲物の解体も、数人がかりならにぎやかに手早く行なうことができます。
得られた肉は地元の家々に配るとみな喜んでくれ、それが嬉しい、とのこと。
農村では野菜はふんだんに手に入りますが、肉はなかなか手に入りませんから貴重な自然の幸
なのですね。
春に行なった「畑丸ごとクッキング!」企画では、甘楽町のスタッフのみなさんもフランス料理流の
野生肉の下ごしらえを教わったので、鹿、いのしし料理のレパートリーも増えたそうです。
フランス風のジビエ料理が甘楽町の名物になるかもしれませんね。
過剰に狩猟してしまうことは良くありませんが、このような有害鳥獣駆除で得た肉が地元の幸の一つ
になることは良いことだなぁ、と思いました。
お土産に数キロの鹿といのししのお肉を頂きました。冷蔵庫にたっぷりと肉があると「これで我が家
の食はしばらく安泰!」となんとも豊かな気持ちになりました(笑)。
皆さんも旅行に出かけられた先で鹿やいのししの料理に出会ったらぜひ試しに食べてみてください。
その料理は農業被害に困っている地元の方が工夫して地元名物に仕上げた成果かもしれません。
大地を守る会では、秋の猟解禁に合わせて今年もエゾシカ肉を扱う予定です。
まだ試されていない方はぜひチャレンジして味覚の幅を広げてください!
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年8月13日
食品添加物講座を開催しました!
7月16日(金)に食品添加物講座を開催しました。
講師は大地を守る会・品質保証グループの南忠篤です。
昨年の12月に引き続き、人気の講座になりました。
今回は、40名のみなさんにお越しいただきました。
今回のテーマは「調味料のなかに入っているものは?」。
そうめんをはじめ、麺類がおいしいこの季節。
同じようにみえる調味料でも、添加物を切り口にすると違いがみえてきます。
講座は食品添加物の基本的な考え方を押えたうえで、
大地を守る会の調味料と他社製品のラベルを比較し、説明するという流れで行われました。
醤油、だしつゆ、だしパック、ソース、ドレッシングなどを比較すると見えてくる違い。
食品添加物は、豆腐やこんにゃくの凝固剤のようにいれなければ製品自体が
成り立たないものがある一方、本当に食品添加物を入れる必要があるのか、
よくわからないものがあることがわかりました。
私が一番印象的に感じたのは、講師の「毎日使う調味料こそ、添加物のないものを使いましょう」と
いう言葉。
添加物に頼らない味覚作りは毎日の食生活に欠かせない調味料から。
そこから添加物のない味に舌が慣れていることが大切なのですね。
調味料選びの大切さを実感した時間でした。
大地を守る会 交流局 小木曽隆子
2010年8月11日
「神泉・畑の樂校」企画に行ってきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
暑い日が続いておりますが皆さま、体調など崩されておりませんでしょうか。
虎谷は7月中旬から毎週末、枝豆だ!スイカだ!とうもろこしだぁ~!と畑イベントが続いていますが、
ここで夏バテしてのびてしまうわけにはいきません!
うなぎや豚肉、おくらやモロヘイヤといったヌチンたっぷり、ヌルヌル系野菜をガシガシ食べて
がんばっております!
っといっても、実は暑さに体が慣れてきているためか、畑にそよぐ風が町よりもやさしいためか
畑にいることがそれほど苦になりません。
むしろ事務所のある六本木への通勤の方が、ビルやアスファルトからの照り返し、クーラーからの
排気熱、乗用車の排気ガス(場所柄か大型車、外車が多い!体重50~60kg程度の人間を数人
運ぶのに大きなエンジンを積んだ車など必要ないと思うのですが...)などで、四方八方から
あぶられている感じで耐えがたい暑さでございます。
さらに朝の六本木の街は「昨晩の無礼講」の余韻があちらこちらに残っていたりしていて、勤勉意欲が
そがれます。困ったものでございます。
今日は東京を離れ、緑と湧水豊富な神川町に行ってきました!
8月上旬の畑の様子です。
3週間前、梅雨明け直後にあれほどきれいに雑草を刈り取ったのにこの有様です。
ここ神川では梅雨明け直後から雷雨を伴う強烈な夕立ちが数日続き、畑はたっぷり水分を含み、
その後の連日の猛暑で雑草もぐんぐん成長をしたようです。
それにしても大豆も大きくなりました!
ちなみにこの写真は2週間前「たまなびファーム」の企画で草取りをした時の様子です。
次の写真と比べると大豆の大きさが全然違いますね。たった2週間でこんなに育ちました。
さすがにプロの農家さん、雑草がちゃんと抑えられております。
畑の中の様子です。
左はモロヘイヤです。今や夏野菜の定番ですね!
葉をちぎって茹でて酢醤油などで食べるとヌルヌルした食感がいいです!体に良さそう!
右のとうもろこしは今回収穫をし、茎は倒してしまいました。
このとうもろこしは地元の農家さんがずっと種をとっていたもの。粉にして食べるタイプのもので、
実の色は白。あまり甘味も強くありませんが、虫があまりつきません。
細かな世話ができない畑の樂校向きです。
畑に置き過ぎると硬くて粉っぽくて食べにくいですが、少し若めで収穫すれば「にちゃっ」っとした
食感で普通に食べることができます。食べ慣れると結構おいしく感じられます。
トマトです。ちょうどタイミングよく真っ赤に熟れていました!
これらはこの日、作業の途中に食べてしまいました!冷えてはいなかったけれど美味しかった!
こちらはきゅうり。
遅いタイミングで種を蒔いたので「育たないかな...。」と期待薄で支柱への結びつけもしていなかった
のですが大きくなっていました。大急ぎで支柱に結びつけてあげました。
さつまいもです。
「ツルが伸びて雑草を抑えてくれるだろう...。」と草取りをさぼっていたのですが、すごいことになって
いました!ここも急いで草取りをしなくては!
草や作物だけではありません!バッタもでかくなりました!
そういえば、きみも3年前に会った時よりたくましく、大きくなったね!
草取りをしているとバッタやキリギリスもたくさん飛び出てきます。
水はけのよくない場所から植え替えた長ねぎも無事に成長をしています!
草を刈って土よせをしてあげました。
あまりの草の勢いの凄さに「まわれ右して帰りたくなるよね!」などと軽口をたたきながらも、
コツコツと作業開始です!
昼近くなると暑くて作業できなくなるので、ポイントを決めて大急ぎで作業を行いました。
皆さん、暑い中参加してくださってありがとうございます!
草の海の中で黙々と草取りを続けていて「もう、今日は他に誰も来てくれないかなぁ、暑い
もんなぁ...。」などと弱気になっているところに、「遅れてすみません~。」と参加者の方が到着すると
その方が輝いて見えます!
「遅れてすみません、など、とんでもありません!来て下さっただけで感謝でございます!」と
感謝の気持ちがあふれます。
普段、人への感謝の気持ちを忘れがちな私にとってこの企画は「人への感謝」を思い起こさせて
くれる大切な研修の場でもございます(笑)。
半日作業を行ってすっきりしました!
土も乾いてきているのでこれからはあまり草の出も少なくなることでしょう...
いや、少なくなると期待したいです!
畑の樂校近くを流れる神流川です。
カヌーを浮かべてのんびりするかカバの様に水に浸かってのんびりしたい!
次回からはいよいよ秋から収穫を迎えるキャベツや白菜、レタスなどの播種が始まります!
暑い時期に種まきを行うこれらはこまめな管理が必要なのですが果たして上手くいくでしょうか。
草の勢いも気になるところです。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年8月10日
夏休みに学びました! 石けん工場見学会
7月28日(水)に横浜にある太陽油脂株式会社の工場で、小学生親子参加企画・石けん工場
見学会が開催されました。
梅雨明けから続く連日の猛暑のなか、40名の親子が集まりました。
会議室に集まって、講師の太陽油脂の長谷川治さんより、石けんとは何かについてお話が
ありました。しっかりとノートを記録する熱心なみなさんの姿が印象的でした。
実験を交えて、視覚的にもわかりやすい内容です。
お話のあと、参加者は工場見学に出発です。
ガラス窓の向こうでは実際に太陽油脂の石けん製品が作られています。
毎日使う石けん製品が目の前でつくられていく様子を目にする参加者のみなさん。
パッケージを指差し、「おうちで使っている!」と教えてくれるお子さんもいました。
大人の皆さんからは「想像以上に少量づつで作っている」「手作業が多いのに驚いた」という
お声も聞かれました。
大手食品会社に納品前の食用油の缶が積み上げられています。
「太陽油脂」のお名前からもわかるように、太陽油脂は天然の油脂を原料とした食用油を取り扱う会社。
その食用油を原料に、パックスナチュロンの製品が生まれるのです。
再び会議室に戻り、長谷川さんから石けんと合成洗剤の違いについてお話を伺ったあと、
子どもたちがお待ちかねの石けんキットを使った、オリジナル石けん作り。
袋の上から石けんをしっかりと練り込み、型に入れて成形します。
成形した石けんの上に押し花を貼ります。
「きれいだから使いたくない」そんなお子さんの声も。
夏休みの思い出と共に、世界でたった1つの石けんが子どもたちの手のひらのなかで生まれました。
2010年7月12日
とうもろこしの雄花切りのお手伝いに行ってきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
今月末には大地を守る会の最大規模の産地交流会「夏の三浦・とうもろこし収穫交流会」が
行なわれます。
3週間前の今、収穫祭のとうもろこしは受粉をし実を大きく実らせている最中です。
夏のこの時期のとうもろこしには「アワノメイガ」という蛾の幼虫がどうしても実に入ってしまいます。
この蛾はとうもろこしの雄花に卵を産みつけ、孵化した幼虫が茎を辿って実に辿りつき、食害を
引き起こします。強力な農薬を使えば一発で退治できるのでしょうが、農薬を使わない栽培では
この時期に栽培しない事以外に有効な手段がありません。
なるべく虫害を減らす手段として、孵化した幼虫が実にたどり着く前に、受粉を終えて役目を果たした雄花を刈り取って畑の外に出してしまう「雄花切り」という作業があります。
私たちが楽しむのに生産者の皆さんだけにこの作業をお願いするのは申し訳ない!っという事で
お手伝いに行ってきました。
うっそうと茂ったとうもろこしです。
先端の一つの大きな花のように見えるところが雄花です。近づいて見ると小さな花が集まったもの。
雄花をたたくと花粉がほわん、と舞います。
この雄花を切り取って蛾の幼虫、もしくは卵ごと畑の外に運び出してしまう事が今日の目的です。
ハサミで1本づつ切りとってコンテナの箱に入れて運び出します。
横に並んで一斉に作業開始!「マイペースで」と思いつつ隣が気になりペースが上がってしまいます。
皆さんの訪問を待っているとうもろこし。まだだいぶ細めですね。これからどんどん大きくなって
3週間後には食べ頃になります!
どんどん刈り進みます。進んでいくごとに刈り取った雄花を畑の外に出す作業が大変になります!
切り取った雄花は一つ残らず畑の外に出してしまいます。
この日は曇天で気温が高く時折雨も落ちてきてカッパを着ると暑く、着ないと雨に濡れてしまう
いやな天気でした。
でもこの湿度と気温が作物の成長を促すわけですね。梅雨をいやがってばかりもいられません。
約3時間ほどの作業でだいぶ作業が進みました。畑がトラ刈り状態です。あともう少し!
やっと終了!
畑から出した雄花は軽トラックに載せて畑から離れた場所に捨ててしまいます。
刈り取った雄花をよく見ると時折小さな幼虫が見つかります。見えませんが卵もたくさん産みつけ
られているのでしょう。
これらを外に出せば実の食害の被害は軽減できますが、まったく食害なし!というわけにはいきません。
この作業前に運良く実に辿りついていた幼虫は防げません...。
とりあえずやれることはやりましたし雨もあがりました。 皆さん、お疲れ様!
お手伝いの後のお楽しみがこれです!
今の季節、黒崎有機栽培研究会の皆さんはお中元メロンの出荷のピークが過ぎて一段落した頃。
畑で熟し過ぎてしまって出荷できないメロンを私たちのためにとって置いてくださいました!
うれしい!高級メロンをぶつ切りで頂きました。
出荷できない迄に畑で熟してしまったメロンは消費者である私たちには食べる機会がありません。
この超完熟メロンを食せるのは生産者さんだけの特権です!
左は種の周りを掻きだす石橋さん、あ~あ、その種の周りのひげとお汁が美味しいんじゃないですか!
種ごとほおばってお汁を一滴残さず吸い取ってしまいたい!
ちなみに虎谷が大好きな超完熟果物はすもも、桃、メロン、キウイフルーツです。
キウイフルーツの完熟物は11月に行われる「「甘楽キウイフルーツ収穫お手伝い」企画で、運が
良ければ食べることができます。
通常キウイフルーツは11月の収穫時期にはまだ固く、収穫後に追熟させて皆さんにお届けするの
ですが、なぜか11月の収穫時に畑ですでに熟して柔らかくなってしまった実があるのです。
これを皮の上から指でつぶしてさらにフニャフニャにしてヘタを噛みとって、ゼリーのようになった実を
ジュッと吸い取ると大変に美味。
一つの畑から見つかる完熟した実は4つか5つくらいだそうで、収穫のお手伝いにいってもなかなか
出会えないレアものでございます。美味しい!
桃、すももの完熟物も滅多に出会えない果物の最たるものでしょう。普通に出荷していても傷みの
心配があるこれらの作物の出荷には、生産者さんが非常に神経を使って選果をしますので、輸送の
途中で熟し過ぎる恐れのあるものは出荷されません。
私もこれらの完熟物を賞味できたのは産地担当で桃、すももの生産者さんを担当していた時だけです。
農家さんの軒下に座って初めて食べた時は感動で胃袋が震え「こんな美味しいものがあったんだ!
大地を守る会に入って良かった!」と思ったほどです。
すももの中では「大石早生」は完熟してからすぐに水っぽくなって甘味が落ちてしまうので、超完熟の
美味しい物に出会える機会は少なく、「ソルダム」は完熟しても実がしっかりしているので超完熟でも
美味しい物に出会える機会が比較的多かったように思われます。
桃も生産者宅で過熟で出荷できない物をいただきました。
箱に当たっている底の部分はすでに茶色く変色し、じゅくじゅく状態でしたが(うじも居たりして...)、
その部分を避けて食べる完熟部分はそれはそれは美味でございました!
超完熟果物の思い出は尽きませんが、検品が厳しくなると皆さんにちゃんと品物をお届できる反面、
思いがけないほど美味しいものが届く面白みが減っていないかなぁ、と思う今日この頃でございます。
ただの完熟メロンを食べるだけではありません。
ブランデーをかけて食べるとさらに美味しさが増すことも教えてもらいました!
プン!とアルコール臭がするほど熟しきったメロンはそのまま頬ばるとクセが強く、口の中がイガイガし
喉がざらつく感じが残るのですが、ブランデーをかけるとあら、不思議。
驚くほどさらっとして美味しいメロンに変身します。
この食べ方は石渡さんに教わりました。生産者さんたちの密かな楽しみですね。
お酒をかけた後はまんべんなく全体にアルコールがまわる様にブロックにしてやります。
この状態にして食します。
虎谷はちょい小さめのメロン1個、お酒でひたひたにして丸ごと頂きました!
たっぷり汗をかいて働いた後に、コンテナをイスにして野外でいただく完熟メロンは夏の最高の
デザートです!
とうもろこし収穫交流会まであと3週間。
台風など大風に倒されることなく無事に交流会の日を迎えられる事を祈りたいです。
今年の申し込みで落選してしまった皆さん、ごめんなさい。来年もぜひ申し込んでくださいね。
お待ちしています。
大地を守る会 交流局 虎谷健
※この完熟メロン及び桃、すもも、キウイフルーツは輸送に耐えられないため、皆さんのお宅にお届け
することはできません。
オイシイ話ばかりで申し訳ありません。 <(_ _)>
2010年7月 8日
「神泉・畑の樂校」に行って来ました!
とらちゃんこと虎谷健です。
梅雨真っ只中、蒸し暑い天気が続きますが皆さま体調など崩さずに元気でお過ごしでしょうか。
大地を守る会の六本木事務所の空調の基本は「28.0℃ 除湿」ですが、机の場所やそれぞれの
好む温度帯の違いで「27.5℃除湿」と「28.5℃除湿or冷房」の間で微妙な駆け引きが日々
繰り広げられております(笑)。
虎谷は快適な事務所を飛び出して神川町にある「神泉・畑の樂校」の畑に行ってきました。
神川町ではいたるところでアジサイがきれいに咲いていました。
農家さんは畑や家の周りに花を植えている方が多いので季節の花が楽しめます。
ガクアジサイです。こちらもきれいですね!
お馴染み、定点観測です。
前回じゃがいもを収穫した後に蒔いた大豆が元気に育っています。
じゃがいもは葉がだいぶ黄色みを帯びてきました。今回でじゃがいもは全部収穫してしまいます。
2週間前、じゃがいもを収穫した後に蒔いた大豆が元気に育っています。
たっぷりと水と温度を得て成長が早いです!播種後1週間で芽が出て2週間ですでにこの状態です。
これだけ成長が早いと多少ハトに芽をつつかれても大丈夫ですね!
7月上旬、神川では3日連続激しい夕立があり大風が吹きました。
「稲光が真横に走ったんですよ!」と興奮気味にその時の様子を語るヤマキの角掛さん。
「あの山に雨雲がかかったら30分で雨が来ますから大急ぎで撤収しましょう。」とのこと。
ちらちら雲の様子を見ながらの作業となりました。
横倒しになったとうもろこしが風の強さを物語っております。
隣に植えたモロヘイヤくんに覆いかぶさっております。とうもろこしを立て直して土寄せをしてあげました。
育ち過ぎのズッキーニ。
2週間に一度の訪問ですと、きゅうりやズッキーニは収穫適期に収穫することが難しい...。
ちなみにズッキーニはもっと巨大になります!でもこんな巨大ズッキーニも食べてみるとけっこう
美味しいんです。
スイカも実をつけております。
こちらは「そろそろ食べ頃かな...。」と収穫にいくとカラスに食べられている事が多々あります。
一日中食べ頃を見計らっている連中には敵いません。覆いをしてやりませう。
前回草に埋もれていた落花生が成長して花をつけていました。
かぼちゃがぐんぐんツルを伸ばしています。なんとこれで1株でございます。
プロの農家さん達はツル1つに2.3個のかぼちゃを残してほかの実を摘んでしまいますが、昨年
私たちは全部実らせて「どの玉まで食べておいしいか。」試してみました。
ソフトボールほどにしか育たなかった実もちょっと味は薄いのですがそれなりに食べられました。
長ネギです。畑に来るたびに成長しているように見えます。今回も草を取り土寄せをしました。
じゃがいもを収穫した後に植えたさつまいもの苗も成長を始めています。順調!順調!
今回でじゃがいもは全部収穫を終えました!大量のじゃがいもです!
「前回持ち帰った芋がまだあるんですけど...」とさすがに皆さんちょっと弱気な発言。
結局、持ち帰りできる分を持ち帰ってもらい、残りは7月18日に行われる「神泉・大豆畑のお手伝い」
企画に参加される方に分けてあげる事にしました。
モロヘイヤもだいぶ大きくなりました。今回から収穫を始めて皆さんに持ち帰ってもらいました。
我が家はモロヘイヤ大好きで夏には欠かせない野菜でございます。茹でて酢醤油でいただきます。
今日も一日作業してすっきりしました!
懸念だった夕立ちにも合わず予定をこなすことができました。
また2週間後にきたら草が伸びて作物も成長して畑の様子が変わっていることでしょう。
本日の作業:とうもろこしの土寄せ、長ネギの土寄せと草取りと一部移植(水気が多く、成長が
良くなかったため)、トマトの誘引、じゃがいも、ナス、ズッキーニ、ピーマン、ししとうなどの収穫、
草取り、とにかく畑に入ったら草取り!などでした。
草との戦いはあと3週間ほどが勝負でしょうか。がんばるぞ!おうおう!
帰りに畑から15分ほどのところにある名勝「三波石峡」に寄ってみました。
雨で水量が増してすごい迫力です!この時期はやはり梅雨らしく雨が降らないと困りますが、
九州などの大雨は土砂災害など災害が心配ですね。
大きな災害もなく夏らしい暑い夏を迎えたいものです。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年7月 2日
太陽油脂工場見学に行ってきました!
今日は、2010年4月28日に開催れた太陽油脂工場見学について、ご紹介します。
太陽油脂の長谷川治さんの講座でスタート。
石けんとはなにか、合成洗剤との違いをユーモアを交えてお話しいただき、会場が笑い声に
包まれることがしばしば。
長谷川さんのお話しは、実習や実験を取り入れて、視覚的にもわかりやすい内容です。
ちなみに、一番手前の女性が振っているのは、石けんの原料をいれたペットボトルが入った袋。
一日みんなで順番に振り続けます。さて、講座の最後にはどうなっているでしょうか?
お話しの後はいよいよ工場見学へ。
工場の敷地内なので、トラックやフォークリフトには気をつけます。
上の缶は、太陽油脂から大手食品会社に納品する食用油。
「太陽油脂」のお名前からもわかるように、太陽油脂は天然の油脂を原料とした
食用油を取り扱う会社。
その食用油を原料に、パックスナチュロンの製品が生まれるのです。
工場の見学コース。ガラスの向こうで石けんが作られます。
工場見学中も、参加者から参加者へ石けん原料の入ったペットボトルが手渡され振られます。
こちらは、石けんを乳化する作業スペース。
乳化とは、混ざり合わない2つの液体が均一に混ざっていること。
ここでは、水と油を石けんで乳化させて、UVクリームやハンドクリームなどを作っています。
工場見学が終了し、お話しの部屋に戻りました。
参加者同士が協力して、ずっと振られ続けたペットボトルのなかで、
ドロドロの石けんができあがりました。
最後は、石けんキットを使って、オリジナル石けん作り。
袋の上から石けんを練って練って型に入れて出来上がり!
石けん作りの間も、質問が続々と出されました。
出席者の石けんへの関心の高さがうかがえる時間でした!
2010年6月29日
「神泉・畑の樂校」に行ってきました。
とらちゃんこと虎谷健です。
6月20日はキャンドルナイトの日。皆さん、どのように過ごされましたか?
私は埼玉県の神川町、ヤマキ醸造さんと一緒に行っている「畑の樂校」に行って草取りに汗を
流してきました。
この日は梅雨の中休みで雨は降りませんでしたが、湿度が高く畑で少し動くだけでじわっと汗が
にじんでくるような、農作業にはちょっとキビシい日でした。
畑のすぐ近くを流れる、埼玉県と群馬県の境の神流川では昼間なのに川霧が見られました!
普通、川霧は冬の早朝など気温が低いときにあたたかい水からたちこめるものですが、この川面を
覆っている霧は真昼間に発生していました。
想像するに、たっぷり湿気を含んだ空気が冷たい川の水に冷やされて霧になったのではないでしょうか。
それだけ風もなく、湿度の高いどんよりした空気に満たされていたわけですね。
これを見た午後の作業はさらに暑く感じられてしまいました!
神泉では小麦の収穫が始まっていました。「麦秋」と呼ばれる風景です。
麦畑だけが秋のような風景ですね。「麦秋」は秋とついていますが夏の季語でございます。
正面のモヒカン刈りのような小山はいつも気になっているのですが、なぜあのような形になって
いるのか誰にも聞けずにいます。
針葉樹を植林した山の頂上に広葉樹を残しておいて落葉させ、保水性を保つ...という話は聞いた
ことがあるのですが、そのような目的でもなさそうです。
ちなみにこちらは神泉より平坦な本庄市周辺の水田の様子です。
収穫を待つ麦と田植えされたばかりの稲の色の対比が春と秋が同居しているようで面白いですね!
田んぼの裏作で麦を作っている農家にとって麦の収穫のタイミングの見極めが大変です。
梅雨に入っているので雨は降りやすいし、麦はできるだけ乾燥させて収穫したいし、いつまでも
晴れを待っていては田んぼに戻して稲を植えるタイミングを逸してしまったら大変...。
乾燥した気候の欧米などと違い、収穫時期に梅雨を迎える日本で麦を作ることは、天候の
見極めが大変です。
アジアで米が主食になり欧米で麦が主食になった理由の一端がわかる気がします。
でも、粉にして加工しなくてはいけない麦に比べ、粒のまま食べて美味しいお米はひと手間かけ
ない分だけ優れものって気がします。(麦農家さん、パン屋さんごめんなさい <(_ _)> )
少し麦さんのフォローをさせていただきますと、冬に「ヤマキの手作り味噌教室」の参加された
皆さんには麦踏みを体験していただいたとおり、麦は秋に種をまいて芽が出た状態で春を迎えます。
冬の関東平野には乾いた北風が吹きますが(特に埼玉県北部は「赤城おろし」という冷たい乾燥
した北風が強烈!)、麦が植わっている事によって畑の表土が飛ばされる事を防ぐ働きがあるそうです。
さらに関東地方では春に麦の間にスイカの苗を植えたそうです。こうすると麦がスイカの苗の風除けに
なって苗が良く育つのだそうです。
6月に麦の収穫を迎えると、実を取った後の麦藁をスイカの敷き藁に使い、その後はそのまま
畑にすき込まれて畑の保水性にも貢献します。
幼い頃は寒風にさらされながら畑の土を守り、壮年期には苗の風除けを身を挺して行い、最後は
ひっそりと人知れず土に還ってからもさらに畑を守る...という、生涯にわたっての縁の下の力持ち、
ナニワブシ的なスバラシイ作物でございます。麦さんエライ!
でも、好む気候の違う作物をうまく組み合わせて栽培していた先人の知恵ってすごいですね。
無駄がありません。
さて、今の畑の樂校の様子です。
梅雨に入ってたっぷり水を得た雑草たちの勢力が増してきました!
手前のジャガイモはもう収穫時期を迎えました。今日はまずジャガイモを収穫して畑を耕して、
大豆の播種までしてしまいたいです。
その他にも草取りやトマトの脇芽とりややることがいっぱいです!
畑の中の様子です。
4月に定植した長ネギが育ってきました。そろそろ土寄せをしてやります。土寄せをくりかえすことで
白い茎の部分が伸びていきます。
こちらは雑草畑...ではありません!落花生の苗が草に埋もれてしまっていました!
草取りをし救出してやらないといけません。
ちなみにこちらが草取りを終えて救出後の落花生の苗の様子。
左の人参はちょっと元気がありません。5月中はあまり雨が降らなかったので水分好きの人参くん
にはちょっと厳しい季節だったかも。
こちらはミニトマト。側枝が繁茂してジャングル状態になりかけています。
このあと側枝は折り取って空いた畑に挿しておきました。こうしておくと根がでて株を増やすことが
できます。
アスパラガスです。
一通り収穫をした後はこのように葉を茂らせて栄養をたっぷり蓄えてもらいます。
そうするとまた来年春にたくさんのアスパラを収穫できるわけです。
株は毎年太ってきて収穫する量も増えていきます。来年が楽しみですね。
ちなみに花が咲いて赤い小さな実ができますので、その実をまいておくと爪楊枝のようなアスパラ
が生えてきます。
2年目になると鉛筆くらいのアスパラが収穫できますのでおいしくいただいてしまいます。
おおっと!じゃがいもにトマトのような実がなりました!
じゃがいももトマトもナス科ナス属の植物ですから同じような実がなるのですね。
根元のじゃがいもは土から出てしまい青くなっています。このような色になったじゃがいもはソラニンなど
有毒物質を含んでいるので、食べるときには青い部分を取り除かないといけません。
実にも同じ様にソラニンなどが含まれているので食べない方が無難です。
長ネギの土寄せをしました。雑草もきれいに取ってくださっています。皆さん、雑草取りはプロ級です!
三角ホーやジョレンといった道具を使いこなしてどんどんキレイにしてくれています!
左後に植えているのは挿し木をしたミニトマトです。この場所にはきゅうりが植わっていたのですが、
近年畑にはびこり始めた外来種のウリ科の雑草に覆われて枯れてしまいました。
畑にはびこる雑草にも新たな外来種が登場したり、害虫にも新顔が登場したりと、農家さんも
対応に迫られる事柄が多いようです。
本日収穫したじゃがいも。大豊作です!
「ど~するの、こんなに!」という声も聞こえていましたが、帰りにはキレイになくなってしまいました。
ご近所や幼稚園、小学校のママ友にあげたりと、皆さん大量の野菜を片付ける術を身につけて
頂いているようです。
収穫したジャガイモは2~3日影干ししてから陽があたらないように保存します。
こうすると腐りかけている芋などが腐り始めるのでしっかりした芋だけを残すことができます。
ジャガイモが腐ると臭いが強烈ですから早めに傷んだ芋を取り除かなくてはいけませんね。
畑ではさっそくじゃがいもレシピの情報交換が。様々なレシピが挙がっておりました。
ちなみに虎谷のお気に入りはじゃがいもごろごろのバター煮でございます。
小さめのジャガイモを皮付きのまま鶏がらスープで煮込んで、塩、こしょうで味付けして「えっ!」と
思うほどの大量のバターをボトッと落してできあがりです。
学生の頃、全国をオートバイツーリングしている時に北海道でバター煮の美味しさを知りました。
この料理だと小さな粒のジャガイモも無駄なく使えて簡単でとてもおいしいですよ。
上の写真の右下のチビじゃがも無駄になりません。
ジャガイモの収穫を終えた後は耕して大豆を蒔きました。
人数が多いと作業がはかどります。手前のじゃがいもも次回には収穫してしまいます。
しばらくじゃがいも生活が続きそうです。
本日の作業:
じゃがいも収穫と大豆の播種、長ネギの土寄せと草取り、ミニトマトの脇芽取りと挿し木、草取り
落花生の草取り、人参の草取り、とにかく全面、草取り。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年6月28日
タイから研修生がやってきました
とよまること、豊島です。
5月17日からタイの研修生ダイエー・セイリさんがやってきました。
6月25日までの40日間、大地を守る会の生産者などをまわって日本の農業を体験しました。
ダイエーさんはタイの少数民族のために、北タイチェンライ近郊に研修農場を運営しています。
大地を守る会とは20年近くのおつきあいがある方。ラフ族のリーダーです。
日本の農業は何度も体験していますが、今回はあらためて基礎から勉強です。
まずは茨城県の小野寺孝一さんのネギ畑で草取りを体験。
左側の方が小野寺さん、右側が研修生のダイエー・セイリさん。
小野寺さんはメロン職人としても有名な生産者です。
ネギの脇から顔をだしている草を抜いていきます。放っておくとネギが溶けてしまうそうです。
このネギは秋口の出荷予定です。
タイではこのような除草はしないようです。
腰が痛くなるというよりは5月末の寒さに震えていました。
この日は大地を守る会の職員による援農の日だったので、畑には職員もちらほら。
みんな地面を見ながら雑草と格闘しています。となりのハウスでは、メロンの作業が進行中。
大地を守る会の職員に対するレクチャーも行いました。
大地を守る会では、会員さん向けの他、職員に対する勉強会も行っています。
今回はラフ族とタイの暮らしについて話を聞きました。
タイの農業も日本の農業につながっています。
法政大学の講義にも特別講師として参加。ここではアジアの少数民族と農業について話をしました。
講義も慣れた様子でしょうか?
もともと流ちょうに日本語を話しますが、ここ数日で日本語もさらに上達しています。
北海道で畜産の勉強もしました。将来の夢は北タイで牧場をつくること。
6月23日、大地を守る会 アジア農民元気大学の講義として研修の成果を発表。
20名を超す関係者が集まりました。となりの方は、顧問の小松光一先生です。
(アジア農民元気大学は、海外からの研修生を受け入れるための架空の大学です。)
理事長の藤田和芳より卒業証書を受け取りました。
藤田はNGO大地を守る会の会長ですが、アジア農民元気大学の理事長でもあります。
6月25日無事帰国の途へ。今回の研修が山岳民族の農業普及に役立つことを祈りつつお別れです。
いずれ機会をみて彼の農場もレポートしたいと思います。
大地を守る会 国際局 豊島 洋
2010年6月22日
「たまなびファーム」プロジェクトが始まります!
虎ちゃんこと虎谷健です。
文化放送の人気番組、玉川美沙さんの「玉川美沙たまなび」(毎週月~金曜日3時30分~5時50分)で
畑企画を行うことになり、大地を守る会が生産者を紹介するなど協力することになりました。
そして私、虎谷が畑にご一緒するなどの大役を仰せつかってしまいました!
玉川美沙さんは番組の中で野菜の豆知識を紹介するなど日本の第一次産業を応援していこう!
という姿勢を持ってくださっている方です。
昨年、番組では「たまなび田んぼ」を行なったとのこと。「田んぼの次はぜひ畑を取り上げたいので
畑の楽しさ、大変さをリスナーに知ってもらえる企画ができませんか。」という打診をいただきました。
大地を守る会の広報室が提案したのは「日本人にとってお米の次に大切な穀物である大豆を
皆さんに知ってもらいたい!」という事で、大豆をまず栽培しその大豆を使って味噌作りまで
体験する企画を提案しました。
大豆の国内生産量はたった5%に満たない量です。
にもかかわらず大豆は豆腐、味噌、醤油、納豆など私たちの生活に欠かせない作物でもあります。
以前は「あぜ豆」といって田んぼの畦に大豆を植え、米と大豆を一緒に育てていたそうです。
大豆は「畑の牛肉」と呼ばれるほど栄養価が高く、タンパク質、脂肪を多く含みます。
米はでんぷんを多く含むので、大豆と米を食べれば体に必要な三大栄養素を摂る事が出来て
しまうのです!すばらしい穀物ですね!
その大豆にもっと関心を持ってもらいたい!関心持ちましょうよ!という願いを伝え、晴れて企画が
通って、いよいよ「たまなびファーム」プロジェクト始動!の運びとなりました。
その立ち上げ報告に何と、虎谷が生放送でお話をするという前代未聞の運びとなったわけです。
放送前の打ち合わせで緊張をほぐしてくれるスタッフの皆さん。虎谷緊張しまくりでした。
机の上に台本を広げて打ち合わせです。
ラジオの台本は想像していたよりシンプルでした。この台本を基本にアドリブでどんどん話を
足してゆくのですね。
緊張しながらも虎谷は台本のどの部分でギャグを入れ込んで笑いをとれるか、不謹慎にも
書き込みなんぞをしていました。
放送前に出演者の「青春ダーツ」の田中泰宏さんとパチリ。
番組の様子をうかがっていると、彼がたまちゃんの子分役で全国から様々なレポートをしてくるようです。
右にいる牛島職員が持っているのは「玉もやし」。
大豆がテーマですので大地を守る会の大豆にまずは親しんでいただく目的と玉川さんの「玉」に
かけた商品としてお土産にしてみました。
いよいよ緊張のオンエアです。
虎谷の大豆に対するアツい想いが私のおしゃべりで全国のリスナーに伝わるのか、
果たして私のオヤジギャグを公共の電波に乗せてしまって良いものなのか、世紀の大実験でございます!(笑)
あらかじめ台本が用意されているのですが、放送が始まるとやはりアドリブでどんどん進んでいきます!
台本を目で追っていた私は話についてゆくので精一杯でございました。
結局20個ほど綿密に用意して行ったオヤジギャグは7つくらいしかしゃべれませんでした...残念!
放送が終わって音楽が流れている間に記念撮影。
返しやすい質問を振ってくれたり突っ込みを入れてくださった玉川さんと田中さんに感謝です!
次回はスタジオを出て実際に畑で作業を行います。
玉川さんには楽しくて美味しい企画を、田中さんにはビリー隊長も逃げ出すようなブートキャンプ
並みの重労働を体験してもらおうかと画策中です(笑)。
「たまなびファーム」の看板も作りました。
畑は埼玉県の北部、味噌、醤油、豆腐でお世話になっているヤマキ醸造さんの畑の一角にあります。
神川町のヤマキさんを訪れる機会があったら看板を探してみてくださいね。
放送翌週、生産者の方から「放送聞いたよ!」という嬉しいメールが来ました。
消費者の方が聞いて農に関心を持ってもらえるだけでなく、第一次産業に従事している皆さんが
聞いても面白いような企画に育てていきたいと考えています。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年6月14日
古着の行方を追いかけて(2) コンテナ積み込み編
とよまること、豊島です。
6月2日(水)、千葉県千葉市にあるJFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)から、古着の
コンテナ積み出しがありました。
大地を守る会の皆さんに呼びかけた古着回収ですが、集められた古着は分類されてからコンテナに
積み込まれてパキスタンに送られます。
山と積み上げられた古着のロール。品目ごとに分類され、1ロール50キロになります。
古着の積み込みはボランティアの方々によって行われます。
8:30AMより作業開始。作業内容が黒板に掲示されます。 怪我の無いよう頑張ろう!
お昼はパキスタンカレーが出ます。
今回はパキスタンから支援先のアルカイールアカデミー校長、ムザヒルさんたちも参加。
JFSAスタッフの入江君とともに作業に汗を流しました。
ローラーの上を古着のロールが流れていきます。内容を確認してシールを張り付けてから積み込みます。
ここからは男の世界。力自慢の若者たちが、力を合わせて積み込んでいきます。
キッチリと無駄なく詰め込むために、最後のロールは気合いを入れて押し込みます。
やっと終わりました。のべ40名のボランティアの皆さん、お疲れさまでした。
最後にコンテナの蓋が閉じられて、このキーで封印されます。
カラチ港でこれが壊れていたら誰かが空けたことを意味します。
検査で開けられることもあるそうですが、中身が抜かれていることが多いそうです。
はたしてこのコンテナは無事に届くでしょうか。
輸出用の書類も整えられて、東京港へ出発!
アジア各地の港に立ち寄りながらカラチ港に届くのは7月中旬です。
次回は現地の様子をお伝えします。
大地を守る会 国際局 豊島 洋
2010年6月10日
ヤマキさんから「畑の樂校」のお便りがきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
「神泉・畑の樂校」の受け入れでお世話になっているヤマキ醸造株式会社の角掛さんより、
6月5日に行われた畑の樂校の写真が届きました。
暖かな日が続いておりますが畑の様子はどうなっているのでしょうか。
まずはお約束の定点観測。
霜にやられてしまったジャガイモも持ち直しました!成長が著しいですね。
ちらほらと花も咲き始めています。
バックの梅の木の緑も濃くなってきました。
「ジャガイモのお花がきれいです。試し掘りしましたが、しっかりしたじゃがいもが次回収穫出来そうです。」とのこと。
私、虎谷は最近会社の行事と重なる事が多くてなかなか畑に行けていません。
少し見ないうちにこんなに大きくなっていました。
人参です。
「人参がまっすぐに植えられていないところがかわいいですね。また間引きをします。」とのことです。
何度か間引きを繰り返して少しずつ大きくなってきました!...ただ土はけっこう乾いていますね。
にんじんは大の水分好き。水がたまりやすい畑の隅に植えたのですがそれでも乾燥気味です。
このところしばらく晴れの日が続いているので、この辺でひと雨欲しいところです。もうそろそろ
入梅の頃。人参達は梅雨入りを待っていることでしょう。
じめじめした梅雨も畑の作物たちにとっては暖かな気温と水分がいっぺんに手に入る恵みの
季節です。農家さんも梅雨を待っているはず...と思ったのですが先日、千葉の農家さんとお話し
したら、「う~ん、夜にさらっと雨が降って明け方にあがる...という梅雨ならうれしいな!」とのこと。
通勤電車を毎日使う我々もいっしょです。できれば、金曜日の夜は遅くまで雨が降らないとさらに
ありがたいですね。飲み会の帰りの雨はいやでございます。
大豆です。
芽が出始める時の天敵はハト。柔らかな双葉をつっついてしまいます。
ハトにとっては大好きな豆、それも柔らかで栄養豊富な豆(しかも遺伝子組換えの心配無しの
無農薬・有機栽培!)が生えているのですからたまらないことでしょう。
そんなハトにつつかれずに育ってくれました。
これからぐんぐん成長して夏に枝豆として食べちゃいます。
大豆として収穫するための大豆は6月中下旬ごろに種をまいて収穫は11月。
途中、9月頃に若い豆を枝豆として食べることもできるんですよ。
とうもろこしです。ぐんぐん成長していますね。
「トウモロコシがすくすく伸びています。これからは野鳥との戦いです。」 とのこと。
とうもろこしの実は鳥にもつつかれますが、アワノメイガというガの幼虫にも食べられてしまいます。
今回、虫の食害が比較的少ないと言われる、穀物として食べる少し甘味の薄い品種のとうもろこしを
作ってみましたがどうなることやら楽しみです。
虫食いのないとうもろこしを作ってみたい!
ミニトマトです。実をつけ始めています。側枝が伸びてきていますのでそろそろ剪定をしなくては。
剪定して切った側枝も土に挿しておくと根が生えて成長をします。
側枝から育った株も側枝をつけるのでそれをまた土に挿す...と繰り返すと、夏にはたくさんの
ミニトマトが収穫できます。
ズッキーニです。そろそろ収穫できそうですね。
画面右の花についているのはウリハムシという害虫でしょうか。この虫は葉を食べてしまいます。
苗の時に葉を食べられると成長できずに枯れてしまいます。
でもこれだけ成長してしまえば少々食べられても影響ありませんが、他の作物の苗も食べられて
しまうので、畑で見つけたら頭を押さえて潰してしまいます。
「玉ねぎを収穫です。これまでの玉ねぎの中では一番の出来かと思います。」とのことです。
春になってぐんぐん成長した玉ねぎの成長は目を見張るほどの成長ぶりでした。収穫した玉ねぎは
3日ほど畑で干してその後、葉がついたまま紐でしばって雨のあたらない場所にさらに干しておきます。
一年中食べれる印象がある玉ねぎですが、収穫時期は年に一度。短いことに驚きます。
大根、小松菜の収穫も行いました。暖かくなって収穫物も増えてきています。
「大根の収穫です。収穫したてを畑で生で頂きました。みずみずしくて美味しい!の声が上がりました。」
今回参加して下さった皆さん。おつかれさまでした!山の木々の色も濃くなってきました。
次回の畑の樂校開催の頃は梅雨真っ只中のことでしょう。
水を得て急に大きくなる雑草との戦いもいよいよこれからです。
雨合羽を着ながらの作業はじっとり汗をかいていやなものですが、発汗性の良いスポーツ用の
アンダーウエアと性能の良いレインウエアを活用すれば意外と快適です。
雨音を聞きながら無心に草むしりするのも良い体験でございます。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年6月 4日
古着の行方を追いかけて(1) JFSA編
とよまること豊島 洋です。
今日は会員の皆さんが古着を送っていただいているNPO法人JFSAを訪ねました。
JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)は、大地を守る会の他、生協などに呼びかけて
古着を回収しています。
送られた古着は販売され、その売上金はカラチ市(パキスタン)のスラムにある学校「アルカイール・
アカデミー」を支援するために使われています。
今回は千葉市にあるJFSAの本部ともいうべき場所を訪問しました。
これが、JFSAの外観(事務所、倉庫、店舗)。
千葉県千葉市中央区都町にあります。前には公園があってとてものんびりした雰囲気。
店舗の入り口です。
回収された古着は、国内向けとパキスタン向けに分けられてから、日本向けはこの店舗や、柏市に
あるもう一つの店舗「KAPRE(かぷれ)」、さらに休日の明治公園や新宿中央公園等のフリマで販売
されています。
これが店舗内の様子。
季節に応じて品ぞろえを調整しています。夏向きの掘り出し物は今がチャンス!
皆さんからの古着はこんな感じで届きます。きちんと包装されていてありがたいです。JFSAの
スタッフからも感謝の言葉をいただきました。送る方の温かい気持ちとモラルが感じられます。
1年に2回回収を行いますが、1回で約26トンが集まります。
うち大地を守る会の会員さんからは5トンほど。
届いた古着の封を解いて、品目ごとに仕分けます。
フルタイムスタッフ3名のほか、アルバイトの方3名が仕分け作業を行っています。
仕分け中も古着が届くので、大忙しです。
パキスタンはイスラム教徒の国なので、女性の肌が露出するタンクトップなどは売れません。日本で
売ることになります。日本での売り上げは、JFSAの運営費とスタッフの給料に。
パキスタンに送り出した古着は、現地の業者に販売します。その売り上げがアルカイール・アカデミーの
運営費の一部となります。
パキスタンでの売れ線は、カバン類、ハンカチ、女性の下着(ブラジャーなど)とのこと。
アルカイール・アカデミーは、カラチ市のスラム地域にある学校で学費無料です。
なお、パキスタンには、義務教育制度がありません(!)。学校はそれぞれの経済的状況に合わせて
存在していますが、無料の学校は神学校が多く宗教的にかたよることが多いとか。
アルカイールアカデミーではそのようなことはなく総合的な教育をしています。
(詳しくは7月に現地報告しますね。)
パキスタン向けに分けられた古着は、品目ごとに50キロのかたまりにされ、次の船積みを待ちます。
次回のコンテナ積み込み予定は6月2日。
コンテナへの積み込み作業はボランティアの力で行います。
そして古着はいよいよ海外へ!詳しい状況は後日お知らせします。
大地を守る会 国際局 豊島洋
2010年6月 3日
鈴木康太郎シェフからお便りが来ました
とらちゃんこと虎谷健です。
銀座和光のレストランでは大地を守る会の食材も使っていただいているんですよ!
鹿肉料理のお食事会や産地でライブクッキング企画などでいつもおいしい料理に感動させて
いただいている銀座和光レストランの鈴木康太郎総料理長さんより、大地を守る会の食材を
使ったデザートの写真を頂きましたのでご紹介します!
長崎有機農業研究会のビレンスメロンを使った『メロンのスープとミントのジュレココナッツの
アイスクリーム添え』です。
昔懐かしいプリンスメロンのようなちょっと甘味が薄いメロンですが、こんな
立派なデザートになるんですね!
「甘味が強く味が完成されているメロンより、このような甘味が強すぎないメロンの方が調理の
応用がきくんです。写真ではわかりずらいですが皿の下にミントのゼリーが1cmほどの
厚さで敷いてあり、その上にメロンの果肉と種の周りから取った果汁にシェリー酒と
キリュ(アルコールブラン サクランボから取ったブランデー)のスープがかけて
あります。メロンの実にはココナッツのアイスクリーム、チョコレートのステック、
ミントが添えてあります。」
とのことです。美味しそうです!
種のまわりの果汁っておいしんですよね。虎谷は種ごとほおばって汁を啜りきるのが
大好きです。
メロンとブランデーが合うのも納得!
虎谷の夏の楽しみは、メロン生産者のお宅の倉庫でコンテナ台に座って、出荷できない
過熟メロンを豪快にぶつ切りにして頂くこと。
熟しすぎてプン!とアルコールのような香りがするメロンも、ブランデーをざっと
かけて食べると、メロン独特のクセがさらっと消えてとても美味しい事も生産者に
教えてもらいました。
さらっとしたメロンとミントのゼリー...暑い夏に食べたいデザートです。
さらにアップでもう一枚。
「どうぞ生産者の方に良い素材を作っていただき感謝しています、とお伝えください。」
とのこと。生産者の方も自分の育てた作物でこんな美味しそうな料理を作ってくださると
作物を作る意欲がでるというものでしょう!
このデザートはランチ・ディナーの「お奨めデザート」として頂く事ができます。
食べに行かれる方はあらかじめ連絡をしていただき、まだ提供されているかを
確認してから行ってくださいね!ちなみにランチは6,000円からだそうです。
「ブログに載せる前に毎回試食に伺いましょうか?」と訊ねて「それにはおよび
ません。」とお断りされてしまった虎谷でした!
※お知らせ! 鈴木康太郎さんの料理を楽しむランチ企画の開催が決まりました!
大地を守る会の食材を使って、野菜のおいしさを楽しむフランス料理を組み立てていただきます。
「どうやって食べたら良いか判らない。」というお問い合わせをよくいただく夏野菜も 積極的に使って頂くので料理のレパートリーも広がるかもしれませんよ。
非日常の空間でゆったりと食事を楽しんで夏バテを吹き飛ばしてしまいましょう!
日時:9月8日(水)12:00~14:00
※開催日が9月1日から8日に変更になりました。多くの方のお申込みをお待ちしています!
場所:レストランTHE WAKO 並木館10階 食事会参加費:8,000円
【使用予定食材】モロヘイヤ、ツルムラサキ、とうがん、エンツアイ、 みょうが、青じそ、しょうが、なす、おくら、ズイキ などの中から選んで調理します。
※野菜がメインの料理ですが菜食料理ではありません。肉、魚も併せて楽しんでいただきます。
詳しくは「NEWS大地を守る 8月号」イベント告知欄にてご確認ください。
2010年5月27日
甘楽町の産物を使ってフランス料理のライブクッキングを行いました!
とらちゃんこと虎谷健です。
鹿肉の美味しさを皆さんに知っていただく食事会企画でお世話になっている銀座和光の鈴木康太郎シェフ。
虎谷は鹿肉の美味しさはもちろん、普段食べている野菜が全く別の食材の様に変化してしまう鈴木シェフの
腕にほれ込んでしまいました!
「産地で、その日集まった旬の食材を使って、ライブで料理を作って頂きたい!」との無茶なお願いを
聞いていただき、 群馬県甘楽町まで足を運んでいただきました。
今日は甘楽有機農業研究会の食材を使ってのフランス料理教室です!
鈴木さんと若きシェフの皆さん。
「若いシェフたちに農業の現場を体験してほしいと思い連れてきました。きつい農作業でも構わない
のでどんどん使ってください。」とのことでしたので、今回は調理より農作業を優先して手伝っていた
だきました!
軽トラックの助手席に乗るその姿はどこから見ても「農家の兄ちゃん」でした(笑)が、普段は厳しい
修業をしている若者たちです。
鈴木さん、今日は美味しい食事を期待していますよ!
集まった甘楽町の食材の数々。
水菜、宮内菜、小松菜、野沢菜、わさび菜、べか菜、赤ネギ、唐の芋、竹の子芋、八つ頭、もちろん、
キウイフルーツ...。「この時期,あんまり野菜ないんだよな。」と窓口になってくれた吉田さんは恐縮
しますがいえいえいろいろな野菜が集まりました!
これらの野菜に加え、大地を守る会の食材、米、トマト、玉ねぎ、パプリカ、にんにく、そして地元群馬県産のズッキーニ、こんにゃく、きのこを持ち込みました。
手前のお肉は有害鳥獣駆除で捕えたシカとイノシシです。
そうです!畑を荒らしてしまう獣も立派な地元食材です。フランス料理といえば、「ジビエ(野生肉)」。
今日はシカとイノシシの豪華2本立てです!
猟師さんが獲ってきたそのままのお肉...。肉をよく見るとまだ毛が付着していたりして...生々しい。
それを見た『大地を守る会職員一番の肉食系女子(虎谷認定)』Tさんは「うわぁ、おいしそう!
獲れたて新鮮って感じですね!」と。泥つき野菜や魚と違うんですけど...(笑)。
食材を撮影しているのは情報企画室の宇都宮職員。
「NEWS大地を守る7月号」に今回のレポートが掲載予定です。記事をお楽しみに!
生産者の皆さんも集まりいよいよイベントの開始です!町から町長代理の方も挨拶に来てくれました。
主に男性の方はキウイフルーツの畑に花摘みのお手伝いです。
残った料理教室に参加する皆さんでまずは打ち合わせです。おいしい料理を作るぞ!おうおう!
まずは発酵時間が必要なパン作りから。いつもにこやかな鈴木シェフ。
銀座のレストランにいらっしゃる時より楽しそう(?)。
こねたパンはおき火の近くで発酵させます。
発酵を待つ間に今日のメイン料理、ラタトゥイユを作ります。
唐芋をむきます。和食っぽい印象がありますがフランス料理になるんですよね...。
このあとオリーブオイルで素揚げしました。
バターライス作り。まずは生のお米を油で炒めます。作業ははさくさく進みます。
大量の野菜が切り終わりました。
シカとイノシシのお肉は、ニンニク、玉ねぎ、ハーブ、オリーブオイル、赤ワインでマリネしました。
こうすると肉の臭みが消えるのではなく、食材とマッチングして昇華し、芳香となるそうです。
先ほどの「えっ」と思うほどの大量の野菜を大鍋に放りこみました!
オリーブオイルで炒めて野菜から出る水分だけで煮ます。唐の芋も入っています。
ぐつぐつ野菜を煮込んでいる間にパンが焼きあがりました!
砂糖を振った甘めパンと、胡椒を振った風味パンの2種類です。美味しそう!
こちらは肉を焼く炭で焼いたパン。MッキーMウスパン(?)もありますな。
このあとシカ肉とイノシシ肉を焼きました。
料理ができあがりました!
バターライスと鹿肉、猪肉のバーベキュー、ラタトゥイユ、サラダ、パン2種類です。
ラタトゥイユの野菜からでた汁が焼肉のソースにもなりますし、バターライスにも浸みておいしい!
フランス料理にはやっぱり赤ワイン!ワインは主に調理を頑張った女性の皆さんに楽しんでいただきました。
「1週間おくれの母の日のプレゼントに、女性の皆さんにワインを楽しんでもらっていいですか?」の
呼びかけに、男性陣からは無言の「異議なし...」の反応が。
さては皆さん、母の日を忘れていましたな。
できあがった料理をみんなで楽しみました。
地元の「ふるさと館」で調理を担当している皆さんにも参加してもらいました。
甘楽町で地元食材のフランス料理が食べられる日も近い?
大量に作った料理もほぼ完食!
調理を指導して下さった鈴木さんも驚くほど、参加者皆さんたくさん召し上がっていただきました。
最後に、少しだけ残ったラタトゥイユに、これまた少しだけ残ったシカとイノシシの焼き肉を入れてぐつぐつ
煮込んで、塩・こしょうで味を整え、もう一品作ってくだいました。
解散前に皆さんに配って鍋はからっぽ!見事な完食でございました。
昼食をゆっくり楽しんだ後は参加者全員でキウイ畑で花摘みのお手伝いです。
今年は寒い日が続いたためまだつぼみの状態でした。
遅霜にやられてつぼみ自体がかなり少なくなってしまったようです。
これから暑い夏の間も生産者の皆さんはキウイの世話に明け暮れます。
秋には美味しいキウイフルーツに出会えることを期待しましょう。
最後に鈴木シェフから頂いた本日のレシピをご紹介!
「 Chevreuil"HONSYU"et mercassin grille's aux herbes(香草でマリネした本州鹿と猪のグリエ) 」
肉は適当な大きさに切り、ニンニクと玉ねぎみじん切りに乾燥ハーブを振りかけオリーブオイル、赤ワイン少々でマリネしておく。マリネは肉の臭みを消すのではなく他の食材とマッチングさせ、昇華させて芳香とするのがポイント。炭火で焼く際にはかたくなるので焼き過ぎないこと。
「 Ratatouille a' la "KANNRA" (甘楽町で作る南仏風野菜の煮込み) 」
ニンニクはみじん切りにし、他の野菜は一口大にぶつ切りにする。トマト、玉ねぎ、茸類を除き、下処理をした後、油で素揚げしておく。鍋にオリーブオイル、にんにくを入れ軽く炒め、全ての野菜を硬い順に入れ煮込む。とりがらスープをいれ、乾燥ハーブ、塩、こしょうで味を調える。
野菜料理と肉のソースも兼ねます。パスタソースにしてもおいしい。トマト、玉ねぎ、にんにく、ハーブがあればあとは野菜で工夫次第。
「Riz au beurre (七分米のバターライス) 」
七分米をフライパンでサラダ油を加え、透明になるまで炒める。玉ねぎはみじん切りにしてにんにくとともにしんなりするまで炒める。これらを炊飯器に入れとりがらスープ、ハーブを加えて炊く。
炊けて蒸らしたらバターを加え塩、こしょうで味を調える。野趣ゆたかな肉にあわせてお米の香りのある七分米を使用するのがポイント。
「 Pain a' la menagerie (家庭でできる簡単パン) 」
強力粉、酵母、塩、砂糖、水、オリーブオイルをすべて混ぜて捏ねる。ビニル袋に入れ、あたたかい所で休ませ発酵させる。表面にオリーブオイルを塗り、塩・黒胡椒、きび糖の2種を別々にふりかけ2種類のパンを作る。オーブン、フライパン、炭などで焼く。 野外や家庭で作る簡単なパン。気を張らず膨らめば良いという気軽な気持ちで家族で手作りを楽しんでください。
鈴木さん、すべて美味しゅうございました! ありがとうございました。
※お知らせ! 鈴木康太郎さんの料理を楽しむランチ企画の開催が決まりました!
大地を守る会の食材を使って、野菜のおいしさを楽しむフランス料理を組み立てていただきます。
「どうやって食べたら良いか判らない。」というお問い合わせをよくいただく夏野菜も 積極的に使って頂くので料理のレパートリーも広がるかもしれませんよ。
非日常の空間でゆったりと食事を楽しんで夏バテを吹き飛ばしてしまいましょう!
日時:9月8日(水)12:00~14:00
※開催日が9月1日から8日に変更になりました。たくさんの方からのお申込みをお待ちしています!
場所:レストランTHE WAKO 並木館10階 食事会参加費:8,000円
【使用予定食材】モロヘイヤ、ツルムラサキ、とうがん、エンツアイ、 みょうが、青じそ、しょうが、なす、おくら、ズイキ などの中から選んで調理します。
※野菜がメインの料理ですが菜食料理ではありません。肉、魚も併せて楽しんでいただきます。
詳しくは「NEWS大地を守る 8月号」イベント告知欄にてご確認ください。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年5月25日
ヤマキさんより「神泉・畑の樂校」のお便りが届きました!
とらちゃんこと虎谷健です。
ようやく気候が安定してきました。5月中旬の風薫るこの季節は各地で産地イベントが開かれます。
大地を守る会では5月16日は「神泉・畑の樂校」・「本庄まつり」・「甘楽キウイフルーツ花摘みお手伝い&
フランス料理で畑丸ごとライブクッキング!」の3企画が行われました。
今回、「神泉・畑の樂校」を催行していただいたヤマキ醸造の角掛さんより当日の畑の様子の報告が
届きました!
虎谷はこの日別企画で参加できず・・・角掛さん、イベント実施おつかれさまでした!
周りの緑も濃くなってきました。ジャガイモもぐんぐん成長しています!
草は...ちゃんと抑えられていますね。立派です!
「草もあまり茂らなくなってきました。過去4年間の作業の成果だと思います。」
角掛さん、その通りですね!草取りには散々、苦労しました!
晴天が続くのはうれしいのですがそろそろ一雨欲しいですね。乾燥してひび割れ始めています。
潅水施設などないので水もお天気任せです。
晴れが続けば雨が恋しくなり、雨や曇りが続けば太陽が恋しくなります。
畑をやると天気が気になります。
レタスです。レタスは収穫期が短いので2週間に一度の畑の樂校ではなかなか収穫のタイミングが
合わないのですが、今日は収穫できます!お持ち帰りですね!
ブロッコリーです。苗の時にさんざん、鳥に葉をつつかれたのが原因でしょうか。青々と葉は茂って
いますが実は小さいですね。このまま置いておいてもつぼみが開いて花が咲いてしまうだけです。
良く見るとモンシロチョウの幼虫もいます。う~ん、小さいまま収穫してしまいましょう!
来年の教訓は鳥につつかれないようにネットをかぶせる、でございます。
こちらは4月中旬に定植した長ネギです。ちゃんと根を張り成長していますね。大きくなっています。
枯れ枝をしいているのはこうすると味が良くなる、と聞いたのでやってみました。
良いと聞いた事は何でもやってみるのが畑の樂校の信条です。
このあとの世話は成長に合わせて土よせをしてやり、ネギ坊主がでてきたら取り除いてやります。
一日作業を行って、日もだんだん傾いてきました。
こちらはキヌサヤです。実をたくさんつけています。これも今日のお持ち帰りです。
アスパラガスです。収穫をやめて葉を茂らせています。
来年はさらにたくさんの収穫ができることでしょう。
こちらは玉ねぎです。5月になって見違えるほどに育ってきました!玉ねぎも太り始めています。
収穫は6月初旬ですね!楽しみです。
小松菜です。大きくなりました! 誰かが種をこぼしたところも土の固さに負けずに成長しております。
今回は間引きも兼ねてお持ち帰りをしました。
だんだん収穫物も増えてにぎやかな畑の樂校であります。
2月の手作り味噌教室の時に皆さんと麦踏みをした麦畑の今の様子です。
大きく成長をして穂もつけています。もう、麦踏みはできません!(笑)
麦の収穫は6月中旬頃。黄色く色づいてそこだけ秋になったような「麦秋」と呼ばれる風景が見られます。
ヤマキさんでは小麦を醤油の原料として使います。
麦を収穫した後には大豆が植えられます。
一年の畑サイクルがとても判りやすいですね!
今回参加して下さったみなさん。暑い中ご苦労様でした!
ヤマキ醸造の角掛さん、レポートありがとうございました。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年5月19日
エッセンシャルオイルのお話
今日は、4月15日(木)に開催した「ご家庭で自然の恵みをいっぱいに
エッセンシャルオイルのお話」講座についてご紹介します。
講師はハイパープランツ株式会社の川人紫さん。
大地を守る会ではハイパープランツ株式会社のアロマテラピー製品を
会員のみなさんにご紹介しています。
ご自分のこれまでの歩みを話しされる川人さん。
アロマテラピーとはなにか。エッセンシャルオイルの選び方について、
画像を交え、丁寧にお話いただきました。
原料の栽培技術や栽培環境、抽出法、保管方法によってエッセンシャルオイルの品質に
影響するのはもちろん、なかには、表記している種類と別の精油が含まれているケースも
多くあるとか。
エッセンシャルオイル選びのポイントとしては、
・原料が有機栽培されている
・原産国、抽出部位が明記されている
・成分分析表が開示されている
などなど。
偽物や粗悪品がはびこる巷の現状を痛感しました。
川人さんのお隣は、加藤直也さん。
加藤さんは、ハイパープランツに入社前、大相撲に在籍していました。
ご自身在籍中に、試合前の緊張をほぐすため、エッセンシャルオイルを活用されていた
エピソードをお話してくださいました。
ハイパープランツのエッセンシャルオイル、ぜひ、みなさまもご活用ください。
2010年5月11日
「神泉・畑の樂校」のお便りが届きました
とらちゃんこと虎谷健です。
好天に恵まれた今年のゴールデンウイーク、皆さん、どのように過ごされましたか?
私は3日間、ソーセージ教室を行なったので遠出はせず、休日はゆっくりと過ごしました。
今回のレポートは、イベントが重なり参加できなかった「神泉・畑の樂校」。
企画でお世話になっているヤマキ醸造さんの角掛さんから、5月1日の畑の樂校の様子を報告が届き
ましたのでご紹介します。
一度は霜害で枯れてしまったジャガイモの芽ですが全滅でなかったようでホッとしました。
株は少し小さくなってしまいましたが大丈夫でしょう!
ゴールデンウイーク中にも関わらず、大勢の方が参加してくれました。
レタスです。元気に成長をしている様子です。
レタスはアブラムシがつきやすかったり、収穫適期が短かったりと、なかなか良い状態で収穫が
できません。
キヌサヤです。ぐんぐん成長をしています!
前回、先端のやわらかい部分を豆苗として収穫、油炒めにして食べちゃったのですが、それにも
負けずに育っていますね。白い花もちらほら見えますので次回は実も食べれますね。
アスパラガスです。
こちらも前回収穫を楽しみましたが、もう新しい芽が伸びてきています。
もう少し収穫したら葉を開かせて株に栄養をつけさせないといけませんな。
白いマルチがかかっているのは玉ねぎです。葉がだいぶ伸びてきたようです。6月頃収穫ですね。
手前の株はブロッコリーです。鳥に葉をついばまれてしまっていて生育が芳しくありません。
春先は鳥が食べられる葉が少ないのでしょうか...キャベツなどもよくつつかれてしまいます。
皆さんの草取りのおかげで畑の中にほとんど雑草が生えていません!
この状態で梅雨時期を乗り越えられると良いのですが。
以下、ヤマキ醸造の角掛さんより。
「今回行った作業は、『モロヘイヤ』・『ズッキーニ』・『小玉スイカ』・『なす』・『ルビートマト』・『ピーマン』・
『シシトウ』・『えびすかぼちゃ』・『トウモロコシ』の定植です。
種類は多いのですがそれぞれ2から3苗ですので、二列に収まっています。
それと枝豆用の大豆の播種を一列行いました。好天に恵まれ、気持ちよく作業がはかどりました。
途中でテレビ埼玉の取材などがあり、その後は写真が撮れませんでした。」
とのことですが、いえいえちゃんと畑の様子が分かりました!
角掛さん、レポートありがとうございました!
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年5月 8日
神泉・畑の樂校の畑に行ってきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
皆さんが仕込んだお味噌はその後いかがでしょうか?
そろそろ切り返しを行う時期になりましたが忘れていませんか?
私も「神泉・畑の樂校」企画の準備をしていてヤマキの手作り味噌教室を思い出し、味噌の切り返し
時期だと気がつきました!
我が家の味噌の様子です。
今回は「ウチは豆を潰さずに仕込んでいるよ。」という同僚職員の話を思い出して豆を潰さずに
仕込んでみました。
試しに食べてみましたがちゃんと味噌になっています!
この味噌をどうやって食べたら良いでしょう?潰して味噌汁に使っては芸がありません。
秋までに美味しい食べ方を見つけたいと思います。
今年は3月の天候が不順で、4月に入っても寒い日が多かったのですが、ようやく春らしくなって
きました。神泉の里は木々の新芽と花でいっぱいです。カタクリが自生している場所もあるんですよ。
4月25日の畑の様子です。
ジャガイモの芽がずいぶん出てきていますね・・・。キヌサヤも伸び始めました。
ジャガイモの芽の様子です。おっ!調子良さそう!っと喜んだのもつかの間。
実は前日に霜が降りたようですでに霜あたりしてしまっていました。午前中は順調そうに
みえたのですが・・・
午後の強い日差しで急速に茶色く変色してしまいました!
こうなるとこの芽はアウトです。(T_T)
でも、一旦芽は枯れてしまいますが、後から出てくるゆっくり成長していた芽がちゃんと育ってくれます。
霜害を防ぐ方法としては芽に土をかぶせてやる方法がありますが、畑の近くに住んでいないと対応
できません。ジャガイモの収穫はちょっと遅れてしまいますが仕方ありません。
こちらは寒さに強いキヌサヤ。
11月に種を蒔いてから小さな苗の状態で冬を耐え、春の訪れとともに一気に成長を始めました。
こちらは霜もなんのその。元気いっぱいです。
アスパラガスもにょきにょき伸び始めています。
参加者の方にアスパラの説明をしているのは大地を守る会の職員(取締役・エライ方なんです)であり、
秩父で自ら農業を営む長谷川満さんです。
前日は大地を守る会の職員一同が集まる通称「春合宿」が行われました。解散後、気持ちよく酔っ払って
いた長谷川さんを見て「明日本当に畑に来てくれるかなぁ。」と心配していたのですが、ちゃんと来て
くれました!
畑に入るとさすが農民、目つきが違います!
鋭い眼光で「虎谷、欲張ってアスパラ取り過ぎると株、弱っちゃうぞ!」と私の腹の内を見透かした
ような鋭い助言。
アスパラガスは春、根から出てくる新芽を収穫しますが、何度も取ってしまうと養分を使いすぎて株が
弱ってしまうそうです。なので、ある程度収穫を楽しんだらそのまま芽を伸ばしてあげ、葉を開かせ
なくてはいけません。
分かってはいるのですが、目の前に食べごろのアスパラがあるとついつい収穫したくなってしまいます。
こちらは前回種をまいた小松菜です。参加者みんなで蒔く場所を決めて蒔きました。
密集してはえているところ、間を置いて生えているところ・・・皆さんの性格が現われています(笑)。
誰か種をこぼしてしまったようで、畝間に生えてしまっています。
長ネギの定植も行いました。長ネギは夏に種を蒔いて苗を育てて、翌年春に定植し、秋に収穫です。
収穫まで1年以上かかる作物なのですね。
溝に苗を植え、そのあとネギの成長に合わせて土を寄せていくと白い部分が伸びて、お馴染みの
長ネギとなります。
溝に苗を植えますが長ネギは湿気を嫌います。雨が降っても溝に水が残らないような水はけの良い
場所を選ばなくてはなりません。
人参も芽を出していました。
人参は長ネギと違って水が好きで水分の多い畝に蒔くと発芽が良いようです。
一つの畑でも長ネギに適した場所、人参に適した場所があります。畑の樂校も4年目に入って
ようやく畑のクセのようなものが判るようになってきました。
人参の芽はうまく発芽してもすぐに雑草に負けてしまいますのでこまめな草取りが欠かせません。
半日草取りをして夕方ようやくお土産用の収穫です。初めての収穫体験。はさみの使い方がちょっと
ぎこちないですが慣れていこう!
雑草の株が小さな今の時期に、できるだけ草取りに時間を使います。
時間配分は 草取り7 : 播種・定植2 : 楽しい収穫1 といったところでしょうか。
数年前、「まだ小さいからもう少し待って草取りをやろう。」と草を甘く見て大失敗したことがありました。
風に吹かれただけで擦れてしまいそうな、かよわい草が数週間後にはどっしりと地中に根をはり巡らし、
どんな大風にも負けないような強靭な株に成長していました!
抜くにも力が要り、それが密生してまるで緑の海のような様は悪夢でした。
その経験があるのでどんな小さな草にも容赦しません!
ちなみに、この写真は2年前の6月の悪夢、「緑の海」。すべて栽培物ではない、「草」でございます。
春先に草むしりを怠った報いであります。
今回の収穫物です。畑の樂校もまだ2回目、お土産はまだ少ないので畑の脇に生えていたふきも
収穫してしまいました。
あとはアスパラガスと、その左はキヌサヤの芽「豆芽」です。油炒めにするとおいしいです。
これからどんどん収穫物も増えてにぎやかになることでしょう。
今回は、マルチをかけてのとうもろこし、オクラの播種、長ネギの定植、草取り(特に人参の株まわり
を念入りに)を行いました。
次回はミニトマトやキュウリ、ナス、ししとうなどの定植を行う予定です。
これからの季節、天候も良くなり植える物がたくさんありますので充実した日が続きそうです。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年5月 7日
樽井さんの茶摘み交流会に行ってきました。
とらちゃんこと虎谷健です。
静岡県丹那の酪農家さんとの交流会の翌日は、浜松にある日本農産さんのお茶畑で茶摘みを
体験しました。
今年の天候不順はお茶農家さんにも大きな影響を与えてしまいました。
交流会で茶摘みを楽しむ予定だった樽井さんの山の上のお茶畑は、3月31日の遅霜にやられて
お茶の芽は枯れてしまいました。
開催ぎりぎりまで様子を見てくれていたのですが、その後の気温も上がらず茶摘みは無理と判断、
霜の害が比較的少なかった平地の茶畑に変更して開催を決定しました。
私は前日のうちに浜松入りをして当日に臨みました。
早朝の浜名湖にちょっと足をのばしてみました。
虎谷は学生時代の一時期をこの浜名湖の水産実験所で過ごしたので懐かしい場所です。
教授はウナギの養殖研究をされていた方でしたが、養殖技術の確立を見届ける前に亡くなって
しまいました。
今年4月に遂にウナギの完全養殖(水槽内で生まれて育った親ウナギから受精卵を得て稚魚を得る事)
に成功したというニュースが流れました。
クロマグロに引き続き、ウナギも完全養殖のめどが立ちました。地道な研究者たちの努力の成果ですね。
ただ、養殖技術が確立されたから安心、とは思えません。乱獲防止はもちろん自然環境全体を守る
ことが大切です。自然環境さえ守れば養殖技術がなくても生物は増え続けるわけですから...。
それに食用動物だけが水槽や養殖池で増えてもさびしい世の中になってしまいます。
今年は生物の多様性を考える「生物多様性年」でもあります。人間にとって有益か否かだけを判断基準
にせずに環境全体の事を考えたいですね。
昨日とうってかわっての良い天気です。参加者の皆さんが集まり始めました。
早く到着した方から茶摘みを行ってもらいました。
日本農産の代表、樽井隆之さんからお茶の摘み方を教わりました。
「一芯三葉」と言って新芽の柔らかい部分だけを摘んでいきます。根気がいる作業です。
参加者の皆さんが摘んだものがお土産になりますので、一生懸命に摘んでお土産を増やして
くださいね!さあ、わき目もふらずにどんどん摘もう!!!
畑には雑草処理班のヤギさんも。とてもいい子でお茶の葉は食べないそうです。
お茶の葉を食べすぎて眠れない夜を過ごした苦い経験でもあるのでしょうか...。
お茶の葉は噛むと結構渋いですからヤギも敬遠するのでしょう。子どもたちはさっそく餌やりです。
茶摘みもちゃんとしてよね!
無心にお茶を摘みます。
ところどころ枯れているのは霜の被害に遭った場所です。こんな平地でも霜の害があったのですから
山の上はひどそうです。
なぜかみかん狩り!
樽井さんのお友だちの農家さんの好意でおいしいみかんを収穫させていただきました。
本っ当に、ちゃんとお茶を摘まないとお土産ないんですよ!
お茶摘み終わって集合写真。
子どもたちもがんばりました!けっこう集まりましたね。
この日参加してくれた大地を守る会の職員のみんな。
茶摘みの当初目標は達成できたかな?人事チームにも見てもらって人事評価に役立ててもらおう!
茶摘みの後はいよいよ山の上の茶畑へ。
今回は昼食をとるために訪問しました。また、霜害の様子を参加者の皆さんにも見ていただき
たかったのです。
途中、車を降りてちょっと休憩。小川でサワガニやカジカガエルを探しました。
流れ着いていたトレイを回収するキミはエライ!川はきれいにしなくてはいけませんな。
霜にやられてしまった山上の畑。新芽が枯れてしまっています。
ちなみにこちらは一昨年の様子です。一面に新芽がふいている様子が判ります。
山の新芽の色も違いますね。
霜害にあった畑で、なぜ霜害の危険性の高い土地でお茶を栽培するのか理由をお聞きしました。
この山の上の畑は樽井ちえこさんのご主人、故・樽井孝蔵さんがちえこさんと一緒に開墾しました。
「人様の口に入れる物を作る私たちは人一倍、食べ物の安全性に気を配らねばならない。」という
信念のもと、他の畑からの農薬の飛散などの心配がないこの山の上にお茶畑を拓いたそうです。
防霜ファンや水道などがない(新芽に水をかけ続けて氷の膜で覆うことで霜害を防げるそうです)
人里離れた山の上のため、今年のような遅い霜が来ると防ぐ手立てがありません。
私たちに安全な食を届けるために生産者が背負ったリスクを実感しました。
・・・でも、この畑のお茶も10日ほどすれば新芽が芽吹くそうです。樽井さんは「ちょっと収穫が遅れる
だけで出荷には影響ありませんよ。」と笑っていらっしゃいました。
この畑からでるお茶が「霧山無心」です。お茶が販売されましたら故・樽井孝蔵さんの信念に想いを
馳せながら味わっていただけると幸いです。
お昼ごはんです。静岡県の美味しい物を用意して頂きました。
用意してくださった昼食。
お茶の天ぷら、さくら海老ときのこの天ぷら、たけのこの煮もの、シラスごはん。
静岡の春の食材がいっぱいです。
お昼を食べて山菜を摘んで(今年はワラビも少なめでした!)ゆっくり過ごしてから山を降りてきました。
お土産用の製茶はまだ続いていました。完成を待つ間の時間、昔懐かしいポン菓子を見せてくれました。
大きな音に皆さんびっくりです。
ちえこおばあちゃんも出迎えてくれました。
今年86歳になるちえこおばあちゃん。一昨年脳内出血で倒れられましたがお元気になりました。
参加者の皆さんが集まる間、ちえこさんとお店で目の前の茶畑を見ながらお話をしていましたが、
「あのお茶は『131番』。芽吹きがいつもより早いかな。その向こうは『7132番』。おいしいお茶が
取れるよ。」と4ケタ数字がポンポンでてきます。
お茶は品種番号で管理しているそうですがすごい記憶力です。
ちえこさんは毎年大地を守る会の東京集会に来て下さいます。皆さんも東京集会でちえこさんと
会ってお話してくださいね!
最後に製茶が終わったお茶を頂いて解散となりました。一人一袋、行きわたりました。
皆さん、頑張ってくれてありがとうございました!
家でゆったりとティータイム。ほんのり甘味のある美味しいお茶でございました!
一生懸命の摘んでくださった皆さんの爪のあかが隠し味でございますね!(笑)
全く摘むお手伝いをせずにお茶ばかり飲んでいた虎谷、皆さんの爪の垢を煎じて美味しくいただきました。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年4月14日
ヘナ使い方入門講座
3月30日新しい年度の始まりを目の前に、ヘナの使い方講座を開催しました。
ヘナとは、植物100%の天然の白髪染めのこと。
講師はヘナのメーカーである株式会社ナイアードのスタッフのみなさんです。
今年で3回目になるこの講座。
今回、初めて参加者に実際に染める作業をみていただくことにしました。
モデルは大地を守る会の男性スタッフ2人。午前・午後の講座にそれぞれ入ってもらいました。
二人とも髪を染めるのは初めてです♪
こちらは午前の部の様子。原産地のインドでヘナがどのように生産され、使われているか、
画像を交えてわかりやすく説明がありました。
ヘナのお話の後は、実際にモデルの髪を染めます。
午前はオレンジ系に染まる「ヘナ10種のハーブ入」を使って。
頭の中心から、頭皮をもみこみように、丁寧にヘナをつけていきます。
ヘナを塗り込んだら、最後に保温。キャップ(タオルでも可)をかぶり、1時間ほど待ちます。
約1時間おいて、シャンプーし、しっかりとヘナを洗い流し、染めあがりました。
オレンジの色が入りました。
ヘナは回を重ねるほど、だんだんと濃く染まるそうです。
染めあがりの様子を確認する出席者のみなさん。
こちらは午後の講座の様子。使うヘナはダークブラウン系に染まる木藍入。
生え際部分には3cmほどの幅に裂いたティッシュでおさえると液だれをおさえることができる
ということ。
染めあがりです。こちらもしっかりとシャンプー後。
ほんのりグリーンかかっています。木藍が発色を続けるので、3~4日すれば、ダークブラウンの色に
落ち着きます。
人生初めて髪を染めて、染めあがりに興味深々のスタッフ。
1回染めただけですが、雰囲気がずいぶんと変わりました!
職場での評判も上々です♪
報告させていただく私もヘナの愛用者。
ヘナで染めたあとの地肌のキリッと感もまた快感です。
2010年4月 7日
「神泉・畑の樂校」が開校しました!
とらちゃんこと虎谷健です。
今週は各地の学校で新学期が始まりましたね。皆さんのご家族にも新生活を始めた方が
いらっしゃるのではないでしょうか。
大地を守る会の六本木事務所の隣は中学校。桜の花びらがはらはら舞う中で入学式が
行われていました。
今年もまだ小学生の面影を残したヤング達(死語?)が緊張で顔を紅潮させながら登校して
くることでしょう。
さて、埼玉県の北部、神川町の畑を教室にしている「神泉・畑の樂校」も、4月3日に4年目の
開校式の日を迎えました。
今年度の参加者は12組20名。
期の途中からの参加もOKなので、今後も参加者が増えていくことを望んでいます!
暖かくなってきたこの時期は雑草取りや播種など行う事がめじろ押しです。
「畑に入ったら、とりあえず草を抜いてくださいね!」というお願いに、集まった方々は新入生気分を
味わう間もなくそのまま作業に突入!「なんか、慌ただしい企画に参加しちゃったな。」と思われた方
もいたかも。
でも、全員そろって一段落したところで始めた開校式&自己紹介では、すでに皆さんにはほのかな
連帯感も生まれていたような。
開校式もそこそこに、畑に戻ってさっそく作業開始!
慌ただしくはありますが、桜も咲いていて過ごしやすい良い天気に気分はちょっとのんびり。
希望者には耕運機の扱い方講習も。機械の動きをなかなか制御できなくてまっすぐに進めません!
便利な機械ですが、これから畑に作物が植わり始めると一畝づつ耕すことが多いので、耕運機は
使えず鍬&人力が主力になります。
「いいな...あれ」って眺めているきみ!まだちょっと君には耕運機の操作は早いかな。
男の子はメカが好きですね。
ちょうどジャガイモの植え付けの時期です。種イモのカットの仕方から教えてもらいました。
カットしたジャガイモは切り口を乾かしてから植えました。
「これからどんな風に育つんだろう...。」と期待膨らむ時間です。
ヤマキ醸造の角掛さんが おもむろにイオウのような黄色みがかかった物体の取り出しました!
化学肥料!?はたまた農薬?・・・もしかして、雑草の多さに驚いていきなり除草剤ですか!!!
ご安心を!
豆腐を作る際にでる「おから」を乾燥させたものでした。
この畑には農薬・除草剤はもとより、肥料さえもあまり入れません。ヤマキ醸造さんが豆腐を作った
際に出るおからを分けてもらって散布する程度です。
畑をめいっぱい使わない「素人農業」だからこそ、こんな肥料やりでも済むのですね。
他にも、プロの農家さんならその都度使い終える「黒マルチ」と呼ばれる畑の表面を覆って地温をあげ、
雑草の茂りを抑えるビニル資材も繰り返し使います。
だいたい3年ほど使うとぼろぼろになってしまうのでそこでようやくお役御免になります。
なるべくゴミとお金が出ていかないように工夫しながら、農の楽しみはちゃんと享受する・・・。
それがこの畑の樂校の神髄であります!
さあ、一日たっぷり畑で作業をしました。
この日植えた作物はジャガイモ、小松菜、大根、人参、ブロッコリーの苗。
ちょっと早いかな、と思いつつ植えたミニトマト、キュウリ、山からとってきた山ウドも植えました。
他には昨年秋に植えたエンドウ豆、玉ねぎ、3年目になって風格が出てきたアスパラガスが
植わっています。
といっても、上の写真では畑は何にも植わっていないように見えますね。
これからもこのアングルで写真を紹介していきます。
季節ごとに変化していく畑の様子を楽しみにしていてください!
この「神泉・食と農の畑の樂校」は月2回(第一土曜日、第三日曜日、冬期は月一回)開催されます。
途中からの参加もできますので興味ある方はぜひ大地を守る会・事務局の虎谷健までご連絡ください。
皆さんが農を身近な体験としてくださる事を願っております。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年4月 2日
鎌倉で講演会「手仕事ものがたり」
「ユージ」こと大北雄二です。
とても天気の良いお散歩日和の3/30(火)、 鎌倉の閑静な住宅街の中にある 民芸店「もやい工芸」
で、 手仕事についての講演会を開催しました。
こちらがもやい工芸さんの入口です。
店内には、手仕事で作りだされた味わい深い器やかごなどの民芸品の品々が 所狭しと
並んでいます。
店主の久野恵一に手仕事の魅力について語っていただきました。
「人の手で作られた、使ってこそ美しく、暮らしに根付いている道具、それが手仕事の民芸品です。
鑑賞するための美術品はその類ではありません。手仕事には人の手のぬくもりがあります。」
久野さんが持っているのは、岩手県久慈市で見つけたおひつ。
短角牛の生産者に会いに行った道中で偶然見つけたものなんだそうです。
久野さんは、こうして日本各地を歩いて、見ながら手仕事の民芸品を発掘し、 その魅力を普及
させることをライフワークにしています。
特に最近は若者を対象に手仕事の魅力を伝えようと、久野さんは月に一回のペースで 勉強会を
開催しているそうです。
手仕事の民芸品を生活の中に取り入れることを提案、実践している久野さんは、 手仕事フォーラム
の代表もつとめています。(→手仕事フォーラムHP)
「良い食材、安全な食材をたべるだけでなく、料理をのせる食器も、良い器、安全な器を
ぜひ考えてほしい。それが暮らしの文化となり、住まい、家並み、やがては町並みにつながります。」
という言葉には、参加者みなさんも 共感しているようでした。
講演終了後は、そのまま店内でお買いものです。
普段は全国各地を飛び回っていて、お店には1年のうち4か月くらいしかいないという久野さんが
丁寧に説明してくれます。品物の背景にある手仕事のものがたりを知ると、
やはり買いたくなっちゃいますね。
とくに参加者のみなさんの目にとまっていたのは、 この黒い壺。
実はこれは米びつなんです。
木炭でできているので、これからの梅雨時でもカビや虫が 発生しにくいんだそうです。
天気の良い日に、手仕事の品々にかこまれながら お話を聞くというのは、なんとも文化的な
気分になれます。
鎌倉散策をかねて参加した方も多かったのではないでしょうか。
大地を守る会 交流局 大北雄二
2010年3月30日
「神泉・食と農の畑の樂校」の現地説明会を行いました。
とらちゃんこと虎谷健です。
だいぶ春めいてきましたがまだまだ寒い日もあります。3月は天候も不安定ですから皆さんも
体調管理には気をつけてくださいね。
今年で4年目を迎える「神泉・食と農の畑の樂校」企画の現地説明会を行いました。
説明会が行われるのは畑の樂校の畑がある、埼玉県北部にある神川町。
あれ!「神川町」なのになんで「神泉」なの?と思われた方はするどい。
実は4年前にこの畑の樂校企画を始めた時、この地域は「神泉村」という村だったのです。
それが町村合併を経て、「神川町」になりました。
農業には全くの素人の私たちの願いを聞いてくれて「やってみてごらん」と快く畑を貸してくれた村長さん、
「草出すなよ~」と言いつつ、夏ごろには「まだあいつら続いているな」、秋頃には「なかなか続くじゃないか!」と
暖かく見守ってくれた地域の皆さんに敬意を表し、企画名に「神泉」の名称を残しているのです。
参加者の皆さんが集まる前に畑の様子を見て来ました。
ほとんどの作物は収穫を終えて耕運機で耕されています。耕運機を使うのは年に2回ほど。
様々な作物が植わっているので、普段は必要な場所だけ鍬で耕しています。
そして畑が空くこの時期に、ほぼ全面を耕します。
雑草などもそのままに、一気に耕し、少し間をおいてからもう一度耕運することで、雑草の勢いを
抑え込んでしまいます。
そら豆の苗です。赤城おろしが吹き付ける神泉の冬を乗り切りました。
村内を歩くときれいな水路が流れています。クレソンも生えていて沢ガニもたくさんいます。
川の音を聞きながらの生活っていいですね。
こちらのお宅は野菜を洗う場所も作っています。身近かにきれいな水が流れている生活ってうらやましいなぁ!
夏ならスイカやビールを冷やしても良さそう!
説明会時間は約1時間半。東京から片道100kmもあるこの土地に、たった1時間半のために来て
いただくのは申し訳ない限りですが、参加申し込みいただく前に一度現地を訪ねてもらい、果たして
一年間通えきれるかどうか確かめていただきたい想いがあったのです。
室内で畑の樂校企画の概要をお話した後は「実際に畑を見ていただきましょう!」ということで
さっそく畑を見に行きました。
この日はちょうど、09年度の畑の樂校の最後の開催日です。すでに畑では皆さんが集まって
作業をしていました。ここで講師をお願いしている生産者、庄司義孝さんの紹介を行いました。
今日の作業はじゃがいもの植え付けです。一年間、畑を耕してきた皆さんは手際がいい!
このじゃがいもの収穫は6月ですので10年度の参加者の皆さんが収穫を楽しみます。
09年度参加の皆さんの中にも継続を申し出てくれている方もいらっしゃいます。
畑の樂校の現地窓口を担当して下さっている㈱ヤマキの角掛康弘さん(右端)の説明を聞きます。
杉林に囲まれている神泉で花粉症は少しつらそうです...。
09年度の畑の樂校の最終日ということでなんと、ヤマキさんが昼食を用意してくれました!
「説明会に参加した皆さんもご一緒に!」とうれしいお誘いです。
おしゃれな庭を眺めながらヤマキさんの食材で作ったお昼ごはんをいただきました。
これを食べちゃったら、もう参加するしかないですね!(笑)
09年度畑の樂校を頑張りぬいた皆さん。
抜いても抜いても生えてくる雑草にも負けず、葉の裏に潜んでいるあおむしの驚かしにもひるマズ、
夏の暑さにも冬の木枯らしの冷たさにもマケズ
イツモニコニコワラッテイル
サウイフモノニワタシモナリタイ
今年4月からの「神泉・食と農の畑の樂校」。
今年は途中からの参加申し込みも受け付けますので「やってみよう!」と思われた方はぜひご連絡ください。
なお、今年は6月の大豆の播種にあわせて「大豆組」という大豆栽培体験に特化したクラスも設けます!
畑の樂校で皆さんと畑を耕していただき、大豆の世話がある時はそちらの作業体験をしていただくクラスです。
6月中旬の播種、7~8月の草取り(この作業が大豆栽培には大切!)、11月の収穫体験と豆の選別を
体験していただきます。
また、その収穫した大豆を使って冬の手作り味噌も仕込むこともできます。
自分で世話をした大豆で味噌を仕込む...。ホントの手作り味噌ですね!
皆さんが昼食を楽しんでいるのを横目に私は次の訪問地、瀬山明さんのお宅へ向かいました。
瀬山さんのお宅にある蔵を改装したおしゃれな空間で、5月16日(日)に行われる「本庄総合公園春まつり」の
出店打ち合わせを行いました。
テーブルの下には映写機が。こんな部屋で映画を見たら気分良さそうです。
今回、春まつりに皆さんで出店するのは初めての試みです。
松田マヨネーズの松田優正社長と娘さんの沙千さん。木曽馬とどさんこを神川で飼っていて
お祭に連れてこれないか思案中。
右から高橋ソースの高柳圭司さんともぎ豆腐店の石川修さん。
右から味輝のパンの荒木和樹さんとマリーレーンの石井誠一さん。
石井さんは元大地を守る会の職員です。私たちの大先輩ですね。
今回の仕掛け人の瀬山明グループの瀬山明さん。
瀬山さんが主催者に出店の相談に行ったところ、担当の方に「瀬山さん、よくあの方たちをまとめ
ましたね!」と驚かれたそうです。
みなさん、信念と行動力がある事業者さんとして本庄市では知られている方々だそうで、
いつも忙しく飛び回っているようで、地域の集まりでみんなで何か一緒に行なう、という事が
あまりなかったそうです。
でも、大地を守る会でお付き合いしている方の中にはもっと豪傑もいますから、私の目には実に
品行方正な方々に見えます。
そのような豪傑生産者の皆さんを束ねて、さらに東京集会で出店までしてもらっている大地を守る会
って組織は実はすごく懐が深い組織なのかなぁ、などと思えてしまいます。
本庄総合公園春まつりは5月16日(日)10:00~15:00に行われます。
機関紙「NEWS大地を守る」4月号でお知らせしますのでお近くの方はぜひ遊びに行ってください。
JR高崎線の本庄駅からは徒歩で20分くらいかかりますのでタクシー利用が良いと思われます。
広い駐車場があるので自家用車での参加が便利です。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年3月11日
「地域が支える食と農 神戸大会」 2010.2.20-21
10年3月11日(木)晴れ(by ドクターMaekawa)
大地を守る会では、2005年より、「農を変えたい全国運動」に参加し、その運動の成果として、
2008年に、「全国有機推進協議会」が発足しました。この会に、野田克己さん(大地を守る会
専務理事)が理事として参画し、有機農業の広がりをめざしています。また、大地を守る会が
事務局団体を担う、「全国学校給食を考える会」(→学校給食ニュースHP)の会長である、
五十嵐興子さんが、「食農プロジェクト」のメンバーとして参加し、有機農業をどのように、
学校給食の中で教育として位置づけるか、模索・検討しています。
この「全国有機農業推進協議会」などの理事メンバーが中心となって、この2月に、タイトルの
集会を神戸にて開催しました。この集会の目的のもう一つは、世界の有機農業団体、有機農業
に理解を示しそれを食べている消費者団体を一同に集め、世界へ向けて、今後の有機農業、
そして流通のあり方を発信しようというものでもあります。
神戸大会プログラム
このプログラムからもわかるように、アメリカ、イタリア、フランス、イギリス、インド、オーストラリア、
韓国といった世界各国から、約50名ほどの方が来日されました。まさに「有機農業の国際会議」
にふさわしい陣容となっています(→海外スピーカー紹介)。
会場は、15年前の震災で、大きな被害を受けたポートアイランドにある、神戸学院大学。
傷跡は今はほとんど見られません。
会場の神戸学院大学
初日の朝から、大きな講堂が満員になるほどの盛況ぶり。およそ、700名近くの参加者が
いたでしょうか。
多くの参加者で熱気にあふれる会場
午前中から午後のはじめにかけては、各国の有機農業の状況、生産者と消費者の活発な
提携活動が紹介されました。
午後は、7つにわかれての分科会。その一つの「食農教育」を、大地を守る会で担当しました。
パネラーとしては、
五十嵐興子さん:30年間、東京都の学校給食の現場で務められ栄養士。埼玉や群馬、長崎、
岩手などの生産者と連携し、産直農産物を学校給食に導入し、食育活動を展開。
現在、全国学校給食を考える会会長
安井孝さん:愛媛県今治市の企画振興部室長。今治で、積極的に有機農産物、地元農産物を
用いた学校給食の推進活動を展開されている。
中川智子さん:兵庫県宝塚市長。1985年から、地元宝塚市で、学校給食運動に取り組み、その後、
1996年から2期、衆議院議員を務められ、2009年より現職。
コーディネーター澤登早苗さん:恵泉女子大学准教授。自分の教え子の大学生たちと、有機農業
に取り組むとともに、その周辺地域の多摩ニュータウンなどにおいて、「親子有機野菜
教室」などを開催し、食育活動を実践されている。父親の澤登芳さんは、大地を守る会
へ、有機のキウイを出荷されている生産者でもある。
これらのメンバーで、どうやったら、有機農産物を使った食育活動ができるか、そして、学校給食に
有機農産物をより一層いれていくためには、どのような工夫が必要かについて、議論されました。
左から、安井さん、五十嵐さん、中川さん、澤登さん
質疑応答では、自らを「オーガニックマン」と称される参議院議員のツルネン・マルテイ議員
から、「アメリカの学校では、学生自ら有機農産物を耕し、それを給食として食べているところ
があるが、日本でそのようなところはありますか」という質問がありました。日本にも、数箇所、
そういった活動をしている学校があるようですが、まだまだ統計資料になるにはほど遠い状況
であるという解説がパネラーよりありました。そして、ツルネンさんからは、政治家として、日本
の有機農業の発展に全力を尽くすという力強い発言もありました。また、中川市長からは、今後、
宝塚市を、今治に負けないような有機の里にしていけるよう頑張るとの決意表明もありました。
注)実は、僕の机の隣で一緒に仕事をしている「ナカティ」こと中川啓は、彼女の息子さんです。
二日目は、「産消提携」をキーワードに、さまざまな国のさまざまな取り組みが紹介されました。
実は、日本でいう産消提携の概念は、アメリカでは、CSA(Community Supported Agriculture)、
フランスでは、AMAP(Association pour le Maintien d'une Agriculture Paysanne)という言葉
で、実質的に同じ運動が実施されています。これらの世界の「産消提携」のパネルディスカッション
に、野田克己さん(大地を守る会専務理事)がパネラーとして登壇しました。
パネルディスカッションで発言する野田克己さん
野田克己さんの発言を要約
大地を守る会では、株式会社という特殊な形式で、生産者と消費者を結ぶ活動を展開して
きました。株式会社というと営利のみを目的としているような印象を受けますが、大地を守る会
では、学校給食運動、脱原発運動、有機農業促進運動を多くの団体と連携して、展開してきま
した。また、年間100回以上に及ぶ消費者、生産者の交流イベントを実施し、「顔の見える関係」
の構築に向けて活動しています。
有機農業という観点でデータを出すと、大地を守る会の出荷する農産物の11.9%が、JAS認証
を受けたものです。しかし大地を守る会では、JAS認証有機農産物だけにこだわっているわけ
ではなく、それに向けて努力する生産者との関係も大切にしています。今後も、生産者と消費者
のより一層の結びつきをめざしていきます。このブログの中で紹介されている、イベントレポート
はまさしくその活動の現場からの情報発信なのです。
大地を守る会 運動局 前川隆文
2010年3月 9日
「ヤマキさんの手作り味噌教室」に行ってきました
とらちゃんこと虎谷健です。
大地を守る会の2日間にわたる大イベント「東京集会」の興奮もさめやらぬ翌週、
埼玉県神川町にあるヤマキ醸造さんで手作り味噌教室を行いました。
いつもの年は1月と2月に2回開催するだけなのですが、今シーズンは手作り味噌教室企画が
大変な人気のため、ヤマキさんにお願いして急遽、追加開催をお願いしました。
3月に入ると暖かな日も増えてきますので、味噌作りの季節としてはぎりぎりのタイミングですが、
当日は小雨まじりの寒い日で冬に戻ってしまった様な天気でした。
杉の木々は花粉をいっぱいに貯え、「いつでも飛べるぞ!スタンバイ、OK!」の構え。
山全体が赤茶けて見えるようです。
花粉症の私は花粉の飛散が少ないであろう、寒くて小雨混じりの今日の天気は歓迎です。
前回の味噌教室で麦踏みをした麦畑。雨も何度か降って暖かい日もあったのでだいぶ成長しています。
ここまで成長したら株を痛めてしまうので麦踏みはできません。
ヤマキさんと大地を守る会が一緒に行っている「神泉・畑の樂校」の畑も見てきました。
さすがにこの時期は作物も少なくて畑は眠っているようです。
しかし、雑草くんたちはすでに花を咲かせ成長を始めていました。
・・・この生命力、脱帽ですね!
雑草くんたちを食べる事が出来たらホントにいいのですが。。。(笑)
唯一青々と茂っているのはほうれん草です。越冬中のほうれん草は体が凍らないように
糖分を増やしているので、見た目は悪いですがとてもあまくなります。
テントウムシがいました!そういえば今日は二十四節気でいう啓蟄。虫も動きだす季節です。春はもうすぐです!
写真にあるように、葉が冷たい北風に吹かれて擦れてしまっています。
プロの農家さんはこのような傷がつかないよう、風が吹くと被覆材を掛けたり、蒸れそうだったら
外したり、とこまめに手間をかけますが、この「畑の樂校」の畑は会員の皆さん達だけで世話を
しているので2週間に一度しか作業日がありません。
どうしても世話が後手にまわりがちです。
人が畑にいないと動物たちもやって来てしまいます。野鳥にもだいぶついばまれてしまっています。
味噌作り会場に集合してまずは昼食。
味噌作りはお腹が減ります。たっぷり食べてがんばろう!おうおう!
ヤマキさんのスタッフの皆さんが準備してくださった、肉をほとんど使っていない、ヤマキさんの
食材だけでほぼ作られたお料理の数々。大豆ご飯がおいしい!
昼食が終わった後、食後の散策に「畑の樂校」の畑の見学にも行きました。
会場に集まっていよいよ味噌作りの開始です!
材料の大豆、麹、塩をよく混ぜてから潰し始めます。力がいります!
子どもさんは足で踏んで潰します。
「食べものを踏んじゃっていいのかなぁ・・・ママ、怒らない?」と最初は不安顔の子どもさんも、
お手伝いになる事が分っていきいきしています。楽しそうですね!
女性お一人で参加の方にはヤマキスタッフの強力な助っ人がつきました。
手際良く、あっという間にきれいに潰してくれました。
がんばりすぎてひと休み。
潰し終えたら、いよいよ容器に移す作業です。まずは講師のヤマキ醸造職員・森田さんの作業を見学です。
長い熟成中にカビが生えにくいように空気が入らないように詰めてゆきます。一番気になる作業ですね。
容器を持参していない方は自宅でこの作業を行いますので、皆さん真剣に森田さんの手元を見ていました。
子どもたちも真剣に見学しています。自分の作ったお味噌をごはんの時に味わう体験は身近かな食育ですね。
「食育」などと難しい事を言わなくても素直に楽しいです。
今回も無事仕込み終わりました。それぞれの家庭で秋まで面倒をみてあげてくださいね!
夏の終わりごろには、「手作り味噌同窓会」と称して熟成途中の皆さんのお味噌を持ち寄り、
味比べや森田さんのアドバイスを受ける企画を行います。みなさん、またお会いしましょう!
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年3月 3日
天鷹酒造さんを訪問してきました!
とらちゃんこと虎谷健です。
皆さん、日本酒を楽しんでいますか?
毎晩のように家や事務所で(終業時間後です!)癒していただいている私は大の日本酒好き。
特に新酒が出る今の時期の火入れをしていない生酒のプツプツはじける感覚を舌の上で
楽しみながら飲むことが大好きです。
醸造が最盛期のこの時期、栃木県大田原市にある天鷹酒造さんを訪問してきました。
今回の酒蔵見学会の目的は醸造現場の見学と作業体験、試飲。
酒造りの作業体験などなかなかできません。
東京でも小雪がちらついたこの日、現地でも雪が降っていました。
那須連山もマシュマロの様にまっ白でした。
天鷹酒造さん外観。雪の中の酒蔵ってそれだけで美味しいお酒に出会えそうな気持になります。
天鷹酒造さんは、那須山から流れ出る那珂川と塩原渓谷から流れ出る箒川に挟まれた
水の豊かな田園地帯にあります。
那珂川は関東のカヌー乗りに人気の水のきれいな川で、鮭が遡上する南限の川でもあります。
杉玉が下がっております。ご存じ「新酒ができましたよ!」の印ですね。
静かに雪の舞う中の杉玉。ますます美味しいお酒に出会える期待が高まって参ります!
工場に入るとなつかしいお米屋さんの香りと精米機がうなる音に迎えられました。
天鷹酒造では精米から自社で行っています。手前にある青い石は精米する際の砥石です。
その上に乗っているのは研いだ状態の米のサンプルです。
天鷹酒造さんでは、14年前に「米作り酒造りの会」を地元米農家さんといっしょに立ち上げて
地元栃木の水とお米にこだわった酒造りをしています。
倉庫には原料の米がいっぱい。日本酒の原材料がお米であったことを再確認!
ちなみに純米酒1升(約1.8L)を作るのに、約1kgの米が使われるそうです。
1週間に1升のお酒を飲むと年間60kg~80kg(お正月とか忘年会、新年会、とても嬉しい事があった時、
「いやぁ...ちょっと昨日飲み過ぎちゃった!」日も含める)、約1俵のお米を消費することと同じなんですね!
1俵というと私たち一人が年間に消費する平均量と同じくらい...。
そうです!日本酒飲みの皆さんは毎日毎晩、ご飯にお酒にと、うまずたゆまずせっせ、せっせと
お米を消費して米農家さんと田んぼを守っているんですね(笑)。
皆さんもお酒をたくさん飲んで田んぼと農家さん、田んぼの生物多様性を守ろうではありませんか!
米が炊きあがってもうもうと湯気があがっています。酒造りの現場に来たことを実感!
さっそく帽子と長靴を着用して手洗いをしっかりして見学開始です!
天鷹酒造さんのお酒は有機JASの認証を取得し、「有機清酒」を名乗っています。
有機JASの認証を取るためには、工場設備はもちろん、酒を作る蔵人、さらに有機米を作る農家に
いたるまで認定機関が定めた手順に従わねばなりません。
今回私たちが有機JAS認定の工場に入るにあたって、全員分の認証機関指定の長靴を揃えて
もらわねばなりませんでした。
そこまでしても消費者の皆さんに自分たちの取り組みを知ってもらいたい、というその熱意に脱帽です。
...でも、事前に電話で皆さんの足サイズをお聞きするのはちょっと恥ずかしかったです。 (*^_^*)
酒造りの戒めが。その成果がまわりを囲む賞状の数々なのでしょうか。
皆さんも「酒造り」の部分を自分の仕事にあてはめて頑張ろう!おうおう!
蒸しあがった米を放冷機に移します。
この機械で、蒸しあがった熱々の米を麹菌が元気に活動する温度までさまし、さらに麹菌を混ぜ
やすいようにほぐします。
ほぐした米を麹室に運ぶお手伝いをしました。さっと口をしばって手早く運びます。
麹室では杜氏さんと一緒に米を拡げるお手伝い。
杜氏さんが作りだした麹菌が好む温度と湿度を体感しました!
麹菌を振る作業です。さすがに私たちには手伝いは難しそうです。
均一に菌を振った後、さらに菌が全体に行きわたるようにかき混ぜ作業を行います。
そして湿度をさげて菌が米の奥に水分を求めて入り込むように、湿度と温度をコントロールするそうです。
醸造樽のある奥へ進みます。入口には青々とした杉玉が。
お酒造りは神聖な作業のため、酒造りの初めには神官さんに来てもらいお清めの儀式が行われ、
酒蔵の各場所にはお札やこのような杉玉が下げられています。
櫂入れのお手伝い。かき回して均一に発酵するように手伝ってやります。
櫂を動かすとプツプツと良い音がします。
樽の縁まで日本酒の清々しい良い香りが...。一日中嗅いでいたい良い香りです!
ここで虎谷、大失態!
欲張って深呼吸したとたんにグラッとして、一瞬気を失いかけてしまいました。
もう少し欲をだして身を乗り出していたら樽に落ちていたことでしょう。
樽の中は二酸化炭素に満ちているので数秒で気を失い、溺れてしまうこともあるそうです。
「酒に溺れて人生を棒にふる」とは人生訓の一例でありますが、酒蔵では人生を棒にふる
どころでなく命を落としてしまうこともあるのです!
たとえ運よく助け出されても「あいつは酒のニオイに誘われて樽に落ちるような奴」という烙印を
おされてしまうでしょう。まさに「酒に溺れて人生を棒にふる」ところでした(笑)。
皆さんも酒蔵でどんなに良い香りに出会っても深呼吸をしてはいけませんよ~。
見学会の後は天鷹酒造さん自慢の有機清酒4種類を飲み比べ。
他にも生酒なども含めて合計10種類も試飲させていただきました!
同行した職員には「とらちゃん、いちばん飲んでいたよね。」と冷ややかに分析されてしまいました。
いやぁ、天鷹酒造さんのお酒、私、大好きでございます。
試飲会の後はお忙しい中作っていただいた酒粕汁とおにぎり、大地を守る会の日本酒に合う
おかずで昼食会です。
カウンターにいる方が天鷹酒造の社長さんの尾崎宗範さん。
その右が杜氏さんの大将、直町昊悦さんです。直町さんは岩手から仕込みにきているそうです。
他にも数人の杜氏さんが働いていらっしゃいますが、地元の農家の方が冬の仕事として来て
いるそうです。一年を通してお米に関われて良いお仕事ですね。
私は特別に直町さんに「知識としての」お酒の作り方を直々にこっそりと教えていただきました。
教わっただけですよ!どぶろくを作るような、そんな日本国の法律を犯すような事は致しません!(笑)
酒米をおにぎりにしてくれたものを試食してみました。
「酒米はまずい」と聞いていたのですが、「とちぎ酒14号」はけっこう美味しい・・・でも同じく酒米の
「五百万石」の味はちょっと...。やはり酒米はお酒にして楽しむのが一番のようです。
昼食会では参加者の皆さんにも訪問会の感想やお酒にまつわるお話などをしてもらいました。
酒造りのプロとお酒好きの参加者が集まり、軽い酔いも手伝いほんのり良い連帯感も生まれて、
居心地の良い空間が誕生しました。
美味しいお酒を味わって蔵人さんのお話も聞けて大満足の訪問会になりました。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年2月19日
アジア太平洋資料センター(PARC)からのお知らせ。
10年2月19日(金)晴れ(by ドクターMaekawa)
今回は、大地を守る会とおつきあいのある団体からの情報をお伝えします。
PARC自由学校は1982年にスタートしたオルタナティブな市民の学校です。
20年以上に渡り毎年開講し、これまでの受講生は6000名を超えます。
毎年、時代を先取りしたテーマで、普通の教育機関では味わえない講座を開いています。
この市民大学では、藤田和芳大地を守る会会長も講義をしています。
2010年の講座スケジュールをお知らせします。
★━━━━━━━━━━━┓
| エコを仕事にする! |
┗━━━━━━━━━━━┛
「今の生活ってなにか違う感じがする、もっと環境に優しく、自分らしい仕事をしたい」と思って
いてもなかなかきっかけがつかめないまま毎日が過ぎてしまうあなた、「エコを仕事にする」
クラスへようこそ!地域に根差し、みんなとつながる生き方、働き方の豊かさを五感を使って
感じるクラスです。このクラスでは、すでにエコを仕事にしている多彩な講師陣の生活に触れ、
現場を訪問します。様々な方に出会ううちに今の生活を変えるヒントが見つかるでしょう。
新しい人生がはじまるかもしれません!全国いろいろなところへ出かけられるのもお楽しみ
の1つですよ。
・2010年5月~12月 □基本的に隔週土曜日
・全12回/定員30名 □受講料 36,000円
※交通費・宿泊費・プログラム費などは各回で別途かかります。
5/18(火)19:00~21:00
オリエンテーション エコを仕事にすることの豊かさ
大江正章(コモンズ代表/PARC理事)
5/22
★茨城県石岡市を訪ねる
働きながら無農薬米が出来る
大谷理伸(農家)
6/5
★東京都青梅市・日の出町を訪ねる
東京の木で家を造る
―仕事は創り出すもの
稲木清貴(東京の木で家を造る会事務局長)
6/19
★茨城県石岡市を訪ねる
有機農縁の一日体験
魚住道郎(日本有機農業研究会副理事長/有機農業推進協会副理事長)
7/10(土)~12(月)2泊3日
★京都府綾部市を訪ねる
半農半Xという生き方
小さな農でピースフルに暮らしつつ、ミッションでスローレボリューションする
塩見直紀(半農半X研究所代表)
8/7(土)~8(日)1泊2日
★栃木県那須を訪ねる
愉しい非電化生活&
森林に牛を放つ―森林酪農への挑戦
藤村研介(非電化工房副代表)
株式会社アミタ
※「森林ノ牧場 那須」(牧場スタッフがお話+ご案内します)
9/11
★横浜市青葉区を訪ねる
都市の新規就農者の本音&それを支える地域の人と場
大場 徹(有機農業者)
石田周一(社会福祉法人グリーン施設長/な~に谷っ戸ん田の会会長)
9/25(土)~26(日)1泊2日
★群馬県片品村を訪ねる
「いいからかん」ライフのすすめ!
桐山三智子(iikarakan/片品生活塾主宰)
10/27(水)19:00~21:00
★世代を超えた「農」ムーブメントをつくる「はじめる自給!種まき大作戦」
ハッタケンタロー(環境エンタメ・デザイン&プロデュース)
11/24(水)19:00~21:00
★xChange(おしゃれな服の交換パーティー)へようこそ
―服から環境と社会を考える
丹羽順子(ソーシャル・プランナー)
12/12(日)
★神奈川県藤野町を訪ねる
市民の力で脱石油型の地域社会をめざすトランジション・タウン
トランジション藤野
★東京都豊島区を訪ねる
Organic Bar「たまにはTSUKIでも眺めましょ」
―システムから降りたら、自分探しが終る。システムから降りたから、生業が持続可能になる。
高坂 勝(飲食店経営)
・...━━◆クラスの詳細、他の講座は以下から見れます!(3月より)◆━━...・
http://www.parc-jp.org/freeschool/index.html
★全講座の詳細を掲載したパンフレットも好評配布中!
ご希望の方はPARCホームページよりお申込みください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お申込み・お問い合わせは......
アジア太平洋資料センター自由学校
Pacific Asia Resource Center(PARC) Freedom School
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F
TEL:03-5209-3450 FAX:03-5209-3453
Website:http://www.parc-jp.org E-mail:office@parc-jp.org
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大地を守る会 運動局 前川隆文
2010年2月10日
農産担当者のお米の話企画を行いました
とらちゃんこと虎谷健です。
皆さんお米,たくさん食べていますか?
大地を守る会では昨年10月から生物多様性を食べて守るキャンペーン、「たべまも」を開始し、
お米食べて水田を守ろう!という呼びかけを開始し、さらに「コメニスト宣言」までも作ってしまう
ほどの熱の入れ様です。
その勢いに負けないように昨年秋の新米の季節から「新米ごはんの食べ比べ」企画を、
大地を守る会の米の精米を一手に引き受けてくれているマゴメさんの協力を得て2回行いました。
そして今回、大地を守る会職員でお米担当者の海老原に産地担当者から見た
大地を守る会のお米や生産者について語ってもらいました。
今回試食したお米は4種類。
米担当者の海老原が「皆さんに紹介したい。」というお米を集めました。
う~ん、見た目はほとんど一緒ですね。米の試食会で一番気配りするのが初めの米を研ぐ時です。
順番が入れ替わってしまったらもう、見分けがほとんどつきません!
このような状態になったら黄色いメモ紙だけが頼りでございます。
ドライフラワーならぬドライイナホ。
今回の進行職員は海老原と私だけ。「男2人で殺風景にならないように。」と海老原職員のせめてもの気配りで
産地にお願いして精米せず保管してもらっていました。
でも、花瓶などなかったので傘立てに差しました。やっぱり殺風景?
講座が始まりました。海老原職員、気合入っております。
会場はNGO大地を守る会六本木本部。狭い事務所ですが結構、様々なイベントに
使われています。六本木ヒルズや東京ミッドタウンにも歩いて行けますので講座などに
参加された後にぶらぶら歩きにいかがでしょうか。
ただし私たち事務局員に「ヒルズの美味しいレストラン教えて」と言っても
行った者が居りませんのでご案内できません...。 <(_ _)>
お話を聞いた後はさっそくお米の食べ比べです。
まずは産地、品種を伏せての食べ比べ。続いて生産者名と品種を紹介しながらの
試食と続きました。
海老原職員は産地に行くとまめに記録をとっています。今回はその記録が大活躍!
今回の試食会企画のために出品生産者から映像メッセージを撮ってくれていました。
お米の試食会が終わったらもうお昼。お昼ご飯もお米をたっぷり召し上がっていただきましょう!
大地を守る会の食材でご飯にあうものを選んでお味噌汁と一緒に楽しみました。
ちなみに私の独断で選んだお米にあう食材は・塩たらこ・くるみ小女子・
漁師さんのさんま甘露煮・べったら漬・マイルドキムチ・骨まで食べられるカタクチイワシです。
今回は生産者の方も2名、参加してくれました。
左から2人目の方は京都府宮津から来てくれた飯尾醸造の秋山俊朗さん。
いただいた名刺には「蔵人」の肩書 が。かっこいいですね。
「富士酢、いつも使っています。」と参加者の方から声を掛けられていました。富士酢、人気ですね。
飯尾醸造ではお酢を作るためのお米を近郊の棚田で社員自ら栽培しはじめました。
毎年春には消費者の皆さんを集めて田植え体験を行っているそうです。
「大地を守る会の会員の皆さんにもぜひ来ていただきたい。・・・ですが距離がありすぎですね。」とは秋山さん。
田植えには参加できませんが今年の秋からは大地を守る会でも飯尾醸造で栽培した棚田米を
扱う予定になっていますので食べて楽しんでくださいね。
秋山さんとお話しされている方はツチオーネ110号から「かんたん・おいしい家ごはん」の
コーナーでレシピを披露してくださっている大原千絵美さんです。
長野県の佐久から駆けつけてくれた生産者の松永哲男さん。
今回の食べ比べで松永さんの所属する JA佐久浅間臼田有機米部会のお米が
美味しいと一番人気でした。
米を作る水田の機能を知ると稲作の素晴らしさに改めて感心してしまいます。
米はもちろん主食でありますが製粉しなくても粒のまま食べておいしいことがまず嬉しいことですね。
梅雨~台風時期には貯水機能を発揮して「緑のダム」にもなりますし、たくさんの
小さな生き物たちの子育ての場にもなるだけでなくて田植えイベントなどを通じて
子ども達の遊び場、食教育の場にもなります。
子どもだけでなくて大人にとっても田んぼでのイベントは楽しみを与えてくれますし、
水田がひろがる風景は見ているだけでも清々しい気持ちになります。
忘れてはいけません、日本酒の原料も米でございます。毎晩、晩酌で癒していただいております。
いやぁ、お米と水田は素晴らしい。
トキの野生復帰のためにえさ場になる田んぼを守るために結成された
「佐渡トキの田んぼを守る会」を訪ねる「新潟県・佐渡ヶ島ツアー(6月26・27日)」、
「田んぼの生き物調査」を地道に続けている庄内地方の米農家を訪ねる
「山形県・庄内ツアー(7月3日・4日)」など今年は米の産地を訪ねるツアーを
2企画予定していますのでぜひ足を運んでくださいね。
大地を守る会 虎谷健
2010年1月28日
手作り味噌教室を行いました! 2
とらちゃんこと虎谷健です。
寒い日が続きますが暖かい日もあったりして三寒四温の始まりでしょうか?
少しずつ春の気配ですね。
冬の定番企画、手作り味噌教室を行いに再び埼玉県神川町のヤマキ醸造さんにでかけてきました。
この手作り味噌教室は大変な人気で、毎年この時期に2回開催しないと皆さんの「参加したい!」の
ご要望にお応えきれないほどなんですよ。
大地を守る会でも「手作り味噌キット」の販売を行っているので、一度味噌作り教室に参加してコツを覚えたら
次回は申込されないかな~と思っていたのですが、リピーターの方も多い企画です。
ヤマキさんのある神川町(旧神泉村)はこのような風景です。
こんな風景の中で仕込んだ味噌はおいしそうですね。
遠くに見える山は赤城山です。赤城山周辺だけ雲がかかっていてこちら側は晴天です。
日本海側から来た雪雲が赤城山やその奥に控える三国山脈で雪を落とし、乾いた冷たい風が
吹き下ろす...と昔地理の時間で習ったような。
この地域は3方向を山に囲まれ、唯一北側だけ開けているので、できたてほやほやの赤城おろしが
吹き下ろすわけですね!風が吹いたら凍えそう~。
いつもお世話になっているヤマキ醸造さん。
おしゃれで広々とした工場兼売店、レストランです。
工場の隣にはヤマキさんの農業グループ、「豆太郎」の畑があります。
ヤマキさんは大地を守る会と一緒に「神泉・畑の樂校」という畑を一年間耕す農業体験企画を行って
くれていますが、畑講師さんも豆太郎さんにお願いしています。
ちなみに「畑の樂校」の秋の様子です。
今年も2月に募集開始しますので奮って参加ください!
この企画は先ずはお昼御飯を食べてからスタートです。
昼食準備に忙しいヤマキ醸造さんのスタッフの皆さん。いつもおいしい食事をありがとうございます!
彩りもきれいなサラダ!おいしそうです。
参加者の皆さんが集まりました!味噌作りは体力を使いますのでもりもり食べてください!
ヤマキさんの食材で作られた昼食の品々。おからコロッケに豆腐ソーセージ...。
大豆ご飯は3杯もお代わりさせていただきありがとうございました。
今回も堪能させていただきました!
食後は「麦踏み」体験で軽く運動。
教えてくださっているのはヤマキ醸造のスタッフでいつもお世話になっている角掛さんです。
いつもありがとうございます!
皆さん、畑に入って無心に麦踏みをしました。
2週間前に比べて麦も少し成長したようで植わっている様子がくっきり見えますね。
麦踏みが終わっていよいよ味噌作り開始!
作業に取り掛かる前に材料の煮大豆と麹をつまみ食い。「あっ!甘い。」って結構おいしいんです。
でもあまり食べすぎないで下さいね!
煮大豆、塩、麹を混ぜてよく振ります。楽しそうですね!
材料がよく混ざったら大豆を潰す作業です。じっくり潰したつもりでも潰し残しがあり、見つける
とうれしくなります。子どものころ緩衝材の「プチプチ」を潰して遊んだ時と同じ感覚です。
がんばりすぎて疲れてしまったかな?最後の締めはお父さんのがんばりですね!
味噌作り終了後は希望者を募ってヤマキ醸造さんの見学を行いました。
おおっと~工場の中に洞窟が!
これはヤマキ醸造で使っている仕込み水の貯水タンクを見学するコースです。
遊び心がいっぱいで楽しくなりますね!
ちなみに水はヤマキ醸造から車で30分ほどの所にある城峰山という標高1000mほどの山の
800m付近のところから湧きだしている水をタンクローリー車を使って毎日汲みに行っているそうです。
湧水は山の山麓に湧きだすものですが、頂上近くで湧き出すとはどんな地層になっているんでしょう。
遊び心がこんなところにも。
役目を終わった仕込み樽がきれいに飾ってあります。釘を一本も使わないで作られているそうです。
この樽一つ分の醤油を一人で消費するには2600年かかるそうです!
実際の醤油樽の様子です。冷暖房など温度調節なしで神川の気候の中でゆっくり熟成されています。
皆さんが今日作ったお味噌も家に持ち帰ってご自宅で大事に育ててあげてください。
9月頃には今年皆さんが仕込んだ味噌を持ち寄る「手作り味噌同窓会」企画も行う予定ですので、
また再会しましょう!
大地を守る会 交流局 虎谷健
2010年1月26日
「大地を守る会・農産担当者の野菜の話」企画を行いました!
とらちゃんこと大地を守る会の虎谷健です。
みなさん、成人に必要な一日の野菜の摂取量ってどのくらいだと思いますか?
ちなみに350gだそうです。このぐらいの量になります。
写真を見ると、意外と少ないなぁ~と思いませんか???
自称、「大地を守る会事務局員でいちばんの草食系男子」の私としましては(笑)、
もっと食べている事間違いなし、です。
でも、ただ量を食べればいいのでしょうか?より美味しく食べたり、体調や季節に合わせて
食べる野菜を考えたりすることも大切ですよね。
ということで、今回は大地を守る会の農産担当者を講師に野菜についての講座のレポートです。
日々、生産者の皆さんと密に連絡をとりあっている彼らだからこそ聞ける、生産者の話や
産地の様子などを話してもらいました。
今回の講師は、大地を守る会農産グループ農産チームの小島潤子さん。
全国26か所の生産地を担当しています。
仕事で培った野菜の知識を活かして、昨年ベジタブル&フルーツマイスター(通称;野菜ソムリエ)の
資格も取得しました!(パチパチ)
身に付けているエプロンとスカーフは野菜ソムリエだけが着用するものだそうです。
野菜ソムリエの資格にはジュニアマイスター、マイスター、シニアマイスターがあり、
それぞれ身に付けるスカーフの色が変わるそうです。
ちなみにジュニアマイスターは赤、マイスターは緑、シニアマイスターは紫だそうです。
まずは冬の代表的な野菜、大根。
今回は大きな三浦大根とおなじみの青首大根を試食しました。
右端の三浦大根の大きさが際立っていますね!
右端と真ん中は同じ三浦大根なのですが、大きさがこんなに違うのは植わっていた
畑の場所の違いによるそうです。舗装された農道の際など、地温が高い場所のものは
特に大きくなるそうです。
まずは生でかじってみました。
6種類あるのは、青首大根と三浦大根をそれぞれ上部、中部、下部に分けて味わうためです。
部位による味の違いも知ることができます。
続いて大根おろしにしてみました。こちらも部位ごとに分けて6種類です。
参加者の皆さんにも、大根をおろす体験をして頂きました。
青首大根はいつものお馴染みの味が。三浦大根は「うわっ!辛い!」という声が。
そうなんです、生のスティックではあまり辛さは感じなくても、三浦大根はおろすと辛くなるんです。
辛いおろしがおろしが好きな方には三浦大根はお薦めです。特に上部と下部ですね。
ちなみに、三浦大根の中部は瑞々しすぎるのか、すってもすっても水分ばかり増えておろしになりません!
その三浦大根も熱を通して煮大根にすると全く異なる食感でとても美味しかったです!
(すみません!写真撮り忘れました! <(_ _)> )
青首大根はすぐ煮崩れしてしまいますが、三浦大根は煮崩れしないんですね。
長時間煮込むおでんなんかには三浦大根が最適だと思いました。
生と食べ比べるとその味の違いに驚きです。
さあ、映像も交えてお勉強が続きます。次はキャベツです。
この時期、「春玉」と呼ばれる水分を比較的多く含む種類が主流ですが、
」「寒玉」という少し葉の硬い種類も出てきます。
見本のキャベツは、冬のキャベツの大産地・愛知県の渥美半島にある天恵グループさんから
送ってもらいました。渥美半島は温暖な為、3月下旬くらいになると「トウ立ち」を防ぐために
あえて「寒玉」キャベツを作ります。
同じ時期、神奈川県の三浦半島からは「春キャベツ」と呼ばれる葉の巻きのゆるい柔らかい
キャベツが出てきます。
一般的に、「春キャベツ」が出てくると「寒玉」キャベツは嫌われてしまうのですが、
「生で食べるのでしたら春キャベツ、煮込んだりして使うのでしたら寒玉キャベツ。せっかく2種類の
キャベツがある季節ですから使い分けて欲しいです。」とは産地担当者でもある野菜ソムリエ・小島潤子さんの弁。
そこで今日は寒玉、春玉をそれぞれ生と煮たもので味を比べてみました。それぞれのキャベツに
合うのはどっちの調理でしょう?
まずは「はらぺこあおむし」の様に生キャベツをバリバリ食べましょう!
芯をかじると強い甘味が感じられました。味の濃い大地を守る会の野菜ならでは!ですね。
こちらが煮たもの。寒玉の方が煮崩れが少ないようでした。
また、「生で食べると春玉の方が美味しいけど、煮込むと寒玉の方が美味しい!」というのが
参加者の皆さんの感想でした。
味付けは大地を守る会の鶏がらスープで煮ただけ。キャベツの甘味が良くでたスープも美味しい!
味の濃い野菜はシンプルな調理でもとても美味しくなることが判ります。
ブロッコリーは茎の太い品種をゆでて「茎をどこまで食べられるか?」試してみました。
けっこう根元の方まで食べられるものなのですね。
ブロッコリーの葉も「私食べていますよ!」という参加者もいらっしゃいました。
今度葉っぱも試してみよう!
最後は芽キャベツです。
芽キャベツは「実っている状態を知らない方も多いはず。」ということで、生産者の澤島一弘さんに
お願いして株ごと送ってもらいました。
「へぇ~こんな風に実るんだぁ。」とは送られてきた芽キャベツを見た大地を守る会職員の感想。
大地を守る会職員でも知らない芽キャベツ。
プチ収穫体験に参加者の皆さん、大喜びでした!
ちなみにこの芽キャベツの株はこの講座の後、カフェ「ツチオーネ」自由が丘店に行きました。
「これ何の植物ですか?」などとお客さんとの会話に一役買っていることでしょう。
興味ある方はぜひ見に行ってみてくださいね。
まだまだマイナー野菜の部類に入ると思われる芽キャベツは、料理方法で悩む方も多いので
はないでしょうか。
今日は定番のシチューの具ではなく、一手間かけて調理してみました。
野菜ソムリエ・小島潤子講師のお奨め調理法をご紹介!
「フライパンにオリーブオイルをひいて、芽キャベツを軽く炒めます。
そして水を少し加え、蓋をして蒸し煮にします。
水がなくなったらベーコンを加えてさらに炒めます。
チーズをふりかけてオーブンで焼いてできあがり!」
参加者の皆さんからも「おいしーい」「甘ーい」という感想をいただきました。
特に調味料を加えなくても味のしっかりした野菜だと美味しいんですね。
八百屋さんの集まりなどでも「芽キャベツって苦くてどんな食べ方をお勧めしていいか判らない。」と
いう感想がでるそうなのですが、大地を守る会の芽キャベツはそのままでも充分おいしいんですよ~
っとちょっと得意になりました。
これからも大地を守る会職員を講師にしたこのような講座を行っていきたいと思っていますので、
皆さんもぜひ参加して下さいね!
ツチオーネなどに載らない生産者こぼれ話などもおもしろいですよ!
大地を守る会 交流局 虎谷健
2009年12月10日
イベント紹介:『農』を礎に日本を創ろう!(12月16日、13-16時)
緊急のイベントのお知らせ
イベント名:『農』を礎に日本を創ろう!
日時:12月16日(水)、13-16時
場所:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11F、TEL:03-3284-0131)
テーマ:食料自給力・自給率向上
第六次産業=農商工連携による地域活性化
都市と農山漁村の交流・移住促進による地域活性化
食料供給体制に必要な雇用・就業構造
スケジュール
13:00 開会
13:30 記念講演「日本農業と食料安全保障」 / 立松和平
14:30 パネルディスカッション
15:45 提案
16:00 閉会
*パネラーとして大地を守る会会長の藤田和芳も登壇いたします。
注意点:事前申込不要、入場無料ですが、満員になり次第、締め切らせていただきます。
ご参加の方は、どうぞお早めに来場されますように。
2009年12月 8日
簡単!セルフマッサージ アロマテラピー実用講座
アロマテラピーを普段の生活に取り入れる講座のレポートです。
今回のテーマはセルフマッサージ。
会場は、有機認証を取得したハイパープランツ社のエッセンシャルオイルの
やさしい自然な香りに包まれました。
まずは基本をしっかりと。
講師の手島佐枝子さんから、アロマテラピーの基本的な意味や活用法、
エッセンシャルオイルの修理や使用留意点の説明があり、その後
定番のエッセンシャルオイルの香りをテスターに移し、みんなで回しました。
今回の実習は、トリートメントオイル作り。
ベースで使用するのは、ホオバオイル。ここに、普段気になる症状にあった
エッセンシャルオイルを1~2滴入れて作ります。
仕上がったばかりのトリートメントオイルを使って、セルフマッサージ!
自然の恵をぎゅっと凝縮した上質のエッセンシャルオイルの香りはとても癒されます。
日々の生活に上手に取り入れることができれば、より充実した
毎日を過ごせると思いました。
2009年12月 2日
新米の食べ比べを行いました
とらちゃんこと虎谷健です。
11月22日・23日の2日間、大地を守る会のお米の精米を引き受けて
くれている株式会社マゴメの協力で、新米を一堂に集めて食べ比べる
「マゴメの新米ごはん食べ比べ」企画を行いました。
大地を守る会は全国67生産者団体さんからいろいろな種類のお米を
分けてもらっています。
67団体とはすごい数ですね。米担当者は田植えの季節が始まると
各地の田んぼへ飛び回り、事務所ではなかなか会えないほどの忙しさです!
会場で使わせて頂いたマゴメさんの山荘。
マゴメさんの会社にもほど近い高尾山の近くにあります。いい雰囲気の和風家屋です。
お米の食べ比べにぴったりの会場です。
紅葉もきれいでした!
近くの高尾山には紅葉ハイキングを楽しもうと集まってきたハイカーであふれていました。
まずは大地を守る会の米担当職員が各地で撮影してきた米農家さんの様子を
映像で見ながらお勉強です。
お勉強をした後はいよいよ新米の食べ比べ。
今回は、コシヒカリの白米を2生産者から、コシシカリ七分搗き米、コシヒカリ玄米、ササニシキ、
アキタコマチ、プリンセスサリー(長粒米)、ヒノヒカリ、ミルキークイーン、ななつぼしなど
10種類のお米を食べ比べました。
ちなみにこの機械はマゴメに導入されている食味計です。「味にうるさいやつ」 です。
お米の食べ比べの後はそのまま昼食交流会に。
大地を守る会の加工品の中から「ごはんに合うもの」というテーマで選んだおかず類を楽しみました。
新米と一緒に楽しんだおかず。
このほかに、いわしのかば焼き、「たべまも」キャンペーンで注目を集めている
鹿肉のそぼろなども楽しみました。
新米が各産地から出揃ったことをお祝いして日本酒も少し楽しみました。
大地を守る会自慢の「種蒔人」。おいしいっす!
一汁一菜の質素な昼食でしたが大満足!
おいしいお米と味噌汁、少しのおかずとお酒があれば満足できてしまいます。
おまけに紅葉にも囲まれて今日も充実した一日になりました。
大地を守る会 交流局 虎谷健
2009年11月26日
生物多様性-その重要性と名古屋会議 COP10/MOP5
09年10月27日晴れ(by ドクターMaekawa)
この日衆議院議員会館で、「食と農から生物の多様性を考える院内学習会」が開催されました。
きっかけは、来年10月に名古屋で開催される、COP10、MOP5の国際会議が開かれる予定と
なっているからです。まずは、COP10、MOP5の説明を。最初(①)はちょっとガマンして・・・
興味のない人は、2.からでも。
1.
COP/MOP:Conference of the Parties、Meeting of the Parties の略。ともに、なんらかの
国際条約締約国間での会議のこと。気候変動枠組条約などでも使用される一般略称。
COP10:来年名古屋で開催される第10回生物多様性条約締約国会議(→ウィキペディアURL)。
絶滅危惧種が急速に拡大しているのを背景に、世界の生物多様性の保全を目的に、「生物の
多様性に関する条約」が1993年に発効。その締約国会議(COP)が1994年から開催されている。
MOP5:来年名古屋で開催される第5回カルタヘナ議定書締約国会議
「生物の多様性に関する条約」の中では、生物多様性に悪影響を及ぼす可能性のある遺伝子組み
換え生物の移送、取り扱い、利用の手続きについて検討することになっており、2003年、スペイン
のカルタヘナで、「バイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書」が発効。以後は、「遺伝子
組み換え生物(GM)バイオセーフティー議定書」と略。
「生物多様性条約」と「GMバイオセーフティー議定書」はセットで議論されるので、COP/MOP
会議と呼ばれています。COPが上位概念で、MOPがその下部にある形式になります。
ECO JAPANホームページからおかりした略図
2.
ここからは、院内学習会のライブ中継&解説になるので、読みやすくなります。
まずは、田島一成環境省副大臣の挨拶から。右隣は、大地を守る会の初代会長、藤本敏夫氏が
作った、鴨川自然王国の代表理事で、今回衆院選で初当選した石田三示氏。 左が市民バイオ
テクノロジー情報室代表、遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン代表の天笠啓祐氏。
そして本番の海外ゲストの講演がはじまりました。今回のゲストがすごい人。クリスティーヌ・
フォン・ヴァイツベッカーさん。代々科学者の家系に育ち、太陽系の楕円運動を発見したあの有名な
ケプラーも祖先。1984-1994のドイツ連邦大統領のリヒャルト・フォン・ヴァイツベッカーさんは親戚。
分子生物学者でもあり生物学に強く、市民運動家でもある。日本にはこういう科学者、なかなか
いないのが残念です。
左から二人目が、クリスティーヌ・フォン・ヴァイツベッカーさん
まずは彼女の講演からはじまりました。この人の講演が素晴らしいの一言!論理的、科学的な
言論が進みます。印象に残った点をいくつかピックアップしていきます。
「生物多様性とは変わり行く世界のなかで未来への生命保険である」。くっー、カッコイイー!
ぐっとくる言葉ですね~ まずは生物多様性が生態系の働き中で十分に機能することによって、
健全な水、森、海が保たれ、それによって農地の健康が保証されます。そこから育つ作物や
取れる魚、育つ家畜が健全な人間のカラダを形づくるのです。具体的に卑近な例で説明すれば、
森に降った雨が地中のさまざまな微生物や植物でろ過され、川になって畑に使われ、そこに
健康な農作物ができます。そしてその水が海に流れ込み、健康な魚となっていくのです。海でも
砂浜などに住むカニやゴカイといった生物が水をさらにろ過しキレイにします。しかしその水が
農薬や化学物質で汚染されると微生物や植物の活力が弱まり、海が埋め立てられればろ過役
の小さな生物が死に、多くの環境が悪化の一途をたどっていくのです。
そして忘れてはならない点として、自然、生物多様性が人間の福利に及ぼす効果。自然で癒さ
れるってことは、生き物としての人間の本質です。現代社会はそれを忘れがち。日本のえらい
科学者なんて、「農作物は工場で遺伝子組み換えで作ればいい」、などと発言する人もいる
というのに。クリスティーヌさんこそ、人間の幸せを追求する本物の科学者!
クリスティーヌさんのスライド資料から
そして、現在の危機的な状況を科学的に数字で紹介。化石的な証拠などから、これまでの地球
では、絶滅する種はおおよそ1000年に1種くらいでした。それが現代は1年に1種、すなわち1000
倍にもなっているというのです。さらに悪いことに、このまま地球環境を破壊すれば、その絶滅
スピードは今の10倍になるという予想があるのです。クリスティーヌさんは、「今がターニング
ポイントです。名古屋会議は本当に重要な会議になります」と力説されていました。
クリスティーヌさんのスライド資料から
そして遺伝子組み換えの問題へ話題がうつります。今、メインに遺伝子組み換え生物
(ほとんどが作物)を輸出している国は、アメリカ、カナダ、アルゼンチンの三カ国。そしてそれらの
開発をしている企業は六社しかありません。そして重要な品種は、「除草剤耐性」と「殺虫性」。
それらの三カ国と六社、二品目が、生物多様性に重大な危機を与える可能性があります。
広大な土地に単一の除草剤を撒き散らし、むやみと虫を大量に殺し、環境を破壊し、生物多様性
を奪っている可能性が指摘されています。
そして大変理不尽なことに、これら三カ国は生物多様性条約とGMバイオセーフティー議定書
を締約していないのです。つまり、その他のほとんどの国が、GM作物の輸入国。特に日本は
大量のGM作物を輸入しています。輸出側三カ国は、「GM作物は絶対安全だ」と主張して
います。そして締約国はこれら三カ国が入っていません。ならば、COP/MOPの会議において、
万が一、GM作物によって生物多様性や人の健康、福利、文化に影響を及ぼした場合の
保障責任は輸出側にとらせることを制度を作ることはしごく合理的なことです。しかしそれが
うまくいっていません。それはなぜか?COP/MOPの会議出席国の中に、アメリカの代弁者
がいて、強硬に反対しているからです。その国が残念なことに日本なのです。日本は
COP/MOPに対して第1位(全体の22%)の財政支援をしており、その権威を利用するかたち
で、ほかの国の意見を封じ込める役目をずっとしてきたのです。
クリスティーヌさんのスライド資料から
一つの救いがここにあります。私はこれまで何度も院内学習会を見てきましたが、実際に議員
が自ら出てくることはほとんどありませんでした。多くても数人です。ところが27日の集会には
なんと、20名を越す議員が参加していたのです。ほとんどが政権与党の民主党や社民党です。
政権交代による劇的な変化を見た思いがしました。これらの出席議員がぜひとも積極的に
名古屋のCOP10/MOP5に建設的な意見を出して、日本のこれまでの態度を変えて欲しいと
切望します。少しだけ来年の会議への希望を持った日となりました。
大河原まさこ参議院議員とクリスティーヌさん 川田龍平参議院議員
大地を守る会ではこれまでにも、食べものの輸送距離を減らすことによるCO2削減を目的に、
「フードマイレージ・キャンペーン」を展開してきました。クリスティーヌさんの講演の中でも、生物
多様性を破壊する大きな原因の二つが、CO2による気候変動と化学物質だと説明されてました。
そして新たに、生物多様性保全に向けたキャンペーン、「たべまも」をはじめました。とくたろうさん
などの古来からの在来品種を守る商品は販売していたのですが、加えて、田んぼの生物多様性
に注目し、「コメニスト米」の販売をはじめています。大地を守る会の生産者には、冬季湛水に
よって冬鳥を田んぼによぶ活動をしている宮城の千葉孝志さんなど、多彩な人たちがいます。
また、千葉の山武では、20年間にわたって、会員の方々と一緒に無農薬でお米をつくっている
「稲作体験田」があり、そこには絶滅危惧種の生物も帰ってきていることが確認されています。
「たべまも」では、そういった情報を今後はどんどん出していくことを計画しています。
ご期待ください。
たべまもロゴマーク コメニスト米
20年間、無農薬で続けた千葉の稲作体験田で見つけた生き物たちです。
コオイムイ(準絶滅危惧種) オオカワトンボ(愛知県絶滅危惧1類)
環境保全に熱心に取り組んでいる秋田県大潟村、花咲農園代表の戸澤さん(戸澤藤彦ブログ)
から、最新情報が入っています。大潟村にはかつてから絶滅危惧種のオオセッカが確認されて
いたのですが、最近、チューヒという絶滅危惧種が群れで見つかったそうです。
チュウヒ(拝借写真)(絶滅危惧II類) オオセッカ(拝借写真)(絶滅危惧IB類)
大地を守る会の生産者の日々の環境を意識した営みのすごさを知ります。
大地を守る会 運動局 前川隆文
2009年11月24日
1DAY Class+Cafe 山下りかさんのくらしに学ぶ
毎回ゲストの方をお招きし、自分らしく丁寧な暮らしを学ぶ
「1DAY Class+Cafe」(Mippo IDEA 企画/プロデュース)。
クリスマスまであと約1か月の11月14日(土)に開催された今回は、
スタイリストでもある山下りかさんが、
蜜ろうを溶かして作るディッピングキャンドル作りを教えてくださいました。
山下りかさん
溶かした蜜ろうに、赤色のクレヨンを溶かして、
クリスマスらしい赤のろうそくを作ります。
ろうそくの芯を浸して、
5人1組で、ぐるぐるとまわりながら順番にひたしていくと、
何度も繰り返していくうちに、少しずつ太くなっていきます。
お子さんもチャレンジ!!
山下さんもテーブルをまわりながら
アドバイスしてくださいました。
できあがり!!
できたキャンドルが乾くのを待つ間は、カフェタイム。
蜜ろうのよい香りに包まれて、お茶菓子をいただきます。
午前の部では山下さんからライアー演奏と歌を、
午後の部ではみんなでキャンドルディッピングの歌をカノンで
歌いました。
山下さんの歌声に包まれて、ほっとしたひと時。
今日のワークショップを通して、
家庭でも簡単にキャンドル作りができることがわかりました。
みなさんのご家庭でも、手作りを通した
ゆったりとした時間を試してみてはいかがでしょうか。
大地を守る会 交流局 大北雄二
2009年11月16日
小学校の学校給食訪問 : 栄養士、関根先生のところへ行く
09年10月22日(木)晴れ(by ドクターMaekawa)
大地を守る会では、1980年より、「全国学校給食を考える会」(→学校給食ニュースHP)
という組織の事務局をつとめています。
今回は、現在、副会長で、現役の小学校の栄養士である、関根美知子先生を紹介します。
関根先生、「いつでも給食、食べにおいで。私の学校の給食、おいしいから」と誘ってくれます。
そのお言葉に甘えて、おなかをすかせて関根先生の勤める都内の小学校にでかけました。
この日は四年生の総合の時間に、関根先生が「大豆」について授業をしました。
授業風景。みんなすごく積極的。関根先生、みんなからとても好かれてる様子。
- 「大豆」の栄養について
-
「大豆は畑のお肉」といわれるように、いろんな栄養素があります。
タンパク質、ビタミン、レシチン、リノール酸、カルシウムと豊富です。
大豆の加工法ごとの食品についてのクイズ
大豆の加工法のクイズに挑戦する子どもたち
そして、利用法。これがとっても面白いし自分にもためになりました。
大豆にはいろんな加工法があります。そして、いろんな食べものの原料となっています。
それを、写真のような先生手作りの教材を使ってみんなでクイズ形式に学んでいきます。
ドクターMaekawaは、正解率非常に悪かったです・・・
授業で頭を使ってエネルギーを使ったあとは、お楽しみの給食です。
五つの食器はすべてプラスチックじゃなくて磁器です
まずは主食のご飯。ジャコと「大豆」が入っています
そしてサンマのつみれ汁。これがうまかった~ 大豆製品として豆腐が。
コンブと高野豆腐。ここにも大豆製品
デザートのフルーツポンチ。お誕生日給食特別メニュー。今回は10月生まれの子どもたち
低温殺菌のタカナシ牛乳
すべての品がしっかりと味がありながら素朴ですごくおいしかったです。
両隣の子どもたちも、ペロリと全部、たいらげていました。
関根先生の小学校では、「岩手食材交流事業」というものをやっていて、
いろんなことにとっても積極的。食材については、無茶々園からミカンとったり、
牛乳も写真にあるように低温殺菌、お米は秋田県仁賀保の農薬不使用米を使用しているなど、
安全にとても気をつかっています。また、東京都である八丈島のトビウオを使用するなど、
地産地消(八丈島、遠いですが)にも取り組んでいます。子どもに戻れるなら、
ここの小学校に通って、おいしい給食を毎日食べたいなと思った楽しい一日でした。
大地を守る会 運動局 前川隆文
2009年11月 9日
ソフトエネルギーパスって知ってますか?: 脱原発へのロードマップ
09年10月3日(土)晴れ(by ドクターMaekawa)
1986年のチェルノブイリの事故では、世界中に放射能物質がまきき散らされました。
大地を守る会の契約農家には、環境に配慮した露地栽培が多いのですが、
当時はそれが裏目に出て、「露地野菜は危ない。ハウス栽培が安全」という風評があり、
大変な思いをしました。
それを教訓に、「大地・原発とめよう会」が発足され、反原発運動を長年続けています。
09年10月3日には、反原発の「NO NUKES FESTA」が開催され、
大地を守る会も出店し、反原発を訴えました。
福島みずほ党首の訴え 柏崎刈羽原発に反対するトキ
パレードにでかける「原発とめよう会」の来島職員
チェルノブイリでは、セシウム-137という放射性物質が世界中の人の体内に取り込まれ、
今でも骨に蓄積しているといわれています。
原子力発電、さらに日本が今進めている核燃料サイクル構想には、
多くの問題があるといわざるをえません。
しかし、私たちの日々の生活のエネルギーは大半が電気でまかなっており、
国の政策が変更されない限り、原子力によって発電された電力を使わざるを得ません。
風力発電や太陽光発電はまだ大きな勢力とはなっていません。
この今の状況をなんとか市民の手で変える手立てはないものでしょうか。
そこであるエネルギー学者の考え方に注目してみました。
それは、1979年にエイモリー・ロビンズ博士が発表した、
「ソフト・エネルギー・パス-永続的平和への道」です。
そしてそれを可能にする技術の一つの候補として、家庭用燃料電池が登場しました。
ソフトエネルギーは、「需要に応じて使用する場所で発電する」ことが基本概念です。
しかし、これまでの太陽光発電システムだけでは、家庭でも十分な発電量が得られません。
そこに登場したのが家庭用燃料電池。これは、自然エネルギーではないものの、
「使用する場所で発電」にはあってますし、さらにはエネルギー効率が格段に高い。
それというのも、発電で出る発熱を家庭で使う御湯として利用できるからです。
このシステム、世界でも日本がトップクラスの技術を持っています。
このソフトエネルギーパスシステムが普及すれば、ハードエネルギー、ひいては
原子力発電に依存しない社会が作れます。
この家庭用燃料電池、まだまだ価格的な問題があり、
普及するには時間がかかりそうです。
そこで期待されるのが、政府による補助金政策。これが十分にいきわたり、
台数がたくさん出るようになれば製造コストも当然下がり、普及にはずみがつく。
ここでネックになるのが、電力産業との衝突です。オール電化住宅などを推進して
いる電力会社は、当然、ハードエネルギーシステムの脅威になるソフトエネルギー
構想には反対の立場でしょう。今後は、政治的な駆け引きとなってしまうのですが、
残念ながら、政権与党の民主党政権のマニフェストには、「安全を第一として、
国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む」と明記してあります。
一方、社民党のマニフェストには、「エネルギー特別会計は、原子力重視から
自然エネルギーに大幅シフトします。EUの共通エネルギー政策の目標なみに、
2020年までに自然エネルギーの割合(現在2%)は20%をめざします」
となっています。
鳩山政権が、原子力による二酸化炭素削減をめざすのか、自然エネルギーや
ソフトエネルギーパス構想をめざすのか。
すでに、太陽光発電を設置されている方には朗報があります。
09年11月1日より、新たな余剰電力の買取制度が始まります。
48円/kW時で、これまでの2倍の価格になります。
詳しくは、資源エネルギー庁太陽光発電買取制度室まで。
大地を守る会 運動局 前川隆文
2009年11月 5日
くらしの手仕事教室「マイ箸作り」
日本の食文化に欠かせない「箸」。
欧米でも上手に箸を使って日本食を食べることがステータスと
されているくらい箸の国際化はどんどん広がっています。
さて今日は、先の夏休み(8月1日)に行われたイベントのレポートです。
箸文化について見直す夏休みの課題にぴったりの企画でした!
講師は「兵佐衛門」の吉瀬正昭さん。
「兵佐衛門」は昔からの技法をそのまま受け継ぎ、一つ一つ
ていねいな手仕事で箸を作り続けています。
まずは、正しい箸の持ち方を学びます。
上の箸を親指、人差し指、中指で持ち、下の箸を薬指と小指で
支えるように持つのが正しい持ち方だそう。
吉瀬さんによると、正しく箸を持てる日本人が減ってきている反面、
正しく持てる外国人が増えているのだそうです。
後半はいよいよマイ箸作りです。
お箸はの長さを「ひとあたはん」にきります。
「ひとあた」とは親指と人差し指を直角に広げ、
親指と人差し指の先をむすんだ長さのこと。
「ひとあたはん」はひとあたの1.5倍の長さ。
この長さがもっとも使いやすい箸の長さなのです。
彫刻刀で模様を入れます。
完成したら、工場で漆をコーティングしてしてからみなさんのもとへお送りします。
どんな色に塗られてくるか楽しみですね!
大地を守る会 交流局 大北雄二