パキスタンの学校支援 の最近のブログ記事

2014年9月 9日

DAFDAF基金パキスタン支援 発電機編


夏休みをとって8月下旬にパキスタンに行ってきました。
7月29日付でDAFDAF基金から645,361円(626,000パキスタンルピー)をパキスタンのスラムの学校アルカイール・アカデミー(NPO法人JFSA経由)に送りました。これはパキスタンのスラムの学校に発電機と扇風機を送るためのものです。今回はその発電機がどのようになっているか確認をしてきました。

Kachirakundi School.jpg

大地を守る会はNPO法人JFSAを通して古着を回収させていただいていますが、その古着はカラチ市で販売されてこのアルカイール・アカデミーの運営資金に充てられています。この学校は、アルカイール・アカデミーのカチラクンディ校舎。カラチ市の北、ごみ捨て場のまん中にあります。後ろに見える煙はゴミを燃やしているところです。灰の中から金属類を拾って業者に販売するのがこの住民の仕事。医療ごみや産業廃棄物から家畜の死骸までありとあらゆるゴミが運ばれているため、煙は有毒物を含んでいます。薄いサンダルだと釘を踏みぬきそうでヒヤヒヤします。住民はこの学校の周辺に廃材で作った家に住んでいます。このゴミ捨て場には牛やヤギも放牧されていて、ゴミを食べています。住むにはあまりにも過酷な場所のため初めて見る人は絶句するかもしれません。

30分もいると煙で目がチカチカしてきます。痩せた犬もたくさん徘徊していてかなりの危険地帯。ここの住人に「教育」という考え方はありませんでしたが、校長のムザヒルさんの信念により建てられました。全ての人は教育を受け、自分で考え自分の意見を述べるべきである。世の中を変えるには一人ひとりが変わらなければならない、というもの。確かにその通りだと思いますが、実行するところがすごい人です。

kids learning.jpg

この学校には現在280人ほどの生徒、12名の先生、巡回のドクターがいます。酷暑期は過ぎていましたが、40度近くはあり、熱中症で倒れる子どもたちもいるので扇風機が設置されるのは画期的です。もともと電気がないところなので初めて扇風機をみる子どももいます。


text with flies.jpg

先生のノートにはハエがたくさんたかっていました。子どもたちの目や口にもびっしりとたかっていますが、追い払うのも面倒な暑さです。


generator installed.jpg

会員の皆さんからお預かりしたDAFDAF基金で購入した発電機です。校舎の横に置いて試運転をしていました。小さいと思われるかもしれませんが、これで15の教室の電灯と扇風機に電気を送ることができます。この発電機代と数カ月分の燃料代が今回の寄付で賄われます。太陽光発電も検討しましたが、コストと設置時間を考えてこの発電機に決定しました。

fan at med room.jpg

まずは保健室に通電。頭上の扇風機が回っています。各クラスにこのような天井から吊るす扇風機を設置します。巡回のドクターが不在なのでカチラクンディ校の代表の先生にモデルになってもらいました。

fan moving in the class.jpg

こちらはクラス内で通電確認。風が吹くことで体感温度が下がるほか、ハエを追い払えるということも大きな効果です。以前より増して集中して授業を受けることができるとのことです。


Cloth receiving.jpg

こちらは7月にNPO法人JFSAが送り出した古着のコンテナが到着したところです。約一か月の航海を経てカラチに到着しました。古着は業者の倉庫に運ばれ、㎏あたりいくらで買い取られます。

moving cloth.jpg

この古着のかたまりは、50㎏の古着を種類別に圧縮して包装したものです。いつもは100㎏の荷物を担ぐという荷役労働者にとっては軽いとのことですが、400個以上も少人数で運ぶのは重労働。今回は3-4人の方が運んでくれました。コンテナの奥で手伝っているのはJFSAの航太郎さんです。JFSAは自ら身体を動かすマッチョなNGO。私も少し手伝いましたがすぐにバテました。


cloth moved.jpg

倉庫にはこんな風に積み込まれていきます。古着は隣国アフガニスタンやイランなどへも売られていくそうです。価格交渉はこれから。古着の回収について説明し、高く買ってくれるよう私からもお願いしました。


meeting at Dadu.jpg

場所は変わって内陸部のダドゥという町の郊外。2010年の大洪水のとき大地を守る会も支援をした村です。緊急的な支援は終わっていますが、農民への支援は続いていて、今後どうするか農民たちと意見を交換しました。ここはかなり暑くて40度を軽く超えていました。

暑くて熱いパキスタンでした。新しい情報が入りましたらまたお知らせします。

国際局
豊島 洋







2013年9月 3日

NEWS 大地を守る2013年9月号 GLOBAL REPORTS


写真左:学前の学力テストを受ける男の子。学力によりクラスが決まります。何度も先生に質問しながら回答していました。
     学びたいという強い気持ちが伝わってきます。
写真右:集められた古着は品目ごとに分けられた後、50キロのベールに圧縮されてパキスタンに送られます。
     写真はベールをパキスタン向けのコンテナに積み込みをしているところ。JFSAの活動に賛同したボランティアの皆さんです。


古着で学校支援!

 大地を守る会では、衣類のリサイクルを通してパキスタンの子どもたちを支援するNPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)の活動に賛同し、会員の皆さんに古着の回収を呼びかけています。JFSAは1998年から、パキスタンのカラチ市のスラムにある学校アルカイール・アカデミーを支援するために古着を回収しています。選別した古着をパキスタンに送り、現地で販売し、その売上を学校運営の資金に充てています。


義務教育のない国

 パキスタンには義務教育制度がありません。もちろん学校はありますが、通う義務はありません。パキスタンは階級社会のため、それぞれの階級によって通う学校が決まります。富裕層の子どもは高額で質の高い私立学校へ、下層の子どもたちは家族を助けるため、仕事に就く子どもがほとんどです。親もそれが当然のことと考えています。安い公立学校もありますが、先生が副業に専念して不在などの理由で、学ぶには不向きな場合が多いのです。がんばれば豊かな暮らしが手に入るということはまずありません。長い歴史のなかでそれが自然なことと考えられてきたからです。


それでも教育は大切

 アルカイール・アカデミーは、1987年にムザヒル校長先生が10人の生徒から始めた私立学校です。学費は無料、学科は宗教に偏らず広い知識と考える力が付くように組まれています。スラムの子どもたちにも教育を受ける機会を与え、自分で考える人が育てば社会も変わる、という考えを基本にムザヒル先生はスラムの人々に呼びかけてきました。アカデミーの子どもたちは現在3,000名を超えるまで大きくなりました。かつての生徒だった子どもが親となり、その子どもたちが通い始めています。地域の意識は確実に変わってきました。一方で、毎年何百人もの子どもたちが入学できないのも事実です。その理由は学校運営予算が不足しているからです。予算の半分以上は国内の寄付に頼っていますが、不安定なものです。皆さんの古着から得られる売上は大きな力となっています。古着の回収にぜひご協力ください。
 


2012年6月 7日

イベント告知:JFSA、第39回コンテナ送り出し、6月20日(水)


いつも古着回収で大地を守る会の会員のみなさまにはご協力いただいております、
JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)からのお知らせです。

JFSA → URL

JFSAは、集まった古着を一部は国内で販売したり、一部は
パキスタンへ送ってそこで専門業者に卸したりして収入を得て、
学校の運営資金として活用しています。

今回は、みなさんから集まった古着を、パキスタンへと船で運搬します。
そのため、古着の塊をコンテナに積み込みます。力仕事です。

第39回コンテナ送り出し
日時:6月20日(水)8時半~14時頃(午前のみ・午後のみでも構いません)
場所:JFSA本部 千葉市中央区都町3-14-10 地図 → URL 
千葉駅より千葉中央バス 大宮団地行 都町球場入口下車 徒歩1分 

お昼はパキスタンカレーを食べながら交流会を行います。

ベール(圧縮された古着の塊:50kg)を人力のみで40フィートコンテナに詰
み込みます。
力作業以外の仕事もあります。
ご質問がございましたら、遠慮なくお問合せください。

JFSA事務局 桑山奈々 E-mail:<jfsa@f3.dion.ne.jp


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