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その味、清らかな水とたくさんの豆の味

【NEWS大地を守る8月号】明日へつなぐ神泉の御豆腐

 

皆さんの御用を承る蔵という思いが込められた「御用蔵」のれんの前で。会長・木谷富雄さん(中央)、息子で代表・善光さん、娘で代表・真実さん(左から)、品質管理担当・高田早紀さん、工場長・小見恵一さん(右から)。

古くから私たちの食生活に親しみ深い豆腐。工房や畑には、さまざまな変化が静かに訪れていました。変わりゆく世の中、伝統の豆腐を作り続けるヤマキ(埼玉県神川町)とともに、豆腐、ひいては食のあり方について考えます。

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変化しつつあるいつもの豆腐

一年を通してはお味噌汁、夏は冷奴、冬は湯豆腐……。豆腐は、私たちの食卓に昔からありました。豆腐の発祥は中国で、少なくとも唐の時代には作られていたとされています。日本へは、奈良時代から平安時代にかけて遣唐使として中国に渡った僧侶や学者が、豆腐の作り方を教わって持ち帰り伝わったという説が有力です。はじめは主に僧侶や武士の食べものでしたが、江戸時代に入り、一般の人々にも広がっていきました。

具材の「神泉豆腐」、ゆば、油揚げから味噌まで、すべてに国産大豆が使われているヤマキの味噌汁。

 

「日本人に親しまれている豆腐ですが、状況が昔とずいぶん変わってきています。特に戦後の高度経済成長期以降、『効率』が重視され、古くからの素材や作り方がだんだん失われてきました」。そう話すのは、ヤマキ(埼玉県神川町)の会長・木谷富雄さん。創業1902年のヤマキは、味噌・醤油作りから始まり、国産大豆、神泉の名水、天然にがりを使い、「神泉豆腐」で皆さんにもおなじみの伝統の豆腐を作り続けています。

 

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自然をそのまま生かして作る

夏に向けて緑が深まりつつある山に囲まれた工房。大きな貯蔵庫を覗くと、そこにあるのはたくさんの大豆でした。「神泉の名水を吸収して、元の大きさの2倍にふくらんでいます。浸漬だけでなく、豆腐を水にさらす時やパックの中の水も、すべての場面で使用するのは神泉の名水です」。22年間豆腐を見つめてきた工場長の小見恵一さんは話します。

秩父山系の古生層・花崗岩に磨かれた神泉の名水をたっぷりと含み、元の大きさの2倍ほどにふくらんだ原料の国産大豆。

 

群馬県との県境、神流(かんな)川の右岸に位置する神川町は、城峯(じょうみね)山から豊かに湧き出る水が、古くから神前に供える御神水として大切にされる水の里。豆腐作りで大豆同様に欠かせないこの水を求めて、ヤマキは神川町に工房を構えました。

あらゆる場面で使われる神泉の名水は、毎日山から汲み上げてきます。

 

浸漬後、大豆を粉砕した「生呉(なまご)」を温めて搾り、「豆乳」と「おから」に分けていきます。豆乳の表面にもくもくと浮かぶのは、大量の泡。一般では、早く消すべく、消泡剤を添加することが少なくありませんが、ヤマキでは消泡剤は不使用です。

大豆の甘みがふわりと漂います。

 

「温まった状態の豆乳に、伊豆大島の海塩『海の精』を作る時にできた天然にがりを入れて、一発で固めます。これは昔からの方法で、『温豆乳一発寄せ』と呼びます。仕上がった時の風味がぜんぜん違うんですよ」。とにかく数を多く作りたいところでは、失敗を防ぐため、いったん冷やした豆乳ににがりを入れ、再加熱して固めたり、天然にがりではない、凝固力の強い凝固剤を使用したりします。また、豆乳に水を加えて量を増やすこともあるのです。

木綿豆腐は一度固めた豆腐を崩し、再び押し固めてできあがります。

大豆も水もその持ち味を生かして作られる「神泉豆腐」。

 

神泉の豆腐のできたてをいただくと、やさしいやわらかさと、大豆の味と香りが口いっぱいに広がりました。工房内で手揚げしている「神泉豆腐」を使ったがんもどきも、大豆が本来持つこくがしっかりと生きています。

二度揚げでこんがりとしたがんも。

ゆばは1枚1 枚、工房内にて手で汲んでいます。

 

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畑と人の顔が見えるつながり

ヤマキは、原料である大豆の契約生産者・豆太郎グループと二人三脚で、国産有機大豆栽培にも取り組んできています。「全国を回り、畑と人を見つけては、大豆の有機、または特別栽培をお願いし、豆太郎グループのメンバーを増やしていきました」と木谷さん。「大豆の有機栽培を始めたきっかけは、父の病気でした。当初は、慣行栽培の3分の1の収穫量でやめようかとも悩みましたが、10年かけて量もできるようになりましたね」。豆太郎グループの代表・須賀利治さんも話します。健やかな食、生き方への純粋な思いが、今でも両者を固く結んでいます。

父の代から有機栽培に取り組み、大豆を育てる豆太郎グループの代表・須賀利治さん(右)。


「今、大豆の自給率は、国産で6%、うち有機は0・5 1%しかありません。アメリカや中国などから輸入した安い大豆も多く使用されています。また、大豆も対象である種子法が廃止され、不安は募るばかりです。『安く、早く、多く』が重視され、生産者と消費者の距離も遠くなっていると感じています。自然や人の健康に直結する食べ物は、効率ばかりを求めることと合っていないと思います。どこで、誰が、どのように作ったのかがきちんと分かることは、これまで以上に大切になってきているのではないでしょうか」。木谷さんは穏やかな口調で、力強く語ります。

 

「問題が山積する中、食品の表示方法が分かりにくいという問題もあります。例えば、天然にがりを『塩化マグネシウム含有物』と表示しないといけないなどです。選ぶ方に伝わる表示になってほしいですし、イベントなどでも消費者の皆さんともっと情報を共有していきたいです」とは、ヤマキを受け継ぐ息子の善光さんと娘の真実さんです。


明日の一丁、一食を守りつないでいくことは、私たちの日々の選択にかかっています。

 

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