放射能問題により売上減に悩む東北産品、支援特集を組むことで売上1.7倍。大地を守る会はこれからも「食べて復興応援」を呼びかけ続けます |
2012年4月9日 |
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要 旨
有機食材宅配のパイオニア・大地を守る会は、震災直後より「食べて復興応援プロジェクト」を立ち上げ、東北産品の購入を呼びかけたり、義援金付き商品を販売してきました。震災後1年が経ち、徐々に被災生産者も製造を開始し、商品の放射能不検出も確認しているものの、「それでもなんとなく不安」という消費者の気持ちからか、思うように売上が伸びずに悩んでいます。そこで被災生産者の特集を組んだところ、初回は新製品としての通常の6倍、第2回目は通常時と比較して1.7倍を売り上げました。大地を守る会はこれからも商品の放射能測定をして安心を確認していくとともに、消費者の「なんとなく不安」を解消していくためにも被災地特集を定期的に実施し、食べて復興応援を呼びかけ続けます。
●復興応援の意識はあるものの、伸びない東北産品売上。
大地を守る会は震災直後より「大地を守る震災復興支援基金」を立ち上げ、生産者や消費者に協力を呼び掛けてきました。会員は13万6千人ながら、すでに1億円を超える基金を集めました(3/2現在 111,587,735円)。震災直後よりは減ってきたものの、年を明けても毎月100万円以上の入金があります。
また大地を守る会では基金とあわせて、食べることで被災地を応援しよう、と東北食品の購入を呼び掛けたり、義援金付き商品を消費者に提案してきました。昨年夏至に開催したイベント「100万人のキャンドルナイト」や、2012年3月に開催した生産者と消費者の交流イベント「大地を守る会のオーガニックフェスタ」でも、復興応援屋台を実施し、被災生産者の応援をしてきました。3月実施時の屋台でも完売するなど、支援意識はまだまだ継続していることがわかります。
ただ、大地を守る会の生産者である宮城県の蒲鉾店は、幸いにも津波の直接被害は逃れ、5月に製造を開始したものの、開始直後は震災前以上の売上をあげたのに対し、現在では震災前の約8割程度の売上になっています。同じく宮城県の干物などを取り扱う商店も、現在震災前の6割程度の売上にとどまっています。どちらの商品も放射能不検出を確認し、消費者に公表をしているのですが、「なんとなく不安」という消費者の気持ちからか、売上は思うように伸びずに悩んでいます。
100万人のキャンドルナイト@増上寺の食べて復興応援屋台。被災生産者が自慢の食べものをもって集まった。(2011年6月)
●支援喚起で売上アップ。石巻の練り製品が、初回は通常の6倍、2回目も1.7倍の売上。
しかし津波で甚大な被害を受けた練り物などを製造するの高橋徳治商店(宮城県石巻市)が、2012年1月に製造を開始するのにあわせて、大地を守る会のウェブストアにて特集を組んだところ、第1回目の販売は通常の6倍(類似商品の新製品投入時と比較)、第2回目も通常の1.7倍(類似商品の通常販売時と比較)売り上げました。販売担当者によると、練り物製品でここまで売上が動くことは珍しいということです。この動きを、支援意識はあるものの「放射能不検出と言われてもなんとなく不安」という気持ちで、なかなか消費行動に移せない消費者の不安な気持ちを覆す支援意識に訴える特集が響いたもの、と分析しています。
大地を守る会は放射能測定を通じて、商品の安全性を確認することはもちろんのこと、これからも定期的に被災生産者の特集を組んで、食べて復興応援を呼びかけ続けていきます。
おとうふ揚げ。
津波の襲来から1カ月経った工場の前の道。
生産者からのことば~高橋徳治商店 社長・高橋英雄さん
東日本大震災で津波に遭い、一時はもうだめだ...とあきらめ かけた時期もありました。皆さんの温かい応援のおかげで 再開できたと思います。これからもがんばりますので、 よろしくお願いします。
大地を守る会とは
自然環境と調和した、生命を大切にする社会の実現をめざし、1975年に設立のソーシャルビジネス(社会的企業)。安全・安心とおいしさにこだわった農・畜・水産物、加工食品、雑貨等をお届けする宅配サービス他を運営しています。現在、利用者数は約13万6千人、生産者会員は全国に2,500人(2011年12月末現在)。
お問い合わせ(取材ご希望の場合は、下記担当までご一報下さい)
広報担当:中川啓、齋藤史恵、宇田川千夏
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