社会貢献活動(CSR)

「ありのままでいられる場所を」はちみつを通じて社会をつくる-あるお母さんの想い

【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!
黒地に白い花とハチのかわいい絵柄が印象的なラベルの純粋はちみつ。その味と香りの豊かさから、数々の雑誌にも逸品として取り上げられています。 大地宅配でも販売しているこちらのはちみつは、障がいのある方が養蜂からパッケージまでの工程全てに携わってつくっているもの。はちみつを生産している就労継続支援A型事業所を運営するのは、特定非営利活動法人はぁもにぃです。今回は千葉県千葉市緑区のはぁもにぃの事業所を訪ねました。設立から10年。代表の長浜光子さんがはぁもにぃの商品を通して伝えたい思い、溢れるバイタリティの秘訣と実現したい社会について、お話を伺いました。
長浜さん

はぁもにぃソーシャルファームプロジェクト PVより(https://npo-harmony.or.jp/movie/)

 

【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!

ありのままで過ごせる居場所を目指して

-2007年4月の設立からちょうど10年が経っています。まずは長浜さんがはぁもにぃを始めた経緯を教えていただけますか? きっかけは特別支援学級に通う娘の担任の先生の言葉でした。「先に逝く親たちが子どもに残せるものは、資産やお金ではなくて、ともに育つ仲間やサポートしてくれる人、つまり居場所です」ということを話してくださったんです。障がいを持つ子達をありのままに受け入れ、支えてくれる人たちがいる場所。狭義で言えば、施設なのですが、広く言うとそういったコミュニティや社会、そうしたものを実現したいと思いました。その一歩として、最初は放課後の居場所としてデイサービスを立ち上げました。 しかし、学校を卒業して社会に出たとたん所属するものがなくなる、ということはわかっていました。そこで5年前からは、卒業した後の居場所として、就労継続支援を始めました。子どもたちが持っている力を発揮できる場所を作りたかったからです。 -はぁもにぃの就労継続支援事業は、コミュニティカフェ・お菓子工房・養蜂部・農業部と多岐にわたっています。どのように事業を展開してきたのですか? 地域の中で彼らの居場所をつくりたいと考えたときに、こちらの情報を発信して、地域とつながる場所が必要だと思ったので、まずはコミュニティカフェから始めました。お菓子工房を始めたのは、みんな食べることが好きだから、というとっても単純な理由です。(笑) さらにお菓子をつくるにあたって、お客様が望むものをリサーチしていくうちに、安全安心で、さらに美味しくて、なおかつリーズナブルということが、ターゲットとする女性たちに求められているとわかったんです。どうやったら実現できるか考えたときに、材料も自分たちでつくったらできるかもしれないと思い、養蜂や農業へ取り組むことを考え始めました。また、カフェやお菓子の製造はある程度適正のある人たちが限られるので、養蜂や農業に仕事を広げたら受け入れられる人の間口が広がると思ったのもひとつの理由です。  

【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!

特性を生かしたものづくり

-欧米では養蜂が福祉の仕事として比較的ポピュラーだと聞いています。どのようなところが障がいのある方に向いているのでしょうか? 巣箱を内見するときにはミツバチに負荷がかからないようにゆっくり丁寧に作業することが求められているので、そうした動作が彼らに向いているんです。ミツバチはストレスフリーで過ごせるので、常に健康でおいしい蜜をたくさんとってきてくれるようになります。また彼らは違いを見つける能力が発達しているので、たくさんのミツバチの中から一匹だけいる女王蜂を私たちよりもずっと早く発見することができるんですよ。

画像提供:はぁもにぃ

  -工房を見学させていただいて、パッケージもお菓子づくりも、みなさん一つ一つの工程をとても丁寧に作業されていると感じました。だからこそ品質が保たれている部分もあるのでしょうか? そうですね。最初に入れた情報をしっかりと繰り返しできるような特性を持っている人たちだからこそできるものがあると思うんです。 それから気持ちの部分ですね。作り手のひとりの女の子が「プリンをつくるときに笑顔でつくるようにしてるんです」と言うので「どうして?」と聞いたら、「食べてくださる方にも幸せを感じてほしいから、笑顔でつくったら、そういう気持ちが入るんじゃないかと思っている」と言っていて、私たちもびっくりしたんです。こちらが教えたことは、プリンを正確に作る手順。ですが彼女は、自ら商品に対する思いを持ってくれていて。そういう気持ちがある人たちがここに関わってくれているわけだから、おいしさには自信を持っています。

画像提供:はぁもにぃ

  -パッケージのデザインもとても洗練されていて、素敵だと思いました。デザインでこだわっているところはありますか? 福祉事業所はあくまでも収益をあげないと、賃金が払えない仕組みになっているので、収益をあげるためにデザインも含めてみなさんの手にとっていただけるものを、と思っています。 では単純に素敵なデザインであればいいかというとそれも少し違うと思っています。はぁもにぃにとって、障がいやその特性を持つ方たちへの理解を広げていくということも大事なミッションなので、その意味ではすばらしい商品であればあるほど、ここに関わっている人たちの背景をしっかり伝えていくということが大事であるというように考えています。 だからデザインの中にも、さりげなくそこが伝わる仕掛けを入れていただき、尚且つ素敵と思っていただけるようなデザインをと、ご協力くださっているクリエイターの皆さまには本当に無茶なお願いをしまして(笑) 例えばはちみつのパッケージでは、種類名が書いてあるラベルの文字はひとつひとつ手書きで、正面のラベルの花の一部も手塗りにしているのですが、彼らの書く文字そのものに何とも言えないあじわいがあり、それがそのまま「障がいを持つ彼らが関わるからこそ、さらに良いものができあがる」というように、手にとっていただくみなさまに、違和感なく自然に、でもしっかりと伝わっていくのではと。

画像提供:はぁもにぃ

画像提供:はぁもにぃ

 

【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!

これからの時代に向けて

-障がい者への「合理的配慮」など法整備やユニバーサルデザインの整備が少しずつ進んでいます。今の時代をどのように見ていらっしゃいますか? 10年前、20年前と比べたら少しずつ取り巻く環境が変わって、前進してきているなというのは感じますね。「合理的配慮」と呼ばれる、例えば知的障がいや発達障がいのある方たちでも、わかりやすい指示の出し方や治具を改良すること、集中できる時間に配慮してインターバルを大目に取るなど、少しずつ一般の方にも理解されてきているかなと思っています。彼らはいわゆるマイノリティですが、そういった彼らにとって、わかりやすい、取り組みやすい配慮をすることは、結局は健常者と呼ばれる人を含めた誰にとってもわかりやすく、取り組みやすい仕組み作りにつながると思います。だから合理的配慮がなされた場所が当たり前になると社会全体がより良くなるだろうと思っていて。まずは難しく考えないで、必ずいる数パーセントのマイノリティの人たちのことを頭の片隅にでもいるということから始めていただけたらいいんだろうなと思っています。 -二人のお子さんを育てながら、10年間はぁもにぃを運営してきた長浜さん。そのバイタリティはどこからくるのでしょうか? はぁもにぃを始めるときに「義務感や使命感でやるなら絶対やめた方がいい、続かないから」とやはり子ども達がお世話になっている臨床心理士の先生からご助言いただきました。やりたい、そして楽しいと思えるんだったらやってみてもいいんじゃないかと。結論として、やりたいという思いが残ったので始めました。単純にやりたかったから、そして楽しいから続けていけているのだと思います。きついのは資金繰りくらいで(笑) 実際に、今でも障がい者の方たちが作業をしている現場が一番楽しいですよ。さきほども言いましたが、経営する立場なので数字を見ていてどうしてもストレスが溜まることもあるので(笑)、そういう時は現場に戻ってリフレッシュしています。彼らのいる空間やそこに流れる時間は本当にゆるやかで、まじめに一生懸命仕事に取組みながらも、それは損なわれなくて。そこに身を置くだけで、私もリラックスできるんです。もちろん彼らとのコミュニケーションもすごく楽しい。彼らと一緒に働くことは、本当にお勧めです(笑?いやここは真剣に)

画像提供:はぁもにぃ

  -最後に、はぁもにぃを通してどんな社会を実現していきたいと考えていますか? はぁもにぃでは「半径20キロ圏内からのノーマライゼーション社会の実現」ということを掲げているのですが、これは、障がい者が一般市民と同様の社会生活が送れるような環境の整備や配慮を、半径20キロ圏内、あるいはそれより小さな地域社会から実現していきたいということなんです。 障がいの有無が人の幸不幸を分けるわけではないけれど、今は一歩外に出たら持っている障がいが障壁になってしまう。そういうことを小さいコミュニティからひとつずつ解決していきたいと思っています。そのためには、まず地域の方が障がいを持つ彼らと接して、同じコミュニティの仲間として一緒にいることが楽しい、心地良い、ということを知っていただくことからだと思うので、そういう出会いの場をはぁもにぃの中でどんどんつくっていきたいです。 (text by 高橋尚子) このインタビューの後、長浜さんとランチに行ったのは、はぁもにぃが運営するコミュニティカフェ。笑顔で迎え、優しい声でお食事の説明をしてくれたのは、長浜さんと共にはぁもにぃを立ち上げたパートナーのお子さんでした。この春、特別支援学校を卒業して、ここで働き始めたとのこと。近所にこんなカフェがあったらきっとファンになってしまう、とても心地よい空気が流れていました。 大地宅配「バター・ジャム・はちみつ」はこちらから

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。