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おいしろいに包まれたおいしさ

【NEWS大地を守る6月号】相棒はブルームきゅうり

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「ブルームきゅうり以外は考えられない」と、相棒と一緒にポーズをとる鈴木さん。

いつもそばにいるきゅうり。福島わかば会(福島県)の鈴木正幸さんには、ブルームきゅうりという相棒がいます。50年連れ添っている、鈴木さんとブルームきゅうりのお話です。  

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ブルームという名のおしろい

「ブルームきゅうりはおいしさが違うんです。食べてみて」。手で割ったきゅうりの断面からは、水分がみるみるあふれ出ています。一口かじると、みずみずしさとほのかな甘みが、心地よく口の中に広がります。きゅうりを手にして微笑むのは、きゅうりの一大産地・福島県の郡山市で、ブルームきゅうりを50年近く育て続ける福島わかば会の鈴木正幸さん・栄子さん夫婦です。

鈴木正幸さん(右)のもう一人の相棒、お連れ合いの栄子さん(左)も50年の仲です。

「ブルームは、きゅうりの表面に付いている白い粉のこと。これは、水分の蒸発を防ぐため、きゅうり自身が生成する成分です。ブルームで覆うことで、病気にかからず健康な状態を保つよう、実を保護しているんです。ブルームきゅうりは果肉がしゃきっとみずみずしく、甘みがあるのが特徴の、昔ながらのきゅうりです」。

まるでおしろいのようなブルームは、夏に一番のります。

  まとった〝おしろい〞の内においしさを秘めるブルームきゅうり。しかし、今では、目にする機会はほとんどありません。「白い粉が農薬のように見えるということで、見た目がよくないと敬遠されています。そのため、一般の市場では商品価値が低く、出回らないという状況です。今、出回っているきゅうりの多くは、ブルームレスきゅうり。よい見た目で売りやすいと開発された、白い粉が付いていないきゅうりです。ブルームレスきゅうりは、ブルームがない分実を守るため、皮がかたく、果肉がやわらかいのが特徴です」。見た目がよくないという理由だけで、きゅうりの本来持つ力が生かされた昔ながらのおいしさが、なくなってきている現状があるのです。  

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いつでも一緒で通じ合う存在

「まわりでブルームきゅうりを作っている人がいると聞いたことはありませんが、私はやっぱりブルームきゅうりです」。そう話す鈴木正幸さんは、毎朝5時に畑に向かいます。きゅうりは生長が早いため、朝と夕方の2回収穫を行うのです。「1回で、春は600本、最盛期の夏は1000本以上を2人で収穫します。きゅうりも頑張って育ってくれるので、頼もしいです」。

畑に来ると、常にきゅうりの状態を確認する鈴木さん。

1本1本、生長度合を見極めて収穫。

茎や実の断面からあふれ出る水分は、健康に育っている証拠。

とげを傷つけないよう、端を持ってかごや箱に入れていきます。

さらに、鈴木さんはブルームきゅうりを、極力農薬を使わずに育てています。きゅうりは病害虫の影響を受けやすく、慣行栽培(参考:福島県慣行使用基準)では40回以上もの農薬を使用します。一方、鈴木さんは畑に足しげく通い、きゅうり自らの力がのびるよう環境を整えることで、10回ほどにとどめられています。 収穫しながら鈴木さんが手にするのは、きゅうりの葉。「具合が悪そうな葉があれば、より悪くならないよう、また他に広がらないようすぐに取ります。葉が多すぎる場合も、先々の葉まで順調に育つよう間引きします」。

具合が悪そうな葉はすぐに取ります。

葉が多すぎる場合も、バランスよく間引きします。

ふと根元に目を向けると、「きゅうりはほぼ接ぎ木で栽培されますが、土台となる根はかぼちゃの根を利用します。病気に強く吸収力があるので、繊細なきゅうりにぴったりです」と鈴木さん。栄養源である土には化学肥料ではなく、ボカシ肥料や有機質液肥などを使用しています。

接ぎ木で栽培されるきゅうりの土台は、なんとかぼちゃの根。

  「暑過ぎて元気がない、栄養がほしいなど、きゅうりの状態を肌で感じるんです。気が付けば一緒にいて、通じ合っている存在です」。鈴木さんにとってブルームきゅうりは、まさに相棒のようです。  

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苦労を乗り越え50年。これからも一緒に

50年連れ添う中には大きな苦労もありました。「一つは、慣行栽培から切り替えた頃。収穫が安定するまでに10年かかりました。やめようと思った時もありましたが、福島わかば会のメンバーの助けがあり、そして何よりこのおいしさを残したかった。もう一つは、東日本大震災。物質的な被害はあまりなくてすみましたが、とにかく野菜が売れませんでした。最初は知り合いや地元の方が買ってくださり、支えられました」。鈴木さんは相棒のブルームきゅうりとともに、うれしいことも苦しいことも乗り越えてきたのです。

「気が付くと一緒にいる。ブルームきゅうりはそんな存在です」。

いつでも一緒なのは食卓でも同じです。「必ずきゅうり料理があります。この地域では醤油・砂糖・生姜・酢で煮て、塩昆布で和えた佃煮もよく作ります。チャーハンや酢豚などの具にしてもおいしいですよ」とはお連れ合いの栄子さん。

きゅうり入りのチャーハンと酢豚、きゅうりの佃煮(上から)と、幅広い料理に使えます。

「ボウルできゅうりと他の好きな具をごはんに混ぜてから、フライパンで炒めると楽ですよ」と栄子さん。

まずはそのままでおいしさを味わって。鈴木さんのお気に入りは、"味噌マヨ"を添えること。

  きゅうりの佃煮を口にした鈴木さんは、「やっぱりブルームきゅうりにはかなわないね」と満面の笑みを浮かべました。この夏、おしろいに包まれたそのおいしさに、きっと驚くはずです。   「おしろいきゅうり」はこちら ※福島わかば会のブルームきゅうりをお届けします。  

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。