社会貢献活動(CSR)

映画『いただきます~みそをつくるこどもたち』が教えてくれる、食べることは生きること

味噌に醤油に納豆にお漬物に……和食を支えているのは、昔ながらのたくさんの発酵食です。

その美味しさとすごい健康効果を、もっとみんなに知ってもらいたい!と活動しているのが「発酵ラボ」。大地を守る会の生産者、消費者、社員の有志メンバーが作る専門委員会のひとつです。今回は、先に行われた映画『いただきます~みそをつくるこどもたち』の上映会を通して、「発酵ラボ」の活動をご紹介します。

この映画は、福岡市にある高取保育園が取り組む独自の「食育」によって、食べることが生きることだと学んでいく子どもたちを描いた作品です。この映画から「発酵ラボ」は何を伝えたいのでしょうか。「発酵ラボ」メンバーの内田智明さんに聞きました。(文章:ライター・渥美志保)

 

発酵ラボとは

―まずは「発酵ラボ」って、どんなグループなんですか?

内田:きっかけは、社内の「ぬか漬け男子」との「ぬか漬けつけてる?」「漬けてるよ!」という他愛のない会話から。様々な情報交換を通じて日本の発酵食の奥深さに触れるうちに、もう少し踏み込んでゆきたい!と思うようになり、「発酵ラボ」を立ち上げました。

和食がユネスコ世界無形文化遺産に選ばれ、近年では世界的なブームにもなっています。その基本である味噌、醤油、納豆、漬物などの発酵食は、特にこの数年、その健康効果も改めて見直されています。「発酵ラボ」では、様々なイベントなどを通じてそうした価値観をみなさんにお伝えしています。

メンバーは多くが「ぬか漬け」を実践しています。毎日かき混ぜるのはちょっと大変だという人は「ウエダ家のにおわないぬか床」を使って手軽にその美味しさを楽しんでいます。

発酵ラボ

大地を守る会の専門委員会「発酵ラボ」のメンバー

におわないぬか床 使用例

映画『いただきます』上映会を開いた理由

―『いただきます』上映会を、どうしてすることになったのですか?

内田:映画の舞台である高取保育園は、「知育、体育、徳育の根本に食育がある」という西福恵(にしふくえ)園長の考えのもと、他にはない独自の取り組みを行っている保育園です。

玄米と野菜を中心に、みそ汁、納豆、漬物などの発酵食品を合わせた和食の給食で、味噌や漬物も園児たちがみんなで作ります。こうした体験をした園児たちの「いただきます」の言葉はとても自然で心がこもっています。

子どもたちが美味しそうに食べている姿は、幸せのエネルギーに満ちている。そんなシーンをぜひ多くの皆さんに観ていただきたいと思いました。

映画「いただきます」

Copyright:「いただきます」製作委員会、撮影:VIN OOTA

 

―え???保育園児が味噌をつくるんですか?自分たちで?

内田:園で食べる毎月100kgの味噌を、5歳の園児たちがすべて作っているんです。尋常じゃありませんよね(笑)。自分たちの食べるものを自分たちで作るという責任ある仕事に、子どもたちは真剣に、でも楽しそうに取り組んでいます。

「美味しい味噌を造るにはどうすればいい?」という西園長の問いかけに、園児たちが「心をこめてつくる!」と答え、さらに「心は見える?見えないけどある?」と聞くと「ある!」と答える場面があります。

味噌を発酵させる菌は目に見えないけれど、子どもたちはそこに何か不思議な力があることを感じます。味噌が発酵していくプロセスは、目に見えない世界を想像するチカラを育んでくれるのかもしれません。

映画「いただきます」

Copyright:「いただきます」製作委員会、撮影:VIN OOTA

さらにこの味噌づくりが、上級生の「味噌伝達式」によって、下級生へと引き継がれていきます。美味しく食べること、丁寧に作ることで、食事の大切さを学び、次の世代に伝えてゆく。かつてはそれぞれの家庭で普通に行われていたこと、でも現代では忘れられがちなことを、私たち「発酵ラボ」でも伝えてゆかなければいけないなと改めて思いました。

手づくり味噌の魅力とは

―「発酵ラボ」でも、みなさん味噌づくりはしているんですか?

内田:人によっては毎年仕込んでいる人もいます。煮大豆と麹と塩で仕込んだばかりの味噌は、最初は尖った塩味しかしませんが、一年後には人の手では真似できない複雑な風味に仕上がります。何か魔法のようで、初めて作ると感動しますよ。

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―市販の味噌との違いはどんなところですか?

内田:手づくり味噌と、市販の一般的な味噌の違いは、熟成期間の長さです。自家製は8か月から1年以上寝かせますが、市販の味噌の多くは速醸法で、2~3か月ほどで完成します。麹菌がゆっくり時間をかけて大豆のタンパク質を分解してできあがった味噌は、やはり奥深い味がしますよね。

ご飯とみそ汁

味噌の健康効果について

―映画では味噌の健康効果にも触れていますよね。

内田:映画にも登場する発酵学の第一人者、小泉武夫先生(東京農業大学名誉教授)によれば、味噌は優れた抗酸化力を持つ食品のひとつであり、生活習慣病に対するリスクを低下させる機能を持つといいます。

また生きた酵母や乳酸菌を含む発酵食中心の食生活は、健康な腸内環境を整えるのによいと言われていますよね。最近では「脳腸相関」(脳と腸が密接に影響を与え合っている)も注目を集めています。

―手づくり味噌をはじめとする発酵食って、なんだかいいことづくめですね。

内田:そうなんですよ。大地を守る会では毎年4000世帯くらいの方が自宅で味噌作りを楽しんでいますが、一人でも多くの方に一度は体験していただきたいなあと。映画では、子どもたちが真剣なまなざしで味噌を作り、幸せに満ちた笑顔で味噌汁を飲んでいます。「味噌を作ってみたい」と思ってくださる方が増えると嬉しいですね。

映画「いただきます」

Copyright:「いただきます」製作委員会、撮影:VIN OOTA

―なんだかいいことづくめの発酵食。自分の手で丁寧に作りしっかりと熟成させる「手づくり味噌」の魅力にも引き込まれそうです。「発酵ラボ」が今後どんな世界を私たちに紹介してくれるのか、それも楽しみです。(文章:ライター・渥美志保)

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映画『いただきます~みそをつくるこどもたち』はこちら

大地を守る社会貢献活動(CSR)をすすめる会

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大地を守る会は、社会的課題をビジネスで解決していくソーシャルビジネス(社会的企業)です。産地交流会、料理講座、講演会、他NGO・NPOと連携した取り組みなど、幅広いCSR活動をご紹介します。