フードレポート

バーベキューシーズンに知っておきたいお肉のこと

お肉の向こうに世界が見える

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日本のお肉はトウモロコシでできている?

 昨今では安価な海外産の牛肉・豚肉も多く見かけるスーパーマーケットの精肉売り場。安価で手軽に入手できるのは素晴らしいことですが、米国産や中国産などの輸入肉のなかには、飼料や飼育方法に不安が残るものもあります。国産のものについても、飼料に何を食べているか、どのように飼われているか、消費者にはほとんど公開されていません。

短角牛の放牧

山形村短角牛の飼料はすべて国産。飼料自給率26%の現在の日本では稀有な存在と言えます。


 さて、現在、飼料穀物はほとんどが遺伝子組み換え作物となっており、主にトウモロコシ、次に大豆が利用されています。飼料におけるトウモロコシの割合は、平成23年の統計によると46%(独立行政法人農畜産業振興機構)。一昨年あたりからトウモロコシ価格が高騰しているため、割合を減らし、エコフィードや飼料米など飼料の国産化に取り組んではいますが、まだまだトウモロコシ依存から抜けることは難しいようです。

 

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お肉を食べることで起きるいろいろなこと

 牛肉を1kg作るのにどれぐらいの穀物飼料が必要なのでしょう。トウモロコシだけで換算すると、11kg必要だと言われます(1998年農業白書より)。そのトウモロコシを1kg生産するためには、1,800リットルの水が必要です(環境省「バーチャルウォーター」より)。


 私たちは肉を食べることで間接的に大量の穀物を、さらに海外の水を大量に消費しているのです。そのバーチャルウォーターの量は、日本で1年間に使われる生活・工業・農業用水の総量とほぼ同じ。海外の農地では水不足による土壌の流亡などが問題となっていますが、それに加担しているとも言えます。一方で、海外の穀物を食べた家畜が排泄する糞尿の量は1年間で8,663万トン(2008年)にもなります。これらは堆肥化されて農業利用も行われていますが、化石燃料を使って焼却されるものも多いのです。また、堆肥化の際には、アンモニアガス発生などの環境問題にもつながっています。

「夏山冬里方式」で育つ山形村短角牛。

春から秋の半ばまで野山に牛を放牧し、秋冬は里の牛舎に下ろす「夏山冬里方式」で育つ山形村短角牛。


 「肉を食べること」は、これらの問題を引き受けることにもなります。食べるのならば、国産飼料で飼育された国産の肉を選択したほうがいいでしょう。そういうお肉を選ぶことで国内の農家を応援することができますし、農業の活性化にもつながります。私たちのからだは自分が食べたものでできており、日々の選択が私たちの未来を決めています。そのことを忘れずにいたいですね。

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手島奈緒さんの過去記事「 味覚の繊細さを奪う、うまみ調味料」はこちら

 

手島奈緖さん

食料ジャーナリスト・手島奈緖さん

文・写真/手島奈緖(てしまなお)

食料ジャーナリスト。2010年「ほんものの食べものくらぶ」を設立、食べる人と作る人をつなぐ活動に取り組んでいる。

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。