社会貢献活動(CSR)

生産者も消費者も「もったいない」の想いは同じ

大地を守る会が生産者と共に開催している、知識充実や技術研さんのための「生産者会議」。数名の消費者会員さんにも参加していただいています。今年7月に行われた北海道の会議では、「畑の“いたましい”を活かす」をテーマにした映画上映と意見交換が行われました。“いたましい”とは北海道の方言で「もったいない」の意味です。

「もったいない」をテーマにした経緯

今回の企画の経緯は、北海道の生産者・高野美保さんが、映画『0円キッチン』を観て感銘を受けたから。この映画は食料危機を吹き飛ばすエンタメ・ロードムービーとして、「食材救出人」のおいしい旅路を描きだしています。

食べ物の無駄に対する怒りと、食べ物による幸せな気持ち-映画『0円キッチン』監督ダーヴィド・グロスさんインタビュー

 

生産者の高野さん。出荷作業時に規格外品に向き合い、命である食べものを見た目で選ぶことに精神的に疲れていました。この映画を観て「農家でもやらなければいけないことがたくさんあるはず! 農家と大地を守る会と消費者だからこそできることがあるかも!」ということで、今回の生産者会議で映画上映をすることに。

そして、小樽市でこの映画の市民上映会を主催していたミリケン恵子さんを招いて、進行役をお願いすることになりました。

ここに、消費者理事として参加した由良直子さん。川崎市在住で会員歴約30年の由良さんは、大地を守る会のCSR活動の一環として、4Rの推進、エコクッキングや生ゴミダンボールコンポストなどの実践と普及を、市民の立場から、長年推し進めてきた方です。

北海道の生産者の高野さんと川崎の消費者の由良さん、そしてミリケン恵子さん、映画『0円キッチン』がつないだ縁が、ここで結ばれました。

北海道生産者会議3名

(左)高野美保さん(中央)ミリケン恵子さん(右)由良直子さん

※ミリケン恵子さんプロフィール:アメリカ人の夫と4人の子どもと共に、14年前、千葉県稲毛から北海道赤井川村に移住。赤井川村で農業をしながら、ミニコミ誌の発行、地域の農産物の移動販売や店舗販売、ドキュメンタリー映画上映会、学びの場の開設など、多方面に活躍。その業態を、平成の行商「ひとりCSA(Community Supported Agriculture)」と呼んでいます。

ここから由良さんのレポートを引用していきます。

映画『0円キッチン』を観て、生産者と消費者の感想

北海道生産者会議

高野さん:野菜を出荷するとき規格外を「ハネ」と言いますが「ハネ」という言葉は嫌いです。そんな消費者の要求(?)に対して憤りを感じていましたが、手伝いに来たとある消費者は「ハネ」を望んでいないとのこと。距離があるためにお互いの気持ちが伝わりにくくなっていたのです。丹精込めて育てたのですから、無駄にしたくはないです。

由良さん:大地を守る会のCSR活動として、食べ物をできるだけ捨てないで食べる『エコなクッキング講座』を3年ほど行っています。里芋の皮、パクチーの根など、普段は捨ててしまっているものも、調理法によってはとてもおいしい料理となり、毎回好評です。

今日からできる!地球とお財布に優しい「捨てない料理」と「後片付け」

ミリケンさん:野菜の活用の一例として、農家は漬物がとても上手で、夏のものをひと手間かけて冬までもたせるのは、大切な食文化です。食品加工は小さな流通では限界もあり、ある程度の流通組織が力を発揮できるはずです。

 

「もったいない」の想いは同じ

最後に由良さんの感想です。

「生産者は、愛情をこめて作ったものだからもったいないと思い、消費者は、丹精込めて作られたことがわかっているからもったいないと思える。これって生産者と消費者の距離が近くて信頼関係ができているからこそ、『想いは同じ』になるのだと思います。

会議の中で、消費者こそがおいしい簡単な料理の仕方を広めてほしいと言われ、これは責任重大!と感じました。 自宅で簡単においしい料理ができるように情報提供をしていかねば。

でもおいしい素材(野菜)はあまり手をかけなくても、蒸す、焼く、茹でる、だけでも十分おいしいと私は思っていますけれど……」

最後に

北海道の方言「いたましい」という言葉には、命ある食べものへの敬愛がこめられているようです。消費者も生産者も流通も、それぞれの立場から「いたましい(もったいない)」を捉え、対話する中で具体的なアクションが見えてきます。大地を守る会では「もったいナイ」シリーズをはじめとしてさまざまなアクションをしています。古くて新しいテーマ、引き続き取り組んでまいります。(構成:大地を守る会・鈴井孝史)

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