フードレポート

日めくり 季節のごちそうカレンダー:うなぎ(前編)

うなぎの旬は初冬!? なのにどうして夏に食べるの?

夏バテ防止に食べるメニューの代表格と言えば「うなぎ」。毎年7月に訪れる「土用の丑の日」は、うなぎを食べる日として定着しています。しかし、天然もののうなぎがおいしい時期は、実は夏ではないことをご存じでしたか? 土用の丑の日の由来から夏に食べる理由まで、うなぎにまつわるアレコレをまとめてみました。

 

「土用」とは季節の変わり目を指す

そもそも「土用の丑の日」とは、古代中国の五行思想に由来します。万物は木・火・土・金・水の5つの元素でできていると考える五行思想になぞらえて、春を「木気」、夏を「火気」、秋を「金気」、冬を「水気」としました。残る「土気」を季節の変わり目に当てはめ、土用の時期と呼ぶようになったのです。

夏の土用は、立秋の直前である現在の7月半ば~8月頭にかけての時期。この期間内に訪れる丑の日(干支に基づく日付)が「土用の丑の日」になります(2015年は7月24日、8月5日)。

とは言え、うなぎが最もおいしいと言われる旬の時期は、冬眠に向けて養分を蓄える秋の終わりから冬の初めにかけて。それではなぜ、私たち日本人は養殖してまでも、真夏の土用の時期にうなぎを食べる習慣が定着したのでしょうか。

 

商人のたくましさが「土用の丑の日にうなぎ」の起源

これには諸説ありますが、最も有力なのは江戸時代に学者や医者、発明家に実業家と、マルチに活躍した平賀源内(1728年~1780年)が仕掛けたキャンペーンであるという通説です。

うなぎ屋が夏の売り上げの落ち込みを平賀源内に相談したところ、「『本日土用の丑の日』と書いた貼り紙を出して宣伝すればよい」とのアドバイスを受け、実践したところ大当たりしたのだとか。これを全国のうなぎ屋が真似をし、広がったと言われています。

真偽の程は定かではありませんが、長く続く習慣の背景に、旬ではない時期に必死にうなぎを売ろうとした商人のたくましさがあったのだとすれば、尊敬の念を禁じ得ません。

 

ビタミンを豊富に含み、夏バテ解消に最適

うなぎは、夏バテ解消に最適な食材として知られています。文部科学省が公開している「食品成分データベース」によると、うなぎのかば焼きに含まれる栄養素には以下のようなものがあります。

  • レチノール(ビタミンA)…不足すると免疫力の低下などが起こる
  • ビタミンB1…不足すると倦怠感や食欲不振などが起こる
  • ビタミンB2…不足すると口内炎などが起こる

うな重

うなぎに含まれるこれらのビタミンの効能によって、暑い夏場の体力減退を防いでくれるのです。先人たちもきっと、そうしたうなぎの効用に気付き、夏の一大キャンペーンを盛り上ることにつながったのではないでしょうか。

このように日本人の伝統として脈々と受け継がれてきたうなぎの食文化ですが、近年は養殖に必要な稚魚の漁獲量が減少の一途をたどっています。次の記事ではうなぎの生態や、絶滅危惧種とされる現状について考えます。

 

(後編) ニホンウナギは「グアム生まれ、日本育ち」 はこちら

大地宅配編集部

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大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。