フードレポート

予防医療コンサルタント細川モモさんインタビュー~産後の食編3~

産後は無理なく体をリカバリー。赤ちゃんへの栄養を意識した食生活を。

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「妊活前・妊娠中・産後の食」について、細川モモさんのインタビューを3回連載でお届けしています。3回目は、産後の食についてお話を伺いました。ご自身も妊娠中である細川モモさんの言葉からは、家族の健康を守るお母さんとしての心構えが感じられます。

前回の記事はこちら 
  第1回「ハッピーな妊娠・出産の準備は、“妊活前の食事”から!」 
 第2回「“健康貯蓄”で妊娠ライフを健やかに。」



妊娠・出産は、体にとってダイナミックな変化。


産後は、赤ちゃんのお世話で誰でも忙しくなると思いますが、赤ちゃんのいる生活に慣れてきたらお母さん自身の体の変化も意識していただきたいことのひとつです。女性は、妊娠・出産・授乳によって貯蔵鉄(フェリチン)や骨密度が低下しています。

一般的には離乳とともに母体の骨密度はV字回復します。ただ、回復のスピードは同じではなくて、妊娠前の骨に含まれる骨ミネラルが多いほどスムーズに回復できることがわかっています。

骨へのカルシウムの取り込み量を増やすためには、日光浴をすることによって体内で生成されるビタミンDが必要です。産後は赤ちゃんもですが、実はお母さんも十分な栄養と適度な日光浴が大切なのです。

加齢とともに腸管からの栄養の取り込みも低下していくため、腸内環境を整えることも高齢出産では意識したいことのひとつと言えます。

赤ちゃんに手がかかる中で産後復帰も考えなくてはいけない女性も多いですよね。産後の骨密度を回復するまでには、十分な時間が必要です。

また骨密度に加えて、出産によって著しい損傷を負った骨盤と神経の回復にも時間がかかります。

産後1年間は、回復期と心得て、十分な栄養の摂取が必要。産後ダイエットや無理な運動は避けて、次の妊娠に備えて体をリカバリーするようにしましょう。

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妊娠・出産は幸せなことですが、体にとってはダイナミックな変化です。産後の無理が歳を重ねてからの健康状態に影響するともいわれていますので、美容面を優先するあまり体をつくる意識が欠けてしまうと、母体の栄養は目減りする一方です。

産後の肥立ちに影響が出たり、精神的なアップダウンから産後鬱になってしまったりという方も少なくありませんから、十分に注意してください。


赤ちゃんの発育を支える母乳のパワー。

赤ちゃんは2歳まで臓器が未発達なんですが、母乳を飲んですくすく育ちますよね。それは、母乳に含まれる栄養素が、未発達の臓器にも吸収されやすい形態に変化するからなんです。これは、母乳の優れた特徴といえます。

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そんなパワーを持った母乳に含まれる栄養素のなかでも、とくに注目したいのがDHA・EPA(必須脂肪酸)です。

魚に含まれるDHA・EPAは、赤ちゃんの育脳に欠かせないもので、脳の神経細胞同士をつなぐ伝達回路の発達をサポートする働きがあります。

出典:Pediatrics Jan 2003, 111 (1) e39-e44 DOI: 10.1542/peds.111.1.e39


妊娠20週頃から2歳まではDHAの必要性が右肩上がりに増していきますが、妊娠中に海産物をしっかり食べていたお母さんから生まれた子どもは、社交性・運動・コミュニケーション能力・情報処理能力を主とするIQが高いという研究報告があります。

一方、母乳中のDHA濃度は、終戦直後から比べて20%も低下しているという報告があります。

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お母さんの血中DHA・EPA濃度は、食生活における摂取量に比例します。鮭やシラス、青背の魚を食べて、母乳を通じて赤ちゃんに与えるのが理想的です。

私も妊娠中ですが、鮭フレークやしらす、鰹節は常備していて、トッピング食材として活用しています。DHA・EPAのほか、くる病を予防するビタミンDなど、子どもの発育・発達を促す栄養素が不足しないよう心掛けましょう。

 魚介類の摂取が心配というお母さんはDHA・EPAとビタミンDをどうやって不足させないようにするかを考える必要があります。

亜麻仁油やエゴマ油などの植物性食材からのDHA・EPAの変換度はわずか数%ほどで、できない日本人も一定数います。

フォローアップミルクを活用するなどして必要量をしっかり与えないと脳や骨の発育が妨げられてしまいます。

妊娠前に貧血と診断されたお母さんは動物性たんぱく質が不足している可能性が高いですが、ゆえに赤ちゃんがビタミンD不足で生まれやすいことが報告されています。食べないことには満たされないのが栄養状態なのです

出典:Korean J Pediatr. 2015 Aug; 58(8): 283–287.


「健康」が赤ちゃんへのいちばんのプレゼント。

健康は天に与えられるものではなくて、毎日の食事によってつくっていくものです。お母さんの食や栄養に関しての興味・関心・知識が、赤ちゃんの発育・発達や家族の健康を守ることにつながります。



私は今、食と健康に携わる仕事をしていますが、実は母が離乳食から大地宅配の食材を利用していました。

“家族の健康”という目的をもって食を選択する母の背中からたくさんのことを学んできたので、食や農業に関心を持つことが自然な環境だったように感じます。赤ちゃんが誕生したら、親子三代で大地を守る会の食材を食べることになるので、食と向き合う姿勢ごと子どもに受け継いでいければと思っています。

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赤ちゃんが誕生したら、親子三代で大地を守る会の食材を食べることになるんですよ。

食の知識だけでなく、食と向き合う姿勢ごと子どもに受け継いでいければと思っています。

 

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ラブテリ トーキョー&ニューヨークでは、女性の健康を通じて次世代の健康に貢献するため、「卵巣年齢共同研究」「高崎妊婦栄養研究」など、食と女性の妊娠・出産・赤ちゃんの健康に関する 幅広い研究を行い、学会発表及び論文執筆に努めています。
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細川モモ

予 防医療コンサルタント/社団法人Luvtelli 東京&NewYork代表理事/2011~2015ミス・ユニバース・ジャパンビューティキャンプ講師/農林水産省「地域食文化活性マニュアル推 進・検討会」委員/『細川モモの美人食堂』(主婦の友社)、『タニタとつくる美人の習慣』(講談社)発売中

大地を守る会編集部

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。