フードレポート

野菜や果物をはぐくむ土のチカラ

畑の土も生きものなのです。

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大地を守る会の生産者の瀬山明さん(埼玉県)の畑の土。この土は、長年にわたって有機質肥料を投入したことで瀬山さんがつくりあげた土。このふかふかの土には大量の微生物が生息していることがわかっています。

 

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「良い土」ってどんな土のこと?

 「良い土から健康な作物が生まれる」なんてよく言われますが、具体的にどのようなものなのでしょう。ふかふかの土、支柱が1mすーっと刺さる土などなど、漠然としたイメージはあっても「どんな土?」と尋ねられるとはっきりしないということはありませんか? 少し専門的な話になりますが、良い土とは「生物性」「物理性」「化学性」が整った土のことを言います。生物性とは土壌中の微生物層が豊富なこと、物理性とは、気相、固相、液相のバランスが整っていること、化学性とは土壌中の要素が整っていること。この3つが整って初めて、「良い作物が多収できる良い土」になります。さて、3つの条件のなかで最も大切なのは生物性。生物性が整うとはどういう状態のことを言うのでしょうか。

 

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目に見えない微生物のはたらき

 1立方cmの土の中には1億もの微生物がいると言われています。これらの微生物がどのようなはたらきをするのか、まだはっきりとはわかっていません。ただ、微生物バランスが崩れるといろいろな障害が起きることがわかっています。その一つが「連作障害」です。 同じ科の作物を同じ畑で栽培し続けると、特定の微生物のみが繁殖することで微生物バランスが崩れてきます。その結果、作物に悪さをする微生物が多くなり、生育が悪くなる・病気にかかりやすくなるなどの障害が起こります。これを連作障害と呼びます。これを予防するために行われるのが「輪作」です。有機農家ではアブラナ科の次にイネ科やセリ科を栽培します。栽培する科目を変えることで、特定の微生物のみが繁殖することを防ぐという、昔から知られている方法です。 しかし一般的な栽培では、土壌消毒剤を使用するという、もっと安易な方法が取られます。土壌消毒剤は土壌中の微生物を全滅させる農薬。毒性が強く、散布時には注意が必要です。土壌消毒剤の散布により障害が起きなくなりますが、それはあくまで一時的なもの。微生物を絶滅させても、再び特定の微生物が繁殖する環境を作ることになりますから、土壌消毒剤を使わなくてはならなくなります。そしてますます微生物バランスは崩れ、永遠に土壌消毒剤を使い続けざるを得ない負のスパイラルに陥ってしまうのです。

土壌分析

土壌分析をして作物に必要な肥料分がほとんど検出されない畑でも、とてもおいしい葉物ができることがあります。これは微生物が菜っ葉に必要な肥料分を作り出し、作物に与えるからと考えられています。

 

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微生物の力を借りる有機農業

 堆肥などの粗大有機物を畑に長年投入していると、微生物がどんどん増えてきます。微生物バランスが整うと土壌由来の病気が発生しなくなることが知られており、微生物が豊富な土から生まれる作物は食味が良くなるとも言われます。これは微生物が作物に有用な物質を与えるからと考えられています。目には見えない微生物ですが、作物が生育する上でとても大切な役目を果たしているのです。 生物性、物理性、化学性の整った良い土は、殺菌剤や土壌消毒剤に頼らなくとも、おいしくて安心して食べられる作物を生み出してくれます。有機農業の野菜がおいしいのは、微生物のおかげなのかもしれませんね。

土作り

大地を守る会の生産者「くらぶち草の会」(群馬県)で行なわれた堆肥勉強会の様子。生産者同士が土作りの情報を共有し合い、おいしい野菜作りに努めています。

手島奈緒さんの記事「早採りの果物においしいものはない」

 

 手島さん余白無

文・写真/手島奈緖(てしまなお)

食料ジャーナリスト。2010年「ほんものの食べものくらぶ」を設立、食べる人と作る人をつなぐ活動に取り組んでいる。

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。