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気になる産地を訪問 大人の遠足 ~山形編(前編)~

知られざる魅力、”美食の宝庫”山形へ

“大人の遠足” こだわりの食材との出会い

 寒さが日に日に増し、豊穣のひとときが楽しめる季節を迎えた山形県へ、1泊2日の”大人の遠足”に出かけ、山形の風土が育んできた伝統的な野菜や、山形県ならではの自然環境との出会いを求めて生産者を訪れました。

まずは収穫を終えたばかりの日本ワインのトップブランド『タケダワイナリー』へ

タケダワイナリーは、蔵王連邦のふもと、山形県かみのやま温泉からほど遠くない、東南斜面に約15ヘクタールにおよぶ自家農園を所有している、大正時代から続く老舗ワイナリーです。1920年開園以来、「良いワインは良い葡萄から」をモットーに、日本では珍しい土づくりから始めた葡萄栽培と手摘みの収穫、醸造、フレンチオークによる樽熟、瓶詰め、そして出荷まですべて一貫し、農園内の自社ワイナリーで丁寧に行っています。

 

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ヨーロッパ系の高級ワイン専用品種であるカベルネ・ソービニョン、メルロ、シャルドネを、日本では希有な垣根仕立てで栽培しています。すべてのワインに使われる葡萄は、人の手と目で未熟果や病気のついた房がないかを選果していきます。

 

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フレンチオークによる熟成。

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高級銘柄は樽で熟成されます。その年のワインの力強さや出来具合により、どのような樽を使用するかを選んでいます。豊富なワインリストもタケダワイナリーならでは。

 

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バランスのとれた味が自慢の蔵王スターなど、山形県産葡萄を100%使用した「タケダワイナリー」シリーズは7種類、自家農園産葡萄から作り出されたハイクオリティーワイン「ドメイヌ・タケダ」シリーズは3種類をラインナップしています。テイスティングさせていただいたワインはどれも個性のある味わい。専務の岸平さんは「日常の家庭料理にはもちろんのこと、ちょっとお洒落な食事にも幅広くご愛飲ください」と教えてくれました。

 

次に訪れたのはハム・ソーセージ工場の『スモークファイン』

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鮮度の良い国産豚肉を使用し、保存料や発色剤、結着剤を使わない無添加のソーセージを強いこだわりを持って造り続けている、大地宅配でも人気の商品です。代表の片平啄郎さんの「大切な人に食べてもらおうと考えて作っています。食卓に顔が増えることを願っている」という想いが詰まっています。

 

ハム・ソーセージの本場ドイツで開催される食肉加工商品のコンテスト「国際食肉コンテスト」ではたくさんの商品が金賞を受賞し、2013年には念願のトロフィーも獲得。試食をさせていただいたソーセージやローストビーフは、一瞬で完売となりました!

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2日目は、おきたま興農舎の在来種「日本むかし野菜」の畑へ

 1989年、年の瀬せまる12月27日、山形県南部3市5町からなる置賜地方で、青年団や農協青年部などで青年運動を共にした友人11名で設立したのが「おきたま興農舎」。「土と語らい、土を大切にした農法でたくましく育った農作物は必ず美味しい」をこだわりに、農薬や化学肥料を使わないだけでなく、体内を酸化させ、健康を害する最大の原因「亜硝酸窒素」を取り込まない土壌改良に20年取り組んでいます。

まずは、食用菊「もってのほか」や「曲がりネギ」を栽培する伊藤さんの畑。色鮮やかな「もってのほか」は、農薬不使用の栽培をしているため、収穫したその場で味見をさせていただきました。自然の香り漂う、菊の本来の味と香りが楽しめます。伊藤邦彦さんと奥様の房子さんは、置賜盆地北部の野菜産地、南陽市梨郷の野菜農家でお米も作っているそう。

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もってのほか。

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曲がりネギ。

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伝統野菜の下仁田ネギや九条ネギに共通するのは夏の植え替えが必要なことです。「曲がりネギ」は寝かせて植え替えて上に成長するので、結果的に曲がった格好になります。昔は東北地方各地で「曲がりネギ」が作られていましたが、直ネギが主流となり、ほとんど作られなくなりました。

伊藤さんは栽培を続けていた農家さんから種を譲り受け、自家採種して作っています。繊維がやわらかくて火が通りやすくて甘く、分けつするのであまり太くないのが特徴。曲がって育つことで軟らかさや甘さが増すのだと信じられていますが、実は夏の植え替えがカギのようです。

 

次に向かったのは、おきたま興農舎の代表、小林亮さんの日本ほうれん草、山形青菜、仙台雪菜の畑へ

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特に赤い根の部分が甘いのが特徴の「日本ほうれん草」。特に根元の赤身が強く、甘みのあることから「山形赤根ほうれんそう」とも呼ばれています。寒くなると根っこから茎にかけての甘さが果物並みになります。


西洋ほうれん草と違い、大株でアクが少なくシャキシャキした食感があります。一年中店頭に並ぶほうれん草とは違い、日本人が昔から愛してきた日本の風土に合った懐かしくもおいしいほうれん草です。

 

最後に訪れたのは高畠町亀岡地区のりんご農家

本田達義さん、クニヨさん、孝博さん、久美子さんのりんご園は、まるでおとぎの国のようでした。樹齢60年のふじが実るりんごの古木は、生命力に溢れています。

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収穫の体験もさせていただき、採れたてをがぶり。したたるような果汁と、シャキッとした歯ごたえが何とも言えぬ美味しさです。

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果物の中でも最も手間がかかると言われるりんごには、本来ならたくさんの農薬が必要ですが、昔ながらの木酢液や、効き目が弱くても安全だと判断できる農薬のみを必要な時にだけ使用する減農薬・無化学肥料栽培をしています。りんごの木を1本1本見て回り、病気になっていないか、虫に食べられていないかの確認も決して欠かさず、自分たちが納得できるりんごを育て続けています。

 

山形県ならではの風土が生んだ豊な作物の数々

絶滅の危機にある在来種「日本むかし野菜」は、次の世代へとバトンを繋ぐことが大切です。次回は生産者を訪ねて交流する旅“大人の遠足”の山形県編 後編をお届けします。

大地を守る会編集部

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。