学ぶ

モデル香菜子さんの「つまみ食い学び 」 Vol.5

有機パクチーを作る福山さんに学ぶ、生き方のヒント

 

「はじめまして。パクチー子(香菜子)です」

 

ハーブスマン’sの福山さんとの初対面での挨拶にしてみました。

ウケました(笑)

 

img_2426

 

ハーブを主に作られている福山さんの畑、ハーブスマン’sは農薬、化学肥料などを一切使わず、自家製の堆肥を施した有機栽培を行っています。出荷の5割がパクチー(漢字表記:香菜)だそうでパクチーの福山さんと言ってもいいほど。

 

img_2343

 

img_5216

 

そして、私はパクチーが好きで冷蔵庫に常備しています。名前が香菜子だからパクチー好きになったわけではありませんが、今回はもうこれはご縁じゃないかという畑見学。

あの独特の風味にとりこになっています。始めての出会いは高校生の時に訪れたタイ旅行での食事で。その時からすんなり受け入れていました。実家の隣にタイ人が住んでいて、時々タイ料理を振る舞ってくれたのもパクチー好きに拍車がかかりました。

私のように好きな人はどんどん好きになっていくし、嫌いな人はずっと嫌いなまま、というパクチー。嫌いな人に無理強いするつもりはまったくないのですが、今回、福山さんが茨城県で取り組んでいるハーブ栽培は日々の生き方のなにかヒントになりそうなこともたくさんあって。ぜひ読み進んでいただけたら幸いです。

 

img_2420

 

福山さんが就農したキッカケは?

東京生まれの福山さん、若い頃はアジアなど放浪の旅にでていたそう。そこで心や体、食べ物、そして環境はすべてつながっていることに気づき日本に戻り、ここ茨城県行方市で26年前から農業を始められたということ。なぜ東京生まれの福山さんがこの土地を選んだのですか?

「もともとこの土地は有機野菜を作る農家が多かったので入りやすかったんです」

有機農法で作物を作りたくても近隣の農家さんが虫がこないように農薬を使用していたら、「おまえの畑が農薬使わないから虫が減らない!」と共存していくことが困難だという話を聞いたことがあります。いくらひとりで頑張っても、周りの理解がないとスタートラインはマイナスのとこからになってしまいます。

 

そしてアジアで出会ったスパイスやハーブに魅了され、パクチー作りも始めたそうです。英語でコリアンダー(coriander)、中国語で香菜(シャンツァイ)、タイ語でパクチー。今はどの呼び名でも近年のブームのおかげで通じます。

「でもねえ、パクチー作りを始めたころは、まったく売れなかったんだよね」と福山さん。それでもパクチーのおいしさを多くの人に広めたいという気概でいまはこの通り!

一面に広がるこパクチー。

ずっと先までパクチーです。

 

img_5230

 

実はパクチーは暑さが苦手な植物

10月から11月の涼しい時季が収穫の最盛期なのだそう。ん?そういえば、パクチーって暑い国でのお料理によく使われますよね。涼しくても大丈夫なんですか?

「実はパクチーは暑さが苦手な植物なんです。タイでもベトナムでも涼しい地域で作られるんですよ」夏の雨が降った翌日の晴れた蒸し暑い日は最も葉が弱って溶けてしまうそう。 

 

その反対に風が吹いて乾燥していると収穫した際に、パクチーの性質で葉同士がくっつきやすくなり、扱いが大変なので朝露が乾かない水分が付いた状態で収穫がいいそう。強い香りを放つのに、なかなか繊細なんですね。

 

img_2458

 

パクチーの周りにはヒメオドリコソウという雑草がよく生えるそうですが、これを手でていねいに抜いていきます。名前はかわいいのですが、こいつ(あえて「こいつ」と呼ばせていただきます…)は根をしっかり張り栄養をとってしまいます。

実際、このヒメオドリコソウを抜くお手伝いをしてみたら、それはそれは抜きにくい。根だけ残って上だけとれてしまうのです。

 

img_2468

 

根っこごと取らないとまた生えてきてしまいます。ただ、冬はとりすぎないように。寒くなるとヒメオドリコソウさんが暖をとってくれるのです。(先ほどの扱いに差が!)

 

img_2496

 

共存しているんですね。

そうして日々、温度や湿度、環境に気を配りながら育てられたパクチーは水できれいに洗われて出荷されていきます。取材したこの日は木枯らし一号が吹いた寒い日。そんな日でもこうして、ていねいに洗っているのです。

 

img_2464

 

福山さんの畑にはパクチーの他にミント、タイム、セージ、ラベンダーやローズマリーなどハーブもたくさんあります。畑見学をしながら試食で口がずっともぐもぐしていました。

 

img_2530

 

どれもそれぞれの個性が引立つおいしさ。

ハーブの他にも珍しい洋野菜も。ベルピーマンという可愛らしいピーマンはまるでリンゴのような甘さ。夏の名残の茄子や枝豆、トマトはまだ畑には残っていましたが、もうすぐ終わりを迎えちょうど季節の変わり目なんだと実感しました。

 

畑の帰りは森のお散歩

 

畑見学が終わったころ、お昼ご飯を奥さまののり子さんがご用意してくださっているとのことでお宅におじゃまさせていただくことに。畑からご自宅まではこのような素敵な山道をすすんでいきます。

 

img_2507

 

途中、山栗が落ちていたり、肉桂の幼木が生えていたり。肉桂は葉をもみもみしたらシナモンの香り!福山さんは道すがら山のいろんなことを教えてくれます。

 

img_2544

 

そしてこれ。

 

img_2539

 

鳩がここで何ものかに食べられた跡だそう。「もしかしたら、フクロウがやったのかな?」

特定はできませんがフクロウの鳴き声はここ最近よく聞こえてくるそうです。「フクロウが生きられる森って素晴らしいんですよ」それはどうしてですか?

「フクロウって食物連鎖のピラミッドの頂点にいるんです。その頂点の生き物が増えてきたってことは裾野も広がってきている証拠。森が豊かになったってことなんです」福山さんの周りがそうなっているということはきっとなにかひとつの答えがでてきているのではないでしょうか。

 

さてお楽しみのお昼ご飯。

 

img_2545

 

自家製の野菜とハーブを使ったお料理の数々!

 

img_5245

 

 

img_5246

 

根菜やお豆がたっぷり入ったカレー、ジャガイモやベルピーマンが入ったサラダ、

レタスとニンジンのサラダ

取材中にご近所さんが持って来てくださったできたてコンニャク!

そして食べ放題状態のパクチーどんぶり盛り。夢の食卓……。

 

すべておかわりしたのは言うまでもありません。

 

img_2571

 

福山久之さん、のり子さん、ありがとうございました。

この日、家に帰ってからものりこさんのカレーのおいしい余韻があり、またカレーが食べたくなってしまったので夕飯にカレーを作りました。2食続けてカレーでも大丈夫な私です。

お土産にパクチーやミントをいただいたので、カレーにどっさりかけてみました。

 

img_5253

 

ごちそうさまでした!

 

福山さんのパクチーはこちら

つまみ食い学び Vol.1はこちら→「つまみ食い学び 」はじめます。

つまみ食い学び Vol.2はこちら→ぬかのまま食べられる、新感覚のぬか漬け

つまみ食い学び Vol.3はこちら→「おいしい牛乳」ってどんなの?

つまみ食い学び Vol.4はこちら→“うしろめたさを感じない”インスタントラーメンのつくりかた

 

香菜子さん

香菜子 プロフィール

クリエーター・モデル 
時にはモデル、時にはイラストレーターやデザイナー。
ときどき執筆、ディレクション。いいものができるなら手段はいろいろ。
LOTA PRODUCT www.lotaproduct.com

所属事務所 FRIDAY http://fridayfarm.net


近著 「ずっと好きなもの、これからのもの 心地いい暮らしのアイテム77」(KADOKAWA)

雑誌連載 
Plus 1 Living(主婦の友社) 「季節のクラフトレシピ」
リンネル(宝島社)「家事効率化計画」
Web連載
ELLE maman  「こどものからだにいいこと」
暮らしとおしゃれの編集室「日々にピタリなもの」

 

大地を守る会編集部

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。