ピープル

「マルディ グラ」シェフ 和知さんちの朝ごはん Vol.5

春から初夏を駆け抜ける野菜のおかず

【3万セット突破記念】初めての方限定!旬の野菜お試しセットが50%以上OFF!1980円【送料無料】

【3万セット突破記念】初めての方限定!旬の野菜お試しセットが50%以上OFF!1980円【送料無料】

手間はかかるけれど、それも楽しむ

暑い日が増えてきましたね。梅雨入りを前に、昼間は30度に達する日も出てきて、体が夏の準備に追いつけません。季節の移り変わりは本当に早いものですが、特に3月から5月頃、春から初夏へと向かう時季は、毎年ちょっと気持ちが焦ります。というのも、食べたい野菜が多すぎるから。

ひなびた“おばあちゃん料理”が大好きなダンナさんでよかったです。


春夏秋冬、それぞれに旬の味があるけれど、この季節は特に、短いサイクルでいろいろなものが出てくるので、うかうかしていると食べ逃してしまいます。大地を守る会のカタログも、いつも以上に入念にチェック。今回は、ここ2〜3ヶ月に食べた、そんな野菜を振り返ってみたいと思います。

茎立菜やかき菜、のらぼう菜などの春の菜っ葉は、毎週、なにかしら必ず食べていました。これは石岡高菜のおひたし。軸の部分も柔らかくて甘いんですよね。他には油揚げや仙台麩(揚げ麩)などと煮浸しにしたり、オリーブオイルで炒めたり。

石岡高菜のおひたし。アブラナ科の菜っ葉は、可憐な黄色い花がかわいいですね。

根みつばは、おひたしやナムルにするほか、卵とじもおいしい。お吸い物に入れる糸みつばとは違う、力強い風味がたまりません。ふだん、朝ごはんづくりは前夜のうちに煮物をつくったり、菜っ葉類は下ゆでをしたり刻んでおいたりするのですが、根みつばは切り置きしておくとすぐに切り口が茶色に変色してしまうので直前に調理します。昔、編集者の先輩が「切り口が茶色いみつばを出すお店は信用できないわ」と話していたことが頭から離れず、自分で料理をするときも常に意識をするようになりました。

根みつばのナムルと、根っこのきんぴら。忙しいときに根っこの掃除は、もうっ!と投げ出したくなるけれど、それでも捨てられないのです。

そして、根みつばといえば、やはり根っこ。この立派な根っこを捨ててしまうのはもったいなくて、面倒だなあと思いつつ、毎回、ゴシゴシと掃除をして、きんぴらをつくっています。これはさすがに前日に作業していますが。

山うどは、厚く皮をむいて、芯の部分は、さっとゆでてわかめと酢味噌和えに。我が家の味噌は、和知の実家から送ってもらう自家製味噌。いま使っているのは3年もので、すっかり深い飴色に変化しています。冬場、黄柚子が出回っている間に、この味噌で柚子味噌をこしらえておき、酢味噌はそこへ溶き辛子と米酢を加えるだけ。お店で食べるような、黄色くとろっとした酢味噌ではありませんが、山うどの香りには、この素朴な酢味噌がよく合う気がします。皮は細切りにして、これまたきんぴらに。なにせ和知がきんぴら好きなので、こればかりつくってしまうのです。

うどの酢味噌和えと、皮のきんぴら。1つの野菜から2つのおかずがつくれると、ちょっと得した気分になります。

【3万セット突破記念】初めての方限定!旬の野菜お試しセットが50%以上OFF!1980円【送料無料】

思い出も一緒に食べる朝ごはん

毎年、登場を楽しみにしているのが、野ぶき。ちょっと太めのものが届いたときには、油揚げと煮物にしたり、ちりめんじゃこと炒め煮にしますが、うんと細いものは、きゃらぶきに。太めといっても野ぶきなので、スーパーで売っているものよりも細く、下処理は大変。塩で板ずりをして下ゆでし、1本1本、すじを引いて。子供の頃、親戚が送ってくれる大量の野ぶきを、祖母と一緒に爪を真っ黒にしながら皮をむくのが、この季節の恒例でした。なんで、こんなに手間のかかることをやるんだろうと、あの頃は思ったけれど、数十年後、その経験をちゃんと生かすことができているのも、ばあちゃんのおかげです。

野ぶきと油揚げの煮物は、淡口醤油であっさり仕上げ。きゃらぶきは、味は濃くしないけれど仕上げに再仕込み醤油を入れたのでこっくりした色に。

初夏に近づくと、さや豆系の野菜もいろいろ出てきますね。絹さややスナップえんどうも大好きですが、なんといっても、グリーンピース! さやから豆を取り出す作業も楽しいです。卵でとじたり、新玉ねぎとくたくたに煮たりもしますが、やっぱり、いちばんは豆ごはん。鮮やかな色を残すために、後から豆を加えるやり方もありますが、私は最初から一緒に炊き込む派。色はあせても、豆のほっこりとした風味がごはん全体に行き渡って、しみじみおいしい。水の他には、酒と昆布、塩だけです。

大好きな豆ごはんは、シーズン中に何度か食卓に上がります。本当は、もっとどっさりと豆を入れたいくらい。


そんな春から初夏の味を中心にした、ある日の朝ごはん。かき菜のおひたし、きゃらぶき、ジャンボいんげんと鶏ささみの胡麻和え、あおさ入り玉子焼きに、豆ごはんと豆腐と葉ねぎのお味噌汁。旬のものが食卓にあると、そこからまた会話が生まれ、お互いの子供の頃の話をしたり。それも楽しいのです。

じつは、この日の豆ごはんは、水加減と火を止めるタイミングを間違えて、豆が柔らかくなりすぎて潰れてしまいました。あぁ、失敗しちゃった。たまには、こんな日もあります。

 

つい先日も、「ちょっと朝ごはんの量が多すぎませんか? 2人分ですよね」と聞かれました。間違いなく2人分です。

 

Text by 鹿野 真砂美
Photo by 和知 徹

 

「マルディ グラ」シェフ 和知さんちの朝ごはん Vol.1はこちら

→ 新連載スタート。肉料理の聖地「マルディ グラ」シェフ和知さんちの朝ごはん

「マルディ グラ」シェフ 和知さんちの朝ごはん Vol.2はこちら

→ あの肉シェフ和知さんも、家では草食なんです

「マルディ グラ」シェフ 和知さんちの朝ごはん Vol.3はこちら

→ 肉シェフ和知徹さんが大好きな朝の卵料理あれこれ

「マルディ グラ」シェフ 和知さんちの朝ごはん Vol.4はこちら

→ 朝ごはんのひとときは、お互いの今を知る大切な会話の場でもあります。

 

鹿野 真砂美
フリーライター。『dancyu』などの食雑誌ほか、レシピブックの執筆、編集を中心に活動中。『銀座マルディ グラのストウブ・レシピ』、『銀座マルディグラ流 ビストロ肉レシピ』、『銀座ロックフィッシュのストウブ・レシピ』(すべて世界文化社刊)の執筆と編集、『シャトー ラグランジュ物語』(新潮社刊)、『これだけで、ラクうまごはん』(新星出版社刊)の執筆協力など。
東京都江戸川区生まれ。父、母方の祖父ともに、江戸前の海苔漁師だった。物心ついたころから台所に立つのが好き。十代のころは両親が居酒屋を営んでいたので、家のごはんは祖母と支度をするのが日課。いま、朝ごはんでつくる料理の多くは「おばあちゃんの味」がベース。

和知 徹
「マルディ グラ」オーナーシェフ。世界中を旅して、そこで得たヒントを自身の料理で表現するのがライフワーク。雑誌掲載、テレビ出演ほか、レシピの著書、共著も多数。カフェやレストランのメニュープロデュースも手掛ける。

Mardi Gras マルディ グラ
東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビル地下1階
電話 03-5568-0222
営業時間/18:00〜23:00(ラストオーダー)、日曜休み
料理はアラカルトのみ。岩手県山形村産短角牛を使った1キロ超えのビステッカなど、豪快な肉料理はもちろんのこと、パクチーどっさりの香菜の爆弾など、個性あふれる野菜料理も人気。

大地を守る会編集部

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。