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カラダと大地を守るために、食べることからエコシフト。


放射能除染プロジェクト ジェイラップVOL.1

国や行政の動きを待っている時間はない。
民間企業だからこそできる、スピード感のある除染活動

大地を守る会では、福島第一原発事故の放射能汚染問題に正面から向き合い、消費者のみなさんに安心して国産の食材を選んでもらうために、生産地と連携した除染活動をすすめています。放射能汚染の影響は数年にもわたることが想定されます。消費者のみなさんの安心を回復するためには、事故発生から間もない今年の取り組みや数値の把握、除染実験に大きな意味があります。国や行政の動きを待っている時間はありません。民間企業だからこそできる、細やかでスピード感のある除染活動が、いま求められています。さらに"顔の見える関係"を重視した生産者とのつよいネットワークがあり、畑ごとの栽培履歴を正確に把握しているトレーサビリティシステムをもつ大地を守る会だからこそできることがあります。

未来のこどもたちが、笑顔で日本の農産物を食べ、健やかに成長してくれる日本を守るために、わたしたちは、精一杯努力します。そして、思いのある生産者と手を取り合い、みなさんの食卓へ安心できる食材をお届けします。

ジェイラップへの測定器貸し出しだけではなく、短角牛の生産者「山形村短角牛肥育部会」や福島県二本松市の「ゆうきの里東和」とも連携をすすめています。

ここでは、ジェイラップとの除染プロジェクトに焦点をあて、取り組みの概要をお伝えします。

田畑や土、作物を知る生産者に、高性能な測定機器を渡せば
うまい米を作るように、有用な除染データを収集するに違いない

ジェイラップは、大地を守る会にとって、重要な米産地です。1994年の大冷害以降、「大地を守る会の備蓄米」を開発し、おいしいお米を供給してきました。 ジェイラップ代表の伊藤俊彦さんは、放射能汚染問題から逃げ回るのではなく、正面から立ち向かい、克服し、日本の農業の強さを世の中に発信したいと語っています。大地を守る会は震災直後から、ジェイラップと連携し、二人三脚で除染問題に取り組む決意をしました。まずは放射能測定器を貸し出し、産地だからこそできる細かな測定計画を実施してもらっています。

夏の日差しがより厳しくなった8月12日、測定が順調に進んでいるジェイラップの圃場をたずねました。

テレビ局の取材を受け、測定計画を説明する伊藤俊彦さん。

ジェイラップへ貸し出した「ガンマ線スペクトロメーター」(EMFジャパン社 参考価格300万円/台)。放射性セシウム134、137および放射性ヨウ素131の核種の検出限界が概ね10ベクレル/kgの高性能測定器。

試験圃場は、3反(約30アール)の田んぼ8枚。
珪藻土、貝化石、光合成細菌など、
放射能の吸収を抑制するといわれている有機資材を投入

「8月に入る前に、測定器を貸し出してもらい、助かった」
開口一番、ジェイラップの伊藤さんに言葉をかけてもらいました。実は、5月頃から放射能測定器の購入を検討してきたジェイラップでしたが、10月以降の納品しかできないとの回答に苦慮していました。稲に穂がつきはじめる8月に測定をし、土壌からの移行状況を確かめなければ、翌年のための有用な除染対策を講じることができません。だからこそ、できるだけ早い時期に、測定器の貸し出しを行なうことを決断しました。

福島県須賀川市の田植えは、5月中旬頃。3月の田起こし、4月の苗の準備の段階から、除染試験はスタートしていました。田植えの時点で、珪藻土、海草、貝化石、光合成細菌など、放射能の吸収を抑制するといわれている有機資材を投入した試験圃場を準備し、3反(約30アール)の田んぼ8枚で除染実験に取り組んでいます。

試験圃場には赤い棒を目印として設置

最初に測定した試験圃場の稲体のサンプル

まずは、穂が出る前の稲体を検査。続いて、土壌や水の測定値の分析をすすめています。ジェイラップでは、300以上ある全圃場の検査をめざしています。

また、試験圃場だけではなく、全圃場で統一した栽培方法を採用しました。6月、稲の分けつが進む頃に土壌からカリウムを吸収しやすくなることが知られています。カリウムとセシウムの構造が酷似していることから、その期間に稲が吸収する限度のカリウムを散布し、セシウムの吸収を抑える農法を実践しました。

ジェイラップの主力品種はコシヒカリ。須賀川のコシヒカリに稲穂がつくのは、8月中旬以降です。今回、ジェイラップを訪れた8月12日は、早生品種のヒトメボレに穂がつきはじめていました。稲穂へのセシウム移行が、今後の放射能汚染にとって重要なキーポイントです。数箇所の稲穂のサンプルを採取して、分析にかけました。結果がでるのは少し先になりますが、セシウムが検出されなければ、ほぼ玄米への移行はないと想定されます。

農水省の基準に従い特別な器具で土壌を採取する。

一圃場につき、5箇所の土壌サンプルを測定する。

早生品種のヒトメボレには穂がつきはじめた。

サンプル検体を圃場から採取する伊藤さん。

稲穂のサンプル検体を続々と測定にかけている。

 

今年の除染データを分析し、効果的な栽培方法を全国へ発信
放射能汚染の被害を減らすことで、消費者と日本の農業を守りたい

「足尾鉱毒、水俣病、B型肝炎などの公害を二度と繰り返してはいけない」とジェイラップの伊藤さんは繰り返し語ります。つまり、行政の判断を待っているだけでは、手遅れになるかもしれない、そうなる前に、農家自身が放射能汚染問題に向き合い、解決の糸口を見つけていかなければならないと考え、実行しているのです。

ジェイラップを訪れた8月12日の夜には、チェルノブイリの住民支援を長年続けてきた四日市大学の河田昌東さんの講演が開催され、近隣の農家と家族150名が足を運びました。農家自身が安心して食べられないものを、消費者に届けるわけにはいかない、そのためには、まず、生産者自身が放射能の知識を深め、学び、栽培をしなければならない、というのが伊藤さんの哲学です。

チェルノブイリ原発事故に起因する放射能汚染問題に向き合ってきた河田さんのリアリティのある話しに、参加者は真剣に耳を傾けていました。

河田昌東さんの講演には多くの人が駆けつけた

 :

伊藤さんは、ジェイラップだけ、須賀川だけの農家が助かるのではなく、今年の除染試験を分析し、効果的な除染栽培方法を情報発信することで、日本国内の農業全体で放射能汚染問題の被害を減らしていきたいと考えています。それが、日本の消費者と農業を守ることにつながるという思いが根底にあります。

大地を守る会も、伊藤さんの実験データを共有し、他の生産者へ広く情報提供することで、消費者を放射能汚染から守るための生産のあり方を追求していきます。

日本国内の消費者が、安心して国産の食品を選ぶことができなければ、日本の第一次産業は衰退するばかりです。いま、大地を守る会ができることは、日本の生産地を放射能汚染から守り、そこで生産される食材を消費者へ届け、消費者と日本の第一次産業を守ることです。

ジェイラップだけではなく、他の米生産者においても、大地を守る会ですべて放射能自主測定

(文章・大地を守る会 広報担当)

※大地を守る会の農産グループ長・戎谷徹也のブログ「あんしんはしんどい」にも本プロジェクトの情報がアップされますので、あわせてご覧ください。

ジェイラップの伊藤さんから、皆さんへのメッセージをいただきました。
ぜひご覧ください。




ジェイラップの圃場へ流れる水路の水。放射能物質は検出されなかった。

ジェイラップ事務所から望む田園風景。この美しい風景をともにまもっていきたい。





放射性物質を除去する世界標準の浄水システム「NEOS(ネオス)」のレンタル開始

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