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カラダと大地を守るために、食べることからエコシフト。


大地を守る会が2001年11月5日(月)に報道発表したプレスリリースです。

要約

さる11月2日(金)付で厚生労働省が発表した「特定危険部位を含む恐れのある牛由来原材料を使用して製造または加工された食品の自主点検結果」において、自主回収対象22品目のうち17品目を弊社取り扱い商品が占めたという事実はすでにご存知の方も多いかと存じます。
この件に関しまして、弊社の見解をお知らせいたします。ご不明の点などございましたら、ぜひご取材のほどお願い申し上げます。

「大地を守る会」

「大地を守る会」は、「農薬公害に反対し、安全な農畜産物を社会的に広めていこう」という目的で、1975年8月に設立されました。事業として農産物・無添加食品の宅配『大地宅配』を行ない、2001年3月末現在、消費者会員約53,000名、生産者会員約2,500名を数えます。「顔の見える関係」をモットーに生産者と消費者の交流の場を提供したり、「第一次産業と食の安全を守る」観点から、脱原発運動、ゴミ・リサイクル運動、環境ホルモン廃絶にむけた活動への連帯など、さまざまなテーマで市民運動を行なっています。

1.これまでの経過

9月10日(月) 「狂牛病」発症に関する報道

ただちに全ての牛産地の飼養環境の再確認調査を実施いたしました。その結果、主力産地である岩手県産の肉牛・日本短角種と静岡県(丹那)産の乳牛は、狂牛病発症の原因とされている肉骨粉の不使用を過去10年間にさかのぼって確認いたしました。

9月17日(月) 第一次緊急チラシ配布

上記の確認結果は、消費者会員の皆さまにチラシならびにホームページでお知らせいたしました。

ビーフエキス使用商品とその製造方法の確認

並行して、ビーフエキス使用商品の再確認調査も行ないました。その結果、
原材料
岩手県産日本短角種の牛骨(せき髄<=特定危険部位>含む)、ニンジン、玉ねぎ
110度、1.4気圧、14時間の加熱
であることを改めて確認いたしました。
ビーフエキスは弊社が徳岡商会様に製造委託しておりますが、原材料であるニンジンと玉ねぎの風味を破壊しない製法ということで110度の加熱で製造することをお願いしておりました。
弊社といたしましては、原材料の特定危険部位が含まれていること、製造方法が「OIE(国際獣疫事務局)基準) 」を満たしていないことは認識しておりました。しかし「狂牛病」の発症原因とされている肉骨粉の10年間不使用を確認していたことから安全性に問題はないと判断し、「狂牛病」発症の時点ではとくに回収等の処置はとらないことといたしました。
なお、上記「OIE基準」については、日本では明確に採用されていたという経過もなく、行政によるメーカーへの指導など一切行なわれておりませんでした。

ビーフエキス製造方法変更の検討

上記再調査結果にもとづき、安全性に問題なしとの立場をとる一方、念には念を入れる予防的措置として次回製造ロットから「OIE基準」に従うべく製造方法変更の準備を開始いたしました。

10月5日(金) 厚生労働省より通知発表

通知内容は、次のとおりです。

  1. 食品製造・加工者は、牛の特定危険部位を使用しているかどうかを確認し、保健所へ報告すること
  2. その結果、、特定危険部位を使用 または使用しているかどうかがわからない場合は自主回収せよ。
  3. ただし、原料となる牛骨などが狂牛病非発生国のものである、または加熱等の方法がプリオンを不活化させる方法(=OIEをはじめとする国際基準)にしたがったものであれば、この限りではない。
  4. これらの結果は全て10月末に公表する。

取り扱うビーフエキスは、特定危険部位であるせき髄を使用しているため【2】項に該当し、加熱方法が国際基準に達していないため例外(3項)にあてはまりませんでした。商品の安全性については産地との信頼関係にもとづく情報公開などを通じて絶対の自負がございましたが、行政の指導にはしたがうとの立場から、苦渋の選択として自主回収を決断いたしました。同時に対象商品のメーカー各社様には保健所への届け出をお願いいたしました。

10月8日(月)~ 第二次緊急チラシ配布

ただちに全ての牛産地の飼養環境の再確認調査を実施いたしました。その結果、主力産地である岩手県産の肉牛・日本短角種と自主回収の呼びかけと、この間の経緯、宅配でお届けしている牛由来原材料を使用した製品に関する詳細な確認結果をチラシとホームページでお知らせいたしました。また、商品回収は翌週の15日(月)から開始いたしました。

11月2日(金) 厚生労働省による発表

10月5日付通知で出された全国レベルの調査結果が公表・報道されました。結果は冒頭に申し上げたとおりです。 また、自主回収対象となったにせよ、弊社取り扱い商品は皆さまにお召し上がりいただいても差し支えないものと確信しており、情報は全て明らかにするとのスタンスから報道各社様の取材にも応じ、当日は緊急に厚生労働記者クラブにおいて記者会見も開催するなど情報公開に努めました。

2.自主回収対象商品

カレールウ(辛口、中辛、お子様)、オラッチェカレールー(辛口、中辛、お子様)、デミグラスソース、オラッチェデミグラスソース、チキンシューマイ、大地水ぎょうざ、カレーまん、シャーピン、肉春巻、豚肉まん、生ラーメン醤油、生ラーメン味噌

3.今回の調査結果の発表に対する見解

この未曾有の「狂牛病」という問題に対して率先して情報を開示し、なおかつ消費者の皆さまの不安に配慮し、大地を守る会としての判断で「自主回収」いたしました。この決断は、他の多くの加工食品メーカーなどにも積極的に情報公開をしてほしいという思いも込めたものでした。

しかし、今回の発表では全国でたったの22品目しか回収している商品がなかったのです。私どもは、日本の食品業界は果たして厚生労働省の「自主回収」の通知にしたがって調査をきちんとしたのだろうかとの疑念をもたざるをえません。「正直者がバカを見る」という結果になっているのではないでしょうか。

製品を作るときに、原料をどうするかという「入口」の段階がある一方、最終商品が加工されて完成する「出口」の段階があります。大地を守る会が発足当初からポリシーにしているのは、「入口」の段階で徹底的に安全性にこだわるということです。今回のビーフエキスに関しても「入口」の段階で原料となる牛には過去10年さかのぼって肉骨粉を与えていないということを弊社の担当者が農家までたずねて確認いたしました。これまでの産地との信頼関係をもとに、まずは「入口の安全性」を担保いたしました。

私どもがもつこうした原材料の履歴の追跡能力は、現在どこの企業にもないものだと考えております。精肉にも生産者名を表示し、「どこの誰が作ったかわからない」というようなモノをお届けしてはおりません。ですから、こういう問題が起きたときにも最もよく情報を取得できる体制にあるのですが、そのベースはあくまでも生産者会員やお取引先との信頼関係です。今回の狂牛病問題で問われているのは、実はこうした「原材料および加工方法の確かさ」に対する企業の説明能力なのではないでしょうか。

この点、大地を守る会が大地宅配を通じてお届けしている全ての商品の安全性は、食品業界の中でも最高水準に達していると自負しております。また、今回の回収対象商品についても何らかの社会的な責任や瑕疵があったというわけではございません。

大地を守る会は今後も生産者・お取引先との信頼関係をさらに強め、よどみない情報公開と「顔の見える」食品の開発に邁進してまいります。
今後とも大地を守る会ならびに大地宅配へのご注目をなにとぞよろしくお願い申し上げます。

※ なお、以下の6品目につきましてはすでにチキンエキスに切り替え、10月22日(月)よりお届けを再開しております。
※ チキンシューマイ、大地水ぎょうざ、カレーまん、シャーピン、肉春巻き、豚肉まん





狂牛病 消費者が求めるのは安全宣言ではなく「よどみない商品情報」 ~大地を守る会の見解~

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環境保全型畜産へ大きな前進。 国産飼料100%、長期自然放牧の牛肉販売開始。