環境のこと の最近のブログ記事

2015年1月13日

顔の見えるエネルギープランコンペ レポート ~スタジオikb+藤野電力~

顔の見えるエネルギープランコンペのプロジェクトがどのような成果を生んだか、レポートします。

■プロジェクト概要と結果
このプロジェクトは、自然エネルギーによる充電ステーションを町の中に設置し、動自転車の電源にしたり、災害非常時の電源供給源にしたり、町に役立つ充電ステーションをつくろうというものです。150万円の支援金で製作設置されたのは以下の通り。

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◎サンヒルズ(アーティストビレッジ)
パネル:200W 24Vシステム、バッテリー:115Ah×2個、インバーター:1500W(正弦波)

◎カフェてくてく(障害者就業支援施設)
パネル:200W 24Vシステム、バッテリー:115Ah×2個、インバーター:1000W(正弦波)

◎篠原の里(研修・宿泊施設)
パネル:200W 48Vシステム、バッテリー:115Ah×4個、インバーター:1500W(正弦波)

◎リヤカー式
パネル:150W 12Vシステム、バッテリー:115A×1個、インバーター:500W(正弦波)

◎ミニモバイル
パネル:20W 12Vシステム、バッテリー:12Ah×1個、インバーター:300W(正弦波)

■使い道
サンヒルズには個性的なアーティストが集まっています。その施設の回廊を照らす照明とフリー電源に。

カフェてくてくでは屋外の電源で自転車やバイクの充電。店内では照明2か所とBMG用ラジカセ電源に。

リヤカー式やミニモバイルは持ち運びがしやすいため地域のお祭りやマーケット、映画上映会などの各イベントに持参し、地域の人たちに理解を深めてもらうきっかけとしても役立っているそうです。

また"電動アシスト自転車をレンタルして藤野の町を巡るツアー"の準備として、今は試験的に地域の方に貸し出し、充電ステーション利用などの使い心地などを確かめている段階だそうです。

■見えてきたもの
このプロジェクトをとおして見えてきたものを伺いました。
ひとつは災害非常時のエネルギーの確保について。家庭単位でも地域単位でも、いざというときのエネルギー確保は非常に重要な問題。そのことに地域が向き合うために、よりいっそうの理解が必要であることを確認するとともに、充電ステーションのような実例を目のあたりにして、理解者や参加者も少しずつ増えているようです。
もうひとつは、今、藤野という地域で起こっている、食や住まいやエネルギーを自分たちで協力して営もうとする、そのムーブメントに「共感」したり、「体感」しに訪れたりするという人が増えていることが改めてわかったそうです。

■今後のとりくみ
引き続き充電ステーションは増やしていく計画で、あわせて自転車やバイクのレンタル事業やグリーンツーリズムの計画を、他団体を含めて検討していくそうです。地域の中にも外にも理解者も増えてますます広がりを見せそうな「藤野」。その動向から目を離せません。

トランジション藤野 https://www.facebook.com/ttfujino


2014年6月10日

5月31日(土) 自然エネルギー食堂~第1回・初夏~ @ Daichi & keats

「自然エネルギー」×「食堂」


 このキーワードで何をイメージするでしょうか。これまでも大地を守る会では、専門家とともに市民風車を見学したり、バイオマスボイラーをトマト栽培に利用する生産現場を訪れたり、太陽光発電の電気を日本酒造りに利用した「おひさまスパークリング(純米にごり酒)」の乾杯パーティーを開催したりしてきました。

■過去の活動の様子 ⇒ /blog/report/cat109/


 こうしたプログラムを連続的につなぎ直し、自然エネルギーを暮らし目線で捉え、関心のある人たちが集まり、そしておいしいものがそこにあるような場を提供していきたいと思います。それが「自然エネルギー食堂」です。5月31日(土)、丸の内の農園カフェ&バル 「Daichi & keats」にて、「自然エネルギー食堂 ~第1回・初夏~」を行いました。


 まずは学びから。講演のゲストは、環境エネルギー政策研究所の古屋将太さん。自然エネルギーの政策や事例を調査しながら、事業開発支援のため国内外を飛び回っています。


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                     前半は講師の古屋さんのお話に聞き入ります。


 お話の内容は、地域がつくる自然エネルギー社会。風力発電と太陽光発電を筆頭に、急激な勢いでエネルギーの最終消費に対する自然エネルギーの割合が増えているなか、21世紀型社会の方向性としては、中央集権型から地域分散型へ、供給プッシュ型から需要プル型へ、ヒエラルキー型からネットワーク型へなど、構造的な変化が起きていることが示されました。キーワードは「コミュニティパワー」。地域の人たちがそのプロジェクトの主体であり、意思決定をし、その便益は地域の人たちが得る。そうした原則です。


 日本では2001年ごろから市民風車と呼ばれる事業がいくつかあり、3.11以降その勢いは加速しています。古屋さんはそうした事業の立ち上げ過程こそが大切だと語ります。「地域のさまざまなステークホルダーが集まり、時間をかけて課題を洗い出し、協力して解決策を模索するプロセス自体に価値がある」「当初描いた主旨と目的を何度も問い返し、確認しながら前に進むことが大事」と。お話の内容は、参加者一人ひとりのなかにすっと入っていったようです。


 後半はお食事と交流会。大地を守る会が仕入れている有機農業団体の一つ、二本松有機農業研究会(福島県二本松市)から近藤恵さんと大内督さんをゲストに招きました。二本松有機農業研究会は、野菜やお米、油の原料を生産する40年の歴史がある有機農業団体で、2013年、顔の見えるエネルギープランコンペでも奨励先として選ばれています。

■顔の見えるエネルギーコンペの様子 ⇒ /blog/report/2013/05/23/


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      二本松のお二人からは、苦境に立たされている現状とこれからの抱負を語っていただきました。


 この日の料理には、同会の野菜やお米が使われました。例えば、「農園サラダ」のサニーレタス、リーフレタス、スナップえんどう、さやえんどう、「玄米おにぎり」の玄米などです。濃厚にんじんジュースもご提供いただき、ウェルカムドリンクとして振る舞われました。


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                  二本松の濃厚にんじんジュースをウェルカムドリンクに。


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           農園サラダにも、二本松有機農業研究会の野菜がふんだんに使われました。


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                 参加者同士で話をしながら食事を楽しみ、学びを深めます。


 近藤さんは語りかけます。「震災後の放射能の影響もあって、経営的にも心理的にも大きな痛手を受けている。この困難を克服し、農家が誇りを持って取り組めるものの一つとして自然エネルギーに注目している」「スタディツアーで訪れたドイツでは農業者や個人による協同組合の仕組みが整っていて、『自分たちもやればできる』という確信を得た!」と。近藤さんや大内さん、そして古屋さんを囲んで、各テーブルでは参加者同士でゆっくりとお食事と交流を楽しみました。


 持続可能なエネルギーのある社会、地域の人たちが中心になれる社会、そのような未来に向け、ささやかながら有意義な時間になっていればと思います。「自然エネルギー食堂」は、未来を志向して学びと交流を深め、そしてお腹を満たせる(!)場として、これからも展開していきたいと思います。


                                             自然エネルギー食堂事務局 鈴井



2014年3月25日

3/15、「おひさまスパークリング乾杯パーティー」開催

3月15日(土)、春を感じる陽気となった東京丸の内。農園カフェ&バル「Daichi & keats」にて、「おひさまスパークリング乾杯パーティー」が行われました。「おひさまスパークリング」は酒蔵の屋根に太陽光パネルを設置し、製造時の電力の一部として利用した発泡性の日本酒です。今回はこのお酒の完成を、作り手と飲み手が一緒にお祝いをするためのパーティーです。主催は「顔の見えるエネルギープランコンペ」事務局(/cp/d-energy/)。57名(スタッフ含む)が集まりました。

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ゲストは大和川酒造店の杜氏・佐藤和典さん。まずはお酒を造る過程に地域の人や消費者が参加できる取り組みについての話から。秋の酒米の収穫、冬の洗米、麹造り、仕込みなど、いわば酒造りの"肝"となる部分に参加できるもので、貴重な体験機会を提供しています。代表の佐藤彌右衛門さんも『生産者と消費者が、田んぼを渡る風や水の色、空の色を共有することで、本当の意味での安全・安心やおいしさを得られると思います。』と語っています。

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「おひさまスパークリング」のグラスが参加者の手元に行き渡ったところで、杜氏から『まずは乾杯をしましょう。話は後でいいから、まずは味わって下さい』との計らい。この瞬間を楽しみに集まった参加者も、待ってましたとばかりにグラスを手に取り、杜氏の発声で乾杯!となりました。一口飲み、その瞬間、歓声と笑顔が広がります。このお酒は発泡性のにごり生酒。ビン内発酵しており、きめ細かな泡がグラスのなかで踊るようです。

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当日の料理は、5種類のお酒にあわせ、たとえば、菜の花と押麦の塩麹ペペロンチーノ、ローストポーク粒マスタード添え、など特別メニューをご用意いただきました。参加者のみなさんも、ひとつひとつ舌鼓を打ちながら、お酒の美味しさに酔いしれていきます。杜氏も参加者の輪の中に入り、初めて会う人同士もうちとけあって、会場は熱気に包まれました。

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最後は、弊社の戎谷より〆の挨拶。『社会に一石を投じるような価値観を、顔の見える関係のなかで再構築し、それを商品として具現化して流通することにこそ大地を守る会の使命がある。「おひさまスパークリング」の完成をこのように多くの方と共に祝福できることは大変にありがたい。』拍手と共に会場は笑顔に包まれ、乾杯パーティーはお開きとなりました。

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この春からも、「自然エネルギー食堂」(仮称)として今回のような企画を連続して行うべく検討中ですのでご注目ください。
今回参加された方々と、大和川酒造店のみなさま、そしてDaichi & keats料理長はじめスタッフに、感謝を申し上げ、このレポートを終わります。ありがとうございました。

▼関連リンク



2014年1月29日

「野菜まるごとECOクッキング」第2弾開催

1月18日(土)に大地を守るエコ研究所(以下「エコ研」)の人気企画
「野菜まるごとECOクッキング」の第2弾が開催され16名の方が参加されました。

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エコ研では持続可能な社会の実現を目指し、
再生可能エネルギーの普及や、リサイクル企画など様々な活動を行なっています。

「野菜まるごとECOクッキング」とは、
捨ててしまいがちな野菜の軸・皮・外葉を活用した様々な料理と、
地球にやさしいエコな後片付け方法を提案する企画。

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今年は5つの料理を作りました。

①豚肩ロースの漬け焼き
②玄米のパエリア
③野菜とレンズ豆のスープ
④クレープとリンゴのソテー
⑤リンゴティー


野菜の軸・皮・外葉とヨーグルトを合わせた漬けタレに漬け込んだ「豚肩ロースの漬け焼き」は、
野菜のうま味とヨーグルトの酸味で美味しく柔らかいお肉が出来ました!

パエリアとスープには、今話題のベジブロスを使いました。
ベジブロスとは、野菜の軸・皮・外葉などを煮込んで作るダシで、
お米やスープに野菜のやさしいうま味が染み込んだ冬にぴったりの料理となりました!

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デザートで使ったリンゴの皮や種の部分を活用したリンゴティーは
簡単にリンゴの香りとほのかな甘みを楽しめると参加された皆さんから大好評!

洗剤の使用量を少なくするために、
ボロ布やとぎ汁・ゆで汁を使った地球にやさしいエコな後片付け方法も、
「はじめて知った」「簡単だから家でも是非やりたい」と参加された方から好評でした!

今回も大好評であった「野菜まるごとECOクッキング」
より多くの方に食材を無駄にしない料理と地球にやさしいエコな後片付け方法を知ってもらうため、
今後も引き続き開催していこうと思います。

今回参加できなかった方や今回参加されて楽しんでいただけた方も
次回開催時には是非参加してみてください!


2013年10月17日

大地を守る映画祭/顔の見えるエネルギープランコンペ報告会を開催!

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9月28日に、日比谷図書文化館にて「大地を守る映画祭」と称して、自然エネルギーに関連した映画の上映と「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」の報告会を行いました。

第一部では、『パワー・トゥー・ザ・ピープル』『シェーナウの想い』など、自然エネルギーがテーマの映画を2つ上映し、32名にご参加いただきました。

第二部で上映した『カンタ!ティモール』も、背景には、日本も含めて石油・天然ガスなどのエネルギー問題の絡む映画です。こちらも41名が参加し、第一部と合わせ述べ73名の方にご参加いただきました。


●プログラム
・『パワー・トゥ・ザ・ピープル』(49分)
・『シェーナウの想い』(60分)
・『カンタ!ティモール』(110分)
・「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」報告会



第一部:『パワー・トゥー・ザ・ピープル』『シェーナウの想い』

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『パワー・トゥ・ザ・ピープル』

オランダで再生可能エネルギー普及に取り組む活動家や、10年かけてデンマーク・サムソ島の100%クリーンエネルギー化を実現したソーレン・ハーマンセンの取り組みなどを紹介する、私たちに勇気や力を与えてくれる、明るいビジョンに満ちあふれた映画でした。

各国でローカルの力を生かしてエネルギーを自分たちの手に取り戻そうとしている様子には勇気づけられます。この映画を観て、農業には大量のエネルギーを必要とするからこそ、自然エネルギーを使った農業を行うことができれば、大規模なエネルギーの転換ができる!と改めて感じました。

●映画紹介サイト









『シェーナウの想い』

ドイツ南西部・黒い森のなかにある小さなまち、シェーナウ市。チェルノブイリ原発事故をきっかけに「自然エネルギー社会を子どもたちに」という想いから、ドイツ史上初の「市民の市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでの軌跡を綴るドキュメンタリーです。

この映画の主人公たちは、父の目線、母の目線、その地域で暮らす人の目線で、地道ながら力強く、省エネの普及啓発、電力会社への交渉、公開討論会などを重ね、ついに送電線を買い取り、自分たちの電力会社を作るに至ります。今では13万世帯の顧客がいて、今も増え続けています。ひとりひとりの行動が社会を変えるということを明快に示してくれるシェーナウの彼ら。とても大きな勇気をもらいました。

●映画紹介サイト



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第二部:『カンタ!ティモール』

舞台は南海に浮かぶ神々の島、ティモール。
ひとつの歌から始まった運命の旅が、音楽あふれるドキュメンタリー映画となり
ました。当時23歳だった日本人女性監督は人びととの暮らしのなかで現地語を
学び、彼らの歌に隠された本当の意味にふれていきます。

24年間に及ぶインドネシア侵略の中、東ティモールの人々が失わなかったものは。
「神々の住む島」で果たされた彼らの「独立」は国家としての「独立」以上の
意味があると感じます。
日本と東ティモールの関係を考える時、それは私たちの暮らしそのものへの
問いかけとなり、私たちを照らすように感じました。

●映画紹介サイト









■「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」報告会

大地を守る会が、生産者2500名に呼びかけて、
自然エネルギーの導入促進のために行っているビジネスプランコンペです。

当日は、支援先となっている「スタジオikb/藤野電力」「大和川酒造店」「祝島市場」の
取り組み経過について、スライドでご紹介しました。

●「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」紹介サイト

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■参加した皆さんからも、たくさんの好評のお声をいただきました。

・「小さな単位での変化がこれからの社会に必要と感じた」
・「日本でもやらなければと思います」
・「希望を持てた。自分ができることを始めていきたい」

他にも映画やコンペ報告会に対して、温かいコメントをたくさん頂きました。
微力ではありますが、自然エネルギーの推進など、これからも取り組んでいきたいと思います。

(大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ事務局 栗本)


2013年5月23日

「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」支援対象決定!

5月19日(日)、大地を守る会本社にて、大地を守る会の生産者・メーカーなどが対象の
大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」最終選考が行われました。

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最終選考には進んだのは応募された19団体のうち、5団体。
それぞれのプランや熱い想いを、プレゼンテーションで披露していただきました。

※「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」の詳細は、
  5月1日のブログ大地を守るをご覧下さい。

そして、選考の結果として、支援先の3団体が選ばれました!

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<支援先>
1.大和川酒造店
 「自然エネルギーでお米シャンパンづくり」
2.祝島市場
 「祝島自然エネルギー100%アイランド」
3.スタジオikb+/藤野電力
 「藤野電力 自然エネルギー充電ステーション事業」

最終選考に残っていた二本松有機農業研究会・自然耕房の2団体にも、
惜しくも支援対象から外れてしまいましたが、引き続きの取り組みを期待して、
わずかばかりですが奨励金をご提供していまます。

以下、審査委員長を務めた弊社代表・藤田の総評の言葉を引用します。

今日発表していただいたプランは、どれもすばらしく応援したいものばかりでした。
現在、大地を守る会とお取り引きいただいている生産者・メーカーさんの数は約2500件です。
今回、「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」を通してご支援をする
3団体はもちろん、今回残念ながら支援先とならなかった2団体も、
2500件のうちの5つに選ばれているということ自体、高く評価されることだと思います。
支援先の3団体には、支援金をお渡しして終わりというのではなく、大地を守る会として、
これを一つのきっかけに、これまでに以上にお付き合いを深めていただけることを期待いたします。

d-energy03.JPG今回は速報として以上のご報告ですが、引き続き大地を守る会の公式フェイスブックでは、
プレゼンテーション審査会当日の様子、支援対象に選ばれた方々の喜びの声、
審査員の評価コメント、オブザーバーの反響など、詳しくお伝えしていきます。

引き続き、ぜひご注目下さい!

「顔の見えるエネルギープランコンペ」事務局 鈴井


2013年5月 1日

「顔の見えるエネルギープランコンペ」に21件の応募!

大地を守る会では、一昨年の東日本大震災以降、自然エネルギーの導入に興味を持ちながらも、情報不足・資金不足などの課題から自然エネルギー導入をできなかった生産者・メーカーを支援するため、『大地を守る自然エネルギー推進基金』を設立し、自然エネルギーの導入を推進するためのビジネスプランコンペ「顔の見えるエネルギープランコンペ」を開催しています。

3月末に生産者・メーカーからの応募を締め切り、19団体21件の応募がありました。農産物・水産物・加工食品・生活雑貨・自然住宅など様々な業種の方から、太陽光発電・バイオディーゼル燃料(BDF)・木質バイオマス・小水力発電・小型風力発電など多彩な内容でした。

一次審査の書類選考を4月に実施し、5団体が二次審査へと進んでいます。5月19日の二次審査(最終審査)では、自然エネルギーや市民ファンド、コミュニティ起業など各分野の専門家も交え、支援先を決定します。

支援先の各団体には、2014年5月まで、支援金の支給や情報発信・イベント企画の支援などを通して、生産者・消費者のネットワークのある"大地を守る会らしい"自然エネルギー普及に取り組んでいきます。今後の進捗もご報告していきますので、楽しみにお待ちください。

●「大地を守る会 顔の見えるエネルギープランコンペ」特設ページ

※「顔の見えるエネルギープランコンペ」は、専門委員会「大地を守るエコ研究所」と、若手職員有志による実行委員会が運営しています。

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※写真は、一次審査の様子です。


2013年4月 1日

NEWS 大地を守る2013年4月号 報告 「 食品と放射能問題検討 共同テーブル」

政府に対し新たな提言を提出

 一昨年9月に5 団体(※)で結成した「食品と放射能問題検討 共同テーブル」(以下「共同テーブル」)では、各団体が実施してきた食品中の放射性物質に関する検査結果を持ち寄り、放射性物質の検出動向や推移を調べ、必要な対策等について協議を重ねてきました。
 2月には改めて2012 年のデータ(2万件超)を検証し、そこで得られた知見をもとに、政府に対し、今後の施策の方向について以下の提言を行うことを確認しました。
放射能対策特命担当 戎谷徹也


1. 品目ごとの検出状況を踏まえ、可能な品目については現在の基準値をさらに下げるべきである。
  • 多く品目で放射線量は低下傾向にある。
  • 共同テーブル参加団体は、それぞれ独自に政府の基準を下回る自主基準を採用しているが、現在はほとんどの品目において自主基準をクリアしている。
  • 上記の状況から、この間検出されていない品目については、現在の基準値をさらに下げることは可能であると考える。

2.市町村単位の出荷制限は見直すべきである。

現在、ある作物から放射性物質が基準値を超えて検出された際、生産された市町村の単位で出荷制限が行われている。しかし以下の理由から、市町村単位の出荷制限は見直し、団体(個人)・ほ場単位など、きめ細かい対応に移行すべきである。

  1. 放射性物質による汚染は行政区域に基づいているわけでなく、自治体単位での制限等は科学的な根拠に乏しく、汚染実態を反映しているものとはいえない。
  2. 放射性物質の検出原因がその地域に由来しない事例を考慮すべきである。精肉から検出された場合、原因の多くは肥育時の餌による。また原木栽培のしいたけの場合、原因の多くは原木に由来する。それらの多くは他の地域で産出されたものである。このような場合、生産物を市町村単位で一律に出荷制限せず、由来に基づいたきめ細かい単位で対応すべきである。
  3. 除染に取り組み、効果を上げている生産者については、検査を前提に出荷できるようにすべきである。除染に積極的に取り組んだ生産者の生産物は確実に数値が下がっている。検査の結果、数値の低減を実現している生産者からの出荷は認めるべきである。これは生産者の努力を後押しするものにもなる。

3. 検出が続いている作物については、政府が調査・研究・支援を行なうべきである。

放射性物質が検出されている品目については、国や行政による調査研究、除染対策支援等を行うべきである。
また国と自治体によって出荷自粛要請品目に齟齬が発生しているものがある。それぞれの検査結果など情報を共有し、連携する体制を整えるべきである。

以上


※「共同テーブル」5団体......(株)カタログハウス、パルシステム生活協同組合連合会、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、生活協同組合連合会 グリーンコープ連合、(株)大地を守る会



2013年1月22日

1月25日に「脱原発法」の院内集会があります

大地を守る会も賛同団体となっている「脱原発法制定全国ネットワーク」が
1/25(木)11:30~参議院議員会館 会議室101号室で、脱原発法再提出に向けて、
市民と国会議員の意見交換の院内集会を行います。
参議院での脱原発法提出に向けての新たな1歩を始めます。
市民のみなさまの支持を集め、議員立法によって脱原発法を実現させましょう。
ご都合のつく方は、どうぞご参加ください。吉田
130125datsugenpatsuhou.pdf

2012年12月20日

ご家庭で使い終わった食用油を回収しています。

大地を守る会では、原発に頼らない社会の実現のために、ライフスタイルの転換を提案する

「スイッチ!電力」宣言しています。

代替エネルギー推進の提案として、使用済食用油を回収してディーゼル燃料化します。

使い終わった油の回収にご協力ください!
 
なお、ディーゼル燃料化した油は、大地を守る会生産者がトラクターなどの農機具の燃料として

使用し、野菜を栽培します。


ちなみにこのひと月で、会員のみなさんから208リットルの廃食油を回収しました。

廃食油を回収・精製している㈱ユーズさんによると、冬は揚げ物をする機会が増えるので、

回収量も増えるとのこと。

ごちそうが増えるこの季節、体重を考えると油の量が気になりますが、使った油はぜひ

回収にご協力くださいませ!


【回収詳細】※会員制宅配をご利用の方向けのサービスです

●回収するもの

・使用済、もしくは未開封の食用油


●回収容器

・使用済ペットボトル(容器の大きさは最大2リットルまで)

・未開封のものであれば油が入っていた容器
 (缶、ペットボトルはOK。ビンは割れる可能性があるので不可)

※油がもれないようにしっかり封をし、透明なビニール袋に入れてしばってください。

※配送1回につき、2リットルまで回収します。


●回収方法

・配送員に対面する場合:配送員に手渡し

・ご不在の場合:ハッポウ箱(なければコンテナ)に入れる


【ご注意】

・油は食用でサラダオイル、菜種油、ごま油、オリーブオイルなど、 ご家庭で使われる液状の油に

 限ります。

※企業、カフェ、レストランなどは対象外です。

※石油系のオイルなど食用以外の油は絶対に入れないでください。

・揚カスは入っていてもかまいません。

・賞味期限切れの油でもOKです。

・大地を守る会の商品でなくてもOKです。

・天ぷら油は揮発性はなく、危険物ではありません。

・容器が破損していたり、極端に汚れていたりするなど、 回収条件にあわない場合は、

 回収をお断りする場合があります。



冬は人が集まる機会も多く、揚げ物が多く作られるそうです。

大地を守る会
宇田川
 



2012年10月 1日

NEWS 大地を守る2012年10月号 はじめよう ひろげよう キッチンからエネシフト

ご存知ですか?家庭から出る廃食油の行方

 1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25〜35万トンといわれています。そのうち、飲食店から出る廃食油の大部分はリサイクルに回されていますが、一方で、家庭から出る廃食油の実に9割は、そのまま捨てられているのです。
 これまで大地を守る会は、環境保全と消費者の安全・安心を第一に考えたエネルギー問題への取り組みを進めてきました。
 昨年4月11日には、原発に頼らない社会の実現に向けた「スイッチ!電力」宣言を行い、6つのアクション(左図参照)を発表。
そのアクション【3】「大地を守る会で自然エネルギーの導入をすすめます」を実現する取り組みの一つとして、昨年の7〜9月に「ゆかいな野菜物語」プロジェクトを実施しました。
このプロジェクトは経済産業省の助成事業で、宅配会員から回収した廃食油をバイオディーゼル( VDF)に精製し、大地を守る会の生産者が農機具の燃料として使用して、野菜を栽培・販売するというものです。3カ月間という限られた期間でしたが、会員の皆さまから回収した廃食油から2,308リットルのVDFを作り、4 .5トンのCO を削減することができました。
「ゆかいな野菜物語」(7月より再開)は、太陽光発電機など特別な機械を必要としない循環型代替エネルギーのプロジェクトです。
もし、捨てている廃食油があれば、資源としての活用を考えてみませんか。次ページからご紹介する「ゆかいな野菜物語」で、手軽にできるエネルギーシフトを、はじめましょう。

※ベジタブル・ディーゼル・フューエルの略。
廃食油を原料とするディーゼルエンジン用の新しい燃料。1993年に㈲染谷商店が世界で初めて開発に成功した。

スイッチ!電力 6つのアクション

1 電力についての消費者アンケートを実施します

2 自然エネルギー推進団体等、関連ネットワークと協同します

3 大地を守る会で自然エネルギーの導入をすすめます

4 原発に頼らないための「節電アクション」を募集します

5 消費者の声をいかし、世の中に提言を行います

6 原発のない、日本をつくります

 

「ゆかいな野菜物語」が再始動!

 昨年7〜9月にかけて行われた廃食油をエネルギー活用するプロジェクト「ゆかいな野菜物語」。今年の7月23日からは、継続的な取り組みとして新たにスタートしています。
 ネーミングが表すとおり、油(ゆ)が回る(かい)循環型代替エネルギーの実現を目指すこのプロジェクト。キッチンから出た廃食油をVDFに精製して生産者に提供し、そのVDFを燃料としてトラクターなどの農機具を動かします。
そして、栽培された野菜が宅配会員の食卓へと戻ってくる仕組みです。これまで廃食油を回収する生協などはありましたが、野菜の栽培・販売までをサイクルに取り込んだのは、大地を守る会が初めての試みです(大地を守る会調べ)。
 廃食油から精製したVDFは、大気汚染の原因となる硫黄酸化物ゼロ、呼吸器官障害の原因といわれる黒煙は軽油の半分以下と、とてもクリーンなエネルギーです。
 昨年は運搬費やVDFの価格などが課題になっていました。そこで今年は、株式会社ユーズのご協力のもと、ほぼ軽油と同等価格でVDFを販売。
また、2013年7月末までは、VDFの運搬費を大地を守る会で負担することにしました。
 今回は、プロジェクトに参加している生産者の富谷亜喜博さんと、廃食油をVDF化しているTOKYO油田(ユーズ)の染谷ゆみさんにお話を伺いました。

家庭から出る廃食油の回収にご協力ください

「ゆかいな野菜物語」プロジェクトの廃食油回収にご協力ください。あなたのキッチンから出た廃食油がVDFとして精製され、トラクターなどを動かして野菜作りに役立ちます。
回収方法は、廃食油をペットボトルに入れて食材配送時に大地を守る会へ渡すだけ。ゴミとして廃棄するよりも手間がかかりません。
そして何より、クリーンエネルギーにシフトする確かな一歩となります。持続可能で豊かなライフスタイルの実現を一緒に目指していきましょう。

富谷亜喜博さん
さんぶ野菜ネットワーク 代表理事
千葉県山武市で、小松菜やレタスなどの葉物野菜、スイカなどの果物など、多種多様な農作物を栽培。

 昨年から「ゆかいな野菜物語」に参加しています。VDFの存在は以前から知っていましたが、正直、農機具に影響が出ないか不安がありました。
トラクターなどの農機具は10年、20年と長く使うものですから、生産者であれば、誰しも感じることだと思います。ですから、VDFを使い始めた当初は、軽油とVDFを混ぜて使っていました。
 ハウスで使うと、軽油とのにおいの違いがよくわかります。ほのかに天ぷらの香りがするんですよ。
環境への優しさを体感する瞬間ですね。徐々にVDFの濃度を上げて繰り返し使ってもトラクターに影響はなく、軽油と変わらないパワーで動かせると実感できたので、今ではVDF100%で使用しています。ただ、トラクターの種類によってはパワーの差を感じるかもしれません。
私は3台のトラクターで試してみましたが、もっとも古いトラクターとの相性がよいと感じました。新しいトラクターは濾過機が繊細だからかもしれませんね。
 VDFは、一斗缶かドラム缶での配達が選べます。私は頻繁に耕運するほうではないので、一斗缶で購入しています。そのときどきでVDFが黄色っぽかったり赤みが強かったりと色は異なりますが、使用感に違いはありません。
 昨年は、軽油に比べてVDFの価格が高くコスト面に課題がありましたが、今年からは軽油と同等価格で販売されると聞き喜んでいます。軽油と大差ない価格なのであれば、環境に優しい方がいいですよね。
大切なのは、新しい試みをおもしろいと感じて、楽しみながら挑戦する気持ちだと思います。いろんな生産者がVDFを使って情報をみんなで共有できたら、誰もが安心してVDFを使えるようになると思います。

染谷ゆみさん
(株)ユーズ 代表取締役
廃食油を回収し再資源化する事業を展開。1993 年には、世界初となる廃食油の軽油代替燃料の開発に成功。

「廃食油は大切な資源。回収の広まりを期待します」
「廃食油は資源であり、東京は大油田」という発想から、東京の家庭や飲食店から出る廃食油を回収して再資源化しています。
 大地を守る会とは、1995年の宅配配送車へのVDF使用以来のお付き合いです。
ソーシャルビジネスの大先輩ですし、一緒にプロジェクトに取り組めて嬉しいですね。
 昨年の会員アンケートでは、「油は食用として使い切るから回収に出さない」という意見が7割を占めたと聞いています。会員の皆さんの環境への意識の高さを感じました。私は廃食油を回収している立場ですが、本当は1滴も廃食油が出ない社会が理想的だと考えています。
廃食油を循環できるからといって、どんどん出してほしいわけではないんです。ただ、1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25〜35万トンといわれ、家庭の廃食油の9割は、残念ながら捨てられているのが実情です。
固めて捨てる、紙に含ませて捨てるといった方法では、新たなゴミを生み出すことになってしまいます。
 これまで捨てていた廃食油を資源として捉え、「ゆかいな野菜物語」を通じて、回収に参加してくれる人の輪が広まっていくことを期待しています。

 

・回収するもの:使用済み、もしくは未開封の食用油(液状の油に限る)。

・回収容器 :使用済みペットボトル(最大2リットルまで)に入れ、ビニール袋に入れてしばる。

・回収方法 :配送員に手渡し、もしくはハッポウ箱・コンテナに入れる。

・回収に出される場合は下記URLを必ずご確認ください。
https://member.daichi.or.jp/news/dispdetail/contentscd/9/year/0/no/688

 

生産者の皆さんへ

VDFを使ってみませんか?

 「ゆかいな野菜物語」では、VDFの価格を120円/リットルにし、2013年7月末まではVDFの送料を大地を守る会が負担します。これは、より多くの生産者にVDFを使ってほしいという思いからです。
ご興味のある方、ご質問は下記連絡先までお問合せください。

お問合せはこちら:03-6661-1610(株)ユーズ(担当/河合)

 

 

いろいろなところではじめています、エネシフト。

野菜残渣をエネルギーに変える「ベジィエナジー」

 日々の宅配業務でどうしても出てしまうもの。それは、傷んで商品にならない野菜や、土で汚れた外葉などの野菜ゴミ(残渣)です。この残渣をエネルギーに転換するプロジェクトが「ベジィエナジー ~もったいナイをエネルギーに~」です。バイオエネルギー事業で実績のあるバイオエナジー社にご協力いただき、昨年の11 月14 日から継続して取り組んでいます。
 自然界に存在する微生物が残渣を約30日かけて分解し、バイオガスを発生させます。
このガスで、ガスエンジン発電機を動かして発電したり、精製・熱量調整・腐臭などの加工をして都市ガスにしています。

除染しつつエネルギーを生む「グリーンオイルプロジェクト」

 有機栽培による米・麦・大豆の輪作を実践してきた稲葉光國さんが代表を務める栃木県上三川町のNPO法人 民間稲作研究所は、放射能の除染からエネルギー自給までを循環サイクルで実現していく「グリーンオイルプロジェクト」を開始しています。この「グリーンオイルプロジェクト」は、大豆・ひまわり・なたねを育てることで除染を行いながら、圧搾した油から出た廃油をSVO化し、トラクターの燃料としたり、搾油後の残渣をメタン発酵させ、各種の燃料として利用していくことを目指しています。
 大地を守る会は、このグリーンオイルプロジェクトについても、どう関わっていけるのか、検討していきます。

※ストレート・ベジタブル・オイルの略。植物油(廃食油)をそのまま燃やしてしまう燃料のこと。



2012年7月18日

さようなら原発 "17"万人集会

7月16日の「さようなら原発10万人集会」は、過去最大規模の17万人の大集会となりました。

 

猛暑の中でこれだけの人たちが集まったということは、今、私たち市民一人一人が集まって起こしているこのうねり(大波)は、熱波をものともしない、もっと激しく熱い思いの表れです。

私たちはもう原子力村には騙されないぞ、という強い思いの表れです。

 

原発の稼働に反対する人がどれほど増えようとも、

電気は足りるとわかっていても、

そこに活断層があるとわかっていても、

なにがなんでも稼働させる。

それはなぜか?

 

原発を稼働させないと、その関係者にお金が回って来ないから。

ただそれだけの理由だということを、もうすでにみんなが知っています。

 

「国民のため」なんかじゃないということは、みんなすでにお見通しです。

 

私たちの熱いうねりは、これからもっともっと、どんどん高く大きく広がっていくに違いありません。

この勢いを、これからのストップTPPの運動にもつなげていきましょう。こちらも今、正念場を迎えています。

 

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 代々木公園、第1ステージはもっと先の方、会場のサッカー場は超満員です。

 

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 表参道をゆっくり歩きました。

 

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 この日は沿道の人たちとも一体感がありました。

 

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この日用に新たにプラカード(ゼッケン?)を作りました。

これからもっと種類も増やしていきます。

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『子どもたちの未来のために、美しい大地ときれいな海を取り戻そう』

大地を守る会が長年掲げてきたスローガンです。 

 

子どもたちの未来のために

未来の子どもたちのために

 

私たちが行動しないと願いはかなえられません。

未来に思いは届けられません。



2012年7月13日

集まろう10万人!

脱原発・持続可能で平和な社会をめざして、

いよいよ来週月曜・7月16日に、10万人集会が代々木公園で行われます。

 

毎週金曜日の首相官邸前には、多くの市民が「再稼働反対」を訴えて集まってきています。

 

全国各地で、市民が「原発いらない!」と声を上げ、行動を起こしています。

 

2012年7月16日は、歴史的な一日になるはずです。

 

その瞬間に立ち会いましょう!

 

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7.16さようなら原発10万人集会
今こそ脱原発を! 代々木公園にみんな集まろう!



昨年9月に東京・明治公園で「さようなら原発5万人集会」を開いた作家の大江健三郎さんらが、
今年は7月16日に東京・代々木公園で10万人規模の「さようなら原発集会」を開催します。


ドイツでは、福島原発事故後に20万人を超える市民がデモに参加し脱原発の原動力となりました。
日本でも「原発はいらない」と願う市民の声を形にして、一日も早く脱原発を実現しましょう!

*当日、大地を守る会のメンバーは、11時ころには第2ステージ付近に集まっています。

大地を守る会ののぼりなどを目印にお集まりください。

なお、混雑が予想されますので、時間には余裕を持ってお越しください。

また、原宿駅は一番混雑すると思われますので、

千代田線「代々木公園」 下車 徒歩3分、
小田急線「代々木八幡」 下車 徒歩6分
JR「渋谷駅」 下車 徒歩10分
がおすすめめです。

●日時 2012年7月16日(月・祝) 12:15~

●会場 代々木公園 イベント広場・ケヤキ並木・サッカー場

●時間(予定)
12:15~ オープニングコンサート
12:55~ メイン集会(15:00まで)
13:30~ パレード出発(集会中に、出発します)※解散地点:明治公園、他
※「NEWS大地を守る」7月号でご案内した時間より、少し早まっています。

サブステージ
11:00~15:30頃まで
11:00頃から脱原発・エネルギー関係のブースが出ます。

●呼びかけ人  さようなら原発1000万人市民の会
内橋克人、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧、坂本龍一、澤地久枝、瀬戸内寂聴、辻井喬、鶴見俊輔



2012年7月10日

真夏の夜のキャンドルコンサート@天現寺

~都会の喧騒の中に現れる、癒しの空間「天現寺」。

  時を忘れ、体中に染みわたるYaeの歌声と優しいキャンドルの灯りに包まれて過ごす夜。~

 

来る8月18日(土)東京・南麻布の天現寺本堂で、真夏の夜のキャンドルコンサート@天現寺が開催されます。

 

出演は、大地を守る会初代会長・藤本敏夫と歌手・加藤登紀子の次女で、

100万人のキャンドルナイトでもお馴染みのYae。

 

出演:Yae(ヴォーカル)、越田太郎丸(ギター)、渡辺亮(パーカッション)、稲葉美和(琴)。

キャンドルアーティスト:Candle June

 

■日時 2012年8月18日(土) 開場 18:00/開演 19:00

■会場 東京 南麻布・天現寺本堂(東京都南麻布4-2-35)

■入場料 前売り 4,000円/当日 4,500円

■チケット申込

 ≫Tel:03-6273-8437/Fax:03-6273-8438

 ≫Mail:miki.uenj@abeam.ocn.ne.jp

 ≫Yae HP:www.yaenet.com

■お問い合わせ:Yae Project(Tel:03-6273-8437)

■主催:Yae Project

■協力:多聞山 天現寺

 

※詳しくは添付のチラシやYae HP( www.yaenet.com )をご覧ください。

 

チラシ :   20120818Yae.pdf



2012年6月 4日

NEWS 大地を守る2012年6月号 灯りのリレーを新たなステージへ

キャンドルナイト10周年


今年も開催!

100 万人のキャンドルナイト@増上寺2012

 夏至の直前に大地を守る会が毎年開催してきた東京タワー消灯カウントダウンイベントも10回目を

迎えます。今年は「でんきを消して、スローな夜を。」という思いに加え、東日本大震災への哀悼の意

を込めて、節電のメッセージを発信していきます。

ぜひ、ご参加ください。

2012.6.16(土)16:00~ 21:00※雨天決行

会 場:増上寺 (東京都港区芝公園4-7-35)

入場料:無料(入場制限の場合あり)



2012年5月18日

ロバート・ケナー監督、映画祭、食べもの考

○ ロバート・ケナー監督の記者発表

今日、アメリカの食品産業の闇をえがいた「フード・インク」のロバート・ケナー監督の
記者発表がありました。

ケナー監督の言葉。
「今、日本で食の問題といえば放射能だということですが、だからといって輸入食品への
依存を高めてしまうと、将来に別の禍根を残すことになりますよ」

日本の畜産業に使用されている飼料の多くがアメリカからの輸入コーン、しかも遺伝子
組み換えです。世界の種子の半分は、シンジェンタ、モンサント、ダウ・ケミカル、デュポン
という元々が食品や農業ではなくケミカル(化学)分野の会社が支配しています。
それも、遺伝子組み換えという手法を使って。


アメリカでは、政府と大企業が一体となって、補助金という農業政策で、カロリーと価格の逆転
現象を起こしています。家畜(牛、豚、鶏など)の飼料となる"コーン"、それも遺伝子組み換え
コーンの単一大量栽培に多額の補助金を投入することで、"肉"の価格が極端に下がり、逆に
"野菜(キャベツやブロッコリーなど)"の価格が高くなってしまっています。多くの低所得者層
は、価格が高く低カロリーの野菜より、低価格でカロリーのより高いハンバーガーや
スナック菓子、清涼飲料水といったものを買う傾向が強いのです。それが原因となって、
低所得者層ほど肥満の割合が高いという現象がおこっています。

しかも、その肉は、工業製品のような工程で生産され、その工程には多くの危険が
潜んでおり、それを大手食品産業は必死になって隠そうとしています。

こういった深刻な問題を、あきさせない映像で作り上げたケナー監督は、さわやかな語り口
の素敵な方でした。

明日、上映&トークショーを含んだイベントがあります。→ URL

プラスアルファの関連情報です。
○ TPP映画祭
「フード・インク」、「モンサントの不自然な食べもの」がラインアップの映画祭が渋谷で、
6/1(金)-5(火)の期間に開催されます。
違う角度から食べものを考えるきっかになるかもしれません。→ URL



2012年5月 1日

お知らせ:生物多様性の日 記念イベント 5月19日(土)


大地を守る会は、生態の保全、食品の安全性、種子の一極支配などの観点から、"遺伝子組み換え作物"に反対しています。

反対運動の中心となって活動しているのが、「NEWS大地を守る」などでもおなじみの、天笠啓祐さんが代表をつとめる、「遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン」です。「遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン」が事務局をつとめる「食農市民ネット」が主催となって、5月19日にイベントを開催いたします。多くの方々の参加をお待ちしております。


■イベント名
生物多様性の日 記念イベント
『フード・インク』』の監督が語るアメリカの食と農の現状
~今日のごはん選びが必ず変わります~

■解説
急速に失われつつある生物の多様性について考えるために、国連が定めた「生物多様性の日」。その5月22日には毎年、生物多様性に関するイベントが世界各地で開かれます。食農市民ネットでは、生物多様性を食べものと農業の視点から考えようと、『フード・インク』の監督で、食と農の問題に精力的に取り組んでいるロバート・ケナーさんをお迎えして生物多様性の日の記念イベントを開催します。『フード・インク』はアメリカの食品産業の闇に迫った衝撃的なドキュメンタリー。この中で監督は、私たちがどのような食べものをどのように食べるか、1日3回の食事のときに考えることで、大量生産・大量消費のフードシステムはかえることができるという、力強いメッセージも発信しています。監督からアメリカにおける食と農の現状や、いまアメリカで盛り上がっている遺伝子組み換え表示を求める動きについてお話しいただきます。

 フードインク公式サイト URL

■日時
2012年5月19日(土)13:30~18:00(開場13:00)

■会場
東京ウィメンズプラザ ホール
(東京都渋谷区神宮前5-53-67)

■連絡先
食農市民ネット事務局 → URL
TEL:03-5155-4756
e-mail:office@fa-net-japan.org

■プログラム
13:00 開場
13:30 開会のあいさつ
13:40 映画『フード・インク』
15:20 休憩
15:30 講演 ロバート・ケナー監督
      「アメリカの食と農の現状について」
16:30 トークショー 日本における生物多様性と
      遺伝子組み換え生物の状況
17:00 休憩
17:10 質疑応答・意見交換
17:50 閉会のあいさつ
18:00 閉会



2012年3月16日

3/17 ファーマーズマーケット@国連大学で 廃食油回収&ゆかいな野菜物語販売します。

大地を守る会とゆかいな野菜物語プロジェクトを
一緒にやっているユーズ(東京油田2017)さんが、
今週末3月17日(土)開催の
ファーマーズマーケット@国連大学(渋谷区神宮前)に出店し、
廃食油の回収&ゆかいな野菜物語の販売をします。

http://www.farmersmarkets.jp/2012/03/news_marw03/

今回販売する野菜は大根とレタス。
生産者はもちろんさんぶ野菜ネットワーク(千葉県山武市)の
富谷亜喜博さん。
廃食油から作ったディーゼル燃料を使って栽培した野菜です。
富谷さんは丁寧な仕事っぷりで野菜のおいしさに
定評のある方!
富谷さんに、出来はどうですかとうかがうと、
ちょっと寒かったので大根がこぶりかな~とのこと。
でも青山から持ち帰るには
ちょうどいいかもしれませんね。

それと油をもってきてくれた方、先着50名に
ゆかいな野菜物語オリジナル「あぶらとり紙」のプレゼントも
あるそうですよ。
17時からはエコキャンドルを使ったキャンドルナイトも!
ぜひぜひ土曜日は青山に行ってみてくださいね。

大地を守る会
宇田川

2012年3月 2日

2/18・19「低炭素杯2012」に出場しました。

環境省後援の低炭素社会の実現のために活動する
団体の発表の場「低炭素杯2012」が
2月18日、19日に開催されました。

全国から多数の応募の中41団体が選ばれ、
そのうちのひとつとして大地を守る会も
プレゼンテーションをしてきました!

大地を守る会は会員さんから廃食油を回収して、
ディーゼル燃料化し、それを野菜栽培の燃料として
使用する「ゆかいな野菜物語」をご紹介しました。
残念ながら受賞は逃しましたが、
環境関係の大学教授などに取り組みを紹介できる
いい機会となりました!

たくさんある内容を4分間で紹介するのは至難の技!
早口での紹介になりました。


最優秀賞を受賞したのは、
栃木県の農業高校の地域おこしプロジェクト。
全体的に被災地の受賞が多かったのが特徴的でした。

しかし、プレゼンは寸劇に着ぐるみにと多種多様。
4分間のプレゼンすべて歌で表現するユニークな会社も!
いろいろな発表があって、飽きることなく
見ることができました。
これだけ地域の知恵があれば、日本はすぐいろんな
問題が解決しちゃうんじゃないかな、と思いましたよ。
来年みなさんも、
参加してみてはいかがでしょうか。

大地を守る会
宇田川



2012年1月13日

大地を守る会本社、電気使用量40~45%オフ!【8~10月度】

脱原発を目指し「スイッチ!電力」を宣言した大地を守る会。
まずは自分たちで、と節電をしています。

報告が遅くなってしまったのですが、
8~10月は以下のような節電結果となりました。
(※空調はビル管理のため、下記の計算に含まず)

8 月 45%オフ
9 月 45%オフ
10月  40%オフ

冬場の今も、電子レンジやポットは使っていません。
節電開始当初には、お弁当を温められないなんて!
という意見もありましたが、
すっかり社員も慣れたようです。
もともとわっぱ弁当使用率が高い社内なので、
レンジを使わない人も多いのですね。
また、新たにわっぱ弁当を使い始めた人は、
木が水分調整してくれるので、
ごはんがべちゃっとならず、
冷たくてもおいしく食べられる!と
喜んでいました。
節電は無理なく、楽しく続けたいですね!

大地を守る会
宇田川


2011年10月20日

10/25 自然エネルギーの勉強会開催します

大地を守る会では今年から、
新しい代替エネルギープロジェクトを開始しました。
その名も「ゆかいな野菜物語」で、
「ゆ」は油、「かい」は回を表しています。
どんなプロジェクトかというと、
会員さんから使用済食用油を回収し、その油を燃料(VDF)化。
それをトラクターなどの農機具の燃料として使用して、
栽培した野菜を販売するというもの。
生協で油を回収をするところもあるそうですが、
野菜の栽培までするのは日本初(大地を守る会調べ)!

そんな「ゆかいな野菜物語」他、自然エネルギーについての
勉強会を開催します。
10月25日(火)と期日が迫っていますが、
興味のある方はぜひお越しください。
詳細、お問い合わせは下記をご覧くださいませ。

大地を守る会 宇田川

↓↓↓    ↓↓↓

■□■ 10/25 ソーシャルビジネス・カフェのご案内 ■□■
==================================
地産地消エネルギーを核としたビジネス開発の可能性
==================================

日 時 : 2011年10月25日(火)
       13:30 受付開始 /14:00 開始 /16:00 終了予定

会 場 : エコプラザ 1Fラーニング・ルーム(港区浜松町1-13-1)
       JR浜松町駅北口下車4分もしくは
            都営地下鉄大門駅B1出口下車3分
       http://eco-plaza.net/map/

参加費 : 無料

お申込み: https://ssl.form-mailer.jp/fms/6c8e6fd9170768

プログラム:
*******************************************************
第1部 地産地消型エネルギーによるビジネス開発について
*******************************************************
A)ビジネスプレゼンテーション

複数の企業が強みを連携させ、CO2オフやエネルギー問題に取り組む

「ゆかいな野菜物語」プロジェクトをご紹介。廃食油を消費者から

回収し、リサイクル燃料「VDF」を生成。この燃料を利用して農産物を

生産する社会的な付加価値を生みだしたプロジェクトに関してご説明します。

http://www.socioengine.co.jp/yukainayasai/

■プレゼンター 桑原憂貴 株式会社ソシオ エンジン・アソシエイツ

B)パネルディスカッション

CO2削減やバイオマスをはじめとする地産地消型エネルギーの創造ビジネスの

可能性について明らかにするとともに、企業が参画するメリットを模索します。

<パネルディスカッション登壇者※敬称略・五十音順>

■登壇者

宇田川千夏  株式会社大地を守る会 事業戦略部 経営企画課

      「有機野菜宅配のパイオニア。100万人のキャンドルナイト等の
       ソーシャルアクションでも知られる社会的企業」
       /

菊池貞雄     北海道バイオマスリサーチ株式会社 代表取締役

      「バイオマスを使った音楽イベント「バイオマスライブ」等、
       北海道十勝地域を拠点に多様な企画を仕掛ける地域課題解決企業」
       http://www.biomass-research.com/

染谷ゆみ     株式会社ユーズ 代表取締役

      「飲食店や家庭から排出される使用済み天ぷら油の回収事業を軸に資源循環
       型社会の構築を目指す。地域活性化プロジェクトを仕掛ける社会的企業」
       http://tokyoyuden.jp/

■コーディネーター

松田慶子   みなと環境にやさしい事業者会議事務局長
       http://eco-plaza.net/mecc/outline


*******************************************************
第2部 自然エネルギーを活用した東北における産業復興の可能性
*******************************************************
岩手県の陸前高田における豊かな森林資源等の自然資本をベースに、
バイオマスをエネルギーや資源として活用、循環させる社会
システム「バイオマス産業コンプレックス」の構築により、
森と農と海の再生と繋がりを創出し、持続可能な産業復興の
可能性についてご紹介します。

共 催 :みなと環境にやさしい事業者会議(MECC)

■■■お申込みはこちら
https://ssl.form-mailer.jp/fms/6c8e6fd9170768

==================================

お問い合わせ
一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク
CO2オフ生活推進委員会
担当:桑原・飯石
kuwabara@socioengine.co.jp
TEL:03-5775-7670 / FAX:03-5775-7671



2011年9月 1日

大地を守る会本社、電気使用量46%オフ!【7月度】

脱原発を目指し「スイッチ!電力」を宣言した大地を守る会。
まずは自分たちで、と節電をしています。

その結果、7月はなんと電気使用量46%オフできました!
電気使用量が約半分になるってどういうことなのでしょう...

たしかに室内はいつも暑いのです。
朝はまだいいのですが、昼過ぎになると
室内でもほんのり汗をかくほど。

そして室内はいつも暗いです。
晴れている日は、窓際の電気はつけられません。

それでも、電気使用量が半分になるほどだったかな?
というのが実感で、これだけの効果がでたことに驚いています!
削減量が数字でわかるのは、うれしいものですね。

大地を守る会 宇田川



2011年8月18日

大地を守る会本社、電気使用量34%オフ!【6月度】

脱原発を目指し「スイッチ!電力」を宣言した大地を守る会。
/info/news/2011/0422_2815.html

電力についてのアンケートや
自然エネルギーについてのイベントなど
脱原発に向けた取り組みをさまざまに実施しています。
でも、まずは自分たちを見直さなくちゃ!と
本社の節電を開始。
冷蔵庫の使用数削減、ポットと電子レンジは撤廃、
蛍光灯を半減させるなどの対策を実施して、
企業や家庭の削減目標である15%を
大きく上回る34%(昨年同時期比)電力使用量を削減できました!

冷房はビルの一括管理なので、温度設定はできないのですが
ビル自体節電しているので、社内も暑い!
どこの会議室も締め切ると暑いので、
開けっ放しで会議しています。

個人的にはお弁当も温められないので
少しさみしくもありますが、
スイッチ!のためにささやかな一歩を踏み出しています。

大地を守る会 宇田川



2011年8月17日

2011 米生産者会議報告 in 北海道

うっしーこと牛島真也です。

今日は久しぶりに、理事、改め、CSR運営委員による生産者会議報告をお送りします。

 

登場するのは、大地を守る会のイベントでの「生きもの調査」でもおなじみの、

"陶博士"こと、陶武利運営委員です。

稲作体験イベントなどで陶委員に会ったことのある方も多いかと思います。

果たしてどんな報告が届いたのか?!乞うご期待。

 

↓↓↓↓↓

CSR運営委員の陶です。

個人的な感想を交えてレポートしたいと思います。


今回「お米の生産者会議」が行われたのは、「涼しく短い夏」というイメージの北海道でした。

イネは元々熱帯を起源とする作物ですので、本来北海道は、稲作に適した環境ではないわけです。

ところが、調べてみると、今や生産量は全国1位。

一体、どうやって負の要因を克服し、今の生産量を築いたのでしょうか?

そんな興味を持って参加してきました。

 

講演内容は、「おいしくなった道産米の秘密」~北海道稲作と品種改良のあゆみ~。

なんと、生産量だけでなく、味も変わってきているようです。

後ほど食味会も行われるとのことで楽しみです。


講演して頂いたのは、菊池治己先生。元上川農業試験場長。

まずは、北海道の開墾の歴史から。

2011kome02.jpg

森林を開墾して水田にしたそうですが、ユンボもない時代に相当大変なことだったと思います。

田んぼに残る木の切り株が当時の苦労を伺い知れます。


2011kome03.jpg

稲作は、明治10年頃からどんどんと北進していったそうです。

明治33年を見ると、ちょうど今の札幌辺りまできています。

ちなみにこの年は、エゾオオカミが絶滅してしまった年でもあります。


2011kome04.jpg

北海道は、やはり内地と違って寒い。

 

4年に一度は冷害に見舞われるという状況があって、以前としてそのリスクはあるそうです。

そんな厳しい環境条件の中、育種をどうやって進めていったのか?

 

育種のプロジェクトが始まったのは1980年。なんと、今から30年以上前にさかのぼります。

稲は普通に作ると1年に1作しかできませんが、もし1年に2作、3作とできれば、

育種のスピードを早めることができます。

それを実現する為に最初は鹿児島県や沖縄県にお願いして作ってもらったこともあったそうです。

 

その後、道南農試に大型の水田温室を用意し、2期作の体制を整えました。

30年で60年分の仕事ができるというわけですから、すごいことです。


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冷害に強い個体を選抜する為には、人工気象室も用意。

「冷害に強く、生産量も多い」という性質だけではお米は売れません。味も重要な点です。

 

そこで「北海道のお米はまずい」といわれる理由を分析したところ、

アミロース含有量が低くなりにくい為、粘りが無くなりおいしくない、ということが判明。

(アミロースが0になるとモチ米になる)

夏場に高温になりにくい北海道では、どうしてもアミロース含有量が低下しないという

気候的要因が良食味をはばかっていることがはっきりしたのです。


そこで、低温下でもアミロースが低くなる系統を作るという育種目標が掲げられました。

その為に、様々な品種を導入。

「おぼろづき」に至っては、なんと新規の低アミロース遺伝子を見つけ出すこととなりました。


  2011kome07.jpg

カリフォルニア米で有名な「国宝ローズ」の血も入れたんですね。

正直、これには執念と気合いを感じました。


2011kome08.jpg

また、純系を短期間に作る為にも重要な葯培養の技術も導入。

 

教科書ではよく習う技術の1つですが、葯培養で実用品種を作った例というのは

あまり知らなかったので、非常に興味深く話しを伺っていました。

このような工夫と努力が実って、北海道の寒い気候でも育ち、

しかも高アミロースにならないという品種が誕生したわけです。

 

食べ比べをしてみましたが、「おぼろづき」「ゆめぴりか」には正直びっくりしました。

炊き加減もあったのかと思いますが、食べ比べの値を集計しても

コシヒカリより上の評価がついていました。

これだけの時間と努力をしてきたのですから、「素直に評価したい!」と思いました。




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話の終わりに、産業用大麻の話がありました。


麻は、どうしてもマイナスの側面ばかり取りざたされますが、

THC(向精神薬)を殆ど含まない産業用大麻というのがあります。

大麻は本来伝統的に日本で栽培されていた作物で、植物体は繊維やプラスチックとして、

また「実」は大変栄養価に富んだ食料として我々に大きな恵みを与えてくれる植物です。

最近では、その秀でた成長力と吸肥力から、放射性物質を吸収してくれる可能性についても

示唆されています。

この植物の持つポテンシャルを日本でももっと活用できる日がくればいいですね。

 


最後に気になった生き物を一つだけ。

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北斗会の水田に生えていた糸状藻の一種、アミミドロ。


過去の観察経験を踏まえてお話すると、水田では、温度が低い時期にサヤミドロが出現し、

その後アオミドロやアミミドロなどが出てきます。

サヤミドロは非常に細い細胞でできていて、イネには殆ど影響を与えません。

初期にこれがあることで抑草効果もあることが報告されています。

 

アオミドロは、場合によってですが風などで一カ所に集まってしまうことがあり、

その結果イネを倒してしまう害も報告されています。

アミミドロは、全体がネット状に繋がっていて風の害を受けにくく、

場合によっては抑草効果もあります。


田んぼに生えている藻は、全部アオミドロだと思っている人が多いですが、

同じように見える生き物でも、時期や環境によって種類が違っているという状況があります。

地味な側面ですが、そんな生き物の営みもあることを知って頂けると嬉しいです。

 

以上、北海道生産者会議の報告でした。

 

CSR運営委員・陶武利

 



2011年8月12日

大地を守る会 パキスタン洪水支援報告

お久しぶりです。とよまるです。

昨年2010年の7月下旬から8月中旬にかけてパキスタンのインダス川が氾濫し、国土の20%が被害

を受けたというニュースを憶えていますか。

 

大地を守る会ではNPO法人JFSAを通して、会員の皆さんに古着をお送りいただくことにより、カラチ

市のスラムの学校運営に協力しています。昨年11月からそのスラムの学校、アルカイール・アカデミ

ーの生徒たちの発案により被災地支援が始まり、大地を守る会は、会員の皆さんからご支援を募り

支援に協力をすることにしました。集まりました支援金は、2,391,000円! 直ちに現地に送られまし

たが、今回はその現地報告です。

 

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いきなりですが、ここはパキスタンのカラチ市から北へ約500キロの村、シター郡ダドゥ村です。踏み

固められていますが畑です。洪水が引いてから、塩が表土に出てきて作物が植えられません。

私は7月2日にここに到着しました。気温40℃以上の暑さでしたが、外で農作業をしている人もちらほ

らいました。酷暑期は58℃になったと聞き、頭がくらくらします。アルカイール・アカデミーの子どもた

ちは、畑の復旧作業を手伝ったそうです。今回は、まだ暑い時期なので子どもたちの支援は一休み。

9月過ぎから再開するそうです。

 

 

 

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 同じ村の別の畑では、オクラが育てられていました。畑の復旧は急務です。オクラはカレーによく使

われる食材ですね。

 

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洪水で壊れた家屋です。もともと地震が少ない地域のせいか鉄筋を使わずにレンガを積んだだけな

ので、水の力で簡単に崩れてしまうようです。レンガも乾燥しただけの安いものが多くつかわれてい

るようでした。レンガは焼くと硬くなります。陶器と同じですね。値段も高くなりますが、再建するとき

は焼いたレンガも使用しています。

 

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住むところが無くなった村の人々は、国連をはじめ様々なNGOからの援助物資を頼りに生活してい

ます。後ろに見えるようなテントで暮らす人が多いのですが、暑さを考えると過酷です。

パキスタンの農民は、大地主の農地を借りて耕していることが多いのですが、酷いところでは地主が

援助物資を横取りしてしまうこともあるようです。この村の地主さんは村人を大切にするとのことなの

で、支援を行うことにしました。もちろん日本人の我々にはわかりませんので、アルカイール・アカデミ

ーのムザヒル校長先生やスタッフが現地のあらゆるネットワークを駆使して決定しました。

(JFSA西村氏撮影)

 

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他団体からの支援金を合わせて970万円のうち、500万円を使って家を建てることになりました。現時

点では、最も困っている農家15軒分を建設中です。どの農家の家を建てるかは、外部の者だけでは

決められないので、地主と村人と何度も話し合いをします。

 

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これは小麦のもみ殻や茎を裁断したもので、家畜の餌になります。村人とアルカイール・アカデミーの

事業部が新ビジネスとして販売する予定で、支援策の一つの柱です。

 

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これは、今年の1月にアルカイール・アカデミーの生徒たちが支援に来た時のひとコマです。農地を復

旧させるのと同時に、サトウキビの収獲も手伝いました。援農作業も支援の一つとなっています。

都会の子どもたちと村の子どもたちとの交流の場にもなり、お互い刺激を受けたそうです。

(JFSA西村氏撮影)

 

 

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これが新たに建設中の堤防です。日本語で堤防というとコンクリートの巨大なものが頭に浮かびます

が、ここでは土を3メートルから5メートルくらいに積み上げて固めたものです。村の周りにぐるりとつく

ります。簡単なつくりですが、洪水時には頼りになります。

  

 

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この写真も1月にアカデミーの子どもたちが支援にきたときのものです。村の生活もスラムの生活も

厳しいと思いますが、笑顔が良いです。 生活が厳しいところほど人と人の強い繋がりを感じます。

(JFSA西村氏撮影)

 

 

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被災地支援とは別のお話です。アルカイール・アカデミーには、女性自立のための縫製学校もありま

す。アカデミー内では選抜された女性チームが日本から来た縫製のプロフェッショナルFさんからエプ

ロンづくりを学んでいます。チームの皆さんは日本で通用する縫製技術を身につけようと必死に話を

聞いていました。近い将来、大地を守る会でも販売できるようなものが出来ればと思います。

 

上記の通り、皆様からお預かりした洪水支援金は、きちんと有効に使われていることを確認致しまし

た。新たな動きがあり次第、またご報告致します。

 

とよまる こと CSR推進室 豊島でした。

 

 



2011年8月10日

2011夏期学校給食学習会

7月25日(月)26日(火)、東京都千代田区の科学技術館サイエンスホールにて
「震災・津波・原発事故後を考える」をテーマに2011夏期学校給食学習会を開催しました。

例年、多数の学校給食栄養職員・栄養教諭・調理員を集め、
食育、衛生管理、合理化、食の安全、アレルギーなど様々なテーマの専門官による
講義と意見交換がおこなわれます。

今年は、3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故による
放射能汚染を受けた、原発と食の安全をテーマに開催しました。

当日のレポートをお届けします。

一日目 7月25日(月)
専門家による原発事故の分析および放射能汚染への対応、脱原発にむけて市民ができることなどを提案してもらいました。また、講義の間、13~14時には、ドイツの核再処理工場建設に反対するドキュメンタリー映画「故郷のために ギートルさんたたかう」が上映されました。

1、「福島原発事故で何が起きたのか」
伴英幸さん(原子力資料情報室共同代表)

福島第一原発事故の構造や今回の事故のメカニズムなどを図をもとに丁寧に説明していただきました。また、今後の収束に向けた見通しの解説もあり、国や東京電力の想定どおりにはなかなか進まないだろうとのこと。
放射線の種類や性質、人体への影響についても解説があり、やはり今後は半減期の長いセシウムの被爆に注意が必要だと来場者へ呼びかけました。
以上のような講義が終わり、来場者から質問がいくつかありました。

「行政の検査にまかせっきりにはできない。自分達で測定を検討しているが、機器の価格はどれくらいか? 扱うのに専門知識は必要か?」
「魚貝類への汚染影響をとても心配している。基準値は野菜と同じなのか?」

など、現場の栄養士のみなさんが、日々不安を感じていることが、切実に伝わってきました。
伴さんは、ひとつひとつの質問に丁寧に応えてくれました。

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2、「脱原発に向けて社会を変革する」
田中優さん(未来バンク理事長)

ふたつ目の講義は、「脱原発」「エネルギーシフト」などを事故以前からも訴え、具体的にアクションを起こしてきた市民運動家・田中優さんの講義です。
まず、放射性物質の内部被爆、外部被爆の解説と、できるだけ放射能汚染の影響を受けないようにする暮らし方の提案がありました。食べ物からの被爆にももちろん注意が必要だが、空気中に含まれる放射性物質もマスクをするなどの方法で避けるべきであるということです。
続いて、脱原発に向けた具体的な社会提案。日本は自然エネルギーを導入する前に、節電対策だけで原発をゼロにできる。その後に、発送電分離のインフラを整え、自然エネルギーを生活者が選択できる社会にすべきである、というアクションを呼びかけました。
「社会は変わった」というキーワードが田中さんの言葉の端々にあらわれました。いま、わたしたちには社会をよりよい方向へ向かわせるためのアクションを行なえる可能性があると、強く感じたお話しでした。

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(一日目レポート担当 広報担当・中川啓)

二日目 7月26日(火)
震災被災地への支援活動や、原発事故現場の報告、農業生産者が直面する現状などをお聞きし、
これからの社会と学校給食のあり方について意見交換しました。

1、「原発事故と放射能の汚染」
天笠啓祐さん(市民バイオテクノロジーの情報室代表、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表)

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天笠さんと原発の関わりは1971年から。
理工系の出版社に入り、原発関係の本を出版しました。
おりしも、福井の敦賀原発、福島第一、美浜原発が動くか動かないかという時期で
関心が高く本が売れました。
今はジャーナリストとして出版社を離れて独立されています。

日本の放射能の基準は暫定基準で目安。経済的な観点からつくられたもの。
ヨウ素131で、野菜、魚介類が2,000ベクレルまで許容されてました。
出荷停止にすると保障しなければなりません。
高い数値になればなるほど、出荷停止が少なくなり、補償も少なくなります。
ということより、もともと日本は370ベクレルだったものが引き上げられました。

チェルノブイリ事故より
最初に異常があらわれるのは、家畜の赤ちゃん。
人間では、子どもたちの甲状腺の異常・感染症の増加です。
これに震災の影響と重なり健康障害の拡大が懸念されます。

放射能は遺伝子を傷つけます。
人間の遺伝子は二重に守られていますが、
DNAのなかで働いている遺伝子部分は3%にすぎません。
さらにDNAは二重らせんで修復機能もありますが、
携帯電話や送電線の電磁波は阻害します。
原発事故が起きて、放射線と中国の農薬野菜のどちらかと聞かれますが、
どちらも問題。
相乗、相加作用があるので、
今こそ農薬汚染や輸入汚染をさけるのが大切な時期です。

天笠さんには、原子力発電の構造や、放射能のしくみまで
丁寧にわかりやすく教えていただき、その後も来場者より活発な質問がありました。

2、「放射能が身体に与える影響について」
里見宏さん(健康情報研究センター代表)

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里見さんは例年の夏期学校給食学習会では、衛生管理、食の安全についてお話いただくとともに、
放射線照射食品についての反対運動を続けています。

放射線を細胞にあてると、細胞の中の栄養成分、膜、DNAなどに傷をつけます。
そしてもうひとつの問題は、細胞の中の核にある遺伝子にも傷がつきます。
細胞の中に入ってしまった農薬など化学物資の影響もありますが、
直接的に体細胞、生殖細胞のDNAを直接傷つけるのが放射線です。
遺伝子に1年間で何個傷がつくか、どこに傷がつくか、が問題。

自然放射線による突然変異と、人工放射線による突然変異は異なることが
明らかに証明されているので、
とにかく放射能は避けてくださいと強く訴えてました。

3、「東日本大震災・原発事故の現場から」

阪神淡路大震災を経験した調理員が、ボランティアとして被災地に炊き出しに行った内容の報告、
被災地の学校給食の現状、特に東日本大震災と放射能汚染の両方の中で学校や学校給食に置かれている状況。
さらに放射能汚染を抱える中、有機農業生産者が今、何を考えているのかなどの報告をいただきました。

宝塚市の炊き出し報告 大原猛さん(調理員)
交流のあった大船渡市に、宝塚市として学校給食調理員が3,4月に炊き出しに行った報告をお話いただきました。

仙台市の学校給食現状報告 佐藤螢子さん(保護者)
仙台の被災状況、学校の状況などについての思いを語っていただきました。

福島県の状況 籏野梨恵子さん(栄養教諭)
センターの栄養教諭として、活動していた籏野さん。
震災前は、給食と食育を連携させて授業を行なっていました。
地震当日のこと。
そして放射能の問題と、学校給食を子どもたちに提供するという厳しい現実を語っていただきました。

福島県の状況 武藤類子さん(元教員・脱原発福島ネットワーク)
学校での年間20ミリシーベルトの基準の問題や、その後の動きについてお話いただきました。

生産者から 橋本明子さん(提携米研究会・茨城県)
有機農業の郷としてさかんな茨城県八郷の個人の有機農業生産者として、
堆肥の汚染による地域循環の問題について語り、
生産者と消費者が希望をみつけることが必要だと訴えました。

生産者から 伊藤俊彦さん(ジェイラップ・福島県)
福島県の有機農業生産者として、生産者も外部被ばく、外部被ばくの問題があり、
福島県の農家が理解して汚染を減らしていく取り組みが必要。
そして、放射能測定しながら考えていきたいとお話いただきました。

生産者から 下山久信さん(食と農の再生会議・千葉県)
「ある日突然出荷停止になるのは、農家の気持ちを萎えさせます。
お金の問題ではありません」
という言葉がとても印象的でした。

(二日目レポート担当 広報担当・齋藤史恵)


2011年8月 4日

ゆかいな野菜物語:廃食油回収スタート!

回収した廃食油からディーゼル燃料化して、
その燃料で野菜を作るプロジェクト「ゆかいな野菜物語」、
会員さんからの廃食油回収がスタートしました。

7月11日からの2週間で、
なんと約650リットルが回収されました!
ここから約620リットルのVDFが作れるのです。
2リットルペットボトルが310本分が並んでいるのを
想像するとけっこうな量ですね。
廃食油回収は9月30日まで続きますので、
大地を守る会の会員さんはご協力お願いします!

2011haiyuyamazumi.JPG

左にあるハッポウ箱の中にも回収した油が詰まっています。

使用済油とともに、未使用の油も回収されました。


さて、廃食油回収のプロジェクトを一緒に実施している
ユーズさんhttp://tokyoyuden.jp/ は、
いろいろなところでも油回収をしています。

銀座のソニービルで開催している
「3D美ら海水族館」http://www.sonybuilding.jp/aqua11/
でも8月31日までは、油の回収をしています。
そして水槽の循環ポンプやクーラーを
VDFを使って動かしているのです。

ぜひぜひ、銀座に行った際には水族館に、
そして油も持って行ってくださいね!

大地を守る会 宇田川



2011年8月 1日

ゆかいな野菜物語、はじめました

大地を守る会では、原発に頼らない社会の実現のために、
ライフスタイルの転換を提案する「スイッチ!電力」宣言しています。
/info/news/2011/0422_2815.html

代替エネルギー推進の提案として、
大地を守る会会員さんから回収した使用済食用油を
ディーゼル燃料化(VDF※1)して、それを大地を守る会生産者が
トラクターなどの農機具の燃料として使用し、野菜を栽培する
プロジェクトを始めました。
題して「ゆかいな野菜物語」。
ゆかいの「ゆ」は、油と輸のyou、「かい」は「回る」をかけています。

VDFは、大気汚染の原因となる硫黄酸化物はゼロで
呼吸器官障害の原因といわれる黒煙は軽油の半分以下なので、
地球に優しいクリーンなエネルギーといわれています。
VDFを畑のトラクターで使用したら、
畑でてんぷらの香りがするそうな?!
クリーンな空気の中、おいしい香りに包まれて野菜を栽培できますね。

そして、栽培した野菜は「ゆかいな野菜物語」として
10月から大地を守る会の宅配で取り扱う予定です。
また、三越銀座店では9月7日より先行販売します。
よければ買ってみてくださいね!

ちなみに現在、日本の家庭から捨てられている使用済みの天ぷら油は、
年間20万キロリットルにものぼるといわれています。
その大半がごみとして燃やされているというのは、
実にもったいない話です。
油回収は、ごみ減量と資源リサイクルを同時に実現できるのです。
ぜひご協力ください!

●大地を守る会会員さんへ
2011年9月30日まで、廃食油を回収しています。
ぜひご協力ください!
詳しくは会員専用サイトをご覧ください。
https://member.daichi.or.jp/news/dispdetail/contentscd/9/year/0/no/395


●大地を守る会の会員の方も、そうでない方も、
お近くで回収できる場所があるかもしれません。
ぜひご覧ください。
廃食油回収をしている「ユーズ」のサイト
http://tokyoyuden.jp/


大地を守る会 宇田川



2011年7月15日

第1回シェフとオーガニックハーブの会

6/30(木)にウェスティンホテル東京とのコラボレーションイベント
 「第1回シェフとオーガニックハーブの会」を開催しました。

「シェフとオーガニックハーブの会」は4回シリーズのイベント。
大地を守る会の生産者・ハーブスマンの福山久之さんの指導の下
ウェスティンホテル東京のハーブガーデンにハーブを植え、
その後、収穫したハーブはウェスティンホテル東京のシェフによるクッキングクラスで調理をします。
さらにランチにて、クッキングクラスで調理したメニューをいただきます。

まず第1回目は、開催してすぐにハーブスマン・福山さんの指導の下、
ハーブの特製などをご紹介し、植えるところからはじめました。

今回植えたハーブは8種類は・・・
スイートバジル、タイム、ミント、レモンバーム、ディル、青じそ、赤じそ、ミニトマト
西洋ハーブから日本のハーブまで。

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苗をさわってハーブの香りを楽しみながら植えました。
香りに癒され、土を触って癒され・・・
東京のど真ん中にこうやって楽しめるところがあるのね~
とお話しながら、なごやかに作業がすすみました。

さて、次はフレンチレストラン「ビクターズ」に移動してクッキングクラスです。

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講師は古屋豊樹さん(ウェスティンホテル東京「ビクターズ」料理長。

優雅な手さばきで、お料理の仕方のコツを教えていただきました。

教えてもらったレシピは下記の画像で・・・
・国産地鶏のグリル、ローズマリー風味
・チョコレート・ローズマリーソース 有機ポテトのミント風味

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カカオチョコレートとローズマリーの相性がバツグンなんです。

そして、スイーツ完熟トマトのレアチーズケーキ レモンバーム風味。
夏にあうさわやかな味でした。

クッキングクラス終了後、
ハーブをふんだんにつかったランチのフルコースいただきました。

ハーブを植え、さらに調理方法まで知り、そして最後にハーブのランチをいただくという
ハーブづくしの大満足なイベントでした。

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この植えたハーブは次回はどのように育っているでしょうか。
ハーブたちに会うことが楽しみです。

第2回「シェフとオーガニックハーブの会」
■日時:7月21日(木)講習10:00~11:30、ランチ11:30~
■場所:ウェスティンホテル東京
■クッキングクラスの内容:魚介類のディルマリネと紫蘇の風味をつけたビーフ、コンソメゼリーのカクテル仕立て
■お申込みはこちら

大地を守る会 広報担当 齋藤史恵




2011年6月14日

神泉水の原水地、「埼玉県百年の森」クリーンアップツアー

うっしーこと牛島真也です。

 

今回は大地を守る会のイベントではなく...、

大地を守る会の生産者であるヤマキさんとJTBさんが企画した日帰りツアーをご紹介します。

 

日時は7月30日(土)。

神泉水の原水地である「埼玉県百年の森」でのクリーンアップツアーです。

 

今回は、JTBさんが社会貢献活動の一環として費用を負担!

埼玉県百年の森を会場として森林の保全活動(実際には下草刈りと枝打ち中心)を実施いたします。

 

クリーンアップ活動を行う埼玉県百年の森は「神泉水」の原水地である城峯山を中心とする、首都圏の大切な水がめを成す水源の森です。
 
実施日は7月30日(土)で、大宮発着の中型バス一台、募集人員は30名を予定。
 
参加費は無料(すべてJTB負担)となっています。
 
 
詳しくは以下のチラシをご覧ください。
 
 


2011年6月 9日

会員から回収した使用済の食用油をディーゼル燃料化。その燃料で野菜を栽培、秋より販売。7/11油回収開始 

チェルノブイリ原発事故以降、継続して原発に反対してきた
大地を守る会は、原発に頼らない社会の実現のために、
4月11日に日本の電力のあり方を変えるための取り組み
「スイッチ!電力」アクションを開始しました。

・スイッチ!電力アクションについて
 /info/news/2011/0422_2815.html

安定的で自然なエネルギーへの転換の一環として、
大地を守る会会員から使い終わった食用油の回収を行い、
ディーゼル燃料(以下、VDF)化し、その燃料を使い野菜を栽培します。
また、VDFを使用して栽培した野菜を販売することで、
廃食油リサイクルの認知拡大をめざします。
油を使った人から、野菜を作る生産者に輸送、
それを燃料にしてできあがった野菜がまた食べる人の元に届くという、
太陽光発電機など特別に機器を持たなくても参加できる、
生活に根づいた循環型代替エネルギープロジェクトです。
 
大地を守る会の会員さんは7月11日からの油回収にぜひご協力ください!
(※回収方法の詳細は7月4日週配布の別チラシをご覧ください)
大地を守る会の会員さんでない場合は、6月18日(土)に開催される
「100万人のキャンドルナイト@増上寺」にて油の回収をしますので、
ぜひお持ちくださいね。


【概要】
大地を守る会が会員から使い終わった食用油を回収して、
ディーゼル燃料(VDF※)化します。
そして大地を守る会の生産者がVDFを燃料として農機具を動かして
野菜を作り、その野菜を大地を守る会が販売します。
※廃食油(植物油)をディーゼル燃料化したVegetable Diesel Fuel
(ベジタブル・ディーゼル・フューエル)の略称


1)名称:ゆかいな野菜物語
~「ゆ」は油と輸とyou~
「油」を「回」収、燃料にして野菜を作る愉快なプロジェクト


2)スケジュール:
6月18日(土)100万人のキャンドルナイト@増上寺2011内にて      
       廃食油を回収、廃食油を使ったキャンドル作りのワーク
       ショップ
7月11日(月)~9月30日(金)大地を守る会会員より油の回収開始、
              廃食油のVDF化
10~12月末(予定)VDFを使用した野菜の販売


3)フロー:
①大地を守る会会員宅から廃食油回収
②㈱ユーズが廃食油をディーゼル燃料(VDF)化
③大地を守る会生産者が㈱ユーズよりVDFを購入し、野菜栽培
④VDFを使用して作った野菜を、油回収費用として代金を上乗せして
 大地を守る会会員に販売


4)VDFを使用した野菜販売:
トラクターや掘り起こし機使用の際に、VDFを軽油に混ぜて使用する。
・品目  :ごぼう、葉物など(掘り起こし機、またはトラクターを使用するもの)
・販売名称:ゆかいなごぼう、ゆかいなほうれん草など
・販売価格:通常価格にVDF使用価格として10~20円上乗せ(予定)

※軽油と混合しないバイオディーゼル100%での利用は、既存の自動車で
 利用した際、問題が生じる事例が報告されているため、
 国が定めたバイオディーゼルの販売における混合率である5%を
 目安として使用する。


●油回収で、代替エネルギー利用促進と環境保全につなげます

廃食油はリサイクルすればディーゼル燃料化することができます。
しかし廃食油リサイクルの消費者認知は低く、
一般家庭から排出される約20万トンの廃食油の多くが
生活排水として河川に流されたり、廃棄されているので
環境破壊の要因となっています。
油を回収することで、
代替エネルギーの利用促進と環境の保全につなげます。


●100万人のキャンドルナイト@増上寺2011で使用済食用油回収します
 
7月の会員宅からの油回収に先だって、6月18日(土)に開催される、
100万人のキャンドルナイト@増上寺にて、使用済食用油の回収をします。
回収した油を使って、キャンドルづくりも行います。

■日時:2011年6月18日(土)15:00~21:00 ※雨天決行
■会場:増上寺(東京都港区芝公園4-7-35) 
 都営三田線 芝公園駅、御成門駅より徒歩3分

・100万人のキャンドルナイト@増上寺について
 /info/press/2011/06/100salyubird.html

大地を守る会 宇田川



2011年5月25日

「本当の豊かさ」について説くドキュメンタリー映画「幸せの経済学」絶賛公開中

大地を守る会よりおすすめの映画
人の自然とのつながりを取り戻す暮らし方を探るドキュメンタリー
映画「幸せの経済学」を紹介します。


開発という名の消費文化に翻弄されるラダックの人びとの姿を追い、
世界の環境活動家たちが「本当の豊かさ」について説くドキュメンタリー映画。
民族紛争や異常気象、多様性の損失、失業、アイデンティティの崩壊など、
グローバリゼーションの拡大が引き起こす問題について述べながら、
これらの解決の糸口となる「ローカリゼーション」について語ります。
行き過ぎたグローバリゼーションから離れ、
切り離された人や自然とのつながりを取り戻し、
絆を強めていく世界各地のコミュニティやローカルムーブメントの成功事例も登場します。


映画「幸せの経済学」

監督:ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(「ラダック懐かしい未来」著者)

   スティーブン・ゴーリック、ジョンページ

出演:ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ、ヴァンダナ・シヴァ、辻信一


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<公開情報>

■劇場:渋谷アップリンク

■公開日:5月21日(土)~6月10日(金)

     連日12:45~ロードショー


3.11を境に、大きく変わった日本。
電気を湯水のように使う今までの生活から、
「つながり」を取り戻す豊かな暮らしへ一歩踏み出すことを提案。
この映画「幸せの経済学」には、新しいライフスタイルのヒントが示されています。

ぜひこの機会に「幸せの経済学」をご覧になって、
本当の幸せや真の豊かさを考えてみてはいかがでしょうか。

大地を守る会 齋藤史恵




2011年5月10日

5/10 NHKラジオ第1「ラジオビタミン」に代表の藤田が生出演しました

本日、NHKラジオ第一「ラジオビタミン」のコーナー「ときめきインタビュー」にて
代表の藤田和芳が生出演しました!

村上信夫さんと神崎ゆう子さんのおかげで、
藤田もリラックスして、大地を守る会の震災復興支援についてや、
生まれ育った原風景などのお話しました。

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★左からアナウンサーの村上さん、代表の藤田、歌手の神崎さん
ラジオスタジオの雰囲気に興奮して、思わずぶれてしまい、スミマセン・・・。

番組終了後、スタッフの方より、リアルタイムでリスナーのお便りを見せていただきました。
ひとつずつ丁寧に読みました。
被災を受けた生産者のお話についての感想や、生まれ育った原風景の話についての感想、
そして、大地を守る会に共感した、などたくさんのメッセージをいただきました。
メッセージを寄せていただいたみなさん。
どうもありがとうございました!

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★番組終了後、視聴者のみなさんからのお便りを読んでいるところです。

楽しい収録になりました。
ラジオビタミンのみなさん。どうもありがとうございました!

明日も引き続き、藤田のラジオ出演があります。
TOKYO FM「シナプス」のコーナー「あぐりずむ」
■放送日:5月11日(水)14:20~14:30
     5月12日(木)14:20~14:30
ぜひ、こちらも聴いてくださいね。

大地を守る会 齋藤史恵



2011年5月 9日

5/11・12 TOKYO FM「シナプス」あぐりずむにて代表の藤田がラジオ出演

TOKYO FM「シナプス」あぐりずむにて代表藤田和芳が出演します。
やまだひさしさんとの軽快なトークで、
大地を守る会の震災の影響、「スイッチ!電力」宣言について語ります。



なんと。やまだひさしさんは大地を守る会の会員さんで、
そして、ベジフルマイスターでもあります。
「大地を守る会の食べ物を食べてるので、健康なんです!」ともおっしゃってました。
ありがとうございます!

■番組名:TOKYO FM「シナプス」あぐりずむ
■日時(TOKYO FMでの放送)
         5/11(水)14:20~14:30
    5/12(木)14:20~14:30


▼「シナプス」はFM北海道、FM青森、FM福島、FM三重、FM高知など
全国38局ネットで放送します。
各局で放送時間が異なりますので、詳細は以下をご覧ください。
http://www.tfm.co.jp/agri/index.php?catid=697


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★番組収録後、藤田がやまだひさしさんとお話している様子です。

私は10年以上前からやまだひさしさんの「ラジアンリミテッド」という番組のリスナーだったので、
お会いできてとってもうれしかったです。
印象もラジオから聴こえるままのやまちゃん。とっても気さくで素敵な方でした。
ぜひ聴いてみてくださいね。

大地を守る会 齋藤史恵


2011年5月 6日

5/10 NHKラジオ第1「ラジオビタミン」のコーナー「ときめきインタビュー」にて代表の藤田がラジオ生出演

NHKラジオ第1「ラジオビタミン」のコーナー「ときめきインタビュー」にて代表の藤田和芳が生出演します。
大地を守る会の震災の影響や、藤田の生まれ育った原風景についてお話します。

先日打合せをしましたが、
気さくなアナウンサー村上信夫さんに藤田もリラックスしてお話していました。

村上信夫さんと歌手の神崎ゆう子さんとの楽しいトークになるかと思いますので
ぜひ聴いてみてくださいね。

番組名:NHKラジオ第1「ラジオビタミン」ときめきインタビュー
日時:5/10(火)10:05~10:50
http://www.nhk.or.jp/vitamin/index2.html


大地を守る会 齋藤史恵




2011年5月 2日

【復興支援】タイム(陸前高田)、村田漁業(気仙沼)被災生産地レポート

「大地を守る震災復興支援基金」の募集状況をお知らせします。

ご協力いただいた金額は・・・

79,905,500円(4月28日現在)

ご協力いただきましたみなさまどうもありがとうございます。

義援金は、大地を守る会の被災生産者の復興支援金などに使用させていただきます。
義援金の金額報告は、大地を守る会のHPにアップしていますのでご覧ください。

引き続き、大地を守る震災復興支援基金にご協力よろしくお願いします。

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畜産水産グループの浅海より、ツナ缶のタイム(陸前高田)、まぐろなどの村田漁業(気仙沼)の
被災地レポートを報告します。

のブログの写真の右から2番目の男性です。

大地を守る会 齋藤史恵
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畜産水産グループ 浅海博志

4月14日(木)

1.一路陸前高田へ
東京神田の登喜家さんの会社より、総合農舎山形村の牛丼・米等を積み込み陸前高田へ向け出発。
先週に引き続き、東北道を一ノ関目指しひた走る。
福島あたりで、携帯の緊急地震速報が鳴りだし、ドキッとするが、特に大した事もなく、走り続ける。
余震のせいか、高速の道が、先週に比べもっと悪くなっている。
さすがの登喜家さんも車が悪くなる事を恐れ、スピードダウンする。
前のバス・トラックが道のでこぼこで大きくバウンドしている。
先週はタンクローリーが多かったが、輸送トラックが多いのが印象的であった。
一ノ関は停電の影響のみで、町は特に被害なし。
ちなみに一ノ関のホテルは報道関係者ですべて満室になっているとの事。

2.タイム新工場は・・・
一ノ関から約1時間ほどの処にある新工場へ着き、タイム佐々木工場長と合流する。

タイム新工場2_convert_20110426110457.jpg
★タイム新工場

3.タイム(ツナ缶工場)へ出発
昨年11月缶詰のシーラー購入し、その後2度しか製造していないツナ缶の工場へ向かう。

ちなみに佐々木工場長は・・・
震災の日に従業員を高台に送った後、
自分の車をとるために加工場へ走り戻る。ふと、バックミラーを見ると津波が・・・。
あわてて、車を走らせ、高台に逃げ込み難を逃れた。
後日、従業員招集したが、3名が行方不明で、居場所が分からないとのこと。 

▼下記3枚は津波当日の津波の状況

陸前高田津波1_convert_20110426112406.jpg

陸前高田津波2_convert_20110426112527.jpg

陸前高田津波5_convert_20110426115450.jpg

陸前高田大手企業独自で重機調達2_convert_20110426112319.jpg
★震災後4/14当日同じ工場を撮影しました。



陸前高田タイム加工場1_convert_20110426112108.jpg
★すべてが、流されており、家が建っていたのかもともと何があったのか分からない状況である。
タイム工場は加工場はつぶされ、ボイラーが下敷きでどのような状況かつかめない。



陸前高田タイム2_convert_20110426111412.jpg
★別棟1階加工場は大破しているが、2階包装室は難をのがれた。

陸前高田タイム2Fラベル加工室内4_convert_20110426111530.jpg
★2階包装室内部

陸前高田の市街地に行くための橋は落ち、市街地には行けなかった。
陸前高田の復興のシンボル一本松のみが目立つ。(一本松の向こうに市街地)

陸前高田復興のシンボル一本松6_convert_20110426112734.jpg

ちなみに陸前高田にも防潮堤があったが、防潮堤の扉が津波でなくなってしまっている。
津波の破壊力のすごさを実感。

陸前高田港の防潮堤1_convert_20110426112217.jpg

陸前高田については、ほぼ壊滅的な被害がある。
現在復旧作業も進んでおらず。がれきについてもどのように処理するのか等指示は
全くないままの状態との事。タイムについては新工場での復活を5月目処に進めている。
現状では加工場の片づけから始まり、既存の機械類の整備点検を始める。
缶詰を加工するとなると、シーラーの機械導入・地下水をくみ上げる機械設備などの
新しく設備投入をしなければならない。
しかし「前向きに、加工場再建に取り組み少しでも早い復興を目指したい」と鄭社長。
ちなみにタイムではすべての従業員は一旦すべて解雇している。
 
3.気仙沼へ
本日の宿泊場所として確保した気仙沼の水産物加工もしている阿部長さんが経営する
気仙沼のホテル「サンマリンホテル観洋」に向け出発。
陸前高田から、気仙沼に向かう道については特に被害もなく順調に進むが、
気仙沼に入った途端景色が一変する。がれきの山・つぶれた家・船が陸地に・・・・
ニュース等見て知ってはいたが、いざ現地に入ってみると見るも無残な風景が広がる。
舗装された道路は途中までで、港に近い道路はすべて砂利道。
しかも重油の匂いが鼻につき、そういえば気仙沼は火事があった事を思い出させる。

気仙沼3_convert_20110426110529.jpg

気仙沼11_convert_20110426110735.jpg

ホテル到着後、阿部長さんに支援物資を渡し、話を伺う。
阿部長さんは気仙沼にホテル3軒・気仙沼に加工場を2件・大船渡に新規加工場を
1件持ち従業員800人を抱えている会社である。
従業員はすべて解雇せず、現在もホテルに避難した人たちが居たり・支援物資を配ったりしている。
気仙沼市は未だ水道・電気・ガスのライフラインも復旧しておらず。
ホテルも自家発電で、朝4時~夜10時まで動かしているとの事。
また、阿部社長も自宅が流されなくなったため、ホテルに滞在しているとの事。
気仙沼の工場は被害を受けているが、大船渡の加工場については
被害が比較的少なかったために、この工場をまず復旧させるよう動いている。
この工場が、稼働すれば、サンマ船3~4隻すべての水揚げを購入する事は可能だという事で、
海(漁師)の復興も視野に入れ、復旧に向け動いている。
阿部長さんでも5名が行方不明になっているとの事。気仙沼市の復興については、
現在、国有地化という話があがっているとの事。
個人レベルでは復旧する事は難しいため、
国有地にして、区画整理それから払い下げするということで、
1日でも早い復興を目指したいとの事(陸前高田も同じようになる野のではないかと)。
多少反対する人はいるだろうが、そこは無視しなければ復旧出来ないと考えているとの事。
また、陸には100tクラスの船が40隻以上あり、3000tのクレーン船で使える船は海に戻すとのこと。
また、阿部長でも独自に重機を入れ、片づけに入っているとの事。
 
4月15日(金)
4.村田漁業へ
村田漁業の本社ビルは港のそばの3階建てのビルであり、おそらく津波をまともにかぶっただろう。

気仙沼村田漁業事務所・自宅_convert_20110426111336.jpg
★写真の左手は港

会長は、震災当日は病院に行っており、地震が起きてすぐ事務所へ引き返した。
スイスイと走れてあっという間に事務所に着いた。(山側から港へ向かって走っていた)。
今から考えると、本当は山の方へ逃げるのが普通なのに、
車がすいているのも不思議に思わず、とにかく会社へ会社へという思いで帰ってきたと話していた。
会社に着くと従業員はすべて避難しておらず、心配で戻ってきた従業員に拾われ、
近くの丘へ車で非難したとの事。2日目になっても水が引かず、膝まで水浸しになりながら、
事務所兼自宅に戻ってみると、2階まで浸水しており、3階部分は大丈夫だったため、
3階部分で非難する事にした。専務である娘さんは東京に出張中であり、
東京から山形まで飛行機で飛び、山形から仙台まで夜行バス、
仙台から一ノ関までまたバスに乗り一ノ関から車で気仙沼と14日には会長と合流したとの事。
津波により100t以上の船が次から次へと加工場をなぎ倒し、
陸の中へと次々に流されていったとのこと。
村田漁業さんの加工場・製氷工場は大破しており、
被害の少なかった加工場の修復にかかっているとの事。
また、船については操業中だったため、1隻は無事という事である。

気仙沼村田漁業l工場1_convert_20110426111210.jpg

現在の加工場修復については、砂かきが終わり、機械類も重機で運び出し、
真水で洗っているとの事である。

気仙沼村田漁業佐々木工場長_convert_20110426111249.jpg
★村田漁業佐々木工場長です。加工場修復の指揮をしています。
佐々木さんの左の建物が村田漁業本社。

村田漁業さんの道路も2~3日前まではがれきの山で、昨日から通れるようになったとの事。
気仙沼市大島という離島には日に2~3回船で物資を運んでいるが、
気仙沼市内ではなかなか物資が届かないという話である。
村田漁業さんの周りには8軒ぐらいが建物が無事で、(住める状態)皆で協力して、
水を分けたり、食べ物を分けたりして生活をしているとの事。
自家発電を3時間ほど動かしており、9時になったら寝るしかないと・・・。
国有地化については、村田漁業としては反対であり、
長年暮らしてきたこの場所を動きたくないと話をしていた。
それぞれ、思い入れがあるようで、どのような形で復興するのか、
させるのかが課題となると思われる。
村田漁業さんでは、先日マグロ300tを海洋投棄(捨てた)という事である。
金額については明言しなかったが安く見積もっても約2億の額になると思われる。
 
物資支援ありがとうございますと皆さんにお伝え下さいと
それぞれの生産者の皆さん笑顔で話をしていました。
スピードは違うとは思いますが、復旧に向けてそれぞれ頑張っています。
その場面・場面でどのような応援が出来るのか考えさせられました。

気仙沼市山側2_convert_20110426110904.jpg
★気仙沼道の向こうに船が見えます。

気仙沼焼けた船3_convert_20110426111103.jpg
★燃えて真っ黒になってしまった船



2011年4月19日

【復興支援】カキの生産者の奥松島水産振興会二宮さんのお見舞いレポート

「大地を守る震災復興支援基金」の募集状況をお知らせします。

ご協力いただいた金額は・・・

68,195,313円(4月15日現在)

ご協力いただきましたみなさまどうもありがとうございます。

義援金は、大地を守る会の被災生産者の復興支援金などに使用させていただきます。
義援金の金額報告は、大地を守る会のHPにアップしていますのでご覧ください。

引き続き、大地を守る震災復興支援基金にご協力よろしくお願いします。

大地を守る会 齋藤史恵
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畜産水産グループ長吉田が、カキの生産者である奥松島水産振興会(宮城県東松島市)
の二宮さんへお見舞いに行ってきました。
吉田よりレポートを報告します。

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畜産水産グループ 吉田和生

4月14日(木)朝8:00 習志野物流センターから松島へ向け出発

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お米、野菜、肉、お茶などの支援物資を習志野センターで積み込み、
松島へ向けて出発しました。


4月14日(木)14:30 二宮さんのアパートに到着

小さなアパートですが、震災後、やっと親子3世代5人で暮らせる環境で一息つけた雰囲気。
一足早くお渡しした大地を守る会の従業員で集めたカンパでなんとかアパートを借りることができ、
冷蔵庫も備え付けることができたと喜んでいました。
また、お見舞い金にて、「発電機」を渡しました。

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★左からいつも元気な母ちゃんの貴美子さん。
お嫁さんのひろ子さんと悠斗くん(1歳3カ月)。
頼もしい後継ぎ息子の義秋さん。
そして、大活躍だった義政さん。

アパートを後に、二宮義政さんと息子の義秋さんとともに、
鳴瀬町東名の自宅があったところへ見に行きました。
予想はしてたけど、自宅と加工場があった場所は、地盤沈下でまだ水面下。
義政さんはここに戻りたいけど戻れるかな~と心が揺れ動いています。

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★二宮さんの自宅と加工場はこの写真中央当たりで沈んだまま。



東日本大震災発生より、一度は津波にのまれながらも、なんとか命からがら避難した二宮さん一家。
怒濤の一日を送りました。

3/11(金)の大地震による津波は、東名の北側、野蒜(のびる)海岸の防波堤を越え、
鳴瀬町東名にやってきました。
最初は津波4mという情報で、それじゃ大丈夫だと高をくくっていたところ、10mに変更されました。
しかし、最初の地震で、防災無線は壊れてしまい、住民に情報が届かず。
消防団員である義秋さんは、消防車で町内に避難を呼び掛けて走りました。

一方、義政さん、貴美子さん、ひろ子さんと悠斗くんも、
津波10mの情報を聞き、地震発生30分後にあわてて車で避難。
できるだけ遠くに逃げるように動いたけど、仙石線の線路を越えあたりで、
津波に追いつかれ500m流され、電信柱に激突。
そして車は逆さになり、窓ガラスが割れました。
まずは水の中より義政さんが脱出。そして助手席の貴美子さんを引っ張り出す。
ひろ子さんと悠斗くんがいないことに気付き、車に戻り、片手でふたりを引き上げる。
悠斗くんは真っ青で息もしていなかったけど、義政さんが首に巻いていたタオルで拭いてやると、
泣き出し、なんとか蘇生しました。
それを見ていた2階にいた民家の方が、悠斗くんだけでもと引き上げてくれました。
義政さん、貴美子さん(奥さん)、ひろ子さんは、
首まで水につかり、おまけに雪もふってきての寒い中で、数時間ものあいだ水が引くのを待ちました。

水が引き、移動できるようになると、低体温の悠斗くんをさすりながら、親戚を頼って避難しました。

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★二宮さんの地元集落です。津波の甚大さがわかります。


義秋さんはというと、消防車で回っていたら、道の向こうに津波が見え、慌てて漁協事務所へ。
車を降り、2階の階段を昇るときには、乗っていた消防車が津波にのまれ、
グルグル回っているという危機一髪。
一晩避難して、翌日昼過ぎ、自宅を見に来た義政さんたちと義秋さんが再会できました。

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★義秋さんが消防担当で乗っていた消防車。
道をはさんで左側にある漁協事務所の2階に逃げ込み、なんとか難を逃れました。


義政さんより・・・
カキ施設などはもちろん流されてしまいましたが、
15,000位の種ガキがどうにか残ったとのこと。
これは、漁協みんなの財産として、母貝として協同管理する方針。
今年の秋の出荷は無理だけど、来年の秋には少しは鳴瀬漁協で出荷できるかも。
今後、家や加工場を確保して再開できるのは早くて3年後になるかな。
その間に、俺たちのこと忘れないで!

忘れませんとも!
二宮さん個人のカキでなくても出荷できれば販売すると約束しました。
もちろん二宮さんのカキが復活するまで応援します。
そして、消費者からも忘れないよう、仕掛けを提案しました。
(仕掛けの詳細については、後日お伝えします。お楽しみにしていてくださいね。)

実質的な経営者の義秋さんより・・・
親父が築きあげたところまで、なんとか3年で戻って見せる!とのこと。

壊れた堤防や、加工場はじめ復活への道のりはまだまだ始まったばかりですが、
みなさん。どうかこれからも二宮さんを忘れずに応援してくださいね。



2011年4月15日

「福島と北関東の農家がんばろうセット」BS-TBS NEWS21にて紹介

注文受付をスタートした「福島と北関東のがんばろうセット」について
昨日と本日、BS-TBS「NEWS21」の取材を受けました。

昨日は習志野物流センターにて、野菜のピック作業。
そして、農産チーム長の太田のインタビューを撮影しました。
本日は、大地を守る会が検査を依頼している放射能汚染食品測定室にて
検査しているところを撮影しました。

明日。
4/16(土)21:00~21:54 BS-TBS「NEWS21」にて
取り上げられる予定です。

ぜひご覧くださいませ。

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農産チーム長太田が習志野物流センターにて取材を受けているところです。

大地を守る会 齋藤史恵


2011年4月14日

Daichi wo Mamoru Earthquake Relief Fund

「大地を守る震災復興支援基金」の海外向け情報です。

Daichi wo Mamru Kai (hereafter Daichi) launched a fund
for Daichi's producer members suffering from damages
by the current earthquake and tsunami that hit mainly
northeastern part of Japan on March 11, 2011.

The fund is to be used for any support for the victims among
Daichi partners. It includes reconstruction of farming facilities,
houses of Daichi's partner famers, fishermen, livestock farmers
and the factories.

We will account for the fund spent in our publications including
 internet website.

Any amount of support is greatly appreciated.

Here are the information you need to know when you transfer money to the
fund.

Name of bank : Sumitomo Mitsui Banking Corporation
Branch : Roppongi Branch
Swift code: SMBCJPJT
Bank code: 619
Bank number: 0009
Address of the bank :6-1-21, Roppongi, Minato-Ku, Tokyo, Japan
Account number : 7464419
name of the account: Daichi wo Mamoru Earthquake Relief Fund
address of the account holder :
2nd floor, Dainisatsuki Bldg., 6-8-15, Roppongi, Minato-Ku, Tokyo, Japan
Tel number of the account holder : 03-3402-8841


Here is the excerpts from the rules of this fund (dated March 11 2011)

○Name of this fund
This fund is named "Daichi wo Mamoru Kai's Fund for victims by Earthquake &
Tsunami!"
(hearafter Fund). The office was set in the office of Daichi and the address
is as below.

Daichi wo Mamoru Kai
2nd floor, 6-8-15, Roppongi, Minato-Ku, Tokyo, Japan.

○Purpose of the fund
This Fund is for urgent rescue and reconstrucution of Daichi's partner
farmers, fishermen,
livestock farmers, factories and all the damages caused by the current
earthquake on March 11
2011.

○Activities
The Fund will do the following activities for the achievement of the purpose
(1) Urgent resucue and sopport of the victims
(2) Raising fund for the rescue and support of the victims
(3) Publication of papers to announce how the Fund is spent for the victims,
etc.
(4) Administration of the Fund
(5) Any other activities for the need of the victims

○Members
Members of this Fund agree with the purpose and participate in the
activities.

○Board Members
(1) Chairperson of the board of directors:  Mr Fujita, Kazuyoshi
(2) Vice chairperson of the board of directors: Mr Ohyama, Yoshimitsu
(3) Auditor: Mr Noda, Katsumi

○Fiscal year
Fiscal year starts from April 1st and ends March 31st next year.



2011年4月13日

【復興支援】大地を守る炊き出し支援隊渋谷から @岩手レポート

4月4日(月)~6日(水)まで、
岩手へ大地を守る炊き出し支援隊に行った市場開発グループの渋谷知征より
炊き出し支援の様子をレポートします。

渋谷によると・・・
実際に見る風景は想像を絶し、言葉を失ってしまった。
でも、出会った生産者は復興に前向きで、自分たちができることが何かと考えていました。
その姿をみて、まず自分ができることからはじめようと強く思ったそうです。

ちなみに・・・
のブログの写真のいちばん左側の男性です。

渋谷隊員が感じるままに書きつづったレポートをご覧ください。

大地を守る会 齋藤史恵
..................................................................................................................
市場開発グループ 渋谷知征

4月4日(月)10:30 本社出発

東北自動車道をひたすら走りました。
福島県を境に道が悪くなり、至る所に道を舗装した跡がありました。そこを走るたびにトラックが揺れます。
行きも帰りもですが、機動隊と自衛隊とタンクローリーの車両が多く
機動隊車は何十台も並んで隊列をつくり走っていました。
そんな光景が30分おきに見られます。
車両ナンバーは、大阪・愛媛・長野など、全国から機動隊が出動しているようです。
原発事故が一日でも早く収束してほしいと願いつつ、久慈市まで車を走らせました。

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宿泊した平庭山荘からの景色。
まだ雪が残っていて、白樺の木には雪が似合います。


4月5日(火)11:45 岩手県野田村の役所で炊き出しを開始

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野田村は岩手県久慈市の南に位置します。
野田村の死者数は37人。今でも避難所で生活している人は約380人います。
短角牛の牛丼と北浦軍鶏の汁物を400食用意しました。
1時間もしないうちに終了。
「美味しいよ」と食べていただく方々の笑顔が救いです。

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総合農舎山形村所長の木藤古さん。
牛丼と軍鶏汁の仕込みをしていただきました。
木藤古さん・岩脇さんをはじめ農舎の方々にはお世話になりました。


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炊き出しをした野田村役所前の光景。
海から300メートルくらい・・・。ほとんど何も残っていない。

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海から野田村の間にある防波堤は高さ13メートル。
その防波堤を超えて、村へ津波がやってきました。想像ができません・・・。

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野田村役所横のテーブルには、瓦礫から発見された写真、アルバム、卒業証書が並ぶ。
震災前まで笑ったり、悲しんだり、喜んだり、する生活がありました。
その光景に、ただただ黙るしかありませんでした。

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とても天気が良く、野田村前の穏やかな海。
この海が村を襲うとは、想像がつきません。

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野田村で炊き出し後、久慈市の二子漁協へ。
ここは以前、ウニの殻むき体験イベントでお世話になったところです。
津波でほとんど流されました。
左手の陸地から海へ堤防がありましたが、今はありません。

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同じく二子漁協。

~漁協の方のお話~
震災当日、港で作業をしていると強い揺れを感じ、津波を警戒して港の後ろの国道に避難。
地震から30分くらいして、海の引きもなくいきなり第一波。
想像以上に大きいため、国道を駆け上がり高台へ避難。
第二波、第三波と続き、ようやく波が引くと、港には何も残ってなかった。
「毎日変な夢を見る。未だに起こったことが信じられないですよ。
何から手をつけていいのかわからない。でも頑張らなくてはね・・・。」
それを聞いた僕は何も言葉をかけることができませんでした。


4月6日(水)8:00 久慈市から、天然わかめの産地、岩手県宮古市重茂漁港へ向かう。

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久慈市から宮古市へ南下。
途中宮古市の田老地区を通る。
国道を挟んで、左が海と町、右は山に向かって町が・・・ない。
右左見ても、瓦礫の山。山。
生活感がもちろんなく、瓦礫の山の中、自衛隊と重機のみが動く。

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宮古市の海から国道を挟んで三陸鉄道。線路は無残な姿。

重茂漁協に向かう途中の宮古市、この光景はどこまでも続く。
今でも宮古市は約4,860人が避難生活を続けている。


4月6日(水)11:00に重茂の役場到着

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重茂の集落は、現在約100人が4箇所に分かれて、避難所生活を続けています。
一か所で炊き出しを行なうと不公平になり、重茂の方の受け入れ態勢ができていないため、炊き出しは中止。
山形村で仕込んだご飯、お肉と軍鶏汁を発泡箱にいれて100食分。
米、大地を守る会従業員から集めた絵本、おもちゃ、服を今後それぞれの避難所に分配していただく予定です。
重茂は山に家が多く建っているため、比較的被害は少ないですが、それでも死者数は50人。
船も800隻近くありましたが、無事だったのは20隻もないそうです。
それでも天然わかめの漁ができるように、みんなで復興を目指していました。

現地の人たちはみんな同じことを口にしています。
「まさかここまで津波がくるとは・・・信じられない」
大きな防波堤を超え、何キロ先の陸地まで、かなりの高さの高台まで爪痕を残している被災地の
光景は想像を絶しました。
これが日本で起きている出来事なのか、本当に言葉が出てこない。
それでも現地の人は復興を目指してました。

「頑張ろう日本!」心から。



2011年4月11日

第2弾 海外から応援メッセージが届きました。

大地を守る会のつながりのある海外の方々より、第2弾の応援メッセージです。
応援どうもありがとうございます。


G. K. サンガットさん

(ネパール NGOラブ・グリーン・ネパール(LGN)の事務局)

大地を守る会とつながり:LGNは、長年の交流先でありDAFDAF基金の支援先

日本で起きた地震と津波により人々の命と財産が失われたことに対して
私たちは大きなショックを受けました。
日本の皆さんは今とても困難な自然災害に直面されていますが、
短時間に事態が落ち着き普段の生活に戻れることを祈っています。
大地を守る会の皆さん全てが安全無事でありますよう。

春田朋美さん

(韓国 日本より韓国へ嫁いだ平飼い養鶏家)

大地を守る会とつながり:ハンサルリム生協(韓国)が大地を守る会を訪問したときの通訳者

東日本大地震の後どうお過ごしですか?
大地を守る会の生産者の方達、消費者の方達 安全な生活を取り戻されたでしょうか・・・?
農家の方達が大きな被害を受けたのではないかと心配です。
日本の農業を憂える声が韓国まで届きました。
大地を守る会の皆さんも 色々な心配を抱えていることと思いますが、がんばってくださいね。



大地を守る会も協同ネットワークに入っている
NPO法人APLA(Alternative People's Linkaga in Asia)
が震災応援サイトをつくりました。

東日本大震災応援サイト

Beyond Borders


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大地を守る会 齋藤史恵



2011年4月 7日

【復興支援】大地を守る震災復興支援基金の募集状況

大地を守る会では、このたびの地震被害に対して「大地を守る震災復興支援基金」の募集を開始しました。
早くも多くの義援金が集まりました!

ご協力いただいた金額は

54,789,933円4月6日現在)

ご協力いただきましたみなさまどうもありがとうございます。

義援金は、大地を守る会の被災生産者の復興支援金などに使用させていただきます。
今後、義援金の金額報告や支援レポートについては、こちらのブログ大地を守るを通じて、
みなさまに情報をお届けいたします。

引き続き、大地を守る震災復興支援基金にご協力よろしくお願いいたします。


大地を守る会 齋藤史恵


【復興支援】「福島と北関東の農家がんばろうセット」注文開始

4月4日より、福島県とその周辺の生産者を応援する「福島と北関東の農家がんばろうセット」の注文を開始します。
東日本大震災以降、福島原発事故が長期化するなか、市場では「福島県産」「茨城県産」と
いうだけで、出荷を停止していない野菜までもが売れなくなっています。
風評被害に合う産地を気遣う声や、その地域の野菜を買って応援したいという
会員さんとウェブストアユーザーの声に応えようと企画しました。

商品名:福島と北関東の農家がんばろうセット
価格:1セット 上限 1,200円
販売時期:大地を守る会宅配にて、4/4(月)より注文受付開始
       ウェブストアでは、4/14(木)より注文受付開始

セットに入る野菜:福島県、茨城県、群馬県産を中心に4~5品お届けします。
※国・行政による出荷停止品目はお届けしません。


福島・北関東の野菜は今が出盛りの時期ですが、
出荷規制がかかっていない野菜まで買い控えが続いています。
出荷予定だったものも、「福島県」というだけで市場にキャンセルされてしまって、
生産者が大切に育てた作物を捨てなければならない状況になっています。

みなさんは、小さなお子さんがいたりとそれぞれ感じることがあると思います。
ムリにお願いはしませんので、ご協力できる方にご購入いただければと思います。

義援金という協力方法もあります。
「大地を守る復興支援基金」は被災生産者の復興支援とそのための活動に使われます。

自分の責任ではない放射能の問題で苦しんでいる生産者の方々の被害を軽減するためにも、
大地を守る会の多様な震災復興支援にご協力をどうぞよろしくお願いいたします。


大地を守る会 齋藤史恵


2011年4月 5日

【復興支援】大地を守る会炊き出し支援隊 岩手へ

昨日4/4より、大地を守る会従業員6名と北浦軍鶏生産者の下河辺さんで
岩手の被害の大きかった産地へ炊き出し支援に行っています。
食材は総合農舎山形村にて仕込んで、被災者へふるまってきます。


紫波サービスエリアにて①_convert_20110405093642.jpg
左より、営業の渋谷、物流の村尾、水産の浅海、農産発注の前田。

被災地の子どもたちは学校も遊び場も今まで通りではなくなり、
多くのストレスを感じているということで、
その子どもたちへ子供向けのマンガ・本・おもちゃなどを大地を守る会従業員で集め、
お届けもします。

メンバーは気合い十分で、はりきっています。
後日、詳しい岩手の炊き出し支援のレポートをアップしますので、
楽しみにしてくださいね。

<炊き出し予定>
4月5日(火)二子漁協(久慈市)とOBF野田(野田村)
4月6日(水)重茂漁協(宮古市)


5日朝の景色_convert_20110405093820.jpg
今朝の久慈山形の平庭高原の風景。まだまだ冬景色です。
キレイな景色に見えますが、避難所を思うととても厳しい寒さです。


みなさんも参加できる被災生産者を応援できる企画を下記ご案内します。
ご協力いただけるとうれしいです。
............................................................................................................

大地を守る会では、消費者が「食べる」ことで被災生産者を応援することができる
取り組み「食べて復興応援プロジェクト」をスタートしました。
以下の3つの商品カテゴリーを大地を守る会の宅配、大地を守る会のウェブストアにて展開し、
それぞれ食材を食べることが何らかの被災生産者の支援となります。
「食べること」を「被災生産者の復興」につなげることで、消費者が消費者として、
支援できる道筋をつくりました。

<食べて復興応援プロジェクト該当商品>

1、復興支援セット(義援金付)
震災による物流事情の混乱で、商品の注文と供給のバランスが崩れています。
混乱により発生した余剰品を廃棄するのではなく、登録いただいた会員さんへ、
自動的に1~2品目をお届けします。
売上の3%は、「大地を守る震災復興支援基金」へ充当し、被災生産者の復興に活用します。

2、被災生産地の商品購入を呼びかけ
岩手県、宮城県、福島県、茨城県など、被災した地域の生産者が復興に歩み出しています。
商品を出荷できない生産者もいらっしゃいますが、
徐々に生産を再開している生産者が増えてきました。
そのような生産者の商品を消費者に届け、生産者の収入につなげることで、
被災生産者の復興を応援します。
被災生産者の商品購入を呼びかけることで、消費者とともに「食べる復興」を行ないます。
3月31日(木)より大地を守る会のウェブストアより販売しています。
また、大地を守る会の宅配では、4月25日(月)より注文を呼びかけます。

商品例)山形村短角牛(岩手県久慈市)、短角牛焼肉用(150g1,089円)など17品目

停電と断水が続き交通網も麻痺。牛に与えるひずポンプが使えず、
沢水や雪を与えています。
短角牛生産者は、被害が甚大だった沿岸部で炊き出し支援を行なっています。

3、義援金付き商品
特定の商品の価格に義援金を加算した「義援金付き商品」を4月中旬頃より
大地を守る会のウェブストアで販売開始します。
義援金の金額は商品名に明示し、すべて「大地を守る震災復興支援基金」へ充当します。
なお、4月下旬より大地を守る会の宅配でも取り扱いを予定しています。

商品例)【義援金200円付】ウェブストアの野菜セット「ベジタ」2,070円
     【義援金50円付】大地を守る会の低温殺菌牛乳 388円
     など7品目。随時増やしていきます。


大地を守る会 事務局 齋藤史恵



2011年3月28日

【復興支援】ツイッターに寄せられたsend your messageをご紹介

大地を守る会では消費者から被災生産者へメッセージを送る

消費者×生産者

send your message -声を被災生産者へ届けよう-

にて応援メッセージを集めています。

ツイッターでつぶやいていただいたみなさまに感謝して、

寄せられた応援メッセージを紹介いたします。

 

rino_ponさん

生産者の方の無事を知った時は、本当に本当に心から安堵しました。私個人に出来ることは限られていますが、今までの"感謝"、たくさんの"応援"の気持ちを込めて、大地を守る会の復興基金に募金します。皆さんの野菜や果物やお米や魚や...また会える日を待ってます!

 

mikanmikan333さん

被災地の大地を守る会の生産者の皆様へ、安全安心で環境にも配慮したおいしい食べ物をありがとうございます。更なる出荷規制の追討ち胸が痛みます。私達は待ってます。支援金も精一杯させて頂きます。どうか活路を見出して下さい。

 

leotamamさん

福島のわかばの会のみなさま。いつもおいしい野菜をとどけてくださりありがとうございます。地震や放射能に負けないで、がんばってください。おいしいお野菜、待っています。

 

asuka_t710さん

みなさんの魂の籠った命を食し育ちました。どんな考えがあっても、大地は一つながり、運命共同体。この苦難をみなさんとともに精一杯乗り越える術を考えたいです。大地の生産者の皆さんに感謝して。

 

michippe8_8さん

被災地の大地を守る会の生産者の皆様へ、いつもおいしい食材をありがとうございます。出来る限りの支援をしたいと思っています!また皆様のおいしい食材に会える日を心待ちにしています。

 

all4liamさん

大地を守る会の生産者の方へあなた方が心を込めて作った食べ物に出会い、本当に美味しいものを知りました。あなたたちの真摯な心は、食べ物を通して私たちにまっすぐ伝わって来ます。あなたたちは一人じゃない。消費者である私たちも、あなたとともにあります。

 

pikadomaniaさん

被災された生産者のみなさま子供の頃から大地の食べ物を食べて育ち、今は世代が変わって自分の子供に食べさせています。皆さんの野菜やお肉、お魚と寄り添って生きてきました。今度は私たちがお返ししていきたいです。これからも、ずっと応援しています。

 

yoshikoskzさん

生産者のみなさんが丹精込めて丁寧につくった食材を目にして、丁寧に食べなければ!寧に食べることは丁寧に生きることに繋がることなんだ!と教えてくれました。この気持ちを忘れずに、ささやかながらみなさんを応援します。

 

mofu_tgさん

被災地の生産者の皆様、いつもおいしい野菜やお米・・・たくさんの食材をありがとうございます。ささやかですが私にできる精一杯の支援をしたいと思います。もちろん応援もします!そして皆様の笑顔とともに食材が届けられる日を・・・待っています。

 

fuwasさん

こんな状況だけど、きっと未来はあると信じています。生産者の方たち、応援しています。私たちは大地の野菜を食べ続けます!

 

raichosさん

いつもおいしい食材を届けていただいて感謝している生産者や関係者の皆さんに、少しでも早く立ち直ってもらえるよう応援します!まずはもりもり食べる!

 

 

メッセージを寄せていただいたみなさまどうもありがとうございます。

このようなメッセージをいただき、大地を守る会従業員ともどもとても励まされています。

みなさまに支えられていることを感謝して、

被災生産者のみなさまに責任持ってお届けいたします。

 

引き続き、応援メッセージを集めています。

大地を守る会の公式ツイッター(@DWMK1975)をフォローし、

#dyells (ハッシュタグdyells)でつぶやきをお願いします。

/blog/report/2011/03/send-your-message.html

 

大地を守る会 事務局 齋藤史恵



1歳未満の乳幼児がいる家庭および妊婦を優先して水の販売を行います

浄水場で基準値を超える放射線量が測定された報道を受け、

大地を守る会では3月28日(月)注文分より、

1歳未満の乳幼児がいる家庭および妊婦のいる家庭を優先し、水の販売を行ないます。

 

母子手帳にて、確認を行ないます。

大地を守る会の宅配では、受注後の配送を行なうため、買い占め等の行為を未然に防止し、

必要としている方に適切に商品をお届けすることができます。

 

以下の項目に従い、確認を行ないます。

 

・優先するのは、1歳未満(2010年3月1日以降の生まれ)と妊婦がいる家庭です。

・注文時に、母子手帳の表紙を、メール、ファックス、配送員回収のいずれかの方法で提出していただきます。

 

1歳未満の乳幼児がいる家庭および妊婦家庭で、お水の入手がご心配な方は

以下にお問合わせくださいませ。

 

[お問合わせ]

・大地を守る会の宅配 会員の皆さま

会員サポートセンター

電話 043-213-5816(午前9:00~午後6:00 月~土曜(祝日可))

 

・大地を守る会の宅配 ご入会を検討の皆さま

ご入会サポートセンター

電話 0120-158-183(午前9:00~午後6:00 月~土曜(祝日可))

 

乳児のいらっしゃるママさんや妊婦さんは、とても心配な日々を送っているかと思います。

大地を守る会では、そのような方々にお水の提供を優先的に行ない、

安心な食生活をバックアップしていきます。

 

大地を守る会 事務局 齋藤史恵



2011年3月25日

【復興支援】海苔の生産者成清忠さんが支援物資を持ってきました。

大地を守る会で定評のある成清海苔店(福岡県柳川市)成清忠さんが、

なんと福岡から支援物資の海苔を抱えて本社(千葉県千葉市)にやってきました!

IMG_0489_convert_20110325184759.jpg

 

被災地の方への心遣いもあわせて、大地を守る会の職員の震災後の対応も気遣ってくださいました。

被災した生産者仲間のために少しでも力になりたいと

復興支援物資として海苔を提供していただきました!

そんな心意気の成清さんに励まされましたー。

ありがとうございます。成清さん(涙)

 

 大地を守る会 事務局 齋藤史恵



大地を守る会の生産者被害状況確認リスト(3/25現在)

3月11日(金)の地震発生から、大地を守る会ではすべての生産者の安否・被害状況の

確認をすすめてまいりました。

ご心配いただきましたみなさま。どうもありがとうございます。

3月25日(金)現在の状況をお伝えいたします。

 

大地を守る会の生産者被害状況確認リスト

/info/news/pdf/eq_seisanhigai110325.pdf

 

※このリストは基本的に商品担当者が、電話の聞き取りにより確認を行いました。

※「生産者の無事を確認」という表現が多数ありますが、無事と回答された生産者においても、

家屋、設備に被害を受けている方が多数いらっしゃいます。

 

リストを見てみるとガソリンの供給が厳しく、出荷ストップしていて困窮している状態が多いようです。

中には大きな被害がなく、避難対象者へのボランティアをしている団体もあります。

 

大地を守る会では、被災生産者の復興を応援する取り組みをしています。

大地を守る震災復興支援基金

消費者×生産者 send your message ―声を被災生産者に届けよう―

を通して、大地を守る会でも応援していきたいと思っています。

 

大地を守る会 事務局 齋藤史恵



【復興支援】消費者×生産者 send your message ―声を被災生産者に届けよう―

消費者×生産者 send your message ―声を被災生産者に届けよう―

 

大地を守る会の被災生産者へメッセージを届けてみませんか。

10万人を超える消費者が、日々、大地を守る会の食材を通じて生産者とつながっています。

現在、続々と被災した生産者への応援メッセージが大地を守る会へ寄せられています。

日々、食材を通じて、生産者と消費者はつながっています。

消費者の想いが、被災された生産者の復興への力になるよう、

声を届け続けていきたいと考えています!

  

ツイッターにて応援メッセージを集めています。

 

大地を守る会公式ツイッターhttp://twitter.com/DWMK1975

をフォローし、#dyells(ハッシュダグdyells)でつぶやきをお願いします。

 

 大地を守る会 事務局 齋藤史恵



2011年3月24日

【復興支援】大地を守る震災復興支援基金を3/28から開始します

大地を守る震災復興支援基金

 

大地を守る会では、消費者のみなさまからも被災生産者へ応援したいという強い要望があり、

このたびの地震の被害に対しての「大地を守る震災復興支援基金」をご用意することになりました。

お声をいただいたみなさまに深く感謝いたします。

「大地を守る震災復興支援基金」の募集を、会員のみなさまへは3月28日週の注文分から。

そして大地を守る会のウェブストアユーザー、非会員のみなさまへは下記の口座にて

義援金の募集をスタートします。

 

三井住友銀行 六本木支店 

普通口座:7464419

口座名義: 大地を守る震災復興支援基金

       (ダイチオマモルシンサイフッコウシエンキキン) 

 

大地を守る会直営店舗でも、募金箱を設置しています。

・カフェ「ツチオーネ」自由が丘店 
 住所:東京都世田谷奥沢6-25-10 
 電話番号:03-5706-0707

/cafeblog/


・日本料理店「山藤」広尾店
 住所:東京都渋谷区広尾5-4-11 ベルナハイツA棟2F 
 電話番号:03-5795-2683

http://www.yamafuji.net/


・日本料理「山藤」西麻布店
 住所:東京都港区西麻布4-5-8 La西麻布3F 
 電話番号:03-5467-5622

 http://www.yamafuji.net/

 

ご協力いただいた義援金の使用用途は、大地を守る会の被災生産者の復興支援などに使用いたします。

また義援金については、今後ホームページや会報、本ブログなどを通じて随時報告いたします。

みなさまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

 

大地を守る会 事務局 齋藤史恵



【復興支援】総合農舎山形村へ、第1弾支援物資(久慈市)

 大地を守る会、久慈市、JA新いわてで地域おこしのために設立した「総合農舎山形村」。

岩手県久慈市山形町(旧山形村)にあり、大地震により沿岸部は甚大な被害を受けました。

幸いにも短角牛やホウレンソウ、シイタケなど大地を守る会の生産者は、難を逃れ、全員無事でした。

 

山形町のお付き合いは1981年から。

1975年設立の大地を守る会では、最初野菜や米を扱っていましたが、

安心できるお肉がないか探していたところ、縁あって、山形町と出会いました。

広々とした牧場でのびのび育ち、赤身のおいしい短角牛は大地を守る会のコンセプトとぴったり。

3頭の取引から始まり、現在では約350頭を取り扱っています。

また、消費者の交流もさかんで、毎年夏休みに消費者会員の家族が山形町を訪れています。

そんな顔が見え、心がつながる関係を大事にした交流は1982年から毎年続いています。

http://www.nousya.jp

そんな長年のお付き合いから生まれたのが「総合農舎山形村」。

山形町の食材を中心とした加工品を製造するために1994年に設立されました。

 

各地でガソリン不足や高速道路の不通が発生していますが、

総合農舎山形村でも、今回の大地震により、配送が凍結した状態が続いてしまっていました。

そんな中、なんと自力で食材を納品しよう!と木藤古所長が自社トラックで一晩(14時間)かけて、

岩手県久慈市から、千葉県習志野市の物流センターにやってきました。

110319木藤古&大向さん.jpg

左が総合農舎山形村の大向清勝さん 右が木藤古修一所長です。

習志野物流センターに到着し、食材を届けてホッとした表情です。

 

帰りのトラックには、地元久慈市から支援要請のあった物資を急遽、

埼玉と千葉の農家、そして大地を守る会の従業員に呼びかけ集め、

BOXティッシュペーパーや下着、歯ブラシ、衛生用品などダンボールで約20箱を積んで帰ってもらいました。

 

来るときは満タンだった燃料も習志野では給油できず、

苦戦しながら、原料用の湯田牛乳をピックアップして岩手県久慈市に帰って行きました。

こんな大変な中でも、パワー全開の木藤古所長と大向さん。

畜産水産グループ長吉田も、熱く熱く見送ったそうです。

 

そしてまた、あらためて大地を守る従業員で岩手県久慈市への支援物資を集めました。

ジャーン!

IMG_0486_convert_20110324105434.jpg 

 歯ブラシ、下着、衛生用品など段ボール計7箱ほど集まりました!

今週末、今度は畜産水産グループ長吉田がトラックで運びます。

その様子は、後日ブログにアップしていきます。

ぜひご覧くださいね。

 

大地を守る会 事務局 齋藤史恵 



2011年3月23日

東北地方太平洋沖地震の復興支援情報について

東北地方太平洋沖地震により、多くの方の尊い命が失われたことに深い哀悼の意をささげます。

被災された方々へのお見舞いとともに、一日でも早い復興を心より祈念いたします。

大地を守る会では、「生産者と消費者をつなぐ」という役割を担う団体であるとの想いをいっそう強く持ち、

被災地・被災者・被災生産者のために支援活動を行ってまいります。

 

私ごとですが、地震発生前日より、私の地元福島県いわき市に帰省していました。

3月11日14時46分、体験したことのない突き上げるような大きく長い揺れに、

母と震えながら手を取り合い、揺れがおさまるのを待ちました。

屋根瓦が落ち、地震で倒壊してしまった家、津波で被害を受けた家を目の当たりに

大きなショックを受け、さらに続く余震と闘いながら、どうかおさまるように願っていました。

そしてそんな恐怖と闘う中、福島第一原発の爆発。

目に見えない放射能のさらなる恐怖を感じました。

あの大地震から12日たった今でも、福島第一原発周辺の住民は被災が続いている状態です。

今では、私は東京にいますが、まだ私の地元で頑張っている友人、知人がいます。

そんないち被災者として、東北地方太平洋地震で被害を受けた方々の力に少しでもなりたいと

強く思っている私齋藤より今後、大地を守る会の支援情報を

こちらのブログで随時報告していきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

大地を守る会 事務局 齋藤史恵



2011年2月14日

古着の積み出しをお手伝いしました!

とよまること豊島洋です。

「NEWS大地を守る」1月号で告知をさせていただいた、NPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル

連帯議会)の古着積み出し作業に行ってきました。大地を守る会の皆さんに年3回古着の回収を

呼びけていますが、その古着が分類されてパキスタンへ送られます。

 

パキスタンに到着るすると直ちに現地の業者に売られ、その売り上げがスラムの学校アルカイー

ル・アカデミーの運営資金となります。

 

JFSA 0.jpg

古着ロールの山です。品目ごとに分類された後、50キロのロールに圧縮されてこのように倉庫に

保管されています。場所は千葉県千葉市のJFSAの倉庫。この山がコンテナに積み込まれます。

ロールの前にいるのは私、とよまるです。ロールの大きさがわかりますよね。

 

JFSA 2.jpg

JFSAのスタッフ入江君(左端)から作業の流れについて説明を受けます。真ん中のハシゴ状のもの

にロールをのせて滑らせます。集まったボランティアの数は約40名。

 

JFSA 4.jpg

午前8時半過ぎ作業開始です。ロールの山からどんどんロールを下ろして流していきます。けっこう

重い。直撃すると怪我をすることもあるので気を付けて作業します。

 

JFSA 3.jpg

コンテナに積み込まれる直前で、品目を確認し番号をふったラベルを張ります。

 

JFSA 5.jpg

力自慢の若者たちが積み込みを行います。この日は雨が降っていたので大きなテントを張っていま

す。

 

JFSA 6.jpg

ロールはこんな感じで詰め込まれます。隙間があるともったいないので靴などの入った小さめな袋を

天井近くに押し込んでいます。研修参加の大地を守る会職員は「モザイクみたい」と言ってましたが、

まさに力で押し込むパズルです。JFSAのスタッフもこのような写真を数枚撮ります。

カラチ港の税関に提出し、古着だけが積み込まれたことを示すためです。

 

JFSA 8.jpg

午後3時すぎには古着ロールがあらかた積み込まれました。今回は約22トン、ロールでいうと450

個以上のロールが積み込まれたことになります。

 

JFSA 9.jpg

コンテナ積み込みのクライマックスは、最後のロールを押し込むとき。今回はピタリとハマりました。

お見事です。このコンテナは東京港を出港後、東南アジアを経てパキスタンのカラチ港に向かいま

す。約一カ月の船旅です。

 

JFSA 10.jpg

JFSAの古着ショップ。作業をした千葉市の事務所と倉庫の一画にあります。国内で売れるものは国

内で売り、JFSAの活動資金となっています。柏店は柏市内で引っ越しをしたとのこと。その報告は

次回に。

 

大地を守る会 国際局 豊島 洋



2011年1月20日

狩猟をテーマにしたシンポジウムに参加してきました!

とらちゃんこと虎谷健です。

「エコツーリズム」というと皆さん、どんな言葉を連想するでしょうか?

熱帯雨林にでかけての生き物観察や船に乗ってのホエールウォッチング?

ガイドさんと山を歩くトレッキング?

大地を守る会が岩手県久慈市で行っている「久慈市山形べこツアー」などでしょうか?

 

これまではエコツーリズムに関するシンポジウムというと、環境教育やアウトドアライフ、

安全登山などをどのように普及させてゆくかなどを話し合われることが多かったのですが、

今回、「狩猟」をテーマにしたシンポジウムが開催されました。

「たべまも」キャンペーンでエゾシカを食べて生態系を守ろう!と皆さんに呼びかけている大地を

守る会としてはほっとけません!さっそく参加して参りました。

 

1CIMG0788.JPG

農家さん、環境教育を実践するNPO、環境省、研究者の方が、それぞれの立場から基調報告

をして下さいました。

奥多摩の山々をフィールドに長年シカ・カモシカの研究をされてきた研究者の方は、捕獲頭数を

増やしてもなかなか適正頭数に減らないシカの習性について、実体験を交えて臨場感たっぷりに

報告してくれました。さらに大都会・東京のすぐそばでクマ・シカ・イノシシ・カモシカ・サルという

日本に生息する5大大型哺乳類が生息している自然の素晴らしさを語ってくれました。

(なお、上記映像中の動物たちはすべて東京都内で観察できる動物たちだそう。)

 

虎谷も以前、丹沢を山歩きしていた時に、雪の上に点々と残るツキノワグマの足跡を見つけた

ことがありました。ふと遠くに視線を移すと横浜の町並みやランドマークタワーが見え、クマの足跡と

大都会が一緒に視線に入る違和感が痛快だった事を思い出しました。

日本ではオオカミやカワウソなど絶滅(...したとは認めたくありませんが...)した動物もいますが、

まだまだ自然が残っているのですね!

 

欧米の自然保護は「一度徹底的に自然を破壊してしまった反省」に基づいている事に比べ、

日本では自然が里山という身近な形で残ったため「あって当たり前」という感覚なのかもしれません。

評価しにくいですが里山や水田を守り続けてきた農家や林業家が自然環境維持に果たした役割はかなり大きいようです。

 

2CIMG0787.JPG

次いで、環境省の方が省庁の役割説明から始まり、現在日本の山で何が起こっているかを

データを元に冷静に語ってくれました。

最近、クマに関わる報道をよく目にしますが、渓流釣りや登山中の事故などより、山菜取りや

農園脇、中山間地に住む農家さんの庭でのクマ遭遇による事故が増えているとのこと。

クマがより人里に近い場所に来ている事が想像できますね。

その原因は・・・

・奥山の乱開発で餌を得るために仕方なく人里に下りてきた、

・限界集落や耕作放棄地が増えて人間の近くの方が食べ物を得やすくなった、

・狩猟人口の減少で人に追われた経験のないクマが増え、人里近くに出没する事が増えた、

など、諸説あって「これが原因!」とは特定できておらず、実際にクマが増えているのか、減って

いるのかの正確なデータも今のところはないそうです。

 

3CIMG0785.JPG

農家の立場からの報告も。

この方が住む集落は限界集落を通り越して、唯一の人間の住人は彼の家族だけだそうです。

どこの山奥から来たんだろう...と思ったら神奈川県の西部地域でした!丹沢周辺にもそのような

限界集落があるのですね!

ここ数年は柵を作ったりして獣害を防いでいたようですが、動物たちもだんだん大胆になって

柵を壊して畑に侵入しだした、とのこと。「明日が収穫だな。」と思った翌日に収穫にいくと、すでに

食べられているということもしばしばだったそうです。

「サラリーマンで例えるともらったばかりのお給料を落して失くした感じ。」だそうです。

よく分かります!それは悔しい!戻ってこい!給料!

「柵で獣害が防げないので、狩猟免許をとって畑に出てきた鹿やイノシシは罠で捕獲して食べる

ことにしました、肉をあげると喜ばれます。」とのこと。

農村では野菜は豊富にありますしおばあちゃんが作る野菜の方がずっと美味しかったりしますが、

肉はなかなか手に入りません。なので、若者が集落に溶け込む手段として集落の肉の供給元に

なることは良いことかもしれませんね。

 

4CIMG0786.JPG

環境教育を行っているNPO団体でも狩猟をプログラムに入れています。

主に神戸から移住してきた若者たちが子どもたちを対象に環境教育プログラムを行なって生計を

立てているそうですが、冬場はどうしても仕事がない。

そこで畑を荒らす獣たちを仕留めて地域振興に役立てよう!と頑張っている例を報告してくれました。

 

捕獲して肉にするだけでなく加工品も作り始めました。

イノシシの骨でダシを取った「猪骨(ちょこつ、と読みます)ラーメン」です!

大人を対象に猟師体験企画なども開催するそうです。足跡を追跡して獲物を追う体験をしたり、

すでに仕留めた獲物を使って解体を体験したり...。なかなか頑張っている若者たちでございます!

就職難で安定した大手企業に就職希望が集中している、などのニュースを見聞きしますが、

好きな土地に飛び込んで自分たちで仕事を作っちゃえ!という気概は立派でございます。

「最近の若いモンもなかなかやるじゃないか!」と思わず父親の眼差しを投げかけてしまいました。

 

5CIMG0784.JPG

色々な色の紙をかざして危ない団体の様ですが(笑)、これは参加者の属性を調べている様子です。

「学生は赤、会社勤めは黄色、NPO勤務は緑」などと色分けし、どのような参加者が、どんな動機で

来ているのか調べています。環境教育を長くやっていた人ならではの調査方法ですね!

ちなみに色紙の計測は野鳥の会の皆さんが担当していました。

人の計測は年末の紅白歌合戦の時だけではないようです(笑)。

 

6CIMG0789.JPG

基調報告が終わって次はテーマごとのディスカッションです。

話をしながら話題に出た内容をどんどん紙に書き込んでいきます。何を話したかが残るため、

どんどん話がふくらんでいきます。

右の口髭の方はこの企画の世話人、広瀬敏通さんです。

広瀬さんは静岡県で家畜動物や富士登山、洞窟探検、熱気球体験などを通して自然を体験する

「ホールアース自然学校」という自然学校を主宰していました。

自然災害があるとスタッフを被災地に派遣する硬派な活動をする一方、修学旅行などを受け入れて

経済的にも成功していたのですが、経営をスパッと後進にゆずり(譲られた方々はかなり戸惑った

そうです)NPO法人日本エコツーリズムセンターを立ち上げ、日本にエコツーリズムを浸透させる

ために「世話人」として日本中を駆け回る日々だそうです。

生涯現役の方でございます。

 

7CIMG0792.JPG

「猟師」をテーマにエコツーリズムが話し合われる時代が来るとは想像もできませんでした。

「命の重みを感じる機会になると思う。」

「奪った命は最大限食べて供養してあげなくては。」というマジメな意見の他にも

「猟師ってモテる?」といった若者らしい感想まで...。

何にしろ、話し合われるって良い事でございます。

 

しかし、ほんの少し前までは自然環境に関心がある人たちの集まりでは「いかにダムやゴルフ場

建設による環境破壊をやめさせるか。」、「河口堰建設反対!」など、環境を守って動物を増やそう!

という話し合いが主流だったはずです。

それが、自然環境のバランスをとるために増えすぎてしまったシカやイノシシを獲ってどう活用しよう、

なんとか環境教育のプログラムに活かせないだろうか、などと話し合っているのですから、時代は

変わるものですね。

 

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テーブルごとに話し合った内容は最後に発表!

解散後は居酒屋で打ち上げとなり楽しい時間を過ごすことができました。

 

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ちなみに今回テーマになった猟師さんですが、日本では平均年齢は60歳以上で、20年後には

絶えてしまうであろう、と言われています。

いわば、レッドデータブックに載せたい「絶滅危惧種Ⅰ」でもあります。

本業として行っている人はおらず、趣味として行っている人がほとんど。

猟期は11月から2月までの冬季。

シカやイノシシを獲るには、「まき猟」と呼ばれる10人ほどの射手と勢子と猟犬で構成されたグループで

行なうのが一般的です。

山の一斜面の各所に射手が待機して犬に追われてきた獲物を狙います。

冬の山道を1時間以上歩いて持ち場についたら、後は勢子に追われた獲物が通るのを木陰で息を

殺してじっと待ち続けます。

獲物の姿を見て発砲できれば獲物が獲れなくても運の良い日。

木陰で寒さに耐えながら何も起こらずに一日が過ぎても当たり前、という忍耐の世界であります。 

 

運よく獲物を手に入れられたとしても、山中で獲物を解体して内臓や骨、皮などはちゃんと埋設しな

くてはならず、手に入れた数十キロの肉も近くに誰もいなければ一人で背負って山から降ろさなくて

はなりません。(※山中で解体した肉は販売等できず自家消費のみ認められています)

勢子を行う人はさらに獲物を追う為の犬の訓練も欠かせません。

このような厳しい世界で若者が敬遠するのも無理はないのですが、それにも関わらずこの世界に

飛び込んでいこう!という若者が増えることは心強いことです。

私も「たべまも」キャンペーンでシカ肉を消費してお手伝いしたいと思います。

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2011年1月 4日

町おこしで注目の島根県海士町で対談

ユッキーこと大野由紀恵です。

新年あけましておめでとうございます。2011年もよろしくお願いいたします。

第一弾のブログは、12月に、島根県海士町で行なわれた対談です。

地域や第一次産業の未来が問われる今、2011年にもその先にもつなげていきたい大切な

メッセージが、小さな島にありました。

 

2010年12月11日(土)に、地域活性で注目を集める島根県海士町に、NGO大地を守る会会長で

株式会社大地を守る会代表取締役社長の藤田和芳が、海士町町長の山内道雄さんと

対談しました。対談のテーマは「一次産業×地域活性=残したいものを自分たちで守るために」。

 

島根県海士町は、隠岐の島の中の1つで、人口約2,400人の小さな島です。1221年、

後鳥羽上皇が流された地としても有名ですが、近年は急激な過疎化と財政危機に直面。

それを乗り越えるため、町長自らが給与を50%カット、町役場職員も30%給与カットと

役場一丸となって町おこし資金をねん出。

 

特産の岩ガキを生のおいしさそのままで急速冷凍できる「CAS」を導入し、特産化に成功。

さらに教育交流事業で都市から多くの研修生を受け入れるなど、さまざまな工夫により、

5年で200人以上がIターンした、地域活性で注目の町になりました。

海士町オフィシャルサイト

 

周りを海に囲まれ、山々の合間に田んぼがある、自然に恵まれた島です。

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こちらがCAS。大きな設備ですねー。

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CASは Cell Alive Systemの略で、細胞組織を生かして急速冷凍するため、解凍しても

水が出ることがなく、とれたての味が再現できます。

年間予算40億円の海士町が5億円!の設備投資で導入したことでも話題になったそうです。

 

岩ガキの養殖場です。

日本名水百選にも選ばれた「天川の水」が注ぐ保々見地区で、3年かけてじっくり岩ガキは

育てられます。

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島のあちこちに湧水があります。水が豊富なため、稲作も盛んだそう。

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そんな自然に恵まれた海士町の資源を活かし、地域活性に成功した山内道雄町長との

対談が12月11日(土)、海士町町民ホールで開催されました。

 

この対談のすごいところは、インターネットで生中継され、ツイッターを使って、リアルタイムで

コメントできたところです。東京や京都などのカフェでは、海士町の食材を楽しみながら、

講演を聞くイベントも企画されました。

 

準備中の会場。スクリーンが2台設置され、他会場のようすやツイッターのコメントが映し出されます。

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開始直前の会場。ほぼ満席です。

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いよいよ対談の開始。山内道雄町長。

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山内町長は、町長になる前はNTTに勤務。民間会社での経験を活かして町を元気に

してきました。一番大切なことは?という質問に、「足下を見直すことが一番最初。

当たり前だけど、自分たちの町を好きになるのが全てのスタート。町長の立場からは

挑戦と決断と実行。リーダーには決断が大事」と答えていました。

 

大地を守る会の藤田和芳。

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藤田からは、「資源を信じて活用することが未来につながると思う。第一次産業が

もっと大事にされる社会にしたい。農薬をまくことはミミズや虫を殺すこと。

有機農業は多様性を認めること。生き方にもつながる。海士町はその自立したモデル」

というメッセージがありました。

 

そしてこの対談を企画した株式会社巡の環の代表、阿部裕志さんです。

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阿部さんは大学院卒業後、大手自動車会社に入社しましたが、大量生産大量消費の

スタイルに疑問を感じ、海士町にIターン。海士町のPRやツアー企画などを手がける「巡の環」を

設立しました。海士町の現リーダーとこれからの若きリーダーが並んでいる点でも注目の

対談でした。

画面には次から次へとツイッターで寄せられるメッセージが現れ、その内容にも

触れながら対談は進行。小さな島と全国がつながる不思議な空間でした。

 

島外からは365人が視聴していました。その人数もすごいですが、何千人、何万人が見ていても

よいくらいの可能性を感じる対談でした。

 

対談のもようは、巡の環のサイトで見られます。

 

今回の対談に合わせて、12月10日(土)~12日(日)に2泊3日で全国から集まった15名が

参加した海士町ツアーがありました。ツアーの中では、地元のお年寄りと輪投げを楽しむ企画も。

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これがなかなかむずかしい!藤田も参加。

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結果は。。。(笑)?

 

ツアーの最後、船が出港する時には、山内町長はじめ、町の方々や巡の環の方々が

見送ってくださいました。紙テープの粋な演出付です!

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豊かな自然と、素敵な皆さんと出会えた2泊3日でした。

皆さんも機会がありましたら海士町へぜひ!

大地を守る会でも、このご縁をきっかけに、海士町とのつながりをつくっていければと

考えています。

 

大地を守る会 事務局 大野由紀恵



2010年12月16日

六本木ヒルズで「meccオーガニックトーク」

       うっしーこと牛島真也です。

 

遅くなりましたが、イベントの報告です。

11月19日(金)六本木ヒルズで「meccオーガニックトーク」が開催されました。

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主催は、大地を守る会も会員となっているみなと環境にやさしい事業者会議(mecc)。

毎年開催している「企業と環境展」の今年の目玉プログラムのひとつです。

 

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 当日、トークの様子は「USTREAM」で生中継されました。

 

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コーディネーターは、オーガニックコンシェルジュの岡村貴子さん。

 

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トークゲストは、大地を守る会職員で野菜ソムリエの小島潤子さんと、らでぃっしゅぼーやの潮田和也さん。

  

大地を守る会とらでぃっしゅぼーや。

オーガニック宅配業界を引っ張る両雄?!ですが、意外とこうした場で一緒になることは少なく、とても新鮮なイベントでした。

偶然にも両社ともレシピ本を発売したばかり。

 

岡村貴子さんが、大地を守る会とらでぃっしゅぼーやさんそれぞれの取組みについて、いろいろ聞き出してくださいました。

 

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小島さんは「50分間もトークできるかな...」と不安そうでしたが、堂々とした話しっぷり?!でした。

  

「USTREAM」での中継の様子は、今でも見ることができます。

ぜひ見てみてくださいね。↓

USTREAM「meccオーガニックトーク」

 

大地を守る会事務局 牛島真也 

 



2010年9月14日

古着のゆくえを追いかけて パキスタン編 その2 

とよまること豊島です。

 

2005年10月8日午前8時50分ごろ、パキスタンの首都イスラマバードの北北東約90Kmを震源とする

マグニチュード8近くの地震が発生しました。

震源地から100Km以内でも激しい揺れが襲ったとみられ、最終的な今回の地震による死者は8万人

を超えたといわれています。

大地を守る会は、会員の皆さんに呼びかけて支援を要請、その結果700万円近くが集まりました。

その後、天候や治安の問題から大地を守る会としては直接現地確認ができていませんでしたが、今

回関係者の皆さんの協力を得て実現しました。

 

 

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山あいのケートサラーシ村よりバラコート市を望む。一帯が地震被災地。5年前の朝、職場や学校で

被害にあった人たちが多数いました。

 

 

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山肌は、崩れたままのところも多く、埋もれてしまった人々がそのままになったところも多いそうです。

学校では、多くの子どもたちがコンクリートの校舎に押しつぶされてしまいました。

いまだに遺骨が発見されることがあります。

 

 

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バラコート市内の建物。復興は進んでいましたが、このように放棄された建物もあります。

建物の中は被災時のまま。

 

 

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3つめのアルカイール・アカデミー、バラコート校。ケートサラーシ村にあります。

地震直後に始めた青空学校は、斜面に建てられた小さな校舎になっていました。

これも皆さんの支援金によるものです。

 

 

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カラチから同行してくれたムザヒル校長先生が、特別授業として教壇に立ちました。

ここでは、2歳から5歳までの子どもたちのためにモンテッソーリ教育を基本に教えています。

6歳以上の子どもたちは、近隣の公立の学校に通いますが、学校の先生が「不登校」するという問題

があります。

 

 

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今学校で学んでいる子どもたちは、地震の後に生まれた新しい世代。

ムザヒル校長先生は、今後も学校は続けていきたいと考えています。支援金はまだ残っているとの

ことですが、長期的な戦略が必要な時期でもあります。

 

 

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こどもたちが持っている板はノートの代わり。その日の授業で大切なところを書き写していました。

家に戻ってからノートに清書するそうです。

 

 

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カラチ市へ戻ります。ここは古着業者があつまるハジケンプといわれる地域。

世界中から古着が集まる町です。

 

 

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NPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)のスタッフであり、古着のお店Kapre(千葉

県柏市)の店長でもある田辺航太郎さん。古着を売ると同時に買い付けも行っています。

世界中から集まる古着の中から、日本で売れるものを買い付けます。Kapreで販売し自らの活動資

金としています。

 

 

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とよまるもお手伝いさせていただきました。

左がアルカイール・アカデミーの事業部のアマダリ君、左が田辺さん、中央がとよまる。

革ジャケットの山によじ登って一品ずつ選んでいます。室内温度は軽く40度を超えるので、

塩を舐め水を飲みながらの作業です。

 

 

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さらに場所は変わって千葉県柏市柏駅前の古着店Kapreです。

 

   

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Kapre店内。試験的な輸入販売を経て、2007年に開店。おしゃれなお店です。

価格は安めの設定なので一度はのぞいてみる価値ありです。

 

 

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店内には、JFSAの活動を紹介するコーナーもありました。普通の古着屋さんとは異なるところ。

 

 

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田辺さんが持つのは今回カラチ市で発見した一品。大戦中のフライトジャケットです。

70年も前のジャケットがどのような経緯を経てカラチにたどりついたのか。

まさに古着は世界を回るなあと実感します。

皆さんの出した古着も世界のどこかで誰かが大切にしていることでしょう。

 

大地を守る会 国際局 豊島 洋



2010年9月10日

古着のゆくえを追いかけて パキスタン編

とよまること豊島です。

6月に千葉県千葉市のNPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)を出発した

古着コンテナは、7月初旬パキスタンのカラチ港に到着しました。

今回は現地からの報告です。

(7月中旬、パキスタンで大雨が降る前に現地を訪問しました。)

 

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まずは、カラチ市の北にあるアルカイール・アカデミー本校。

現在2,000人の生徒が学んでいますが、御覧の通り校舎を改築中です。

鉄筋が十分に入っていなかったので、地震がきたら危ないということで鉄筋を入れて建て直していました。

古着を販売した売り上げは、学校の運営資金になっています。

 

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どこでも子どもたちは、元気いっぱい!ホッとする瞬間です。

本校は人数が多いので午前と午後で2シフト制です。

学費は無料。昼食が必要な子どもたちには無料で出しています。

 

学校に行きたいけど、「教育など必要ない」と親に反対される子どもたち。

幼い兄弟姉妹のめんどうを見ながら、仕事をしなければならない子どもたち。

学びたいけど学べない、そんな世界を変えたい。

ムザヒル校長先生が数人の子どもと始めた学校は大きく成長しました。

 

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こちらは、カラチ市の中心からさらにはずれにあるゴミ捨て場カチラクンディ。

両側の建物はアルカイール・アカデミーの校舎です。

ここにカラチ市のゴミが次々と運び込まれ、火が放たれます。

そこに住む人々は金属屑などを集めて、それを売り生計を立てています。

ダイオキシンレベルは相当なものだと思います。歩くだけで目とのどがつらくなります。

目に障害を持つ人々が多いのも空気が汚染されているため。

 

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運び込まれるゴミ。

生ゴミ、注射針や期限切れの血液などの医療ゴミ、粗大ゴミ、産業ゴミなど、なんでもミックス

されています。

人々には自分たちの領域があるので、運転手にお金を払って自分たちところにゴミを捨てて

もらうそうです。宝の山です。

牛やヤギなどの家畜も放たれているのが驚き。

 

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ここが、その宝を買い取るところ。ゴミ捨て場の脇にあります。住民の貴重な収入源です。

 

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学校では授業中でした。

本校に較べて衛生状態が悪いにも関わらず、きちんとした格好です。

そしてなにより授業を受ける態度が真剣です。これも驚き。ここに学級崩壊はありません。

2年前に訪問したときは、誰もがハエだらけでしたが、今回は風向きのせいで少なめ。

ハエが耳に何匹も入り込んで炎症を起こす子どもも多いそうです。

過酷な生活でも学びたいという気持ちが伝わってきました。

 

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JFSAのスタッフ西村さん。義理人情の鉄人であり私の師匠です。

1年の半分はカラチに住み、アルカイール・アカデミーの活動に協力しています。

JFSAの活動は、現地との深いつながりが基本となっています。

パキスタンは人と人とのつながりがとても深く、またつながりを非常に大切にする国です。

 

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7月12日、いよいよコンテナが届きました。

ここはカラチ市内、古着業者が集まるハジケンプという町。

コンテナそのものは千葉を出発した時と変わりません。

 

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業者の方々とアルカイール・ビジネス事業部のスタッフが荷降ろしをします。

コンテナは税関で開けられていたので、盗まれていないかチェックします。

 

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JFSAのスタッフが丁寧にまとめた50キロの古着のロールは検査のために開けられていました。

今回は幸運にも盗まれたものはなかったようでホッとしました。

税関検査の時に盗まれていることも多いのだそうです。

 

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ここからは番外編。

カラチでは庶民の足として日本の古い車がタクシーとして活躍しています。

カローラが多いようですが、みな黒と黄の配色です。

 

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ロバはいたるところで活躍しています。

大きな荷物を運ぶ時は涙を流しているように見えて胸が痛みます。

かわいいけどペットとは違うのだと実感。

 

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カラチ市ではムザヒル校長先生の家に泊まりました。

食事はカレーとナン、チャパティのパターンが多いのですが、このときはパスタ。どれも美味です。

近所の人なども集まり賑やかな食事です。

皆イスラム教徒なのでアルコールは一切ありません。

気温は40℃を超えることもあるのでたくさん食べて体力をつけます。

私が去ったあとすぐにラマダン(断食)が始まりましたが、体験してみたかった。

右端が私、とよまるです。

 

今回はカラチの報告でした。

2005年の北部地震被災地も訪問しましたので、その報告は追って。

 

大地を守る会 国際局 豊島 洋



2010年8月10日

夏休みに学びました! 石けん工場見学会

7月28日(水)に横浜にある太陽油脂株式会社の工場で、小学生親子参加企画・石けん工場

見学会が開催されました。

梅雨明けから続く連日の猛暑のなか、40名の親子が集まりました。

 

 

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会議室に集まって、講師の太陽油脂の長谷川治さんより、石けんとは何かについてお話が

ありました。しっかりとノートを記録する熱心なみなさんの姿が印象的でした。

 

 

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実験を交えて、視覚的にもわかりやすい内容です。

 

 

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お話のあと、参加者は工場見学に出発です。

ガラス窓の向こうでは実際に太陽油脂の石けん製品が作られています。

毎日使う石けん製品が目の前でつくられていく様子を目にする参加者のみなさん。

パッケージを指差し、「おうちで使っている!」と教えてくれるお子さんもいました。

大人の皆さんからは「想像以上に少量づつで作っている」「手作業が多いのに驚いた」という

お声も聞かれました。

 

 

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大手食品会社に納品前の食用油の缶が積み上げられています。

「太陽油脂」のお名前からもわかるように、太陽油脂は天然の油脂を原料とした食用油を取り扱う会社。

その食用油を原料に、パックスナチュロンの製品が生まれるのです。

 

 

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再び会議室に戻り、長谷川さんから石けんと合成洗剤の違いについてお話を伺ったあと、

子どもたちがお待ちかねの石けんキットを使った、オリジナル石けん作り。

袋の上から石けんをしっかりと練り込み、型に入れて成形します。

 

 

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成形した石けんの上に押し花を貼ります。

「きれいだから使いたくない」そんなお子さんの声も。

夏休みの思い出と共に、世界でたった1つの石けんが子どもたちの手のひらのなかで生まれました。

 



2010年7月31日

鹿の増殖で山の自然はどうなっているのでしょう~丹沢山系の様子~

とらちゃんこと虎谷健です。

 

昨年から始まった「たべまも」キャンペーン。

キャンペーンで取り上げた食材は米、在来種野菜、そして鹿肉です。これらの食材を食べ支える事で周囲の環境を守り、「生物多様性」を守りましょう! というキャンペーンです。

 大自然の一員である鹿を食べることによって山の環境と生物多様性を守ろう、というわけですがでも、どうして鹿を食べて頭数を減らす事が自然環境を守る事につながるのでしょうか?

日本各地で甚大な被害が出ているといわれている鹿の大増殖。

もともと繁殖力が強い動物のうえ、

・ニホンオオカミの絶滅、ハンターの高齢化、減少で天敵が減った。

・地球温暖化により降雪が減少して冬に死ぬ鹿が減った。

・植林のため森林伐採を行ない、鹿の餌場、草地が増えた。

・ゴルフ場造成などで生息域を追われた鹿が分散した。

・限界集落、耕作放棄地の増加で里に近寄りやすくなり作物の味を覚えた鹿が居付くようになった。

...など様々な理由により大増殖が始まったと言われています。

 

鹿が増えすぎて次のような課題が浮かび上がっているようです。

・牧草地や畑、植樹への食害。

・山の下草を食べ尽くしてしまうことによる植生の貧弱化と山の保水力の低下と土砂流出、水源地へ   の影響。

・高山への生息域拡大による希少な高山植物への食害、天然記念物のライチョウの営巣地の破壊、同じく天然記念物のニホンカモシカの生息域への侵入によるカモシカの生息域の減少。

などが指摘されています。

 

では、実際山の状況はどうなっているのでしょうか?

関東平野に住む私たちにとってハイキングなどで身近な山、丹沢に登って実際の鹿被害の様子を

見てきました。

 

歩いたルートはヤビツ峠から入って塔の岳を経て丹沢山に登る一般的なルートです。

ヤビツ峠から入って1時間ほど登ると二の塔と呼ばれる休憩所が現れます。ここでは丹沢自然保護協会

主催する植生回復のための広葉樹の植樹が毎年行われています。

昨年私もこの植樹に参加してきました。昨年植えた木がどうなっているのか植えた場所を目指して

登り始めました。

 

 

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少し山に入ると食害にあった笹が目立ち始めます。

7月下旬の今、もっと青々と葉をつけてないといけないはずですが葉を食べられてしまっています。

 

 

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ちなみにこちらは比較的食害の少ないように思われる笹です。

同じ季節なのに下草も含めて葉のボリュームが違います。

 

 

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下草が生えている場所ではホタルブクロの花が咲いていました。

 

 

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こちらの笹はほとんど葉が残っていません。これでは笹は枯れてしまいます。

対照的に繁茂しているのはマツカゼソウ。独特の臭気がある植物のため鹿が食べないようです。

鹿の食害(食圧)が進むと、鹿が食べない種類の植物ばかりが増えることになり、植生が貧相に

なってしまうんですね。

 

 

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広葉樹が主に茂る林の地表ですが、笹をはじめ下草が育っていません。まるで間伐が行き届いていない針葉樹を植樹した林のようです。

このような土壌では保水力が低下するので大雨が降った時など土壌流出の原因になります。

また、クマザサなどの笹藪には、雨の時など鹿が雨宿りに集まってくるそうです。

笹藪自体消滅してしまう事は鹿にとっても良いことではないはずです。

 

 

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ちなみに植樹された針葉樹の林の下草もこのような状態です。

太陽の光が差し込まず、下草が生えにくくなります。保水性が落ちるため大雨が降ると一気に

土砂が流れるおそれがあります。

 

 

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広葉樹を植林した場所に到着。鹿に食べられないようにプラスチックのネットでガードされています。

ここでもマツカゼソウだけが繁茂していました。 

 

 

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斜面に立ち並ぶ鹿食害防止のネットの様子です。下草が食べられ土がむき出しになっている場所もあります。

 

 

 

ネットに守られて花が咲いていました。

本来ならこのような花があちらこちらで見られるはずなのですが...。

 

 

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針葉樹の植林地全体を囲む植生保護柵も山のあちらこちらにありました。

これらは鹿の食害を防ぐだけでなく、他の動物たちの往来も妨げてしまいます。目の細かなネットを

張っているのはノウサギの侵入も防ぐためです。

 

鹿の侵入だけを防ぐ植生保護柵は目の大きなネットのみ張られていますが、それでもツキノワグマなど大型動物の往来は妨げられてしまいます。

 ちなみに、ツキノワグマは丹沢山系にわずか20頭ほどしかいないと言われています。

しかも、富士山系・奥多摩山系とは道路で分断されてしまっているため、クマ同士の往来がしにくい状態です。近親交配による生殖力の弱体化が心配されています。

 そこで、富士山系・奥多摩山系とコリドー(緑の回廊)で結んでクマの往来を活発にする事が検討されています。

でもそれ以前に、山の中の自由な往来が柵で妨げられてしまっているようです。

 

 

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ネットも倒木や大雪で壊されてしまいます。壊された後には鹿が侵入した足跡がついていました。

 

 

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こちらはだいぶ大きく育った木です。「これだけ育ったらひと安心!」とはいきません。

樹皮を食べられてしまうとせっかく育った木も枯れてしまいます。

 

 

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午後になって霧が出てきてしまいました。ぼんやりと鹿柵が立ち並んでいる様子が分かります。

登山道からは見えにくいのですが、このような柵が延々と続いていて万里の長城の様です。

う~ん、健全な森の状態とは言えません・・・。

 

 

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ちなみにこちらは鹿ではなく、登山者の踏み跡の植生回復中の様子です。

ネットを張って土壌流出を防ぎ下草を生やしています。

皆さんも山を歩く時は登山道を踏み外さずに歩きましょう!

 

今回の山歩きでは鹿には出会いませんでしたが鹿の痕跡を至るところで見ることができました。

ちなみに今、丹沢では登山者がヤマビルに吸血される事が多くなっていますが、ヤマビルも鹿に付いて生息域を広げているとのことです。(虎谷も2回ほどかまれてしまいました!)

 

鹿の大増殖の問題は地球温暖化や限界集落、林業、リゾート開発など今の日本が抱えている課題の表われようです。

鹿を食べて数を減らすことで全ての課題が解決できるとは考えられませんが、鹿の食害を少しでも減らすために今私たちにできる事は、鹿肉を食材としておいしく食べることだと思います。

食材という「価値」をつけてあげることによって、害獣として駆除され処分されている鹿たちが

「地域の大切な資源」として見直されることが期待できます。

資源が活用されることで雇用が生まれ、お金が循環することによってその地域が元気になり、

自然環境と人間が共存できるようになるといいのですが。

 

 

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丹沢産の鹿のグリルです。(調理:レストラン THE WAKO)

エゾシカに比べて脂肪が少なくあっさりした味でした。塩と胡椒のみで頂きましたが美味しかった!

「たべまも」キャンペーンに関わり鹿肉に親しむ機会も増えたため今ではすっかり鹿肉の味が我が家の味に定着してきました。鹿の猟解禁は秋。待ち遠しい秋の味覚になりました。 

まだ鹿を召し上がったことのない皆さんもこの秋はぜひ鹿肉デビューをしてみてください。

もちろん、大地を守る会でも鹿肉とその加工品を紹介していきますので注文してください!

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2010年7月29日

「千葉畑の会・スイカ食味会」に行ってきました!

とらちゃんこと虎谷健です。

皆さんは7月の3連休、どのように過ごされましたか?

大地を守る会では海の日の恒例イベント「千葉畑の会・スイカ食味会」を今年も行いました!

 

今年は春先に寒さが続いた為、スイカの苗の生育が心配されました。

スイカ食味会で食べさせてもらうスイカは、この交流会のためだけに作られている品種もあるため、

生育が心配。

でもさすがプロです!どのスイカもぴたりと交流会に合わせて熟期を迎えていました!

 

 

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会場の千葉畑の会の内田さんは代々続く農家さん。交流会会場となる納屋も広くて立派です!

柱も梁も太い!

 

 

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こちらは出荷を待つスイカたち。「食べてみて~!」と訴えているようです。

家族の人数が減ってか小玉スイカが人気のようですが、やはり夏に一度は大玉スイカをガツン!と

食べたいものです。

この夏、我が家では親戚が集まってバーベキューを楽しみますが、大玉スイカもぬかりなく手配しました!

大ぶりに切ったスイカにかぶりついて種をピュッ!ピュッ!と飛ばしてお行儀ワルで楽しみます。

夏のイベントには欠かせません!

 

 

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いよいよ食味会の開始です!

6種類のスイカ(祭りばやし・縞王・新三山・タヒチ・ゴールデン旭都・マダーボール)を食べ比べました。

昔からのロングセラーの品種から、今ではもうあまり見なくなってしまったもの、それぞれの特徴や

どこが難点だったか、などを経験を交えて教えてくれます。

プロのスイカ農家さんから聞くスイカの種類の変遷は興味深いです。

テレビの取材も入りました!

 

 

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みんなでスイカを頬張りながら記念撮影。美味しそうですね!

 

 

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スイカをたっぷり堪能した後は畑の見学です。

説明は内田和洋さん。「スイカの交配はミツバチで行うんですよ~。」と。

8月に入ると秋に出荷する人参を蒔くそうです。「人参は水が好きなんです。水やりが大変なん

ですよぅ~」とのこと。暑い中ごくろうさまです。

 

 

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子どもたちはさっそく虫取り?いえいえ、畑見学の時に草取りのお手伝いをしました。

この作物は落花生。脇に生えている草、スベリヒユとちょっと似ているので要注意、です。

 

ちなみにこのスベリヒユ、茹でてマヨネーズで食べると美味しいとのこと。

生でかじってみるとクセもなくほんのり粘りがあって「夏野菜」という感じでした。

さっそく我が家に帰って試食。お酢好きの我が家では酢醤油が評判良かったです。

「雑草」から「夏野菜」に昇格です。さらに「タダで生えてくる。」という特徴が評価されて「夏野菜の定番」

まで2階級特進も間近か、か!?(笑)

 

 

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暑い中、黙々と草取り体験に取り組んでいただきました。

みんなで一斉に草取りをしてすぐにきれいになりました。

 

 

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畑見学&草取りお手伝いを終えて会場に戻ると、とうもろこしとジャガイモを頂きました。

すべて内田農園ものです。美味しかったです。

子どもたちは大根を洗う水槽で水遊びです。楽しそう!

 

 

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内田さんの畑に隣接する雑木林は生き物の宝庫。

稲作体験田企画の自然ガイドでもおなじみの生き物はかせ・陶武利さんに、今年も自然観察ガイドを

お願いしました。

さて、どんな生き物が見つかるかな?

 

 

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ノコギリクワガタをゲット!

全部で15匹のカブトムシ、クワガタ、玉虫を捕まえました!

 

「こんなに獲って大丈夫?」という声もありましたが、陶さんによると「雑木林がしっかりしているから

このくらい獲ってもびくともしませんよ。」とのことです、ご安心を。

確かに、毎年イベントの際にこの林からは数十匹の虫たちをわけてもらっていますが、虫が減って

いる様子はありません。

 

 

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今回の自然観察会のサプライズは日本の国蝶でもあるオオムラサキを見つけた事です!

長年、自然観察を行っている陶さんも「力が強い蝶です!興奮しました!」とのこと。嬉しそうですね!

前回は千葉県では珍しい、ヒラタクワガタも見つけました。この雑木林の豊かさが伺えます。

オオムラサキはこのあと逃がしてあげました。

 

 

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自然観察も終えて会場に戻って今回捕まえたクワガタとカブトムシを欲しい子どもたちに分けました。

人数分はいないのでじゃんけんで持ち帰れる人を決めました!

真剣勝負のじゃんけんです!負けて泣いちゃう子もいませんでした。みんな、立派だな!

 

 

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集合した時に行った目方当てクイズの当選者には目方を当てたスイカをプレゼント!

15.1kgの堂々とした大玉スイカです。

 

 

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交流会を終えてセミの声に送られて帰る夕暮れの内田農園。

左奥のこんもりした屋敷林(?)が内田さんのお宅です。トトロが居そうな大きな木ですね。

こんな農村らしい風景がずっと保たれる事を祈りたいです。

皆さんも国産農作物を買い支えて、農家さんを応援してくださいね!

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2010年7月 2日

太陽油脂工場見学に行ってきました!

今日は、2010年4月28日に開催れた太陽油脂工場見学について、ご紹介します。

 

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太陽油脂の長谷川治さんの講座でスタート。

石けんとはなにか、合成洗剤との違いをユーモアを交えてお話しいただき、会場が笑い声に

包まれることがしばしば。 

 

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長谷川さんのお話しは、実習や実験を取り入れて、視覚的にもわかりやすい内容です。

ちなみに、一番手前の女性が振っているのは、石けんの原料をいれたペットボトルが入った袋。

一日みんなで順番に振り続けます。さて、講座の最後にはどうなっているでしょうか?

 

 

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お話しの後はいよいよ工場見学へ。

工場の敷地内なので、トラックやフォークリフトには気をつけます。

 

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上の缶は、太陽油脂から大手食品会社に納品する食用油。

「太陽油脂」のお名前からもわかるように、太陽油脂は天然の油脂を原料とした

食用油を取り扱う会社。

その食用油を原料に、パックスナチュロンの製品が生まれるのです。

 

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工場の見学コース。ガラスの向こうで石けんが作られます。

 

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工場見学中も、参加者から参加者へ石けん原料の入ったペットボトルが手渡され振られます。

 

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こちらは、石けんを乳化する作業スペース。

乳化とは、混ざり合わない2つの液体が均一に混ざっていること。

 ここでは、水と油を石けんで乳化させて、UVクリームやハンドクリームなどを作っています。

 

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工場見学が終了し、お話しの部屋に戻りました。

参加者同士が協力して、ずっと振られ続けたペットボトルのなかで、

ドロドロの石けんができあがりました。

 

 

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最後は、石けんキットを使って、オリジナル石けん作り。

袋の上から石けんを練って練って型に入れて出来上がり!

石けん作りの間も、質問が続々と出されました。

出席者の石けんへの関心の高さがうかがえる時間でした!




2010年6月28日

タイから研修生がやってきました

とよまること、豊島です。

 

5月17日からタイの研修生ダイエー・セイリさんがやってきました。

6月25日までの40日間、大地を守る会の生産者などをまわって日本の農業を体験しました。

ダイエーさんはタイの少数民族のために、北タイチェンライ近郊に研修農場を運営しています。

大地を守る会とは20年近くのおつきあいがある方。ラフ族のリーダーです。

日本の農業は何度も体験していますが、今回はあらためて基礎から勉強です。

 

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まずは茨城県の小野寺孝一さんのネギ畑で草取りを体験。

左側の方が小野寺さん、右側が研修生のダイエー・セイリさん。

小野寺さんはメロン職人としても有名な生産者です。

 

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ネギの脇から顔をだしている草を抜いていきます。放っておくとネギが溶けてしまうそうです。

このネギは秋口の出荷予定です。

 

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タイではこのような除草はしないようです。

腰が痛くなるというよりは5月末の寒さに震えていました。

 

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この日は大地を守る会の職員による援農の日だったので、畑には職員もちらほら。

みんな地面を見ながら雑草と格闘しています。となりのハウスでは、メロンの作業が進行中。

 

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大地を守る会の職員に対するレクチャーも行いました。

大地を守る会では、会員さん向けの他、職員に対する勉強会も行っています。

今回はラフ族とタイの暮らしについて話を聞きました。

タイの農業も日本の農業につながっています。

 

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法政大学の講義にも特別講師として参加。ここではアジアの少数民族と農業について話をしました。

 

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講義も慣れた様子でしょうか?

もともと流ちょうに日本語を話しますが、ここ数日で日本語もさらに上達しています。

 

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北海道で畜産の勉強もしました。将来の夢は北タイで牧場をつくること。

 

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6月23日、大地を守る会 アジア農民元気大学の講義として研修の成果を発表。

20名を超す関係者が集まりました。となりの方は、顧問の小松光一先生です。

(アジア農民元気大学は、海外からの研修生を受け入れるための架空の大学です。)

 

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理事長の藤田和芳より卒業証書を受け取りました。

藤田はNGO大地を守る会の会長ですが、アジア農民元気大学の理事長でもあります。

 

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6月25日無事帰国の途へ。今回の研修が山岳民族の農業普及に役立つことを祈りつつお別れです。

いずれ機会をみて彼の農場もレポートしたいと思います。

 

大地を守る会 国際局 豊島 洋



2010年6月24日

3,000人で消灯カウントダウン!「100万人のキャンドルナイト@増上寺」開催しました!

ユージこと大北雄二です。 

100万人のキャンドルナイトキャンペーン事務局である大地を守る会は、6月20日(日)に

東京タワーのふもとの増上寺で「100万人のキャンドルナイト@増上寺」を開催しました。

 

今年で8回目の本イベント。

梅雨時ということもあり、これまで晴れたのはなんと2回だけ。

今回は天気にも恵まれ、多くの皆さんにご来場いただきました。

 

以下、準備から本番までダイジェストでレポートします。

 

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昼間の増上寺。

このまま雨が降らずにたくさんの人が来てくれたらいいなあ~、と思いながらただいま準備中。

 

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夕方になって、スタッフがキャンドルに点火していきます。

300個のキャンドルが会場内に灯されました。

 

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ブースエリアでは、さまざまな団体が環境にやさしい独自の取り組みを 楽しくアピールしました。

 

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大地を守る会では、3/28にエキュート東京にオープンした大地を守るDeliのフードマイレージ弁当と、

カフェツチオーネ自由が丘店のお菓子を販売。

見事に、完売しました!

 

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ステージでは、

明星学園、竹村真一さん、yaeさん&KAIさん、Skoop On Somebodyさん、中孝介さんに

出演いただき、トークにライブにと盛り上がりました。

暗くなるにつれて、キャンドルと東京タワーのあかりが映えてきました。

 

そして、いよいよクライマックス。20時が近づくとカウントダウンが始まって、

こうこうと闇を照らす東京タワーの灯りが・・・ 

 

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会場のカウントダウンで見事に東京タワーが消灯!

ブースもキャンドルの明かりだけとなり、会場内は幻想的な雰囲気につつまれました。

 

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持参したキャンドルを灯して楽しむ参加者も。

みなさんどんな思いでこの夜をすごしたのでしょうか。

 

キャンドルナイトはこの日6月20日(日)をスタートに7月7日(水)まで呼びかけをしています。

ぜひご家庭でも電気を消して、幻想的な夜をすごしてみてはいかがでしょうか。

 

大地を守る会 交流局 大北雄二



2010年6月20日

100万人のキャンドルナイト@増上寺 開催状況について

100万人のキャンドルナイト@増上寺の開催状況をお知らせいたします。

 

◇◆◇予定通り開催です!6/20(日)8:00現在◇◆◇

  

開催概要・ステージスケジュール詳細などはこちらをご覧ください。

 

今日は天気にも恵まれそうです。 

みなさまのお越しをお待ちしております!

 

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大地を守る会 交流局 中島 俊寛



2010年6月14日

古着の行方を追いかけて(2) コンテナ積み込み編

とよまること、豊島です。

6月2日(水)、千葉県千葉市にあるJFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)から、古着の

コンテナ積み出しがありました。

大地を守る会の皆さんに呼びかけた古着回収ですが、集められた古着は分類されてからコンテナに

積み込まれてパキスタンに送られます。

 

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山と積み上げられた古着のロール。品目ごとに分類され、1ロール50キロになります。

 

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古着の積み込みはボランティアの方々によって行われます。

8:30AMより作業開始。作業内容が黒板に掲示されます。 怪我の無いよう頑張ろう!

お昼はパキスタンカレーが出ます。

 

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今回はパキスタンから支援先のアルカイールアカデミー校長、ムザヒルさんたちも参加。

JFSAスタッフの入江君とともに作業に汗を流しました。

 

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ローラーの上を古着のロールが流れていきます。内容を確認してシールを張り付けてから積み込みます。

 

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ここからは男の世界。力自慢の若者たちが、力を合わせて積み込んでいきます。

 

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キッチリと無駄なく詰め込むために、最後のロールは気合いを入れて押し込みます。

 

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やっと終わりました。のべ40名のボランティアの皆さん、お疲れさまでした。

 

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最後にコンテナの蓋が閉じられて、このキーで封印されます。

カラチ港でこれが壊れていたら誰かが空けたことを意味します。

検査で開けられることもあるそうですが、中身が抜かれていることが多いそうです。

はたしてこのコンテナは無事に届くでしょうか。

 

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輸出用の書類も整えられて、東京港へ出発!

アジア各地の港に立ち寄りながらカラチ港に届くのは7月中旬です。

次回は現地の様子をお伝えします。

 

大地を守る会 国際局 豊島 洋



2010年6月 4日

古着の行方を追いかけて(1) JFSA編

とよまること豊島 洋です。

今日は会員の皆さんが古着を送っていただいているNPO法人JFSAを訪ねました。

JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)は、大地を守る会の他、生協などに呼びかけて

古着を回収しています。

送られた古着は販売され、その売上金はカラチ市(パキスタン)のスラムにある学校「アルカイール・

アカデミー」を支援するために使われています。

今回は千葉市にあるJFSAの本部ともいうべき場所を訪問しました。

 

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これが、JFSAの外観(事務所、倉庫、店舗)。

千葉県千葉市中央区都町にあります。前には公園があってとてものんびりした雰囲気。

 

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店舗の入り口です。

回収された古着は、国内向けとパキスタン向けに分けられてから、日本向けはこの店舗や、柏市に

あるもう一つの店舗「KAPRE(かぷれ)」、さらに休日の明治公園や新宿中央公園等のフリマで販売

されています。

 

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これが店舗内の様子。

季節に応じて品ぞろえを調整しています。夏向きの掘り出し物は今がチャンス!

 

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皆さんからの古着はこんな感じで届きます。きちんと包装されていてありがたいです。JFSAの

スタッフからも感謝の言葉をいただきました。送る方の温かい気持ちとモラルが感じられます。

1年に2回回収を行いますが、1回で約26トンが集まります。

うち大地を守る会の会員さんからは5トンほど。

 

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届いた古着の封を解いて、品目ごとに仕分けます。

フルタイムスタッフ3名のほか、アルバイトの方3名が仕分け作業を行っています。

仕分け中も古着が届くので、大忙しです。

 

パキスタンはイスラム教徒の国なので、女性の肌が露出するタンクトップなどは売れません。日本で

売ることになります。日本での売り上げは、JFSAの運営費とスタッフの給料に。

 

パキスタンに送り出した古着は、現地の業者に販売します。その売り上げがアルカイール・アカデミーの

運営費の一部となります。

パキスタンでの売れ線は、カバン類、ハンカチ、女性の下着(ブラジャーなど)とのこと。

 

アルカイール・アカデミーは、カラチ市のスラム地域にある学校で学費無料です。

なお、パキスタンには、義務教育制度がありません(!)。学校はそれぞれの経済的状況に合わせて

存在していますが、無料の学校は神学校が多く宗教的にかたよることが多いとか。

アルカイールアカデミーではそのようなことはなく総合的な教育をしています。

(詳しくは7月に現地報告しますね。)

 

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パキスタン向けに分けられた古着は、品目ごとに50キロのかたまりにされ、次の船積みを待ちます。

次回のコンテナ積み込み予定は6月2日。

コンテナへの積み込み作業はボランティアの力で行います。

 

そして古着はいよいよ海外へ!詳しい状況は後日お知らせします。

 

大地を守る会 国際局 豊島洋



2010年5月10日

大地を守る会の野菜とシカ肉でランチを楽しみました!

とらちゃんこと虎谷健です。

「大地を守る会の野菜をプロの調理人に料理してもらったらどんな料理になるのだろう?」そして

「旬の食材と鹿肉料理でランチを楽しむ企画を作りたい!」という希望を、古くからの大地を守る会の

会員さんでもある、銀座和光の鈴木康太郎総料理長さんに今回も叶えていただきました。

 

昨年11月に行なった鹿肉の美味しさを皆さんに知っていただく企画「鹿肉料理を楽しむ夕べ」では、

鹿肉の美味しさを多くの皆さんに知ってもらいたい!という想いが先行してしまい、料理に添えられる

野菜には100%のパワーを注ぎ切れなかったのですが(「頑固な八百屋」を自称していた大地を守る会の

職員なのに申し訳ありません!(#^.^#) )、出てきた料理に添えられている様々な野菜のおいしさ、

そして想像もつかない調理法にすっかり魅了されてしまいました。

 

そこで、今回も鹿肉の美味しさを皆さんに知ってもらうための食事会でしたが、さらに、一緒に食べる

野菜にもこだわるべく、あらかじめ鈴木シェフに無理なお願いをしてしまいました。

・「旬の野菜を当たり前の食べ方でない調理法で食べさせて!」

・「素材の概念が引っくり返るような感動をしたい」

・「おいしいものが食べたい。」

などなど。

 

さて、どんな食事会になったでしょうか。 

 

 

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今回のランチには24人の方が参加してくださいました。

和光レストランこだわりの「料理を楽しむための空間」です。奇抜な食器を使ったり余計な装飾などは

施されていませんが、椅子や食器、クロス類に至るまで注文品で揃えられています。

 

 

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生産者の名前入りの立派なメニューも作っていただきました。

どんな料理か想像もつかない名前が並んでおります。・・・でも美味しそう!

 

 

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「小さなオードブル」島らっきょうのフライです。

らっきょうをすりつぶし魚肉とまぜることでマシュマロのようなふわふわの食感になっています。

その上に超極細麺のかた焼きそば(失礼!)のようなカリカリの衣がかかっていて、いっしょに口に

含むとカリカリ、ふわふわが一緒に味わえて心地良い食感です!

まさに「口福」な時間でございます。

胃袋が美味しさに震えてピンボケになってしまいました!失礼!

 

 

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「大根のブレゼとフォワグラ お米のリゾット添え」です。

大根にどのような味付けをすればこのような味になるのかを、舌の上で転がしながら一生懸命に

考えてしまいました。

ちなみにお米は「やまろく米出荷協議会」の七分米です。

肉などに合わせる時は白米ではなく、あえてお米の香りが高い七分米を合わせるそうです。

肉の風味(クセ?)とマッチングさせてさらに昇華させ、芳香とするのがポイントだそうです。

 

大地を守る会では五分搗き米、七分搗き米など米の味を楽しんでもらえる分搗き米を積極的に販売

しています。その分搗き米を使ってさらに美味しさを引き立ててくださる鈴木さんはさすが大地を守る会

会員歴の長い方です!ツボをおさえてくださっています。ありがとうございます。

 

 

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大根に複雑なうまみが加わり玄妙な味です。

 

 

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「桜鯛のティアン 春キャベツ添え」です。

 

 

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桜鯛の下に敷かれた春キャベツに魚のうまみが浸みてとっても美味しい!美味しすぎました!

キャベツをかじった時に感じる独特の風味・・・ちょっとクセのある風味さえもが調味料になっていて

魚の味をきっちり受け止める感じです。それにしてもやわらかな味です。

参加者の方がポツリと「やさしい味だよね...。」

たしかにその通りの味でございました。

 

 

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メインの「えぞ鹿ロース肉のグリエ ディアブル風」が登場しました。

前回の鹿肉食事会では、鹿肉を初めて食べる方にも親しんでもらえるようにと、パイ皮包にしていた

だいたりワインでしっかり煮込んでいただいたのですが、前回の参加者の皆さんが鹿肉に違和感なく

楽しんでいる様子を見て今回は直球勝負!

肉そのものの味を楽しんでいただけるようにグリエで出して頂きました。

プロの職人さんがスジなどを丁寧に取り除いてくださっているのでしょうが、「これが野生のお肉?」と

思うほど柔らかなお肉でした。

肉の表面にはちょっとマスタードをまぜたパン粉がふられ、見た目もきれいです。

肉の周りに添えられている旬の野菜はちょっと辛めのジャガイモのソースと一緒に食べました。

 

どれもおいしかったです。...う~ん、「おいしい」としかいえません。

美味しさを表現する語彙が少ないことを痛感してしまいます。普段の食生活であまりにも「素材の味」に

頼り切っているためでしょうか。時にはこのようなお料理をいただいて舌を鍛えなくてはいけません。

 

 

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「これはどんな調理をしてこのような食感になるのだろう?」、「こちらはええと・・・」などと考えていて

息付く間もなくデザートです。 

柑橘のジュレを出していただきましたが、この1皿のなかに甘夏、ニューサマーオレンジ、清見オレンジ、

福原オレンジ、レモンが入っています。一粒ずつかみしめていただきました。

 

 

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お世話になった鈴木康太郎さん。デザートの時間に挨拶に来てくれました。

各テーブルをまわって参加者の皆さんの質問などにも応えてくれていました。

(すみません!料理に夢中で、今回鈴木さんの写真を撮り忘れました!前回の夕食会の写真から拝借。)

 

今回の野菜にも焦点をあてた食事会企画は大成功でした。

普段食べている野菜がプロの調理によって想像もつかないような料理になって登場しました。

これはどんな調理をされているのだろう?などと考えていて、気がつけば料理の写真以外を取り忘れ

ていた程です!(<(_ _)>)

参加した農産チームの職員が「生産者にもこの料理、食べさせたい...」とつぶやいておりました。

そうですよね、自分が育てた野菜がこんな料理にしてもらえたら、生産者冥利に尽きる事でしょう。

生産者の皆さんにも味わってもらえる機会を作りたいと思いました。

次回はこの企画をさらに野菜に焦点をあてて開催したいと思いました。

 

鈴木シェフにまたムリなお願いをして今後も野菜をメインにしたフランス料理を楽しむ食事会を開催

したいと思いますので、皆さんも普段の野菜が大変身する驚きを味わいにぜひ参加してください!

お待ちしております。 

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2010年4月27日

「NEWS大地を守る」6月号はキャンドルナイト特集

09年4月27日(byナカティ)

 

大地を守る会では、毎月1回、会員の方に配布する機関誌「NEWS大地を守る」を発行しています。

現在、その6月号(5月31日~配布)を制作しています。特集は「100万人のキャンドルナイト」。

ご存知の方も多いとはおもいますが、100万人のキャンドルナイトは、2003年の設立当初から大地を

守る会が事務局を務め、会長の藤田和芳も呼びかけ人代表として活動しています。

夏至と冬至の夜、20~22時にでんきを消し、キャンドルの元でスローな夜を過ごそう、と呼びかける

キャンドルナイトも、今年で8年を迎えました。

 

今回の「NEWS大地を守る」では、改めて大地を守る会が日頃取り組んでいる「日本の第一次産業」

とキャンドルナイトの関係について考えみました。

表紙に"食"と"キャンドルナイト"の関係性を印象づける素敵なビジュアル(写真)を載せ、思いを巡らし

てほしいと編集部で相談しました。

その結果、大地を守る会の会員さんにはお馴染みのフードコーディネーターである根本きこさんのお

店「Coya」で撮影をさせていただきました。

 

撮影は、4月20日の18時から。

ただでさえ、雰囲気がよく、素敵な装飾の根本さんのお店に、うっすらと浮かぶキャンドルと美味しそ

うな料理たち。思わずため息がでるような幻想的な空間に酔いしれた撮影現場でした。

ぜひ、6月号の「NEWS大地を守る」をお楽しみに!

 

さて、撮影に入る前に根本きこさんから、三浦半島の生物多様性の宝庫「北川湿地」がもしかしたら

失われてしまうかもしれない、とお話しをもらいました。

里山の生き物を豊かに育む湿地の保全に、声をあげていきたいそうです。

5月5日に、湿地を2000人で手をつないで囲んでしまおう、という呼びかけも行われています。

http://www.kndmst.net/mito/tetunagi.pdf

ご興味ある方は、ぜひ足を運んでみてくださいね。

 

大地を守る会 事務局 中川啓



2010年4月12日

中津ミートさんの「菜の花まつり」に行ってきました。

とらちゃんこと虎谷健です。

中津ミートさんの新豚舎完成祝いも兼ねた「菜の花まつり」に出掛けてきました。

「あれ、そのイベント申込み募集してた?」と思った方は「NEWS大地を守る」をよく読んで

くださっていますね。ありがとうございます!

実は、この催しは中津ミートさんにとっても初めての試みだったので、松下さんが知り合いだけに

声を掛けた「内輪の会」だったのです。

私が大地を守る会を代表して出かけてきました!(*^_^*)

 

 

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新豚舎とその向いにある菜の花畑。

新豚舎建築の際に、向かいにある畑も引き取りました。花を咲かせた後、実を生らせ菜種油を搾る

そうです。

 

 

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豚舎からは丹沢山系が望めます。写真の山は仏果山。神奈川県民の皆さんにはハイキングで

おなじみの山ですね。 

広々とした空間で「ほんとにここが神奈川県?」と思ってしまえるような、のどかな風景がひろがっ

ています。

 

 

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桜の花も咲いています。新豚舎の名称は「桜農場」。豚舎周辺には桜並木があります。

 

 

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松下さんの呼び掛けに集まってきた参加者。

「友人に声を掛けただけだからどれだけの人が集まってくれるか判らないな...。」と不安げだった

松下さん。しかし、友が友を呼んでたくさんの人が集まりました!松下さんの人徳ですね!

参加者は各自めいめい好きなものを焼いてバーベキューを楽しんでいました。

 

 

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中津ミートのイベントにはやっぱり豚汁でしょう!菜花も入れて美味しくいただきました。

 

 

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子ども向けにはよーよー釣りも!

 

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なぜか観光地でよく見かける記念撮影用のパネルも登場。「なんでここに?」と思いましたがけっこう

人気で皆さん記念撮影。

どうやら松下さんの友人が「お祭ならこんなものがあっても良いだろうな。」と思った物を持ち寄った

みたいです。

 

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菜の花畑では菜花摘みも行われていました。生のままかじってもおいしい菜花でした。

 

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新豚舎の全景です。祭会場のすぐそばにありますがまったく豚のにおいがしません!

この豚舎は「近代的自然豚舎」と呼ばれており、自然豚舎の仕組みを活かして大規模にしたものです。

床には約1.2mの深さのスペースがあり、そこに剪定枝などのチップを敷き詰め、その中に乳酸菌を

中心にした土着微生物を繁殖させ、豚の糞尿の分解をさせています。

乳酸菌の働きのためでしょうか漬物のような香りがするだけです。通りすがりの人は「こんなところに

漬物工場ができたんだ。」と思ってしまうことでしょう。

 

「う~ん、山小屋なんかで見かけるバイオトイレと同じ仕組みかな。」と思ったら!

  

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会場のトイレも微生物の力を借りたバイオトイレでした。

山小屋などでよく見かける、おがくずに微生物をすまわせて排泄物を分解するトイレですね。

仕組みは生ゴミ処理機と同じです。

豚舎もトイレも微生物の力を存分に引き出した仕組みを活用しています。

 

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さあ、バーベキューも楽しんだし、いよいよ豚さん達のご自宅拝見!と意気込んで豚舎に向かい

ましたが、病気予防のため内部にはご案内できません、とのこと!    

「豚から人間への病気予防」ではなくて「人間が病気を持ち込んで豚にうつさない為」の措置で、

スタッフ以外の出入りは厳しく禁止されているそうです。豚舎見学は泣く泣く断念。

 

豚舎内には土着微生物に空気を送るため、床チップを移動しながらゆっくりとかき回す巨大なスク

リューが動いているそうです。巨大スクリューが稼働している様子が見たかった!

たまに、ぼ~っとしていた豚さんがスクリューに持ち上げられたりしないのだろうか、もし持ち上げられ

たら「ピッグりした!トンでもない機械だ!ブッ~!」とか怒ったりしないのだろうか(笑)・・・見たかった!

 

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見学ができず、しょげている虎谷を気の毒に思ったのか「建築中のものだったOK」の了解をいただきました。

この豚舎は離乳直後の子豚を少し大きくなるまで育てる施設なので少し小さめです。

離乳直後の子豚は匂いが強い、とのことで臭気分解のためのバイオエアクリーンシステムもしっかり

したものが備えられています。

 

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建築途中の豚舎に入るにも敷地内に立入るために白衣とビニルで全身を覆います。

他に「7日間以内に他の豚舎に入りましたか?」、「他の豚舎に入る予定がありますか?」などの

質問項目が並んだ質問用紙への記入も必要でした。

 

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建築途中の離乳直後の子豚を育てる豚舎です。

木枠と排気ダクトが付いている壁の間の空間に、微生物をすまわせた「バイオエアフィルター」と呼ば

れる装置を設置します。

この装置は、和紙を何層にも重ねたような素材に微生物をすまわせ、微生物の層を通過する際に

臭気の原因となるアンモニアや粉じんなどを吸着、分解させ、臭気を取った空気を排気する、という

仕組みです。

この装置を働かせるために必要なのは、微生物に水分を補給するための噴霧器と、排気のための

ダクトを動かす電力だけです。

日本はもちろん、世界的にも畜舎の臭気対策は大きな課題だそうですので、このような装置は

これから普及してゆくのでしょう。実際に畜産関係の方からの見学希望も多いそうです。

 

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子豚豚舎見学の後はもう少し大きくなった豚たちを見せてもらいました。

こちらはオス豚。「もののけ姫」に出てくるいのししの様な貫録たっぷりな豚ですね。

 

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こちらは少し大きくなった豚たち。人が来るとざざっと逃げますが、すぐに興味深げに近づいてきます。

わらわらと近づいてきたので顔を向けて視線を合わすと、またざざっと逃げたりぴたりと止まって動か

なくなったり...。

豚たちの反応が面白くて視線を合わせたり、外したり...。

 

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目があってピタリと立ち止まっている豚たち。豚と「だるまさんが転んだ!」をやっているみたいでした。

ふかふかのチップが気持ちよさそうですね。

 

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最後に堆肥場を見学しました。

豚舎の床に敷き詰めているチップは、ある程度使ったら取り出して新しいものに入れ替えます。

使い終わったチップはさらに発酵させると良質のたい肥になります。この堆肥は近隣の農家さんに

分けてあげているそうです。

 

今回中津ミートさんの新豚舎見学をして衛生面の厳しい管理を実感することができました。

「そのうち、落ち着いたらぜひ豚舎見学でも...」と考えていたのですが、見学会を開催する事は難しそうです。

残念ですが、中津ミートさんから届く美味しいソーセージなどを堪能しながら厳しい衛生管理と最新の

養豚場の中で育てられる豚たちに想いを馳せ、養豚という仕事を応援してゆきたいと思いました。

...でも、来年の「菜の花まつり」を皆さんにご案内できるよう、松下さんへの働きかけを行っていき

ますのでお楽しみに。 

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2010年3月30日

「神泉・食と農の畑の樂校」の現地説明会を行いました。

とらちゃんこと虎谷健です。

 

だいぶ春めいてきましたがまだまだ寒い日もあります。3月は天候も不安定ですから皆さんも

体調管理には気をつけてくださいね。

 

今年で4年目を迎える「神泉・食と農の畑の樂校」企画の現地説明会を行いました。

説明会が行われるのは畑の樂校の畑がある、埼玉県北部にある神川町。

あれ!「神川町」なのになんで「神泉」なの?と思われた方はするどい。

実は4年前にこの畑の樂校企画を始めた時、この地域は「神泉村」という村だったのです。

それが町村合併を経て、「神川町」になりました。

 

農業には全くの素人の私たちの願いを聞いてくれて「やってみてごらん」と快く畑を貸してくれた村長さん、

「草出すなよ~」と言いつつ、夏ごろには「まだあいつら続いているな」、秋頃には「なかなか続くじゃないか!」と

暖かく見守ってくれた地域の皆さんに敬意を表し、企画名に「神泉」の名称を残しているのです。

 

 

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参加者の皆さんが集まる前に畑の様子を見て来ました。

 

ほとんどの作物は収穫を終えて耕運機で耕されています。耕運機を使うのは年に2回ほど。

様々な作物が植わっているので、普段は必要な場所だけ鍬で耕しています。

そして畑が空くこの時期に、ほぼ全面を耕します。

雑草などもそのままに、一気に耕し、少し間をおいてからもう一度耕運することで、雑草の勢いを

抑え込んでしまいます。

 

 

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そら豆の苗です。赤城おろしが吹き付ける神泉の冬を乗り切りました。 

 

 

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村内を歩くときれいな水路が流れています。クレソンも生えていて沢ガニもたくさんいます。

川の音を聞きながらの生活っていいですね。 

 

 

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こちらのお宅は野菜を洗う場所も作っています。身近かにきれいな水が流れている生活ってうらやましいなぁ!

夏ならスイカやビールを冷やしても良さそう!

 

 

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説明会時間は約1時間半。東京から片道100kmもあるこの土地に、たった1時間半のために来て

いただくのは申し訳ない限りですが、参加申し込みいただく前に一度現地を訪ねてもらい、果たして

一年間通えきれるかどうか確かめていただきたい想いがあったのです。

室内で畑の樂校企画の概要をお話した後は「実際に畑を見ていただきましょう!」ということで

さっそく畑を見に行きました。

 

この日はちょうど、09年度の畑の樂校の最後の開催日です。すでに畑では皆さんが集まって

作業をしていました。ここで講師をお願いしている生産者、庄司義孝さんの紹介を行いました。

 

 

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今日の作業はじゃがいもの植え付けです。一年間、畑を耕してきた皆さんは手際がいい!

このじゃがいもの収穫は6月ですので10年度の参加者の皆さんが収穫を楽しみます。

09年度参加の皆さんの中にも継続を申し出てくれている方もいらっしゃいます。

 

 

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畑の樂校の現地窓口を担当して下さっている㈱ヤマキの角掛康弘さん(右端)の説明を聞きます。

杉林に囲まれている神泉で花粉症は少しつらそうです...。

 

 

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09年度の畑の樂校の最終日ということでなんと、ヤマキさんが昼食を用意してくれました!

「説明会に参加した皆さんもご一緒に!」とうれしいお誘いです。

おしゃれな庭を眺めながらヤマキさんの食材で作ったお昼ごはんをいただきました。

これを食べちゃったら、もう参加するしかないですね!(笑)

 

 

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09年度畑の樂校を頑張りぬいた皆さん。

抜いても抜いても生えてくる雑草にも負けず、葉の裏に潜んでいるあおむしの驚かしにもひるマズ、

夏の暑さにも冬の木枯らしの冷たさにもマケズ

イツモニコニコワラッテイル

サウイフモノニワタシモナリタイ

 

今年4月からの「神泉・食と農の畑の樂校」

今年は途中からの参加申し込みも受け付けますので「やってみよう!」と思われた方はぜひご連絡ください。

 

なお、今年は6月の大豆の播種にあわせて「大豆組」という大豆栽培体験に特化したクラスも設けます! 

畑の樂校で皆さんと畑を耕していただき、大豆の世話がある時はそちらの作業体験をしていただくクラスです。

6月中旬の播種、7~8月の草取り(この作業が大豆栽培には大切!)、11月の収穫体験と豆の選別を

体験していただきます。

また、その収穫した大豆を使って冬の手作り味噌も仕込むこともできます。

自分で世話をした大豆で味噌を仕込む...。ホントの手作り味噌ですね!

 

 

皆さんが昼食を楽しんでいるのを横目に私は次の訪問地、瀬山明さんのお宅へ向かいました。

 

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瀬山さんのお宅にある蔵を改装したおしゃれな空間で、5月16日(日)に行われる「本庄総合公園春まつり」の

出店打ち合わせを行いました。

テーブルの下には映写機が。こんな部屋で映画を見たら気分良さそうです。

今回、春まつりに皆さんで出店するのは初めての試みです。 

 

 

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松田マヨネーズの松田優正社長と娘さんの沙千さん。木曽馬とどさんこを神川で飼っていて

お祭に連れてこれないか思案中。

 

 

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右から高橋ソースの高柳圭司さんともぎ豆腐店の石川修さん。

 

 

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右から味輝のパンの荒木和樹さんとマリーレーンの石井誠一さん。

石井さんは元大地を守る会の職員です。私たちの大先輩ですね。

 

 

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今回の仕掛け人の瀬山明グループの瀬山明さん。

瀬山さんが主催者に出店の相談に行ったところ、担当の方に「瀬山さん、よくあの方たちをまとめ

ましたね!」と驚かれたそうです。

みなさん、信念と行動力がある事業者さんとして本庄市では知られている方々だそうで、

いつも忙しく飛び回っているようで、地域の集まりでみんなで何か一緒に行なう、という事が

あまりなかったそうです。

でも、大地を守る会でお付き合いしている方の中にはもっと豪傑もいますから、私の目には実に

品行方正な方々に見えます。

そのような豪傑生産者の皆さんを束ねて、さらに東京集会で出店までしてもらっている大地を守る会

って組織は実はすごく懐が深い組織なのかなぁ、などと思えてしまいます。

 

本庄総合公園春まつりは5月16日(日)10:00~15:00に行われます。

機関紙「NEWS大地を守る」4月号でお知らせしますのでお近くの方はぜひ遊びに行ってください。

JR高崎線の本庄駅からは徒歩で20分くらいかかりますのでタクシー利用が良いと思われます。

広い駐車場があるので自家用車での参加が便利です。

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2010年2月19日

アジア太平洋資料センター(PARC)からのお知らせ。

10年2月19日(金)晴れ(by ドクターMaekawa)


今回は、大地を守る会とおつきあいのある団体からの情報をお伝えします。


PARC自由学校は1982年にスタートしたオルタナティブな市民の学校です。
20年以上に渡り毎年開講し、これまでの受講生は6000名を超えます。
毎年、時代を先取りしたテーマで、普通の教育機関では味わえない講座を開いています。
この市民大学では、藤田和芳大地を守る会会長も講義をしています。


2010年の講座スケジュールをお知らせします。


★━━━━━━━━━━━┓
| エコを仕事にする!  |
┗━━━━━━━━━━━┛


「今の生活ってなにか違う感じがする、もっと環境に優しく、自分らしい仕事をしたい」と思って
いてもなかなかきっかけがつかめないまま毎日が過ぎてしまうあなた、「エコを仕事にする」
クラスへようこそ!地域に根差し、みんなとつながる生き方、働き方の豊かさを五感を使って
感じるクラスです。このクラスでは、すでにエコを仕事にしている多彩な講師陣の生活に触れ、
現場を訪問します。様々な方に出会ううちに今の生活を変えるヒントが見つかるでしょう。
新しい人生がはじまるかもしれません!全国いろいろなところへ出かけられるのもお楽しみ
の1つですよ。


・2010年5月~12月  □基本的に隔週土曜日 
・全12回/定員30名 □受講料 36,000円
※交通費・宿泊費・プログラム費などは各回で別途かかります。


5/18(火)19:00~21:00
オリエンテーション エコを仕事にすることの豊かさ
大江正章(コモンズ代表/PARC理事)


5/22
★茨城県石岡市を訪ねる
働きながら無農薬米が出来る
大谷理伸(農家)


6/5
★東京都青梅市・日の出町を訪ねる
東京の木で家を造る
 ―仕事は創り出すもの
稲木清貴(東京の木で家を造る会事務局長)


6/19
★茨城県石岡市を訪ねる
有機農縁の一日体験
魚住道郎(日本有機農業研究会副理事長/有機農業推進協会副理事長)


7/10(土)~12(月)2泊3日
★京都府綾部市を訪ねる
半農半Xという生き方
小さな農でピースフルに暮らしつつ、ミッションでスローレボリューションする
塩見直紀(半農半X研究所代表)


8/7(土)~8(日)1泊2日
★栃木県那須を訪ねる
愉しい非電化生活&
森林に牛を放つ―森林酪農への挑戦
藤村研介(非電化工房副代表)

株式会社アミタ
※「森林ノ牧場 那須」(牧場スタッフがお話+ご案内します)


9/11
★横浜市青葉区を訪ねる
都市の新規就農者の本音&それを支える地域の人と場
大場 徹(有機農業者)
石田周一(社会福祉法人グリーン施設長/な~に谷っ戸ん田の会会長)


9/25(土)~26(日)1泊2日
★群馬県片品村を訪ねる
「いいからかん」ライフのすすめ!
桐山三智子(iikarakan/片品生活塾主宰)


10/27(水)19:00~21:00
★世代を超えた「農」ムーブメントをつくる「はじめる自給!種まき大作戦」
ハッタケンタロー(環境エンタメ・デザイン&プロデュース)


11/24(水)19:00~21:00
★xChange(おしゃれな服の交換パーティー)へようこそ
 ―服から環境と社会を考える
丹羽順子(ソーシャル・プランナー)


12/12(日)
★神奈川県藤野町を訪ねる
市民の力で脱石油型の地域社会をめざすトランジション・タウン
トランジション藤野
★東京都豊島区を訪ねる
Organic Bar「たまにはTSUKIでも眺めましょ」
 ―システムから降りたら、自分探しが終る。システムから降りたから、生業が持続可能になる。
高坂 勝(飲食店経営)


・...━━◆クラスの詳細、他の講座は以下から見れます!(3月より)◆━━...・
    http://www.parc-jp.org/freeschool/index.html
★全講座の詳細を掲載したパンフレットも好評配布中!
         ご希望の方はPARCホームページよりお申込みください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お申込み・お問い合わせは......
アジア太平洋資料センター自由学校
Pacific Asia Resource Center(PARC) Freedom School
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F
TEL:03-5209-3450  FAX:03-5209-3453
Website:http://www.parc-jp.org   E-mail:office@parc-jp.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


大地を守る会 運動局 前川隆文




2010年2月10日

農産担当者のお米の話企画を行いました

とらちゃんこと虎谷健です。


皆さんお米,たくさん食べていますか?

大地を守る会では昨年10月から生物多様性を食べて守るキャンペーン、「たべまも」を開始し、

お米食べて水田を守ろう!という呼びかけを開始し、さらに「コメニスト宣言」までも作ってしまう

ほどの熱の入れ様です。

その勢いに負けないように昨年秋の新米の季節から「新米ごはんの食べ比べ」企画を、

大地を守る会の米の精米を一手に引き受けてくれているマゴメさんの協力を得て2回行いました。

そして今回、大地を守る会職員でお米担当者の海老原に産地担当者から見た

大地を守る会のお米や生産者について語ってもらいました。


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今回試食したお米は4種類。

米担当者の海老原が「皆さんに紹介したい。」というお米を集めました。

う~ん、見た目はほとんど一緒ですね。米の試食会で一番気配りするのが初めの米を研ぐ時です。

順番が入れ替わってしまったらもう、見分けがほとんどつきません!



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このような状態になったら黄色いメモ紙だけが頼りでございます。



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ドライフラワーならぬドライイナホ。

今回の進行職員は海老原と私だけ。「男2人で殺風景にならないように。」と海老原職員のせめてもの気配りで

産地にお願いして精米せず保管してもらっていました。

でも、花瓶などなかったので傘立てに差しました。やっぱり殺風景?



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講座が始まりました。海老原職員、気合入っております。

会場はNGO大地を守る会六本木本部。狭い事務所ですが結構、様々なイベントに

使われています。六本木ヒルズや東京ミッドタウンにも歩いて行けますので講座などに

参加された後にぶらぶら歩きにいかがでしょうか。

ただし私たち事務局員に「ヒルズの美味しいレストラン教えて」と言っても

行った者が居りませんのでご案内できません...。 <(_ _)> 



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お話を聞いた後はさっそくお米の食べ比べです。

まずは産地、品種を伏せての食べ比べ。続いて生産者名と品種を紹介しながらの

試食と続きました。



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海老原職員は産地に行くとまめに記録をとっています。今回はその記録が大活躍!

今回の試食会企画のために出品生産者から映像メッセージを撮ってくれていました。



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お米の試食会が終わったらもうお昼。お昼ご飯もお米をたっぷり召し上がっていただきましょう!

大地を守る会の食材でご飯にあうものを選んでお味噌汁と一緒に楽しみました。

ちなみに私の独断で選んだお米にあう食材は・塩たらこ・くるみ小女子・

漁師さんのさんま甘露煮・べったら漬・マイルドキムチ・骨まで食べられるカタクチイワシです。



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今回は生産者の方も2名、参加してくれました。

左から2人目の方は京都府宮津から来てくれた飯尾醸造の秋山俊朗さん。

いただいた名刺には「蔵人」の肩書 が。かっこいいですね。

「富士酢、いつも使っています。」と参加者の方から声を掛けられていました。富士酢、人気ですね。

飯尾醸造ではお酢を作るためのお米を近郊の棚田で社員自ら栽培しはじめました。

毎年春には消費者の皆さんを集めて田植え体験を行っているそうです。

「大地を守る会の会員の皆さんにもぜひ来ていただきたい。・・・ですが距離がありすぎですね。」とは秋山さん。

田植えには参加できませんが今年の秋からは大地を守る会でも飯尾醸造で栽培した棚田米を

扱う予定になっていますので食べて楽しんでくださいね。

秋山さんとお話しされている方はツチオーネ110号から「かんたん・おいしい家ごはん」の

コーナーでレシピを披露してくださっている大原千絵美さんです。



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長野県の佐久から駆けつけてくれた生産者の松永哲男さん。

                 

今回の食べ比べで松永さんの所属する JA佐久浅間臼田有機米部会のお米が

美味しいと一番人気でした。

米を作る水田の機能を知ると稲作の素晴らしさに改めて感心してしまいます。

米はもちろん主食でありますが製粉しなくても粒のまま食べておいしいことがまず嬉しいことですね。

梅雨~台風時期には貯水機能を発揮して「緑のダム」にもなりますし、たくさんの

小さな生き物たちの子育ての場にもなるだけでなくて田植えイベントなどを通じて

子ども達の遊び場、食教育の場にもなります。

子どもだけでなくて大人にとっても田んぼでのイベントは楽しみを与えてくれますし、

水田がひろがる風景は見ているだけでも清々しい気持ちになります。 

忘れてはいけません、日本酒の原料も米でございます。毎晩、晩酌で癒していただいております。



いやぁ、お米と水田は素晴らしい。



トキの野生復帰のためにえさ場になる田んぼを守るために結成された

「佐渡トキの田んぼを守る会」を訪ねる「新潟県・佐渡ヶ島ツアー(6月26・27日)」、

「田んぼの生き物調査」を地道に続けている庄内地方の米農家を訪ねる

「山形県・庄内ツアー(7月3日・4日)」など今年は米の産地を訪ねるツアーを

2企画予定していますのでぜひ足を運んでくださいね。


大地を守る会 虎谷健




2009年11月26日

生物多様性-その重要性と名古屋会議 COP10/MOP5

09年10月27日晴れ(by ドクターMaekawa)

この日衆議院議員会館で、「食と農から生物の多様性を考える院内学習会」が開催されました。

きっかけは、来年10月に名古屋で開催される、COP10、MOP5の国際会議が開かれる予定と

なっているからです。まずは、COP10、MOP5の説明を。最初(①)はちょっとガマンして・・・

興味のない人は、2.からでも。


1.

COP/MOP:Conference of the Parties、Meeting of the Parties の略。ともに、なんらかの

国際条約締約国間での会議のこと。気候変動枠組条約などでも使用される一般略称。


COP10:来年名古屋で開催される第10回生物多様性条約締約国会議(→ウィキペディアURL)。

絶滅危惧種が急速に拡大しているのを背景に、世界の生物多様性の保全を目的に、「生物の

多様性に関する条約」が1993年に発効。その締約国会議(COP)が1994年から開催されている。


MOP5:来年名古屋で開催される第5回カルタヘナ議定書締約国会議

「生物の多様性に関する条約」の中では、生物多様性に悪影響を及ぼす可能性のある遺伝子組み

換え生物の移送、取り扱い、利用の手続きについて検討することになっており、2003年、スペイン

のカルタヘナで、「バイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書」が発効。以後は、「遺伝子

組み換え生物(GM)バイオセーフティー議定書」と略。


「生物多様性条約」と「GMバイオセーフティー議定書」はセットで議論されるので、COP/MOP

会議と呼ばれています。COPが上位概念で、MOPがその下部にある形式になります。


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     ECO JAPANホームページからおかりした略図



2.

ここからは、院内学習会のライブ中継&解説になるので、読みやすくなります。


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まずは、田島一成環境省副大臣の挨拶から。右隣は、大地を守る会の初代会長、藤本敏夫氏が

作った、鴨川自然王国の代表理事で、今回衆院選で初当選した石田三示氏。 左が市民バイオ

テクノロジー情報室代表、遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン代表の天笠啓祐氏。


そして本番の海外ゲストの講演がはじまりました。今回のゲストがすごい人。クリスティーヌ・

フォン・ヴァイツベッカーさん。代々科学者の家系に育ち、太陽系の楕円運動を発見したあの有名な

ケプラーも祖先。1984-1994のドイツ連邦大統領のリヒャルト・フォン・ヴァイツベッカーさんは親戚。

分子生物学者でもあり生物学に強く、市民運動家でもある。日本にはこういう科学者、なかなか

いないのが残念です。



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左から二人目が、クリスティーヌ・フォン・ヴァイツベッカーさん



まずは彼女の講演からはじまりました。この人の講演が素晴らしいの一言!論理的、科学的な

言論が進みます。印象に残った点をいくつかピックアップしていきます。


「生物多様性とは変わり行く世界のなかで未来への生命保険である」。くっー、カッコイイー!

ぐっとくる言葉ですね~ まずは生物多様性が生態系の働き中で十分に機能することによって、

健全な水、森、海が保たれ、それによって農地の健康が保証されます。そこから育つ作物や

取れる魚、育つ家畜が健全な人間のカラダを形づくるのです。具体的に卑近な例で説明すれば、

森に降った雨が地中のさまざまな微生物や植物でろ過され、川になって畑に使われ、そこに

健康な農作物ができます。そしてその水が海に流れ込み、健康な魚となっていくのです。海でも

砂浜などに住むカニやゴカイといった生物が水をさらにろ過しキレイにします。しかしその水が

農薬や化学物質で汚染されると微生物や植物の活力が弱まり、海が埋め立てられればろ過役

の小さな生物が死に、多くの環境が悪化の一途をたどっていくのです。


そして忘れてはならない点として、自然、生物多様性が人間の福利に及ぼす効果。自然で癒さ

れるってことは、生き物としての人間の本質です。現代社会はそれを忘れがち。日本のえらい

科学者なんて、「農作物は工場で遺伝子組み換えで作ればいい」、などと発言する人もいる

というのに。クリスティーヌさんこそ、人間の幸せを追求する本物の科学者!


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  クリスティーヌさんのスライド資料から



そして、現在の危機的な状況を科学的に数字で紹介。化石的な証拠などから、これまでの地球

では、絶滅する種はおおよそ1000年に1種くらいでした。それが現代は1年に1種、すなわち1000

倍にもなっているというのです。さらに悪いことに、このまま地球環境を破壊すれば、その絶滅

スピードは今の10倍になるという予想があるのです。クリスティーヌさんは、「今がターニング

ポイントです。名古屋会議は本当に重要な会議になります」と力説されていました。



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        クリスティーヌさんのスライド資料から



そして遺伝子組み換えの問題へ話題がうつります。今、メインに遺伝子組み換え生物

(ほとんどが作物)を輸出している国は、アメリカ、カナダ、アルゼンチンの三カ国。そしてそれらの

開発をしている企業は六社しかありません。そして重要な品種は、「除草剤耐性」と「殺虫性」。

それらの三カ国と六社、二品目が、生物多様性に重大な危機を与える可能性があります。

広大な土地に単一の除草剤を撒き散らし、むやみと虫を大量に殺し、環境を破壊し、生物多様性

を奪っている可能性が指摘されています。


そして大変理不尽なことに、これら三カ国は生物多様性条約とGMバイオセーフティー議定書

を締約していないのです。つまり、その他のほとんどの国が、GM作物の輸入国。特に日本は

大量のGM作物を輸入しています。輸出側三カ国は、「GM作物は絶対安全だ」と主張して

います。そして締約国はこれら三カ国が入っていません。ならば、COP/MOPの会議において、

万が一、GM作物によって生物多様性や人の健康、福利、文化に影響を及ぼした場合の

保障責任は輸出側にとらせることを制度を作ることはしごく合理的なことです。しかしそれが

うまくいっていません。それはなぜか?COP/MOPの会議出席国の中に、アメリカの代弁者

がいて、強硬に反対しているからです。その国が残念なことに日本なのです。日本は

COP/MOPに対して第1位(全体の22%)の財政支援をしており、その権威を利用するかたち

で、ほかの国の意見を封じ込める役目をずっとしてきたのです。



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       クリスティーヌさんのスライド資料から



一つの救いがここにあります。私はこれまで何度も院内学習会を見てきましたが、実際に議員

が自ら出てくることはほとんどありませんでした。多くても数人です。ところが27日の集会には

なんと、20名を越す議員が参加していたのです。ほとんどが政権与党の民主党や社民党です。

政権交代による劇的な変化を見た思いがしました。これらの出席議員がぜひとも積極的に

名古屋のCOP10/MOP5に建設的な意見を出して、日本のこれまでの態度を変えて欲しいと

切望します。少しだけ来年の会議への希望を持った日となりました。



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 大河原まさこ参議院議員とクリスティーヌさん         川田龍平参議院議員



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COP10ロゴマーク


大地を守る会ではこれまでにも、食べものの輸送距離を減らすことによるCO2削減を目的に、

「フードマイレージ・キャンペーン」を展開してきました。クリスティーヌさんの講演の中でも、生物

多様性を破壊する大きな原因の二つが、CO2による気候変動と化学物質だと説明されてました。


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                   フードマイレージ・キャンペーン



そして新たに、生物多様性保全に向けたキャンペーン、「たべまも」をはじめました。とくたろうさん

などの古来からの在来品種を守る商品は販売していたのですが、加えて、田んぼの生物多様性

に注目し、「コメニスト米」の販売をはじめています。大地を守る会の生産者には、冬季湛水に

よって冬鳥を田んぼによぶ活動をしている宮城の千葉孝志さんなど、多彩な人たちがいます。

また、千葉の山武では、20年間にわたって、会員の方々と一緒に無農薬でお米をつくっている

稲作体験田」があり、そこには絶滅危惧種の生物も帰ってきていることが確認されています。

「たべまも」では、そういった情報を今後はどんどん出していくことを計画しています。

ご期待ください。


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            たべまもロゴマーク                                     コメニスト米



20年間、無農薬で続けた千葉の稲作体験田で見つけた生き物たちです。


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  コオイムイ(準絶滅危惧種)              オオカワトンボ(愛知県絶滅危惧1類)     



環境保全に熱心に取り組んでいる秋田県大潟村、花咲農園代表の戸澤さん(戸澤藤彦ブログ

から、最新情報が入っています。大潟村にはかつてから絶滅危惧種のオオセッカが確認されて

いたのですが、最近、チューヒという絶滅危惧種が群れで見つかったそうです。



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  チュウヒ(拝借写真)(絶滅危惧II類)       オオセッカ(拝借写真)(絶滅危惧IB類


大地を守る会の生産者の日々の環境を意識した営みのすごさを知ります。



大地を守る会 運動局 前川隆文




2009年11月 9日

ソフトエネルギーパスって知ってますか?: 脱原発へのロードマップ

09年10月3日(土)晴れ(by ドクターMaekawa)


1986年のチェルノブイリの事故では、世界中に放射能物質がまきき散らされました。

大地を守る会の契約農家には、環境に配慮した露地栽培が多いのですが、

当時はそれが裏目に出て、「露地野菜は危ない。ハウス栽培が安全」という風評があり、

大変な思いをしました。

それを教訓に、「大地・原発とめよう会」が発足され、反原発運動を長年続けています。

09年10月3日には、反原発の「NO NUKES FESTA」が開催され、

大地を守る会も出店し、反原発を訴えました。



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 福島みずほ党首の訴え                                  柏崎刈羽原発に反対するトキ



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パレードにでかける「原発とめよう会」の来島職員



チェルノブイリでは、セシウム-137という放射性物質が世界中の人の体内に取り込まれ、

今でも骨に蓄積しているといわれています。

原子力発電、さらに日本が今進めている核燃料サイクル構想には、

多くの問題があるといわざるをえません。


しかし、私たちの日々の生活のエネルギーは大半が電気でまかなっており、

国の政策が変更されない限り、原子力によって発電された電力を使わざるを得ません。

風力発電や太陽光発電はまだ大きな勢力とはなっていません。

この今の状況をなんとか市民の手で変える手立てはないものでしょうか。

そこであるエネルギー学者の考え方に注目してみました。

それは、1979年にエイモリー・ロビンズ博士が発表した、

「ソフト・エネルギー・パス-永続的平和への道」です。

そしてそれを可能にする技術の一つの候補として、家庭用燃料電池が登場しました。



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ソフトエネルギーは、「需要に応じて使用する場所で発電する」ことが基本概念です。

しかし、これまでの太陽光発電システムだけでは、家庭でも十分な発電量が得られません。

そこに登場したのが家庭用燃料電池。これは、自然エネルギーではないものの、

「使用する場所で発電」にはあってますし、さらにはエネルギー効率が格段に高い。

それというのも、発電で出る発熱を家庭で使う御湯として利用できるからです。

このシステム、世界でも日本がトップクラスの技術を持っています。

このソフトエネルギーパスシステムが普及すれば、ハードエネルギー、ひいては

原子力発電に依存しない社会が作れます。


この家庭用燃料電池、まだまだ価格的な問題があり、

普及するには時間がかかりそうです。

そこで期待されるのが、政府による補助金政策。これが十分にいきわたり、

台数がたくさん出るようになれば製造コストも当然下がり、普及にはずみがつく。

ここでネックになるのが、電力産業との衝突です。オール電化住宅などを推進して

いる電力会社は、当然、ハードエネルギーシステムの脅威になるソフトエネルギー

構想には反対の立場でしょう。今後は、政治的な駆け引きとなってしまうのですが、

残念ながら、政権与党の民主党政権のマニフェストには、「安全を第一として、

国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む」と明記してあります。

一方、社民党のマニフェストには、「エネルギー特別会計は、原子力重視から

自然エネルギーに大幅シフトします。EUの共通エネルギー政策の目標なみに、

2020年までに自然エネルギーの割合(現在2%)は20%をめざします」

となっています。

鳩山政権が、原子力による二酸化炭素削減をめざすのか、自然エネルギーや

ソフトエネルギーパス構想をめざすのか。


すでに、太陽光発電を設置されている方には朗報があります。

09年11月1日より、新たな余剰電力の買取制度が始まります。

48円/kW時で、これまでの2倍の価格になります。

詳しくは、資源エネルギー庁太陽光発電買取制度室まで。


大地を守る会 運動局 前川隆文




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