フードレポート

自然に寄り添う、夏山冬里を守りながら育てる

恵まれた大自然のなか、その土地の環境に順応して育てる飼育法「夏山冬里方式」。伝統的飼育法を守りながら、希少な品種である山形村短角牛と阿蘇あか牛を育てている人たちがいます。のびのびと健康に育てることこそが、上質な肉を作るのです。

広い牧草地でのんびりと過ごす山形村短角牛(岩手県久慈市)

広い牧草地でのんびりと過ごす山形村短角牛(岩手県久慈市)

広大な放牧地で健康に 育てる伝統的飼育法

「夏山冬里方式」とは、春から秋の半ばまで野山に牛を放牧し、秋冬は里の牛舎に下ろす飼育法。暖かい時季、牛たちは動きたい時に運動し、おなかが空いたら牧草を食べ、眠くなったら眠るという、自然のサイクルに沿ってのびのびと育ちます。山形村短角牛の場合、秋を迎えて里に下ろすころには、子牛の体重は約2.5倍に増え、その後牛舎で栄養バランスを考えられた飼料を食べて、さらに大きくなります。生産者は、放牧期間中も牧草や飼料用穀物の栽培などに大忙し。放牧地の気候や牛の体調にも気を配ります。現在、日本で飼養されている和牛のうち、短角牛の割合はわずか0.5%、あか牛は1.3%ほど(※)。生産者たちは、希少な牛を伝統の飼育法を受け継ぎながら育てています。(※)(独)家畜改良センター集計資料より算出

山あいでのんびり暮らすあか牛。

山あいでのんびり暮らすあか牛。

野山を駆け回ることで 引き締まった肉質に

一般的な牛の肥育は、サシ(脂)を作り出すことに注力し、濃厚飼料(穀物)を中心に育てられます。しかし、高カロリーの食事を与えれられ、運動もさせずに肥えさせた牛たちが健康と言えるのでしょうか? 一方、夏山冬里方式では、牛の健康が第一。牛本来の食べ物である粗飼料(草)を与え、元気に野山を走り回ることで足腰が鍛えられて赤身が引き締まり、うまみ成分がたっぷりと作られます。

山形村短角牛

素性が確かな国産飼料だけで飼育

通常の牛の飼料は国産穀物の割合が10%程度ですが、山形村短角牛は国産穀物100%にこだわります。粗(草)には、契約している米農家から購入したわらを使用。牛を山に上げている間に栽培した牧草やとうもろこしなども使います。一番の魅力は、かめばかむほどあふれる赤身のうまみ。サシが入った牛肉とは、まったく違う味わいです。

山形村短角牛肥育部会(岩手県久慈市)中屋敷稔さん。「シンプルに焼くだけでも、赤身の滋味が際立ちますよ」

赤身のおいしさを堪能でき、旨みが濃い山形村短角牛

赤身のおいしさを堪能でき、旨みが濃い山形村短角牛

阿蘇あか牛

阿蘇の大草原に囲まれ、良質な牧草で育ちます

「良い草が良い牛を育てる」を信念に育てられている、あか牛。産山(うぶやま)村上田尻牧野地区は、日本名水百選の池山水源が近く、牛を放牧して育てるにはもってこい環境。良質で豊富な牧草を十分に食べた牛は、しっかりとした胃腸が作られ、健康的に育ちます。夏でも冷涼な気候のため食欲も衰えず、病気の発生もほとんどありません。余計が脂がなく、あっさりとして食べやすい肉質が魅力です。

うぶやま村あか牛の会(熊本県産山村)井俊介さん「まずは何もつけずに、おいしさを感じてください!」

うぶやま村あか牛の会(熊本県産山村)井俊介さん「まずは何もつけずに、おいしさを感じてください!」

バーベキューにもおすすめ。

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大地宅配編集部

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大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。