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やまけんの大地を守るうんまいもん探訪⑦

【やまけんコラムvol.7】お酢の値段の違いはおいしさの違い

「やまけんの出張食い倒れ日記」や「日本の食は安すぎる」で注目のフードジャーナリスト、やまけんこと山本謙治さんが、大地宅配の食品についてとことん語ったコラム。大地を守る会の機関紙『NEWS大地を守る』に掲載されていた人気コラム「やまけんの大地を守るうんまいもん探訪(2011年~2014年)」を再掲載します。今回はその7回目。テーマは「お酢」です。

僕の家の料理では、お酢が炒め物や煮物の隠し味にすばらしい活躍をしています。

愛用しているのは飯尾醸造の「富士酢」シリーズ。

京都・宮津の栽培期間中農薬不使用の米を100%原料に静置発酵でじっくり醸造。濃厚な味わいが特徴

一升びん2本分を買いますが、それでもすぐ使ってしまいますね。お酢はアルコールを発酵させて造ります。どこの国でも、自国の最も一般的な穀物や果実でお酒を造り、発酵させてお酢にします。だからフランスやイタリアではワインビネガー、イギリスではモルト(麦)ビネガーなのですね。

日本の代表的な穀物はお米で、そのお酒が日本酒。そのお酢が米酢というわけです。

でも、安い米酢にはあまり米が使われません。変な話ですが、JAS規格では1リットルのお酢を造るのに、お米を40g使えば米酢と名乗れます。本当は、1リットルのお酢はそれっぽっちのお米では造れません。

対して、飯尾醸造の「富士酢」はその5倍(200g)、「富士酢プレミアム」はなんと8 倍(320g)のお米を使っています。

飯尾醸造が20年来夢見てきた「大吟醸のように繊細で、しかも旨みがあるお酢」。 昔ながらの古式「静置発酵」と「長期熟成」をさらに極めた一徹な造り。

そして、発酵のやり方も違います。低価格なお酢は数日間で発酵を終えるのに対し、富士酢は半年から1年以上の時間をかけてお酢にします。なぜそんな差があるかというと、アルコールをお酢にする酢酸菌は、表面の空気とふれ合っている所で活動します。

しかし、低価格なものは期間短縮のため、空気をぶくぶく循環させて速効的に造ってしまいます。飯尾醸造は静置発酵といって、置いておくだけ。実は今回の写真(下)がその酢酸菌の表面なのです。

時間はかかりますが、その分味わいが増します。並べてなめればすぐわかる。シンプルな料理でも味が三段階ほど上がるので、実は安い買いものなのです。

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やまけん

山本謙治(やまもとけんじ)

1971年、愛媛県に生まれ、埼玉県で育つ。農産品・食品などのコンサルタント会社(株)グッドテーブルズ・代表取締役社長。『日本の食力―国産有機物がおいしい理由』ほか。ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記(www.yamaken.org)」が人気。

大地宅配編集部

大地宅配編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。