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カラダと大地を守るために、食べることからエコシフト。


2013年10月2日更新

 平素より大地を守る会をご利用いただき有り難うございます。また東日本大震災後取り組んできました様々な復興支援活動への皆様からの力強い励ましやご支援ご協力に対し、改めて深く感謝申し上げます。

 昨年3月11日の東日本大震災により発生した東京電力・福島第一原発の事故は、広範囲に放射性物質を飛散させ、「食の安全」を脅かし、今もって東日本の第一次産業に大きな打撃を与え続けています。
 大地を守る会においては、事故以降今日に至るまで、放射能汚染のできるだけ正確な実態把握(測定体制の強化)と情報公開に努めるとともに、生産現場での放射能対策支援に尽力してまいりました。現在、高精度の放射能測定を可能とする体制(ゲルマニウム半導体検出器1台、NaIガンマ線スペクトロメータ6台-内2台は生産地に設置)を整えるまでに至っております。

 食品における放射性物質の規制に関しては、ただ拙速に国の暫定規制値に対抗した「基準値」を設定するのでなく、その前にしっかりした現状把握と、「基準」遵守を担保できる測定体制の確立、消費者の選択材料としての測定結果の公開、生産地での対策の方向性の確立など、総合的な政策が必要との姿勢に立って検討を進めてまいりました。
 また並行して他団体とともに「食品と放射能問題検討共同テーブル」を立ち上げ、"基準とはどうあるべきか"について討議を深めてきました。昨年末に厚生労働省から発表された「新基準値案」に対しては、「共同テーブル」として「提言」を発表し、基準設定の基本的な考え方を提示しました。

 こういった取り組みを土台として、この度、大地を守る会としての「食品中の放射性物質に対する自主基準」を設定する運びとなりましたので、ここに皆様にお知らせ申し上げます。

食品中の放射性物質に対する「自主基準」設定

一.「自主基準」設定にあたっての基本姿勢

  1. 「内部被ばくはできるだけ低く」の考え方に立ちます
    長期的な低線量内部被ばくの影響がまだ未解明な段階では、予防原則の視点と、「しきい値なし直線説」を採用し、「食品による内部被ばくはできるだけ低く抑える」考えに立つべきと考えます。
  2. その上で、生産者とともに達成できる・すべき指標として、「基準値」を位置づけます
    この「基準値」は、上記1.を基本姿勢としつつ、一年間の測定体制の進化、測定データの蓄積、産地での対策の成果などを踏まえ、現時点での目標として、かつ達成可能な水準として設定したものです。
    「食の安全」を可能な限り向上させる努力をするのが生産者ならびに流通者の使命と考えます。あらゆる食品において指標としての「基準値」未満の達成をめざすことで、生産と消費の信頼関係をより強く、確かなものにしていきたいと考えます。
  3. 基準値や分類は継続して見直してゆきます
    「基準」とは常に見直していくべきものだと考えます。新しい知見やデータを集めながら、見直し・検討を重ねていきます。
    また食品には日常的に多く摂取する物とそうでない物があります。摂取量の多い食品には厳しい基準値を設定すべきだと考えます。日本人の食文化に合わせた細かい分類とそれぞれの基準値を常に検証しながら、内部被ばくを少しでも減らす研究と努力を、生産者とともに進めます。
  4. 測定体制の強化と「情報公開」を継続して進めます
    「基準」を設定するということは、「基準」に則ってただしく流通されていることを担保するための測定体制と情報公開が前提となります。引き続き測定体制を継続・強化するとともに、情報公開の原則を厳守します。

二.流通基準値

乾燥食品については、原材料の状態及び水戻しを行った状態の両方に基準値を適用する。
※1
飲用に供する茶については、原材料の茶葉から浸出した状態に基準値を適用する。

【各数値の補足説明】

  1. 基準値「6」について......ゲルマニウム半導体検出器における検出限界値(概ね3ベクレル)の放射性セシウム2核種合算値相当。飲料水は、すべての生命の健全な生存のための基盤となるもので、検出されるレベルであってはならないと考えます。乳幼児食品も同レベルを指標としました。卵は現状においても達成できていると判断でき、それを後退させてはならないと考えました。
  2. 基準値「10」について......米およびパン・牛乳については、摂取量の多い基礎食品として、できるだけ低減させることが望ましいと考えます。ただし生産地(+汚染のバラつき)が広範囲に及ぶこと、牛乳については放牧による餌の影響に不安定さが残っていることに鑑み、引き続きモニタリングを進めながら、すべての産地において安定的に基準値「6」水準を達成すべく、生産者とともに対策を継続します。
  3. 基準値「20」について......NaIガンマ線スペクトロメータにおける検出限界値(概ね10ベクレル)の放射性セシウム2核種合算値相当として設定しました。
  4. 基準値「50」について......水産物に関しては、汚染動向や影響が不明な点が多く、また汚染に対する対策も困難な面があります。推移を見守りつつも、「魚中心の食生活」を営む消費者への配慮をもって設定しました。

三.「脱原発」社会の実現を目指すことを、「大地を守る会の基準」の土台とします。

大地を守る会は、1986年のチェルノブイリ原発事故以来、一貫して「脱原発」社会の実現を提唱してきました。 食の安全とその基盤である環境を守るためにも、わが国のエネルギー政策の総合的見直しを進め、脱原発社会づくりを目指します。

四.「基準超過」した場合の対応について

「食の安全」確保のためには厳しい基準値の設定が求められますが、同時に農業や漁業を再生させていく政策も必要です。放出されたセシウムが半減期を迎える約30年後の子どもたちに、食と暮らしの基盤である第一次産業を責任持って継承するためにも、今ここで東日本の第一次産業を崩壊させるわけにはいきません。
また放射性物質の今後の動態は未だ充分に予見できません。想定外の汚染の拡散・深刻化や、新たなリスクの判明、さらには非常事態が発生する可能性もゼロとは言えません。あるいは原材料や飼料等の変更によって数値に変化が生じることも考えられます。しかし仮に基準を越えてしまった生産物が発生した場合においても、けっして生産地を切り捨てることなく、可能な限り支援策を講じ、生産基盤を維持・再生していくことが、今を生きる者として求められています。
基準値を超えてしまった契約生産物については買い取りを基本姿勢とします。また「測定結果の公表」と「消費者の選択権の保証」を前提として、皆様にお知らせしたうえで取り扱う場合があることも、ここに明記します。

「未来の子供たち」への責任を全うする決意で、本基準を設定・運用していくことをお約束します。

本基準は2012年2月20日発効とします。これまでの取り組みにより、現在において運用されている状態であることを付記します。




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